脳震盪とは?症状・原因・予防法を知ろう!子供や赤ちゃんの脳震盪に注意!

脳震盪を起こしたことがありますか?脳震盪は脳が脳に衝撃を受けたことで、脳内の血管が引っ張られることによって起こる状態です。

スポーツ選手など何時もその危険性と隣り合わせで、脳震盪を起こしても、すぐに競技復帰してスポーツを続けられる人が多いですが、実はとても危険な病気を含んでいます。

選手やスポーツに携わる監督などは、脳震盪を軽く見ないで、脳挫傷と同じぐらいに扱うことが大切です。

軽い脳震盪と思っていたことが、死や重度の後遺症を残すことにもなり兼ねません。鈍性外傷や揺さぶられることで起こる、脳震盪を起こしたら安静が必要です。脳震盪について詳しく見てみたいと思います。

脳震盪とは

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脳震盪とは脳が直接、頭部への打撃による鈍性外傷や、脳が揺さぶられることで起こる、一時的な脳の機能障害です。

また頭部から倒れ頭を打ち付けた場合に起こる事が多く、スポーツなど試合だけでなく練習中においても起こりうることが多いです。

脳震盪を起こしやすいスポーツとして、アメリカンフットボール、ボクシング、ラグビーなど脳しんとうを起こしやすい、スポーツ外傷の多いスポーツです。

脳震盪の定義として、直接間接的に引き起こされた、外傷性の衝撃によって、脳内血管が引っ張られることで、一時的に起こる脳機能障害です。

その進行と回復は急激でかつ自然におこり、プレイヤーは意識消失を伴わないで、脳しんとうを起こしている場合があり、脳震盪の脳障害を軽く見ています。

脳震盪は時間と共に消失していく、段階的な臨床的症状があります。また脳震盪になる前兆があり、症状や徴候に応じた分類があります。

脳震盪には器質的損傷よりも、機能的障害を反映して、一般的なCTやMRIの様な神経画像検査には異常がみられません。

脳震盪を起こしやすいスポーツ

スポーツでは柔道、空手、ボクシング、相撲などの格闘技や、アメリカンフットボール、ラグビー、アイスホッケーなどのコンタクトスポーツなどに、多く発症していて注意が必要です。

また近年の論文では2回目の脳震盪では、殆どの症例で急性硬膜下血種を伴い、ハッキリした論文は出ていませんが、急性硬膜下血種がなんらかに関与しているとされています。そして高次機能障害を発症する結果になります。

ですから脳震盪を起こした場合の、スポーツの復帰には段階を踏んでやることが大切で、特に子供のスポーツにおいては、特に注意が必要です。

授業に取り入れられた柔道

柔道などが近年では学校のスポーツ授業に、取り入れられていますが、特に先生方は気を付けて子供が脳震盪を起こした場合は、復帰させ無いようにしてほしいですね。

柔道での授業で多くの生徒たちが死亡し、また重度の後遺症を負っている子供たちがいます。十分な体制ができてないまま、授業に柔道を取り入れ、脳震盪の様な十分な知識を持たない指導者たちの為に、子供たちが偽性なっていくのは、本当に悲しい事です。

水をかぶせて脳震盪から復帰させる光景をドラマなどで見ますが、あのような事のない様多くのスポーツを教える先生方は、知識を備えてほしいです。

スポーツ現場での脳震盪の扱い

スポーツ現場で脳震盪を起こした選手がいたら、

  1. 選手の意識をまず確認する事。症状は変わりますので、定期的に症状を確認します。
  2. 選手の意識があれば脳震盪の症状の兆候などをチェックします。
  3. 記憶力をチェックします。
  4. バランステストを行います。

以上のことを知見して、選手たちが脳震盪を起こしてないかスポーツに携わる、選手や監督、または先生などは注意をしてほしいです。部活動などで生徒が脳震盪の症状に、なってないか十分注意することが大切です。

日本もやっと脳震盪について、脳震盪が起こった場合のガイドラインなどを、設けるようになってきていますが、まだまだ学校などの授業中の脳震盪の考えは、十分ではないのでは無いでしょうか?

少ない若い命を失わさせない様、また若い人たちが後遺症を持ったまま、人生を送る事の無いように、この脳震盪について、特に学校などでは、気を付けてほしいものですね。

アスレティックトレーナーのガイドライン

IRBの脳震盪へのガイドライン
  • 脳震盪はプレイヤーを守るために、きわめて深刻に取り扱わなければならない。
  • 脳震盪を起こしたプレイヤーはその試合を離れ、再び参加してはならない
  • 脳震盪を起こしたプレイヤーは医学的評価を受けなければならない。
  • 脳震盪を起こした、あるいは脳震盪と診断されたプレイヤーは「段階的競技復帰プロトコルに従って復帰する事
  • プレイヤーは競技に復帰する前に医学的許可を必ず受ける事

脳震盪の症状

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脳震盪の症状は急に起きて、自然に消えるためCTやMRIなどの、画像を撮影しても、その症状が画像に写らない事が多いと言われています。

脳は人間が自分らしく生きていくのに、とても大切な器官ですので、脳に衝撃を与えるようなことは、できるだけさける事が大切です。

脳震盪は一過性の症状で、受傷時の時の事を思い出せない、健忘症がおこります。脳震盪をおこした患者さんは、日付・場所・周囲の人が誰だか分からない、見当識障害や意識消失が、一過性ですが見られます。

殆どの場合は受傷直後に改善しますし、受傷時の時の健忘だけが残りますが、その他の脳機能の障害を見る事はありません。

一過性及び可逆性のもので時間と共に回復はしますが、頭痛や吐き気が起こる症状の場合、頭部に衝撃を受けた直後から症状が出てきます。意識障害や神経反射の喪失、頭痛、悪心、手足の痺れ・痛み、弛緩性麻痺、臭覚障害、視力障害、視野狭窄、嘔吐などの症状があらわれます。

脳震盪の症状には3つの症状に分かれます。

軽度

記憶は正常で、一時的な意識状態の喪失です。回復すれば意識清明はしっかりあります。

頭痛・めまい・ふらつき・嘔吐・イライラする・脳震盪を起こしたときの記憶がなくなるなどです。軽度と中等度の症状は、多く重なっているので、中等度の症状も見られることはあります。

中等度

失神して2分以内に意識が戻った状態です。

記憶障害・持続する頭痛・吐き気・記憶喪失・反応が鈍い・集中力がない・物が二重にみえる・視界がぼやけて見える・感情失禁・視野狭窄・首の痛み・脳震盪を起こしたときの記憶はなくなるなどです。

重症度

失神して2分以上意識が戻らない状態です。意識喪失・記憶喪失・めまい・ふらつき・嘔吐・痙攣・手足の痺れ・運動麻痺・意識障害の継続・光や音の過敏性・激しい頭痛・集中力がない・いらいらする・悲しい・不安・物が二重に見える・ぼやけて見える・混乱して取り乱す・霧の中にいる気分などです。

中等度以上のの脳振盪の症状を起こしている場合は、意識が戻っても脳にダメージを受けている可能性が疑われることが多いので、速やかに医療機関に行って受診することが必要です。

脳震盪の症状が起こっても、一時的な脳の機能障害なので、後遺症は残さないといわれていますが、脳震盪後症候群という、頭痛・めまい・集中困難・うつ病・感情鈍麻・外傷性健忘症・不安などの後遺症が残ることもあります。

また軽症の脳震盪を受けて、さらに脳が完全に回復していない状態で、また2回目の脳震盪を起こすと、セカンドインパクト症候群という脳に致命的な、重大な損傷を起こすことがあります。

脳震盪の後遺症の症状

脳震盪後遺症群

めまい・うつ病・頭痛・健忘症などの症状が、後遺症として残ることがあります。

脳震盪を繰り返す症状

脳震盪をすると、繰り返す癖が後遺症として起きる場合があります。

セカンドインパクト症候群

スポーツの最中に、このセカンドインパクト症候群を軽視して、脳震盪を起こしてもすぐに競技者達をスポーツに復帰させ、また脳震盪を起こす場合が見受けられますが、これはとても怖い病気で、脳震盪を起こしたら、必ず静養させることが必要です。

セカンドインパクト症候群とは、脳震盪あるいはそれに準ずる軽症の頭部外傷を受けて、数日から数週間後に2回目の頭部外傷を負い、致命的な膿腫長をきたすものをいいます。

セカンドインパクト症候群|脳震盪を軽視してはいけない理由!

1回目の外傷で軽い脳震盪の診断をうけて、それから0~30日目以内に2回目の、軽い脳震盪を起こしたときに、致命傷な重篤な状態に陥る事が多く、軽い脳震盪でも甘く見ないようにすることが大切です。

死亡率

セカンド・インパクト・症候群の特徴として、死亡率が30~50%と非常に高く、生存しても神経学的後遺症を残しています。

18歳以下の若年者や、1回目の脳震盪を起こして、十分に完治しない状態で復帰した場合、このセカンドインパクト症候群が発生するとされています。

脳震盪の原因

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脳震盪は脳に衝撃を受けて起こる、軽い意識障害ですが、何故このような意識障害が起こるかは未だ解明されていません。

近年分かってきたことは、衝撃により脳内の血管が引っ張られることにより、起こるのが原因ではないかと、言われるようになってきました。

原因の考え方

脳の中の血管が引っ張られる説

脳は頭蓋骨の中の脳脊髄液という、液体の中にぽっかり浮かぶような形で頭蓋骨の中に存在しています。

頭部に衝撃が加わると、頭蓋骨と脳の間で、頭蓋骨の動きに脳が遅れて動きます。その為に脳と頭蓋骨の間に大きなスペースを作ってしまうのです。

それと同時に、脳と頭蓋骨を繋いでいる血管が、引っ張られる結果になって脳震盪が起こります。

脳神経細胞の機械的破壊による説

原因には色々な考え方があります。こちらの考え方は、脳神経細胞の機械的な破壊によるもので、虚血や低酸素症、膿腫脹などの脳細胞から湧き出される、神経や血管への影響物質の存在によるものだという考え方です。

イオンチャネルの電気生理学変化からみると、脳幹を中心とした神経活動の障害が起ります。また神経伝達物質の過剰放出による、脳代謝障害の脳機能障害でもあります。

赤ちゃんや幼児期の脳震盪

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赤ちゃんや幼児が脳震盪を起こした場合、親としてどの様な事に注意したらよいのでしょうか?

赤ちゃんや幼児はどうしても、元気であればじっとしないで、動き回る事が多いので、できるだけ脳震盪を起こした後は、経過をみる事が必要になります。

赤ちゃん・幼児の脳震盪の症状

赤ちゃんや幼児期

赤ちゃんや幼児期の場合、脳震盪を起こしても、症状を上手く伝えることができないため、重大な後遺症を残すこともありますので、周りの大人が注意を強く持たなければなりません。

また赤ちゃんや幼児期は体が成人期と比べ、完全に出来上がっているわけでないので、脳へのダメージは大人と比べ症状も重くなり、可なり注意深く周りの大人が見守る必要があります。

脳震盪の赤ちゃんや幼児期と成人期の違い

成人期の場合脳震盪を起こしても、一時的な機能障害なので、後遺症は残らないと言われていますが幼児の場合体が未発達なため、脳震盪の脳へのダメージは大人より大きく、頭蓋内出血を起こしている可能性があります。

また幼児の場合は脳震盪を起こしても、すぐに動き回り安静にしない可能性がありますので、また転倒して頭をぶつけることがあるので、セカンドインパクト症候群になる可能性が大きく、注意が必要です。

またスポーツをしている子供は、試合などで脳震盪を起こし、少し良くなると試合に出たがる子供は多いと思いますが、セカンドインパクト症候群になる可能性もありますので、周りの大人たちが子供を納得させて、安静にさせる事が大事です。

脳震盪の検査

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問診で自覚症状の確認と、脳内出血の有無を調べるため、CT検査やMRI検査で画像映像で調べます。一般的には画像診断で異常が見られない場合が多いです。

頭部MRIでは小さな出血や、むくみが確認される事もあります。

脳震盪の検査では医師の問診が重要となります。問診では以下の事について検査されます。

▼事故についての状況確認を行います。

▼記憶・会話・バランス・協調運動などを知見します。

▼頭部・眼・耳・首などのチェックをして異常がないかみます。

▼脳震盪の症状がないかチェックします。

  • 頭痛・吐き気・嘔吐
  • めまい・バランス感覚
  • 視力低下
  • 耳鳴り
  • 軽い錯乱、集中力低下、記憶の喪失
  • 光や音への過敏性
  • 一過性の意識喪失

などを聴きます。脳震盪の場合CTやMRIをむやみに受ける事は費用もかさみ増すし、幼児などの場合は特にリスクを伴います。

医師が頭蓋骨骨折や、脳内出血を疑ったときにCTとかMRIをとります。脳震盪の場合はCTやMRIに殆ど写りません。

脳震盪の治療法・予防方法・対処方法

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脳震盪は短時間で回復するため、特別な治療は行いません。運動を控えて安静にして、時には頭部や頸部を冷やすして対処することもあります。

治療法

脳震盪の治療法は、まず安静にして患者を動かさない事です。また脳震盪を起こした場合の治療方法は症状の重篤度によって、違いが出てきます。

頭部への衝撃が大きく、救急で呼吸や脈拍、意識レベルを確認し、容態の急変が起きる事もあります。

そのような場合は応急的な処置を行い、繰り返される嘔吐や、眼球の異常な動き、また痙攣状態や昏睡状態、言語障害や耳から体液が流れ出るなどの、症状が見られる様であれば、119番に電話して救急車を利用し、病院で救急治療が必要となります。

呼吸停止が見られた場合は、心臓マッサージをして、頭部衝撃が頚椎へ波及し頚椎損傷が起こる事もあります。その様な時は、頭部を固定して、安静を保つように処置を施します。

軽症の場合は自然治癒を見守り、経過観察を行います。

予防方法

予防には頭部をガードする防具の使用、また受け身などの基本動作の習得、頚部の筋肉を鍛える事で、脳への衝撃を和らげる方法も、予防になります。

対処方法

脳震盪を起こした場合は、動かすことは不適で、安静にして頭部をぬれタオルや氷で冷やす子処置をすることが良いです。

気絶するような脳震盪を起こした場合に、ボクシングなど再度復帰させていますが、もう一度脳震盪を起こすと、これはセカンドインパクト症候群を引き起こす事になるので、絶対にやってはいけません。

脳震盪を起こした場合頭痛が取れて完全に回復するまでに、二週間以上の安静が必要です。

日本ラグビーフットボール協会の脳震盪の扱い

脳震盪を起こした場合や、脳震盪の疑いのある場合は即刻退場となり、医師の診断や医療機関の受診が必要となり、受診後最低14日間以上はいかなる運動も禁止安静を義務づけています。

また競技に復帰する時は、段階的競技復帰プロトコルによって復帰することが義務付けられています。

まとめ

如何でしたでしょうか?脳震盪について、今まで軽く扱われていた脳震盪ですが、その陰で死者や重度の後遺症を持った人々が出ていたことを、私たちは余り知りませんでした。

現在は理学療法士などがスポーツの世界で活躍してきて、このような脳震盪の考え方も違ってきています。

脳震盪が起きた場合は軽く見ないで、安静にして脳震盪の症状が取れるまで我慢することが大事です。

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