髄膜炎に大人がかかるとどんな症状?治療方法は?

頭痛や首の痛みといった症状は、多くの方が経験しているものかと思います。その症状の影には髄膜炎が潜んでいるかも知れません。髄膜炎は子供がかかる病気といったイメージがあります。

しかし髄膜炎は、年齢を問わず大人でもかかる病気なのです。今回はあまり認知されていない大人の髄膜炎について、原因や症状、治療から予防方法までをまとめてみました。

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髄膜炎とは

頭痛

髄膜炎とは、髄膜と呼ばれる脳や脊髄を覆う保護膜に炎症が起こる病気のことを言い、脳炎と呼ばれる場合もあります。

髄膜炎にはその原因や年齢によって幾つかに分類されますが、大人に見られる主な髄膜炎についてご紹介します。

髄膜炎菌性髄膜炎

髄膜炎菌の感染により起こるのが髄膜炎菌性髄膜炎です。

海外、主に中央アフリカで猛威を振るっている細菌ですが、日本にも僅かながらに生息しています。世界的に見ると年間30万人が発症し、そのうち3万人が死に至ると言われており、致死率の高い恐ろしい病気です。

人から人へ感染する為、海外旅行者は特に注意が必要です。流行地域へ渡航する場合は、ワクチンの接種をお勧めします。

※平成27年5月より、日本でもワクチンが使用できるようになりました。

細菌性髄膜炎

髄膜炎菌以外の細菌によって感染した髄膜炎を、総称として細菌性髄膜炎と呼んでいます。

主に乳幼児がかかりやすいのですが、成人でもインフルエンザ菌や肺炎球菌、結核菌、真菌などから感染し、発病する場合があります。

特に風邪をひいていたり体力や免疫が落ちている時、またインフルエンザに感染しその延長で細菌感染し髄膜炎を発症する場合があります。

無菌性髄膜炎

細菌が検出されない場合に診断されるのが無菌性髄膜炎です。

原因は菌よりも小さなウイルス、主に蚊を媒介としたウイルスや消化管でみられるウイルス等が、脳の周囲にあるくも膜下腔に感染し起こります。

インフルエンザや軽度のウイルス感染によって無菌性髄膜炎を引き起こす場合がありますが、細菌性髄膜炎と比べて症状は軽い傾向があります。

こちらも免疫が低下している時に感染しやすくなりますので、注意が必要です。

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髄膜炎の症状

体温計

髄膜炎の主な症状はどのようなものがあるのでしょうか。

初期症状は風邪に似ている

髄膜炎の初期段階として、喉の痛み、咳、鼻水といった風邪と非常によく似た症状が現れることがあります。

症状の進行

急性髄膜炎の場合は、初期症状が発症してから24時間以内に急激に悪化し、激しい頭痛、40度前後の発熱、首が硬直して痛みがあり曲げることが困難、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。

慢性髄膜炎の場合は発症までの潜伏期間として数週間かかることがあり、症状の風邪や肩こり等と間違えやすい為、早期発見が困難な場合が多くあります。

いずれも進行した場合、特に高齢者の場合は意識障害や痙攣など重大な症状を示す可能性があります。重症化はしていなくても、頭が割れそうな程の頭痛や高熱を伴いますので、急いで病院で検査を行う必要があります。

受診する科はできるだけ総合病院の内科、または神経内科、感染症科が迅速な検査、対処ができますのでお勧めです。

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髄膜炎の治療

点滴

髄膜炎となってしまった場合、どのような治療が行われるのでしょうか。

検査

髄膜炎の疑いを診断されると、髄液の検査を行うことになります。方法は、局所麻酔後に腰の骨と骨の間に針を刺し、髄液を採取します。

この検査により、髄膜炎かどうか、また細菌性によるものなのか無菌性によるものなのか等の種類を診断することができます。

髄液の採取により髄液の圧が低下することから、検査後に起き上がった際、めまいや頭痛を感じる場合がある為、検査後もしばらく横になった状態となります。

めまいや頭痛は一時的なもので、回復までの時間には個人差があるようです。

細菌性髄膜炎の治療

髄膜炎菌性髄膜炎および細菌性髄膜炎の場合、その原因となっている細菌を確定するまでに時間がかかります。

どの細菌によって発症したのかが分かると、対応した抗生物質によって治療が行われますが、細菌の種類によっては症状が急激に悪化することがあり、最悪の場合死に至るケースもあります。

早期の対処が行われれば、急性の場合でも死亡率は10%未満となりますが、遅れた場合や新生児、高齢者等の免疫が低い者、また免疫不全等の疾患がある場合は死亡率が上がり、生存した場合にも30%程の確率で難聴や脳神経障害、認知機能障害等の後遺症が残る場合があります。

無菌性髄膜炎の治療

無菌性髄膜炎の場合、細菌感染ではない為、抗生物質の効果がありません。脱水症状の為の点滴や、ウイルスにより現れている症状に対して投薬を行うことが主な治療方法となります。

頭痛については検査時の髄液採取により、頭蓋内の圧が減少し軽減することがよくあります。

無菌性髄膜炎は重症化することがほとんどなく、後遺症等も残らずにおよそ1~2週間で回復する場合が多いようです。

症状によって入院する場合と、通院、自宅休養による治療となります。回復まで安静にすることが大切です。

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髄膜炎の予防

注射

髄膜炎をあらかじめ予防することはできるのでしょうか。

髄膜炎菌性髄膜炎の予防

髄膜炎菌の感染予防は、予防接種をすることです。

メナクトラというワクチンが日本で承認された唯一のワクチンになります。その他、海外の輸入ワクチンもあります。

髄膜炎菌の流行地域への渡航を予定している人、その他アメリカやイギリス等への留学する場合にワクチン接種を求められる場合があります。

2歳以上55歳以下であれば接種可能で、ワクチンによっては妊婦の方でも使用することができます。

抗体がつくのは接種後およそ2週間かかりますので、余裕をもって受けましょう。

接種にあたっての副作用についてはほとんど見られませんが、注意事項等は医師の説明を受けることが大切です。

細菌性髄膜炎の予防

細菌性髄膜炎の予防に関しても、予防接種が有効です。大人の細菌性髄膜炎の場合、圧倒的に多いのが肺炎球菌による感染です。

特に65歳以上の高齢者は、感染率や重篤な症状へ悪化する傾向が高い為、肺炎球菌ワクチンを接種することをお勧めします。

また、インフルエンザワクチンの接種と合わせることで髄膜炎の発症やインフルエンザ、肺炎に対する重症化および死亡率を下げる効果があります。

1回の接種で5年間有効となります。

無菌性髄膜炎の予防

無菌性髄膜炎の場合、感染原因となるウイルスは多種多様に渡る為、予防接種は有効とは言えません。

その為、日頃の風邪やインフルエンザに対する予防対策と同様の対策が最も有効であると言えます。無菌性髄膜炎への直接の予防ではありませんが、インフルエンザの予防接種も対策の一つです。

その他に毎日の手洗いやうがいをしっかり行うことです。流行する季節においては特に生物は避け、ウイルスの侵入を防ぐ為に食材によく火を通すこと。

免疫力が低下している場合に発症することが多い為、日頃から健康的な食生活や適度な運動、十分な睡眠等、基本的な生活を見直すことによって免疫力を高め、感染を防ぐことが大切です。

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まとめ

大人の髄膜炎は発症率は高くないものの、疲労が溜まっていたり風邪をこじらせること等、体が弱っている時に発症する可能性は十分にあります。

いずれも風邪の症状と似ている為、悪化するまで放置してしまう可能性がありますが、細菌性髄膜炎の場合は悪化してしまうと命に関わる非常に危険な病気です。

明らかに平常時とは違う激しい頭痛や高熱、そして首の硬直が見られる場合は、すぐに病院を受診し、早期治療を行う必要があることを頭に入れておきましょう。

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