無痛症とは?症状や原因を知ろう!治療するこは出来るの?

世にこんな不思議な病気があるのかと思うほど、いわゆる難病というのがあります。今回の病気は無痛症という、身体に痛みを感じない病気で、たとえ傷を負って血を流していても、痛みを感じないのです。

痛みを感じないので、怪我をしていても平然としている、むしろその痛みから逃げるという感覚がないために、さらにひどい状態になることがあるというのがこの病気の特徴です。

他の難病は、かなり難しい名前のものも多く、名前から想像できない病気ばかりですが、この無痛症は読んで字のごとくで、どういうものか少しは想像できると思います。

昔の漫画に主人公の医者が複雑な病気を治すという「ブラックジャック」というものがありましたが、何例かその話にまつわることも題材に上がっていましたし、最近でもドラマで取り上げられたり、映画でも取り上げられたこともあります。

ある意味、かなり知られている難病の一つかもしれません。今回はその無痛症についてお伝えいたします。

無痛症とは?

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無痛症の特徴

これは読んで字のごとく、痛みを感じない病気です。普通の人がそのようなことを聞くと驚きますが、実際にそのような病気の方が日本だけでも100人ぐらいいます。これは世界的に見てもかなり多いということです。

また、痛みを感じないと同時にこの病気の人は、無汗といって汗をかけないことも特徴の一つです。この無汗も無痛と同様に気をつけないと危険な状態になります。

どういうことかというと、汗というのは体温調整をしますが、この病気の人は、運動をし続けることや暑い時などは汗が出ないので、体温が上がり過ぎ、熱射病や熱中症になり、命に関わることがあるからです。

さらに症状の度合いから痛みを感じないといっても、まったく感じないという人もいれば、少し感じる人、暑さや冷たさを感じない人など程度が人によって違います。

つまり、1の痛みを通常に人は1の痛みとして感じますが、この病気の人は、10の痛みを1の痛みとしか感じない人もいれば、10の痛みを7しか感じない人もいるという訳です。その度合いでいうパターンと簡単にいうと、「痛みをまったく感じない」「少し感じる」「熱い冷たいをまったく感じない」「少しは感じる」というように分かれているようです。

遺伝的要素

両親の双方がその遺伝を持っている場合に、継承してしまうことが解っています。ですから、その両親もその遺伝による症状がない場合は、基本的にその検査すらしないのが普通なので、その遺伝子を持っているかどうかは解りません。

相手の方もその遺伝子を持っていて子ができた時に、双方の遺伝子のスイッチが入ってしまう訳です。ですが、このような特殊な遺伝子を持っていても、あらかじめ検査をして遺伝を防ぐということは、実際には不可能なので、避けようがないというのが実情ではないのでしょうか。

こうした特殊の遺伝は、他の病気でもありますが、特殊な継承の仕方なので、なかなか判明しにくい部分であり、その症状が出た段階でも、対処や判断は難しいものがあります。

他の病気との合併症

この無痛症のほとんどは、他の病気も併発していることが多いようです。特に脳の障害などの中枢神経の障害です。これは運動麻痺や脳血管障害とも言われており、精神の発達障害や、身体を動かすことなどに自由が利かないことになどです。

無痛症の原因

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先天性

そのほとんどが先天性の遺伝子異常によります。遺伝子が生まれながらにして異常があるものですが、原因はそれ以外全くわかっていません。

この遺伝子の影響は、一説によると、痛みや温度の感覚などの信号を伝える神経細胞に遺伝子変異の影響で、異常が生じていると考えられています。つまり、痛みや温度の感覚は身体の中に感じる部分は存在するのですが、その感覚が脳へと伝わらない、伝える機能がなんらかの影響で作用していないということなのです。

後天性

後天性の無痛症は、怪我などでその部分が神経断絶となり、神経が通わなくなる、汗をかかなくなるということです。例えば、上腕の怪我により、神経が断絶した場合には、その上腕から手にかけては痛みや温度を感じても、その感覚が脳へと伝わらないということです。

ただこの場合はその部分だけであり、全身に至ることはありません。また、脳梗塞などで脳の一部が損傷した場合は、神経の断絶により身体の一部分が麻痺することによって、痛みを感じないというような原因もあります。

無痛症の症状

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痛みを感じない

そのほとんどが痛みを感じないということです。痛みを感じないというのは、かなり深刻な問題です。というのも、例えば針で指を刺すと痛いのですが、痛いという感覚がない以上、その危険な状態を避けようとしないということが起きます。つまり危険を認知できないということです。

これは事故もそうです。車とぶつかると痛いという感覚が普通はありますが、無痛症の人はその感覚がないため、車をよけません。通常、危険を認知する感覚はそれに伴い痛みを覚えるなどがありますが、無痛症の人にはそれがないのです。そうすると、それが命にかかわる問題ともなるのです。

ですから信じられない話になりますが、ある例として、舌を噛んで、ちぎれていても平気であるとか、唇を噛み切ってしまうなどということもあるのです。

また、これはあくまでも痛みを感じないということであって、触感や味などはきちんと感じるということの理解は大事なことかと思います。

汗が出ない

無痛症の人は、汗が出ない症状も併せ持っている人が多いようです。汗を出す汗腺というのは身体の全体にあり、そこから暑い時などは、体温を調整するために汗を出す仕組みになっています。

この無痛症の人にも汗腺はあるのですが、温度を感じる神経が異常を起こしているために暑さを感じないのです。よって、汗が出ないということのなるのです。

これも非常に危険な状態になることもあります。例えば、火の回りの器具や熱い飲み物なども、感じないまま触ったり、飲んだりした場合に皮膚はその熱に対して反応しますから火傷をしてしまいます。当人は何も感じないのですが、皮膚は怪我を負ってしまっている訳です。

精神面の痛み

この無痛症であるがゆえに、感じることが出来ないということを他の人に伝えることは相当難しいことなのかと思います。ですから、回りの人からの理解を得ることが難しいということにもなります。それはまた、そのことで悩む患者の家族の方も多いとのことです。

あるいは、この病気が持つイメージが悪くならないようにすることも重要です。無痛ということで痛みを感じないから、他人を平気で傷つけることができてしまうというイメージです。実際にはそのようなことはありえないのですが、そう捉えられてしまうこともあるようです。

無痛症の治療法と予防法

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外傷、温度の調整の対処

現在ではこの病気に対する治療法はありません。よって無痛症により起きた症状で、例えば怪我に対する対症療法をするしかありません。

外傷から守るため、身体を保護するなど、そのように予防することを意識するしかないようです。これはいくら本人に言い聞かせてもその認識をするのは非常に難しいと思います。

いくら危険だから止めるようにといっても、痛みを感じない以上は、本人はなぜいけないのか、理解できないということなのです。そのような意味では、ある程度の年齢に達し、その理解が及ぶまでは回りの人が、見守ることにより対処することしかないということです。

特に幼少の頃には常に目を離さない様にすることが、その当人を危険から守る唯一のことになります。それは回りの人にとっては、とても大変なことであるということに変わりありません。

その他、あらかじめそのような状況にならないようにする目的で、プロテクターなどで保護しておくことも重要です。

つまり転んだ時のために腕や顔、頭を守るものを身につけておく、家具類などにはぶつかっても怪我をしないように、緩衝材をつけるということです。そのような対応をすることにより、怪我などからは守ることは非常に有効かと思います。

意識の教育

本人の感覚が普通の人と違うので、ある程度の危機意識を教えることが重要となってきます。これは、幼少の頃にわからせるのは、難しいと思います。それなりの年齢になってから、その種の教育が必要となります。

そのような教育をすることにより、本人も学習をし、怪我などからの回避ができるようになります。このように長い目で見て危険を回避することも一つの対処法となり、またこれが最大の予防法となる訳です。

治療法

現在のところは根本的な治療法は、残念ながらありません。日々研究者によって、病気の解明に努めていますが、未だその治療法に関しては、治療法が確立していません。この無痛症は治るということがないのです。おそらくこの先何年も見つけることができないというのが、正直なところと思われます。

この無痛症は、ごく最近の平成27年に難病指定をされた病気の一つでもあり、難病指定されたということは、やはり治療法の確立が難しいということの表れでもあるわけです。ちなみに、これまでに難病指定をされてい病気に数は200程になります。

まとめ

問診

いかがでしたか。かなり特殊な病気なので、普通の人が当たり前と思っている、その感覚がないということは、不思議な感じがします。

つまり、通常は痛みという概念が危険ということになるのですが、この場合は自分の身体が傷ついてしまうということが理解できないのです。

ある意味、私たちはどこが痛い、あそこが痛いという痛みを感じることに感謝したほうがいいということがいえるのではないかとも思えてしまいます。

一刻も早く、このような病気の治療法が見つかることを願う次第です。

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