ある日突然、首がかゆい、と掻きむしってしまうような経験はありませんか?そもそも、何故、突然首のかゆみが起こるのでしょうか?
首の皮膚に痒みの症状を発生させる皮膚病や原因について明らかにしなければ、正しく対処することは出来ません。特に顔の皮膚は薄く敏感ですし、その顔の皮膚と繋がる首の皮膚も決して強い皮膚ではないので、かゆみなどの症状が発生しやすい部位でもあります。
首の痒みの症状や原因、そして首のかゆみを止める方法、またかゆみがでないようにする予防法など、首に発生する痒みの原因と対策法を紹介しますので、参考にして問題を解決していきましょう。
首がかゆい!その主な症状とは?
首がかゆくなってしまうときにおこる症状としてよくあるのは、首の肌にぽつぽつと湿疹のようなものができたり、首の皮膚が乾燥することによってカサカサしてきたり、首の皮膚が赤くなってしまったり、首の皮がむけたりすることがあげられます。
痒みの他に上記の様な皮膚症状の特徴により何が原因になって問題が発生しているのかについて明らかにすることが出来ます。
首は顔と同じく皮膚がとても薄い部分なので、きちんと適切なケアを日ごろからしていないと、これらの症状が起こってしまう場合があるようです。
首の痒みはヒスタミンが関係している
痒みの症状を引き起こしている大元は皮膚の表面から少し奥の皮下組織と言う部分に存在しているヒスタミンという物質が活発に発動して、ヒスタミン受容体と結合することがで痒みが強く発生するようになります。
痒みを抑えるためには、このヒスタミンを出来るだけ活発に働かなせないようにすることが重要になります。
それではどのような原因で首にかゆみがおこるのか、そして、その対処方法を症状に合わせて見ていきましょう。
首がかゆい時、その原因はなんだろう?
首がかゆくなる原因として考えられる事はいくつかありますが、汗や皮膚に外的要因で何かに反応してかゆくなることがあります。たとえば金属アレルギーのようにネックレスなどを身に付けた時にかゆみが起こることがあります。
そのほかにも、特定の食べ物によって発疹が出たりかゆみが起こる食物アレルギーやダニ、花粉などに反応するハウスダストアレルギーや花粉症、アトピー性皮膚炎なども同じくアレルギー症状によるものと考えられます。
まれに洋服の繊維によって起こるかゆみも少なからずあります。ニットのタートルなど、チクチクした肌触りによってかゆみが起きたり、服のタグが皮膚に触れてかゆくなる方もいるようです。そのほかにも髪へのスプレーや整髪剤などの使用によって、その成分が首の皮膚に刺激を与えて、かゆみがでる場合もあるようです。
それぞれの原因を紹介しますので、自分に当てはまっている原因について明らかにしていきましょう。
あせも(汗疹)や湿疹による首のかゆみ
あせも(汗疹)は子供に多い症状ですが、大人でも起こります。このあせもの場合は、皮膚に赤いぽつぽつしたかゆみのある発疹が出来るのが特徴です。汗をかいた時に、きちんと拭いたり洗うことができない時や、汗をかいてからそのまま時間が経ってしまうときなどにおこりやすいようです。
肌に残った汗や汚れが原因で汗管が詰まってしまうことで、汗が皮膚の表面に出ることができずに、肌の内部にこもってしまい外に出られず、皮膚の中で炎症を起こして赤い湿疹のようなものができます。
湿疹は皮膚炎とも呼ばれるもので、かゆみがある発疹や水疱が見られるときはこの湿疹の場合が多いようで、皮膚科を受診する約3分の2がこの症状のようです。湿疹は市販の薬でも良くなりそうに思いますが、やはりきれいに早く治したい場合は、その症状に合った薬を処方してくれる、皮膚科の医師の診察と処置があったほうが安心出来るでしょう。
汗アレルギー
上記同様、汗が原因になって発生している痒みで、接触性アレルギーに似た症状となります。
自分でかいた汗が刺激となって皮膚を炎症させてしまったり、皮膚疾患を発生させます。汗アレルギーはアレルギー症状ですので、小まめに汗を拭き取る、肌のバリア機能を向上させるなどの対策で徐々にアレルギー反応を鎮めていくことが重要になります。
乾燥肌の人や、アトピー性皮膚炎などの症状を抱えているなど、皮膚が敏感で刺激に弱い性質の人に発生しやすいのが、アレルギーの特徴になります。
アトピー性皮膚炎で首がかゆくなる
アレルギーのおこる遺伝子を持つ人は、金属やダニ、食べ物など、それぞれ何かのものにアレルギー反応を起こしてしまうのが特徴です。
アレルギーによるかゆみが起こる場所としては、皮膚の柔らかい場所、首や脇、デリケートゾーンや頭皮などからかゆみが起こる場合が比較的多く、彼らにとって、首は特に最初に症状が出やすい部分のようです。
アトピー性皮膚炎で首がかゆくなっている場合には、そのままでは自分では対処できない場合が多く、間違った方法は悪化させかねないので、是非、皮膚科の医師の診察と、自分の症状に合った治療と投薬の判断をしてもらうようにおすすめします。
接触性皮膚炎が原因の痒み
接触性皮膚炎はアレルゲンとなる物質に触れることで発生する皮膚症状のことです。
痒みや皮膚の湿疹、炎症などが発生します。上記でも挙げたように乾燥肌の人、アトピー肌(アトピー性皮膚炎)を持っている人、皮膚が敏感な人などが特に発症しやすい原因になります。
アレルゲンとなる物質として特に多いのが、金属、ゴム、植物、小麦やそば粉などになります。これらに含まれている刺激物やタンパク質などが皮膚に触れると、免疫細胞が過剰に働いて自分の皮膚まで攻撃してしまって炎症やかゆみと行った症状が発生します。
特に首にネックレスをしている場合に痒みが発生している人は金属アレルギーの可能性が非常に高い事となります。金属でも18金や銀などの純度の高いレアメタル系では炎症反応を引き起こしにくく、ニッケルやクロム、コバルトや鉄などの合成金属や一般的に広く出回っている金属はアレルギー反応を引き起こしやすい傾向があります。
ですので、アクセサリーなどで装着する金属は材質を選んで装着するようにしましょう。
乾燥から起こる首のかゆみと病気
乾燥肌によって首にかゆみが起こる場合は、肌の表面を覆っている皮脂やセラミドなどが減少することで肌の内側に水分が足りなくなっている状態と言えます。そのためバリアのように保護する働きが弱くなっていて、外からの刺激に敏感に反応してしまいます。繊維がチクチクしたり、いつも使っている化粧品や髪の毛などの刺激でも反応してしまう場合があります。
皮膚の乾燥によって首のかゆみがひどい場合で、乾燥性敏感肌のほかに疑われる病気は「乾皮症」や「皮脂欠乏性湿疹」があります。こちらは医師による治療が必要なので、乾燥が激しくかゆみがひどい場合は自己判断せず、医師に診察をお願いしましょう。
乾燥肌で首がかゆい時、どうすればいい?
乾燥肌の場合、とにかく掻かないことが大事です。掻いてしまうことで肌に傷がついてしまい、さらに乾燥が進むことで今まで以上にかゆくなってしまうという悪循環が起こる場合があります。そうならないためにも、早めにかゆみを止めるクリームや軟膏を塗って、首を掻いてしまうのを何とか我慢するようにしましょう。
また、そのかゆみの原因となる乾燥を悪化させないためには、入浴方法にも気を使って欲しいのです。長く入浴してしまうことによって、そこから肌の水分や皮脂が減り、肌の皮脂成分がお湯に流れ出てしまうので、それを防ぐためには乾燥肌の方は、お風呂のお湯の温度を40度以下にして、出来るだけ20分以内で入浴を終わらせることが望ましいようです。
また、身体を洗う時は天然繊維のタオルを使うようにします。化学繊維のボディタオルを使っている場合は、直ちに綿やシルクなどに変えてよく泡立ててから洗う方法か、もしくは素手でたくさんの泡を使って、優しく肌を強くこすらないように気を付けながら、泡で汚れを浮かせて落とす程度にとどめるといいでしょう。とにかくこすらないように気を付けます。
ストレスによる首のかゆみ
ストレスによって引き起こされている首のかゆみもあります。これは過度のストレスによって自律神経が乱れてしまうことよって引き起こされているようです。ストレス性のかゆみの場合には、それぞれの原因に合った方法で自律神経を整えるように生活習慣などを改善していくことからはじめていきます。
また、ストレスを強く感じることでかゆみが出ている場合は、かゆみを引き起こすヒスタミンが身体から多くでてしまうことによって、かゆみが首だけに収まらず、身体のほかの部分、頭皮や腕、足やデリケートゾーンなどにもかゆみが広がっていく場合が多いようです。
ストレスによる首のかゆみを抑えるには?
ストレスによって起こる首のかゆみを抑えるための方法には、入浴があります。入浴は血行を促進する効果があります。その方法は、ぬるめの40度程度の湯船に浸かって温まったら外に出て、しばらく休んでまたお風呂に入るのを数回繰り返す、反復入浴が血行促進により効果的と言えるでしょう。かゆみを早く抑えるには、ぬり薬を塗るのが一般的です。
このストレスによるかゆみが起こる原因には、ホルモンバランスの乱れや、腸内環境がよくないとき、そのほか慢性的に血行が良くない場合などに、症状が起こりやすいようです。ストレス性のかゆみを抑えるためには、食事や睡眠など日常的な生活を規則正しく行うように心がけることが大切だと言えるでしょう。
首がかゆい症状別の対処法とは?
首がかゆい時の対応はどのようにすればいいのでしょう?首のかゆみが起こるそれぞれの原因によって、その対処法は先に説明したような方法がおすすめです。
有効な方法を原因となっている問題別に行って対策していきましょう。
乾燥による痒みの対策法
乾燥によって首のかゆみが起きている場合の対応は、お風呂などで首まわりをごしごしこすったりせずに、乾燥肌用の刺激の少ない石鹸を使って、よく泡立ててから、素手か綿や絹のタオルで身体を優しく洗うようにします。
汚れを落とし、皮膚を洗浄することは痒みを抑える上では重要な対策法になりますが、あまり洗いすぎると必要以上に皮脂を落としてしまい、乾燥を過剰に招いてしまう結果になってしまいます。
ですので皮脂の落としすぎに注意しながら、体を洗浄し最後に保湿を忘れない様にして皮膚のバリア機能を向上させましょう。
炎症が発生している痒みの対処法
湿疹やあせも、アトピー性皮膚炎など、外的刺激が原因の場合には、肌のかゆみが治まってくるまでかゆみ止めやアレルギー症状を抑える薬の使用が効果的です。
アトピーの場合は特に入浴時に使う石鹸やボディシャンプーも気をつけなくてはならず、その成分によっては、更にかゆみを悪化させてしまうものもあるので、使う前によく調べてから使うようにしましょう。
刺激となりうる成分は、シャンプーに含まれている合成界面活性剤の高級アルコール系洗浄成分や着色料や防腐剤などが影響しやすいでしょう。
ですので髪の毛が長い人は特に髪の毛が首にあたって、そのシャンプー成分が影響して痒みを発生させることもあります。しっかりすすぎなどをして問題が発生しないようにしましょう。
生活習慣が原因の痒みについて
ストレスで首にかゆみがある場合には、やはりストレスのもとである原因を取り除いてあげることと、乱れてしまった自律神経が、元通りに整うように生活を変えていくことも大切です。睡眠をしっかりと取ることや、栄養バランスの良い食事を規則正しく摂ることは重要なことです。
そしてストレス解消に繋がるように、適度な運動を始めることでストレス解消をするように心がけるとか、自分の好きな趣味に没頭することで、よりストレスを忘れるようにするのもいいのかもしれません。
有効な運動としては有酸素運動が特にストレスの発散や自律神経を整える上では有効になります。
適度に汗をかいてからしっかり眠ることで自律神経は整い、皮膚のバリア機能が向上します。代謝の向上で皮膚のターンオーバーもしっかり行われるようになるので、炎症が発生している皮膚の修復なども早く行われ、症状が改善されるでしょう。
病院にいって治療
もし、様々な対策法を行っても効果が出ない場合や、何のアレルゲンかわからない状態で対策の施しようがない場合などは、皮膚科にいって検査を受けてしっかりと有効な治療法を専門家の医師から紹介してもらいましょう。
皮膚のかゆみといっても症状は複数存在します。それらの原因をすべて自分で判断して対処していくことは不可能になります。ですので、病院でしっかり検査をして、慢性化してしまうことを食い止めましょう。
首のかゆみの予防法
すべての首にかゆみが起こる場合に言えることは、首というのは皮膚が薄く、皮膚の表面にあるバリア機能が特に弱い場所なので、予防の意味でも、首は顔同様に優しく洗うことと、入浴後にはローションやクリームなどを塗ってあげるなど、優しく、そして顔と一緒に首もしっかりとお手入れすることが重要となってきます。
日中に外に出るときは、紫外線による日焼けによって、乾燥などによるかゆみが悪化しないように、顔と一緒に首にも刺激の少ない日焼け止めを塗ったり、日傘やストールなどで首を保護してあげるようにするといいでしょう。
まとめ
今回は、突然首がかゆくなる時に、起こりやすい症状とそのかゆみのおこる原因、そして首がかゆくなるような病気とその症状についてや、もし首がかゆくなってしまった場合、その対処の仕方などをご紹介してきました。これからの季節は、紫外線も強くなるため、顔同様に首にも紫外線対策が必要になってきますね。
首の肌を保護するために、首にストールなどを巻く場合にも、出来る限り素材が天然の生地でできているものを使うようにしてあげましょう。日ごろから肌に余計な刺激を与えないように気を付けて生活します。
そして、もし突然首のかゆみが出てしまった時も、あわてないようにするために、日ごろから汗をかいたら拭いたり、シャワーや入浴をして清潔な状態を保つことと、首の保湿などのお手入れをしておくことが一番の予防にもつながるのです。
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