斜頸って何?痙性斜頸や筋性斜頸などの種類や、それぞれの原因、治療法を知ろう!

斜傾(しゃけい)とは、首が傾いたり捻れたりして、顔が回らなくなったりする症状です。新生児に多い症状と言われていますが、成人でもなる可能性がある症状であり、治療には時間を要するものがあります。

ここでは新生児や成人に見られる症状別の特徴や、治療方法、予防方法について説明していきます。

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斜頸とは?

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斜頸は首が曲がり、顔を一定の方向へ動かす運動が制限される状態を言います。状態としては、患部となる側に首が斜めに傾き、顔は良い方の側を向くために、顔が常に傾いた状態となり、運動に制限がでます。常に首が傾いて一方向を向いたり、肩の高さが違ったり、また一度傾けると元に戻らないといったような症状が現れます。

新生児であれば振り向くような動きが制限されたり、呼びかけても片側しか向かないといった症状が見られます。成人の場合も首がいずれかの方向に傾き、ねじれや震えといった不随意運動と姿勢の異常を引き起こすことがあります。軽度の場合は本人が気付きにくいこともあり、普段は意識していなくても、写真に写ったときなどにいつもどちらかに首が傾いているため判明するといったこともあるようです。

首の運動が制限された状態が長いと、顔面や身体の関節が左右非対称となる症状が出て、状態の変形から運動機能に異常をきたすことがあります。

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斜頸となる原因は?

斜頸となる理由や原因は様々あり、先天性のものと後天性とでは原因が違ってきます。斜頸の種類には筋性斜頸、痙性斜頸、眼性斜頸、炎症性斜頸があります。

さらに詳しく斜頸の症状や原因について説明していきます。

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筋性斜頸

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出生時に起こることが多く、最も発症例として多いと言われているのが筋性斜頸です。要因としては、出産時の逆子などによる頸部の圧迫があります。

先天性の筋性斜頸の場合、常に首が傾いている影響で首にしこりができることがあります。出生時には気付かなくても数ヶ月後に気付くこともあるので、しばらくは赤ちゃんの首の状態を観察して治療の判断をしていきます。

筋性斜頸の原因は「胸鎖乳突筋」という首の左右にある筋肉の緊張が強くなることで起こります。本来胸鎖乳突筋は首を曲げたり回転させる動きを持っていて、通常は無意識に左右の筋を収縮させることで頭を上下左右に動かすことができます。また呼吸を助けるための筋肉としても使われます。この筋肉は表皮に近いところにあるので、よくボクシングの選手などが、頸部の怪我を防ぐ為にトレーニングで鍛えることも可能な筋肉です。

検査方法は?

乳幼児の検査としては、触診で胸鎖乳突筋の硬さを調べます。また回旋の制限や、傾きに制限がないかを調べて診断します。また超音波検査による確認や、それ以外の斜頸との区別をつけるためにX腺検査をして骨に異常がないかを調べます。

予防方法は?

最大の予防としては産道が狭いと判断されたら、自然分娩をしないことが大事です。しかし予測しないような難産によって、赤ちゃんが筋性斜頸となってしまうこともあるでしょう。

治療としてはすぐに手術をすることは少なく、数年の保護観察が中心となります。なぜなら先天性の場合は、数年後に成長に伴って自然と治癒することがよくあるからです。自然治癒の目安としては、生後半年から1年程の経過観察を行い、首のしこりや筋肉の緊張が無くなっていれば問題ありません。それでも症状が継続している場合は、手術が必要なケースもあります。

治療方法は?

新生児の場合、生後1年ほどは経過を観察しながら家庭内での保存治療を行う場合が多いです。子供の顔が正面を向くように、患部側に枕やタオルを挟んで工夫します。また顔が良い方に向くクセがあるので、授乳や話しかける時は患部側から行い、悪い側の方向を向く時間が長くなるようにします。マッサージなどは効果がないという報告もありますので、民間療法や素人判断は危険です。神経外科の医師のアドバイスに従うようにしましょう。

手術はどのように行うのか?

新生児の筋性斜頸が重度と診断された場合には、医師から手術を勧められることがあります。重度の症状が学童期まで続くと、顔面の左右比対称が現れたり、股関節の形成の低下によって歩行などの運動機能に支障がでる可能性があるためです。多くは3〜4歳で、胸鎖乳突筋の腱を切る手術を行うのが望ましいと言われています。

成人になってからでも手術はできるか?

生まれつきの軽度な斜頸の場合、手術の傷跡を残したくないといった理由で手術を選ばず、そのまま大人になるケースもあるようです。先に述べた通り、左右非対称の運動制限による首や肩の痛みが、成長に伴い進行する場合があります。また固定される事で自然治癒にいたることはほとんどありません。

成人後の手術の場合は、手術や入院にかかる時間や費用が気になることがあるでしょう。病院は整形外科を受診し、検査と約1週間の入院が必要になります。手術自体は1時間〜2時間ほどで、小児と同じように胸鎖乳突筋を切って矯正する手術を行います。全身麻酔で手術中の痛みはありませんが、手術後はギプスやコルセットで固定してしばらく生活します。1ヶ月程は仕事や家事などの生活に影響しますので、成人後の手術はかなり負担がかかると言えます。

また耳の後ろや首の真ん中、鎖骨上部付近に傷跡が残る可能性がありますが、斜傾による長年の痛みや見た目のコンプレックスに悩まされている場合は、手術で楽になることがあります。完全に治ることはなくても、症状が和らぐことで精神的にも良い方向に向かう事もありえます。 傷跡の整形技術も進歩しており、美容外科ほどではないですがなるべく見た目に影響しないようなカバーの方法も教えてくれることがあります。迷うようなら、まずは医師に相談して、治療に必要な事項を確認しましょう。

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痙性斜頸

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後天性で斜頸の症状が起こる場合、「痙性斜頸(けいせいしゃけい)」と診断されることがあります。姿勢を思ったように変えられない「ジストニア」の一つとも言われます。発症の年齢は10代から初老まで範囲が広く、特に30〜40代に多い症状と言われています。

症状としては、顔が自分の意志とは無関係に上下左右の方向に傾いてしまうことや、頭が振れたり顎が前に出るといったものがあります。また自分の意思で動かそうとすると、痛みが生じたり動かせないといった症状がでることがあります。

痙性斜頸の原因は?

原因として考えられるものは様々あり、原因不明のことも多くあります。運動機能を司る神経に支障があり、脳から胸鎖乳頭筋への指令に異常が起こっていることが考えられます。また無理な姿勢を長時間続けていたり、精神的ストレスでなる事もあると言われ、個々の生活習慣によっても症状の要因は様々です。

また首や肩がおかしな方向に曲がるという症状は、肩こりや筋肉の炎症によるものもあり、痙性斜頸であることに気付かない人もいるようです。ゆっくり症状が進行する場合もあるため、何か違和感があれば早い段階で病院で診断を受けることが大事です。

治療方法は?

痙性斜頸の場合、現れる症状や要因に個人差が大きく、一概に効果的な治療法があると言えません。検査の流れは、筋性斜頸と同じようにX線画像、緊張状態の検査、超音波検査などを行います。その結果を元に、医師が個々の症状にあった治療プログラムを組むので、それに従い治療を進めていくことになります。

手術においては、筋性斜頸と同じように首の胸鎖乳突筋の腱を切って調整することがあります。また緊張状態を引き起こしている神経を遮断する手術や、筋肉を麻痺させるボツリヌス療法なども行われることがあります。

ボツリヌス療法

一般的な治療法として、ボツリヌス療法というものがあります。これは食中毒の病原菌で知られるボツリヌス菌から生成された製剤を首の筋肉に注射することで、筋肉の緊張を緩和させる効果を狙うものです。美容皮膚科のシワ取りなどで使われるボトックス注射と同じものです。 ボツリヌス菌には、脳からの命令を筋肉に伝える”アセチルコリン”という物質の働きを抑制する作用があり、斜頸にも効果が認められます。

食中毒となる毒素を注射するのは不安かもしれませんが、食中毒を起こす毒素の数は3万個単位のものであり、治療で使う毒素は10〜100個単位ですので心配はありません。入院や手術の必要がないボツリヌス療法ですが、残念ながら永久的に効果は持続しません。経過を観察しながら、数ヶ月ごとに治療を行う必要があります。

薬物療法

痙性斜頸の要因として、自律神経障害が発端となる場合もあります。また精神的ストレスや生活の乱れでも起こる可能性があると言われています。その場合の治療としては、向精神薬や抗てんかん薬、睡眠薬などを内服しながら治療を進める場合があります。

予防方法は?

痙性斜頸の症状は、原因が不明であることも多く、予防は難しいとされています。しかし筋肉の緊張が続くことが原因の場合は、できるだけ普段の生活で弛緩させる事が大事です。仕事などで同じ姿勢を長時間続ける人は、ストレッチなどで筋肉が緊張状態にならないよう心掛けましょう。また日常生活でのストレスの影響も考えられるため、適度にリフレッシュすることが大事です。

民間療法として、作業療法士による整体やマッサージ、鍼灸などの治療も効果があるかもしれません。症状を感じたら悪化を防ぐために、医師や作業療法士に予防方法を聞くとよいでしょう。

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眼性斜頸

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眼性斜頸とは、眼球や視界の異常によって、頭がいずれか片方に傾く状態をさします。

原因としては眼球を動かす筋肉が麻痺していたりバランスが悪いことによる上下斜視、内外斜視があります。斜視の人はまっすぐ前を向いた状態では焦点が合わないため、首を傾けることで見えにくさを軽減しようとして、無意識のうちに斜頸となるのです。

眼性斜頸の特徴、原因は?

斜視の原因は、眼球の上下にある目の運動を司る筋肉の異常です。そのため眼性斜頸は新生児には発症せず、成長して物を凝視すしたり、観察することが多くなる年齢で発症します。

特徴としては、斜視が原因で斜頸となっているので、目を塞ぐと斜頸の症状が出なくなったり軽くなったりすることです。これにより筋性斜頸との区別が判断でき、治療法も変わってきます。

治療方法、予防方法は?

眼性斜頸の場合、目を動かす筋肉や神経の麻痺があるため、弱視の人が行う両目視機能訓練や視力増強の訓練を行う事があります。

またレーシックで角膜の屈折を調整し、視力を回復させる方法が取られます。視力が回復すると視界が平行になるため、メガネやコンタクトレンズの着用で斜頸も改善することがあります。視力や眼球の検査結果によっては手術をする場合もあります。小児の手術は、眼性斜頸が判明する5〜6歳頃に行うのが一般的です。

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炎症性斜頸

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炎症性斜頸は、外傷や風邪をひいてリンパ腺が腫れたときに起こる斜頸で、小児に多い症状です。首の腫れにより、斜めの方向を向いたままになり、動かそうとしても動かせない状態になります。

頸部のリンパ線、リンパ節が腫れるとかなり痛みを発するため、無理に動かそうとするのは良くありません。安静が一番大事です。

治療方法は?

風邪の治癒に伴い、ほとんどの場合は数日間で治ります。リンパ節の腫れが治まらないことがありますが、病院で処方される抗生剤や鎮静剤などの薬を飲み、安静にしていれば治まることがあります。症状が強ければ入院して、首の牽引などを行うことがあります。

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まとめ

斜頸の症状は先天性、後天性の症状があり、原因も様々です。先天性の筋性斜頸の場合は自然と治る場合もありますが、症状が重い場合は、成長に伴って症状が悪化することもあるので、幼児期間の手術が勧められます。

成人に起こりやすい痙性斜頸は、症状が重いと仕事や家事などの日常生活に影響するため、早期の検査や治療が必要となります。また症状が重くなくても、首が常に傾いていることにコンプレックスを感じることもあるでしょう。

いずれも自分で無理に動かそうとせず、医師の診察を受け、悪化しないための予防を実践する事が大事です。

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