昏睡状態ってどういう状態?昏睡状態が起きる原因となる症状や病気を知ろう!

「昏睡状態」という言葉を、よく聞きますよね。なんとなく「意識がなくて、眠っているような状態」と思っている人が多いようです。「昏睡状態」とは、「外部から与えられる刺激に反応しない状態」のことです。「植物状態」や「脳死」とは、少し違います。

昏睡状態は、脳の外傷や脳疾患だけでなく、内臓疾患や感染症によっても引き起こされます。だれにでも起こる可能性があるのです。最悪の場合は死に至る危険もあります。

昏睡状態の程度・症状、原因、そして回復方法についてお伝えしますね。

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昏睡状態とは?

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昏睡状態は「意識障害」とも呼ばれます。辞書によれば、「昏睡とは、外部から与えられるどのような刺激にも反応しない状態である。ただし、脊髄反射はある」と、定義されています。

昏睡状態は、その程度により、浅いものから深いものまでⅠ~Ⅴまで5段階に分類されます。一般的に「昏睡」というと、「深昏睡」のことで、外部刺激に全く反応しない状態です。

[昏睡の程度]

昏睡状態あるいは意識障害は、その程度により、いろいろな症状が生じます。軽度の意識障害では、精神障害が生じることがあります。

意識清明

意識がはっきりしていて、通常の意思疎通ができる正常な状態です。

意識が清明な状態でも「睡眠」状態になると、意識がなくなります。しかし、ちょっとした刺激で覚醒します。

明識困難状態

昏睡の最も軽度な状態です。刺激しないでも覚醒していられます。ぼんやりして、意識が集中できず、注意が持続しません。

自分の名前や生年月日が言えなかったり、自分がどこにいるかがわからなくなったり、異常な行動をとることがあります。

傾眠状態

意識しないと、すぐに眠り込んでしまいます。ただし、呼びかけると、反応します。刺激がなくなると、眠ってしまいます。簡単な命令(右手を握れ・手を離せなど)を実行したり、言葉を発したりできますが、間違いが少なくありません。

程度が進むと、痛み刺激を与えたり、大声で呼びかけないと、眼を開けないようになります。

昏迷状態

「昏迷状態」では、強い痛みや大声などの刺激によってようやく眼を開けることがあります。痛みなどの不快な刺激を与えると、払いのけたり、顔をしかめたりします。不快な刺激を与えると、叫ぶこともあります。

痛みなどの刺激を与えると、少し手や足を動かします(自発行動)。

食事を自分でとることはできません。

(逃避反応)

痛みなどの不快な刺激に対し、払いのけるような動作をしたり、顔をしかめたり、叫んだりすることを「逃避反応」といいます。

半昏睡状態

逃避反応はありますが、自発行動はありません。外部から強い刺激を与えても、目覚めることなく眠り続けます。

昏睡状態(深昏睡)

外部からどのような刺激を与えても反応せず、眠り続けます。

[昏睡状態(深昏睡)の症状]

昏睡状態は、外部からの刺激に対して全く反応せず、眠り続けている状態です。「植物状態」や「脳死」とは異なります。

精神疾患でも昏睡と似たような症状になることがあります。統合失調症や緊張病、極めて重度のうつ病では、昏睡と同じような症状が現れます。

➀外部の刺激に全く反応しない

痛みなどの刺激を与えても、大声で呼びかけても、全く反応しません。

②脊髄反射はある

外部刺激に反応しなくても、脊髄反射はあります。

(脊髄反射)

外部から刺激を受けた場合、情報が脳を経由しないで、脊髄を中枢として反応を起こすことです。脳を経由しないので、刺激に対して短時間で反応できます。

膝蓋腱反射・アキレス腱反射・発汗反射など、比較的原始的な反応です。

③深く眠り続けるが、排泄行為はある

見た目は、深く眠り続けるようですが、眠ったままで、排泄行為をします。

④自分で生命維持活動をできることもある

自発的に呼吸・循環・消化を行うことができることもあります。しかし、状態が悪化して、自発呼吸ができなくなれば、「脳死」になります。

⑤覚醒することはない

重度の昏睡では、どのような刺激を外部から与えても、目覚めることはありません。

軽度の昏睡では、強い刺激を与えると目覚めることがあります。しかし、無理に目覚めさせると、精神錯乱を起こすことが多いようです。

[植物状態]

「遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)」といいます。植物状態と昏睡状態が異なるのは、外部からの刺激に対する反応です。

植物状態は、脳の神経細胞が広範囲に損傷され、大脳の機能が働かないのですが、脳幹や中枢神経、循環器、消化器など生命維持に関する機能は働いています。自発的に呼吸・循環・消化ができます。

外部から刺激を受けて、眼を開けたり、眼球を動かすことがあります。しかし、認識することはできません。言葉を発することはありますが、会話にならず、意思の疎通はできません。

植物状態に「無動性無言症」と「失外套症候群」「閉じこめ症候群」を、含めることがあります。

無動性無言症

無動性無言症は、覚醒型昏睡状態の1種で、覚醒と睡眠のリズムがあります。覚醒時には眼を開けて、意識があるように見えます。逃避反応や食物嚥下を行いますが、自発的な運動や自分で発語することはできません。

失外套症候群

失外套症候群は、大脳皮質が損傷されて、機能が完全に失われた状態のことです。眼球は動かせますが、身動きすることも、発語することもできません。刺激に対する反射はあります。

閉じこめ症候群

意識が清明でも、無言・無動の状態を「閉じこめ症候群」といいます。意識ははっきりしているので、医師や看護師、家族や友人の言うことは理解できます。しかし、反応して、言葉を発したり、身動きしたりはできません。

[脳死]

昏睡状態も植物状態も、極めて難しいことですが、回復の可能性があります。

脳死は、脳幹を含む脳の全機能が失われてしまい、回復は不可能です。心臓停止による急性無酸素症や、脳損傷による脳ヘルニアのため、脳の血流が停止して、脳組織が広範囲に破壊されると、自発的に呼吸も行えなくなり、やがて死に至ります。

脊髄反射もなくなり、瞳孔が開いたままになります。

従来は、心臓や肺が停止した状態を「死」と考えていましたが、現代では、脳死を「人間としての死」と考えるようになっているようです。

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昏睡状態の原因

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昏睡状態の原因は、脳幹の損傷・脳疾患・内臓疾患・薬物などの中毒・感染症などです。

昏睡から回復しても、脳組織を損傷していると、言語障害や記憶障害など精神障害が起きることがあります。特に、脳幹損傷や脳疾患の場合は多いようです。

[脳幹の損傷]

脳を強く打ちつけたりして頭部外傷を負うと、脳幹が損傷したり、圧迫されたりして、昏睡状態になります。脳幹は、生命維持の中枢です。

脳ヘルニア

脳が外傷を負うと、頭蓋骨の内側に血腫や脳浮腫(のうふしゅ=脳のむくみ)が生じます。脳は頭蓋骨に囲まれているので、余分なスペースがありませんから、頭蓋内の圧力が高まります。

「頭蓋内圧亢進」です。この圧力で、脳が隙間に押し出されることを「脳ヘルニア」といいます。押し出された脳が脳幹を圧迫して、呼吸や心臓の機能を障害します。昏睡状態に陥ることもあります。

詳しくは、脳ヘルニアは危険な病気!種類・原因・症状を知ろう!治療法や回復後の予後は?を参考にしてください。

脳血管の圧迫

脳に外傷を受けると、脳血管が破れて出血し、血腫(血の塊)ができます。血腫により、脳の血管が圧迫されると、昏睡状態に陥ることがあります。

[脳疾患]

脳出血や脳梗塞、脳腫瘍など、脳の疾患によって脳幹が損傷されると、昏睡状態に陥ることがあります。特に昏睡を起こしやすい脳疾患があります。

脳出血・脳梗塞

脳出血や脳梗塞をまとめて「脳卒中」といいます。脳の動脈が破れて出血したり、脳動脈が詰まったりして、脳組織に酸素が十分送られなくなると、脳神経細胞が損傷・破壊されて、意識障害や呼吸困難を起こします。意識障害が重度になると、昏睡状態に陥ります。

脳出血や脳梗塞は、比較的高齢者に起きやすい疾患です。高齢者は動脈硬化が進んでいるためです。

詳しくは、脳卒中の症状とは?原因や対処法、治療法を紹介!を読んでおきましょう。

脳動脈瘤とクモ膜下出血

脳動脈の一部がふくらんだ状態を「脳動脈瘤」といいます。脳動脈瘤は他の血管や脳神経を圧迫して、昏睡状態を起こしやすくします。

脳動脈瘤が破裂して、「クモ膜下出血」が起きます。出血により、脳のさまざまな機能が障害されて、昏睡状態が起きやすくなります。

クモ膜下出血も加齢とともに発症しやすくなります。詳しくは、くも膜下出血の前兆をチェック!頭痛に要注意?を参考にしてください。

熱中症(熱射病)

高温の中に長時間いると、体温が40℃以上になってしまいます。全身の機能が体温の上昇についていけず、機能不全を起こします。脳の機能も障害されて、昏睡状態がおきやすくなります。脳・肝臓・腎臓の負担が大きくなりすぎると、昏睡状態から回復することなく、死に至ることがあります。

初期症状は、めまい・吐き気・嘔吐・失神などです。重症化すると、中枢神経が機能を破綻させ、昏睡などが起こります。詳しくは、熱中症の症状とは?原因や気をつけるべき人を知っておく!を参考にしてください。

器質性精神障害

脳神経の異常により発症する精神障害です。アルツハイマーなど脳そのものの病変や、脳の外傷、脳血管障害、糖尿病など代謝異常、感染症などにより、脳神経に異常が生じて、精神障害が起きます。

主な症状は、認知症と意識障害、うつ症、妄想、幻覚などです。意識障害が重度になると、昏睡状態になります。

[内臓疾患]

腎臓や肝臓、心臓など内臓に疾患があると、昏睡状態を引き起こすことがあります。

肝炎・肝硬変・肝臓癌

アルコールの摂取過多やウィルス感染、免疫不全などで、肝臓に炎症が起き、肝細胞が壊死します。これが「肝炎」です。

嘔吐・食欲不振・倦怠感・黄疸などの症状があります。

放っておくと、肝硬変(肝臓が硬くなって、機能不全になる)・肝臓癌になります。進行すると、昏睡状態に陥り、死に至る危険性が高くなります。

劇症肝炎

急速に進行する肝炎で、8週間程度で肝細胞が広範囲に壊死します。昏睡状態に陥ります。死亡率の高い疾患です。

詳しくは、劇症肝炎とは?治療方法や原因、症状を理解しよう!を参考にしてください。

肝性脳症

肝臓の主要な働きの1つが解毒作用です。肝臓の機能が障害されると、アンモニアなどの有害な老廃物が体内に蓄積されて、必要な神経伝達物質が分泌されなくなります。そのため、脳に異常がおきるのが、肝性脳症です。肝硬変などと併発することが多いようです。

意識障害・言語障害・意識せずに手が羽ばたくように動く「羽ばたき震顫(振顫しんせん)」などの不随意運動が起きます。重度の意識障害で、昏睡状態になります。

詳しくは、肝性脳症ってなに?症状や原因、治療法を理解しよう!状態で変わる危険度とは?を読んでおきましょう。

腎不全・尿毒症性脳症

腎臓の機能が低下すると、不要な老廃物が排出できず、溜まってしまい、身体のバランスが崩れます。突然、腎機能が低下するのが「急性腎不全」です。

腎不全が悪化すると、身体の中に溜まった毒素が脳の機能を障害します。これが「尿毒症性脳症」です。手足の震え・てんかん発作・せん妄・昏迷・昏睡が生じます。

詳しくは、腎不全とは?原因や症状、治療方法を知っておこう!を参考にしてください。

低ナトリウム血症

血液中のナトリウム濃度が低下すると、倦怠感・意識障害に続き、痙攣などが起きます。意識障害が重度になると、昏睡状態になります。

低ナトリウム血症は、腎不全・肝硬変・心不全・高血糖(糖尿病)、水中毒や薬剤中毒など、さまざまな疾患・病態が原因で発症します。

メープルシロップ尿症

乳幼児のαケト酸の代謝異常で起きます。αケト酸はアミノ酸の代謝を助けます。

哺乳後に、嘔吐や痙攣(けいれん)を起こし、昏睡状態になります。治療が遅れると、死に至ります。詳しくは、メープルシロップ尿症とは?原因や症状を知ろう!治療の鍵は早期発見である!を参考にしてください。

糖尿病

インスリンの分泌が低下すると、血糖値が高くなります。糖代謝異常です。

高血糖が続くと、意識障害を起こし、昏睡状態になります。

糖原病

幼児に発症する遺伝性の疾患です。肝臓など臓器に糖原が異常に蓄積され、低血糖になります。特に、乳酸が蓄積される「乳酸アドーシス」の場合は、発症が急激で、昏睡状態に陥りやすく、昏睡した幼児の半数が死亡するといいます。

肺性脳症

肺が正常に機能しないと、身体中に二酸化炭素が増え、酸素が不足します。脳の酸素も不足するため、脳組織が損傷されます。そのため、神経症状や意識障害が起き、昏睡状態になります。

肺気腫・肺線維症・喘息・肺の感染症が原因となります。脳組織が損傷されるので、後遺症が生じることがあります。

[薬物中毒]

薬物の毒によっても、昏睡状態になります。

急性アルコール中毒・ウェルニッケ脳症

急激にアルコールを多量に摂取すると、運動障害を起こし、続いて昏睡状態になります。最悪の場合、死に至ることもあります。

ウェルニッケ脳症は、ビタミンB1が不足すると起きます。また、日常的にアルコールを大量に摂取する人に発症しやすいようです。初めは軽い意識障害が起き、重症化して昏睡状態になることがあります。

詳しくは、ウェルニッケ脳症とは?症状と原因、治療法を紹介!MRI検査じゃないと判断が難しいの?コルサコフ症候群との関係を紹介!を参考にしてください。

有機リン剤中毒

非常に強力な殺虫作用のある農薬です。

多量に摂取すると、脳機能中枢を破壊することがあります。痙攣が起き、よだれが止まらなくなります。瞳孔が縮小し、肺水腫、呼吸困難が起き、昏睡状態に陥ります。

多量に摂取すると、1時間以内に発症します。少量だと、数日後に発症することがあります。胃洗浄しても、数週間後にぶり返すことがあります。「遅発性中毒」といいます。

水中毒

精神病薬を服用している患者さんが、3ℓ以上の水を飲むと、水中毒を起こして、昏睡状態になります。

詳しくは、水中毒の症状とは?原因や治療方法を紹介!を読んでおきましょう。

植物毒による中毒

人体に有害な成分(毒)を持つ植物を食べて中毒すると、めまいや吐き気、嘔吐を起こし、呼吸困難や昏睡状態になることがあります。

ジャガイモの芽、イヌサフラン、スイセン、夾竹桃、毒キノコなど、毒のある植物は身近にたくさんあります。

[感染症]

細菌や真菌、ウィルスに感染して脳炎や髄膜炎を起こすと、昏睡状態に陥ることがあります。

脳炎や髄膜炎の疑いがあれば、「脳神経外科医」に相談することをオススメします。

脳炎

脳実質の炎症が主体となります。突然、頭痛がして高熱を発します。意識障害とともに、うつ状態・幻覚・妄想など精神障害が起きることがあります。意識がぼんやりしている程度から昏睡状態に陥るなど、さまざまな意識障害が起きます。意識障害とともに、痙攣が起きます。

脳炎が重症化すると、昏睡状態になり、痙攣の重積が起きます。

頭痛・高熱・意識障害・痙攣が生じた場合は、脳炎の可能性があります。すぐに、脳外科・神経外科・脳神経外科を受診してください。

(日本脳炎)

ウィルスが直接脳に感染して、脳の炎症を起こします。悪寒・高熱・痙攣・髄膜刺激症状(首の硬直)・意識障害が生じます。重症化すると、昏睡状態に陥り、四肢に麻痺が起きます。最悪の場合、死に至ります。

詳しくは、日本脳炎の予防接種について!副作用や注意点はなに?症状や治療方法も知っておこう!を読んでおきましょう。

(単純ヘルペス脳炎)

ヘルペスウィルスの感染症です。免疫力が低下している人や、免疫機能が未熟な乳幼児が、ヘルペスウィルスに感染すると、重症化しやすいようです。突発的な頭痛・悪寒・高熱・痙攣が起き、続いて昏睡状態に陥ります。

(リッサウィルス感染症)

コウモリなど野生動物との接触により、リッサウィルスに感染します。脳炎が起き、頭痛・発熱・全身倦怠感とともに、中枢神経系の症状(精神錯乱や昏睡など)が生じます。発症から2週間程度で死亡することが多い、危険な疾患です。

(亜急性硬化性全脳炎)

麻疹に感染した後、数年間経ってからウィルスが再活性化して脳炎を発症することがあります。重症化しやすいのですが、現在のところ、治療法がありません。

髄膜炎

髄膜炎とは、脳や脊髄を覆う髄膜が細菌・真菌・ウィルスに感染して炎症を起こすことです。

激しい頭痛が続き、悪寒・高熱・全身倦怠感・吐き気・嘔吐・髄膜刺激症状が生じます。重症化すると、昏睡状態になり、痙攣が何度もくり返し起きます(痙攣の重積)。

髄膜炎の疑いがあれば、すぐに病院に行き、神経外科(脳外科・脳神経外科)の医師に診てもらうことです。

詳しくは、髄膜炎に大人がかかるとどんな症状?治療方法は?を読んでおきましょう。

(化膿性髄膜炎)

細菌感染により生ずる髄膜炎です。高熱・頭痛・嘔吐・食欲低下・首の硬直・顔色が悪い・意識障害・痙攣が生じます。合併症や後遺症が出やすいようです。

乳幼児の場合は風邪の症状と見分けがつきにくく、病院へ行くのが遅れることがあります。

(ウィルス性髄膜炎)

ウイルス感染により生じる髄膜炎です。発熱・頭痛・嘔吐が主な症状です。痙攣や意識障害はあまり起きません。ウィルスにもよりますが、発症から1週間程度で治ることが多いようです。

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昏睡状態からの回復

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1度昏睡状態に陥ると、そこから回復するのは、かなり難しくなります。昏睡状態は、脳に損傷を受けて、外部刺激に反応しなくなっている状態です。外部から刺激する治療は、なかなか効果が上がりません。

でも、昏睡状態から回復した患者さんが現実に存在します。患者さんの家族の温かい気持ちが、昏睡状態の回復という奇跡を起こすことがあるのです。

[昏睡の原因を特定する]

脳外科・神経外科・脳神経外科で、CT検査やMRI・血液・尿の検査、脳波検査・持病や既往症の確認を行って、昏睡の原因を特定します。

脳疾患や内臓疾患、感染症が原因であれば、その治療を行います。脳の外傷が原因ならば、それに対処します。薬物やアルコールなどの中毒は、胃洗浄して解毒します。

昏睡の原因を取り除くことで、回復・改善する場合があります。

[聴覚に訴える]

脳にダメージを受けた場合、一番先に回復する脳の機能は聴覚です。

患者さんに話しかける

家族や親しい友人が、昏睡状態の患者さんに積極的に話しかけると、脳を刺激して変化が起きる可能性が高くなります。事故で頭部外傷を負い、昏睡状態に陥った息子に、お母さんが絶えず話しかけて意識を回復させた例もあります。

患者さんの好きな言葉をよく使ったり、患者さんの好きなことについて話したりするようにします。患者さんが好きだった本を読み聞かせるのもいいですね。

意識がなくても、好きなものにはポジティブに反応すると考えられています。

好きな音楽をかける

患者さんの好きな音楽を聞かせるようにします。特に好きな音楽がなければ、脳に快い刺激を与える音楽をかけます。明るい、軽快な音楽がオススメです。

[身体をさする]

昏睡状態でも、脊髄反射は失われていません。手足や背中をさすって、脳を刺激し、脳に変化を起こすようにします。身体をさすることで、何か反応を引き出すようにします。

[決して諦めない]

「どうせ意識がないのだから」「何の反応もないから」と、諦めないでください。昏睡状態でも、脳の奥底で意識がわずかに目覚めているかもしれません。可能性は常にあります。

諦めないで、お医者さんや看護師さんと協力して、昏睡状態の回復に努めてください。

昏睡状態が長引くと、病院から介護施設に移ることもあるでしょう。昏睡状態の患者さんを自宅で介護するのは、極めて困難です。専門の施設で治療を続ける方が賢明です。

[昏睡状態の予防]

交通事故などで頭部に重大な外傷を負わないようにします。

持病や既往症のある人は、病気の治療に努めます。特に中高年は生活習慣を改善して、生活習慣病の治療や予防を心がけます。

薬物や植物の有毒成分に注意します。感染症はできるだけ初期の段階で抑え、重症化しないようにします。手洗いを徹底して、感染予防に努めます。

日常のちょっとした注意で、昏睡状態に陥るのを避けることができます。

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まとめ 昏睡状態は、だれにでも、突然起きます

昏睡状態は、重度の意識障害で「深昏睡」ともいいます。外部から与えられるどのような刺激にも反応しません。ただ、膝蓋腱反射のような脊髄反射はあります。眠っているように見えますが、眠ったまま排泄もします。呼吸・循環・消化も自発的に行う場合が多いのですが、脳幹の損傷が重症化すると、自分で呼吸できなくなります。こうなると、やがて脳死に至ります。

植物状態は、昏睡状態と異なり、外部からの刺激に反応します。眼球を動かしたり、言葉を発したりすることがありますが、意思の疎通はできません。

脳死は、脳幹を含む脳の機能が全て失われた状態で、回復することはありません。「人間としての死」と言われます。

昏睡状態になる原因は、多種多様です。事故などで受ける頭部外傷、脳出血や脳梗塞などの脳疾患はもちろん、肝炎や肝硬変、腎不全や尿毒症、糖尿病、肺の機能低下など、いろいろな内臓疾患が、昏睡状態を引き起こします。急性アルコール中毒や水中毒、有毒植物の食中毒などでも、ウィルスや細菌に感染して脳炎や髄膜炎が発症しても、昏睡状態が引き起こされます。

生活習慣病を持つ中高年は、突然、昏睡状態になる危険性があると言えます。でも、日常生活にちょっと気をつければ、昏睡の危険を避けることができます。

昏睡状態になる原因は多種多様ですから、若い人でも乳幼児でも、だれでも、突然、昏睡に陥る可能性があります。少しでも疑わしい症状があったら、すぐに脳神経外科を受診することをオススメします。また、昏睡状態に陥ったら、脳神経外科のある救急病院または脳神経の専門病院に運びます。

昏睡状態は回復する可能性があります。患者さんの家族は決して諦めないでください。積極的に患者さんに話しかけ、好きな音楽を聞かせ、身体をなでさすります。脳に刺激を与え続ければ、脳内に変化が起きることもあります。

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