汗アレルギーとは?症状や原因、対策方法を知ろう!関係がある疾患は?

汗をかくと、顔や身体がかゆくなることがありますね。汗つまり水滴がかゆさの原因ならば、それほど心配することはありません。

しかし、自分の汗に含まれる物質にアレルギー反応を起こす「汗アレルギー」の可能性もあります。「汗アレルギー」は「コリン性蕁麻疹」を併発することもあります。

汗によって、アトピー性皮膚炎が悪化したり、金属アレルギーが起こったりすることもあります。

汗をかくのは、ヒトに必要な生理現象ですが、かゆみは痛みと同じくらい辛いものですね。汗アレルギーの症状と、その対策について、お伝えしますね。

汗アレルギーの原因と症状

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汗アレルギーとは、自分の汗に含まれる物質にアレルギー反応を起こすアレルギー疾患の1つです。

汗をかかない人はいないので、汗アレルギーになると、暑い季節はかなり辛いことになります。

[汗はヒトには必要不可欠]

汗とは皮膚に汗腺から分泌される液体です。汗の成分は、ほとんどが水で、塩化ナトリウム・尿素・塩素・乳酸・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルが含まれています。ミネラル成分は、血液の血漿という液体成分に含まれています。

汗腺があるのは、哺乳類だけです。皮膚に万遍なく汗腺が存在し、大量に汗をかくのは、哺乳類の中でも、ヒトとウマだけです。

ヒトは汗で体温調節・水分調節をする

ヒトの体温は36℃~37℃に保つのが理想です。

運動したり、気温が上昇したりして、体内に熱がこもると、汗を体外に出して蒸発させ、体内の熱を逃がします。ヒトは、汗によって体温調節を行い、体温を一定に保つことができます。また、汗によって、身体の水分バランスを調整しています。

汗をかく量が少ないと、体内の熱を逃がすことができず、水分バランスが乱れ、熱中症や脱水症になりやすいといいます。

汗と皮脂は天然の保湿剤

汗は皮膚に分泌される皮脂と混じり合って、天然の保湿剤となります。汗と皮脂が、肌のバリア機能をサポートしているのです。

しかし、大量の汗を放置したり、皮脂が過剰分泌されたりすると、肌のバリア機能を低下させ、肌トラブルを生じさせる可能性があります。

汗の種類

汗には3種類あります。①温熱性発汗 ②精神性発汗 ③味覚性発汗です。

①温熱性発汗

暑い時や運動した時にかく汗です。体温調節をするための汗です。

②精神的発汗

緊張したり、興奮したりすると、掌(てのひら)や足の裏に局所的な汗をかきます。うそ発見器は、この精神的発汗を利用しています。

③味覚性発汗

辛い料理を食べた時の刺激感で、おでこなどに汗をかきます。

汗には良い汗と悪い汗がある

汗が汗腺から分泌される時に、塩分など身体に必要な成分は再吸収され、水分だけ排出するようにします。ですから、正常な良い汗はサラサラしていて、臭いもありません。

汗腺の働きが低下すると、塩分など水以外のミネラル成分が体に再吸収されず、水分とともに排出されます。ベタベタして臭い汗は、悪い汗です。

良い汗はデトックス効果があり、皮膚の角質層の水分を保持してくれます。

悪い汗は、身体に必要な塩分などミネラルが出てしまうので、血液中の塩分やミネラルの濃度が低下します。血液は一定濃度を保とうとして、水分を補給しても、身体に摂りいれずに排出します。脱水症状が起きやすくなります。

[汗に含まれる物質がアレルゲンになる]

アレルギー反応を起こして、皮膚にかゆみを生じさせるアレルゲン(アレルギー反応を起こす原因物質)には、花粉症を引き起こす花粉や、ハウスダスト、ダニなどがあります。汗アレルギーのアレルゲンは、自分の汗に含まれている物質が原因アレルゲンとなります。

汗アレルギーの原因物質

汗アレルギーについては、まだ解明されていない点が多いのですが、最近の研究で、少しずつ抗原性を持つ物質などがわかってきました。

ある実験では、自分の汗に反応して高濃度のヒスタミンが放出される時、そこに汗特異的IgEが存在することが報告されています。

「ヒスタミン」とは、クシャミや鼻水、かゆみを生じさせる神経伝達物質の1種です。免疫系と大きな関わりがあります。

(IgE)

「IgE」とは、免疫グロブリンE のことで、哺乳類のみに存在する糖タンパク質です。アレルギーやアトピーの血液検査では、IgEの値を調べます。IgE値とは、血液中のIgE抗体の総量で、アレルギー体質の強さを表します。

非特異的IgE検査で全体的にアレルギーの起こりやすさを調べます。特異的IgE検査では、特定の物質に対する抗体を調べ、特定物質に対するアレルギーの起こりやすさを調べます。

(汗アレルギーの原因はマラセチア菌)

広島大学大学院の秀道広教授たち研究グループは、汗アレルギーの原因物質がマラセチア菌(マラセチア真菌)の1種「グロボーサ」が作り出すタンパク質であることを究明しました。

マラセチア菌は真菌、カビの仲間で、健康なヒトの皮膚に常在しています。だれの皮膚にも存在するカビの1種ですから、どの人も汗アレルギーになる可能性があります。

[汗アレルギーの症状]

暑くて汗をかいたり、運動して汗をかいたり、入浴して体温が上昇して汗をかいたりすると、顔や全身の皮膚がピリピリしたり、かゆくなったりします。

精神的に緊張したり、辛い料理を食べたりすると、汗をかいてかゆくなります。

汗アレルギーでかゆいだけなら、適正なスキンケアで肌を保湿して、バリア機能を高めるだけで、症状を軽減できます。かゆくても、爪でひっかかないようにします。爪でひっかいて肌を傷つけると、肌のバリア機能が低下して、刺激となる物質や細菌などが侵入しやすくなり、症状が悪化します。

[汗には炎症を起こす物質が混じっている]

汗には酵素やサイトカインという炎症を起こす物質が含まれています。アレルギーとは異なるメカニズムで、赤みやかゆみなどの症状を発することがあります。

汗を大量にかくと、汗腺の出口が詰まってしまい、汗が皮膚内部に浸み出して、炎症を起こします。これが「あせも」です。赤いブツブツができて、とてもかゆくなります。

[汗を放置すると、肌が刺激に敏感になる]

汗をかいたまま放置すると、肌が乾燥し、敏感肌になり、ちょっとした刺激にも過剰に反応するようになります。

汗を放置すると、肌が乾燥する

汗は蒸発する時に、皮膚表面から水分を奪い、肌を乾燥させます。汗を放置すると、乾燥肌になり、肌のバリアー機能が低下します。汗に含まれる微量な塩分やアンモニアから肌を護ることができず、肌荒れが起きます。

汗を放置すると、肌のPHバランスが崩れる

肌は本来弱酸性ですが、汗は弱アルカリ性です。汗を放置すると、肌のバランスが崩れます。アルカリ化が進むと、雑菌が繁殖し、肌を刺激してかゆみを生じるとともに、悪臭が出ます。

汗と紫外線で、肌に深刻なダメージ

夏は紫外線も強烈になり、肌のバリア機能を狂わせます。汗で乾燥し、敏感になっている肌にさらに深刻なダメージを与えます。

汗アレルギーと関係の深い皮膚疾患

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汗アレルギーは、コリン性蕁麻疹やアトピー性皮膚炎、金属アレルギーなどと深く関わっています。

[コリン性蕁麻疹]

「コリン性蕁麻疹」は、発汗が刺激となって発症する蕁麻疹(じんましん)です。運動や入浴、暑さによる発汗、精神的ストレスによる発汗で、発症することが多いといいます。汗アレルギーが原因になることも、汗アレルギーと併発することも、あります。

蕁麻疹とは?

蕁麻疹は、皮膚の血管周辺にある肥満細胞(マスト細胞)に存在するヒスタミンという化学物質が、何らかの刺激を受けて放出されて発症します。

ヒスタミンには血管を拡張する作用があります。ヒスタミンが放出されると、血管が広がり、血液中の液体成分が血管の外に漏れだして、皮膚を赤く盛り上げます。ヒスタミンは神経伝達物質なので、神経に作用してかゆみを生じさせます。赤い、かゆい、蕁麻疹です。

コリン性蕁麻疹の原因

コリン性蕁麻疹の原因は、「アセチルコリン」という汗腺を刺激する神経伝達物質です。アセチルコリンは、皮膚の内部の交感神経の末端で放出されます。

コリン性蕁麻疹の皮膚症状

初めはピリピリした感じですが、だんだん、かゆみが増します。かくと、かゆみが強くなり、蕁麻疹が広がります。放置すると、症状が悪化して、過敏に反応することもありますが、たまに発症する程度で収まることもあります。角栓を形成し、細胞浸潤を起こすのが特徴です。

汗をかきやすい夏場に、発症したり悪化したりすることが多くなります。

次のような皮膚症状があれば、コリン性蕁麻疹の可能性があります。

  • 汗がにじみ出るたびに発疹を生じる。
  • 発疹は1~2㎜程度の小ささで、量が多い。手の甲には出ない。
  • かゆみやピリピリした痛みを感じ、腹痛・下痢・低血圧を伴う。
  • 蕁麻疹は数分から30分ほどで消える。長くても数時間で消える。
  • 10代~30代に発症する人が多い。

詳しくは、コリン性蕁麻疹の症状は?原因や対処方法も紹介!を読んでおきましょう。

減汗性コリン性蕁麻疹

汗をかくことができないと、アセチルコリンが処理しきれずに汗腺に溜まることがあります。体温が上昇すると、炎症を起こし、コリン性の蕁麻疹を発症することがあります。これを「減汗性コリン性蕁麻疹」といいます。

温熱性蕁麻疹

「温熱性蕁麻疹」「温熱蕁麻疹」とは、夏場に発症・悪化しやすいコリン性の蕁麻疹とは反対に、冬場に発症しやすい蕁麻疹です。

温水や温風など体温より高いものが皮膚に触れたり、熱い風呂に入って、急に皮膚を温めたりすると、肥満細胞が刺激されてヒスタミンを放出し、発生する蕁麻疹です。

(温熱蕁麻疹の症状)

温熱蕁麻疹は、全身に発症することも、温風などに接触した部分だけに発症することもあります。小豆大の膨疹(ぼうしん=腫れた発疹)が生じます。痙攣(けいれん)や脱力感が生じることもあります。

[アトピー性皮膚炎と汗アレルギーの関係]

アトピー性皮膚炎を発症するアトピー肌は、水分保持力が弱く、乾燥しやすくなっています。肌のバリア機能が弱く、外から異物や刺激が侵入しやすいので、炎症が起きやすくなります。

「日本発汗学会」によれば、「数あるアトピー性皮膚炎の悪化因子の中でも、汗は特に重要である」といいます。汗がアトピー性皮膚炎という炎症を起こすメカニズムは、まだ解明されていませんが、汗とアトピー性皮膚炎は深い関係があります。

汗に溶けたカビがアトピー性皮膚炎を悪化させる

アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患の1つです。アトピー肌の人の80%が汗アレルギーです。前述した広島大学の秀道広教授の研究で、マラセチア菌の1種がつくるタンパク質が汗アレルギーの原因物質とわかりました。マラセチア菌の1種、つまり皮膚に常在するカビが汗に溶けて、体内に入り、アレルギー反応を引き起こします。

アトピー性皮膚炎の患者さんはIgE検査でも最高値を出し、アレルギー反応を起こしやすい体質です。汗に溶けたカビのタンパク質にもアレルギー反応を起こし、症状が悪化します。

アトピーの人は汗をかく量が少ない

汗は皮膚の角質層の水分を保持し、皮脂と混じり合って天然の保湿剤になります。肌を護る機能を高めます。

アトピーの人は、比較的発汗量が少ないようです。アトピー性皮膚炎は汗で悪化するように言われてきましたが、むしろ、汗をかく量が少ないために、肌が乾燥しやすくなることが、最近、わかりました。良い汗は、アトピー肌をサポートします。

汗をかくのは良いが、汗を放置するのが悪い

アトピー性皮膚炎は、夏場になると、首筋・顔・ひじの内側・ひざの裏など、汗をかいたり、汗が溜まったりする部分に湿疹ができやすくなります。

これは、かいた汗を放置するためです。汗を放置しておくと、蒸発する時に皮膚表面の水分を奪い、肌を乾燥させます。それで、アトピーの症状が悪化するのです。

汗をかくことは、アトピー性皮膚炎にとって悪いことではありません。かいた汗を放置することが、アトピー性皮膚炎を悪化させるのです。

[汗をかくと、金属アレルギーになりやすい]

汗をかくと、指輪やネックレスなどの金属が溶けてイオン化し、皮膚に侵入して、かゆみ・湿疹・かぶれ・ただれを起こします。「接触性皮膚炎」です。

暑い時季は汗をかくので、衣類に付着する洗剤や柔軟剤などが溶けて、接触性皮膚炎を起こすことがあります。詳しくは、接触性皮膚炎とは?症状や原因、治療法や予防法を知っておこう!を読んでおきましょう。

金属アレルギーは突然発症する

金属アレルギーは、だれでも、突然発症する可能性があります。重症になると、ネックレスなどの装飾品だけでなく、化粧品や食物に含まれる金属に拒絶反応を起こすことがあります。

次の症状があれば、金属アレルギーの可能性があります。

  • アクセサリーやヘアピンをつけたところが、かゆい
  • ピアスの穴の周囲に炎症が起きている
  • 金属のボタン・フック・ベルトのバックルに当たる部分がかゆい
  • 歯に詰め物をしてから、口の中に違和感があったり、体調が悪かったりする

全身型金属アレルギー

金属と接触していた部分に皮膚炎が発症するのではなく、金属に触れていない背中や掌、足の裏にも生じる全身性皮膚炎を、「全身型金属アレルギー」といいます。

歯科金属・食品・内服薬に含まれるニッケル・クロム・コバルトなど、体内に蓄積された金属が、汗となって排出され、金属アレルギーを起こします。かゆみのある水泡ができます。

汗アレルギーなどとの併発

アトピー性皮膚炎の人は、80%が汗アレルギーであるように、金属アレルギーを併せ持っている可能性があります。また、金属アレルギーと汗アレルギーを併発することもあります。

アレルギー体質とは免疫システムが過剰反応しやすいことです。いろいろな刺激や異物に抗体ができやすいのです。アトピー体質もアレルギー体質です。ですから、2種類3種類のアレルギーが併発する可能性があるのです。

汗をかくとかゆみが強くなるアトピー性皮膚炎の人は、金属アレルギーのパッチテストをして、確かめてみるのもいいですね。

汗アレルギーの対策

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ヒトは汗で体温調節・水分調節を行いますが、その汗でかゆみや湿疹など肌トラブルが起きます。汗アレルギーもコリン性蕁麻疹も汗による肌荒れも、対策方法は共通するものが多いようです。

汗アレルギーなど汗による肌トラブルの対策は、日常の生活の中で自分でできる方法と、医師による治療法があります。

自分でできるだけケアしながら、皮膚科の医師による治療を受けます。アトピー性皮膚炎や金属アレルギーなどアレルギー性の皮膚疾患は、皮膚科医による治療が必要です。

[日常生活の汗アレルギーの対処方法]

日常生活における汗アレルギーの対処法は、コリン性蕁麻疹やアトピー性皮膚炎、金属アレルギーにも共通する対処法です。あせもや汗による肌荒れの対策にもなります。

①肌を清潔にする

汗をかいたら、放置しないで、入浴やシャワーで汗を洗い流します。湯の温度が高いと発汗しやすいので、風呂もシャワーもぬるめにします。

(ボディソープの使い過ぎに要注意)

汗を洗い落とすためにボディソープを使うと、皮膚に必要な皮脂や皮膚常在菌まで除去してしまい、皮膚をガードする機能が低下してしまいます。汗は、ぬるま湯だけで洗い流せます。

また、身体をブラシやタオルなどでゴシゴシこするのもNGです。肌を傷つけて、菌や刺激が侵入しやすくなります。状態が悪化する可能性もあります。

(汗はこまめに拭き取る)

シャワーなどで洗い落とせない場合は、タオルやガーゼハンカチでこまめに拭き取ります。できれば濡れタオルを使います。

市販の汗ふきシートは便利ですが、敏感性の肌の人には刺激となる成分が含まれていることがあるので、要注意です。

(汲水パッドや吸湿性の高い下着を使う)

服の下の部分の汗は拭き取れないので、吸湿性の高い下着や汲水パッドを使用して、皮膚に汗がついたままにならないようにします。

②かゆみは冷やして対処する

かゆくても、かきむしらないようにします。アトピーの湿疹も蕁麻疹も、かけばかくほどかゆくなり、広がります。爪で皮膚を傷つけて、症状が悪化します。

かゆい部分を冷やすと、かゆみを緩和できます。

③適正なスキンケアで保湿する

肌が乾燥するだけでも、かゆみが生じます。乾燥した肌に汗をかくと、バリア機能が低下しているので、汗が過剰な刺激となり、かゆみを増します。保湿は、肌トラブルの基本対策です。

入浴後・洗顔後、手で軽く水気を拭い、濡れた肌に化粧水や乳液、クリームなど保湿効果の高いスキンケア化粧品を塗ります。保湿するだけで、症状がかなり改善することがあります。

④辛い料理は避ける

辛い料理を食べると、刺激感で味覚性発汗が起きます。汗で蕁麻疹や皮膚炎などトラブルが起きている時は、刺激の強い香辛料の多い激辛料理は避けます。

(蕁麻疹にはアルコールはNG)

コリン性蕁麻疹が起きている時や、コリン性蕁麻疹を発症しやすい人は、アルコールはNGです。アルコールは蕁麻疹を誘発します。温熱性蕁麻疹にも、酒類はNGです。

⑤ストレスを溜めないようにする

強いストレスが持続すると、自律神経系のバランスが崩れます。精神性発汗を促したり、肌のターンオーバーを乱したりします。蕁麻疹を誘発することもあります。

有酸素運動でストレスを発散し、心身ともにゆったり過ごすようにします。

⑥生活環境を整えて、免疫力を正常に働かせる

良質で十分な睡眠・栄養バランスの良い食事・適度な運動は、健康の基本です。生活のリズムを規則正しく整えることで、免疫力が正常に働くようにします。

⑦汗腺トレーニングをする

汗腺トレーニングで、良い汗をかくようにします。汗腺が塩分などミネラル成分をしっかり再吸収して、サラサラした良い汗をかくようにすれば、肌の保湿効果が上がり、バリア機能も高くなります。

半身浴や有酸素運動で、汗腺トレーニングをします。

最近の治療法では、アトピーの人にも、良い汗をたくさんかくことをススメています。

⑧紫外線対策

紫外線は肌に深刻なダメージを与えます。汗をかく時季には、日傘や帽子、日焼け止めなどで、しっかり紫外線対策を行います。

[皮膚科医の治療]

花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患は、アレルギー反応を起こす原因アレルゲンを突き止めることが大事です。汗アレルギーや金属アレルギーなど、アレルギー性の皮膚疾患もまず検査を行って、原因物質を確認します。

アレルギーは、免疫システムの過剰反応です。「間違った方向への反応」とも言えます。アレルギー体質・アトピー体質というように、その人固有の刺激に対する反応ですから、容易に改善できません。しかし、少し注意すれば、アレルギーの症状を軽減することができます。

①アレルギー検査

皮膚科の治療は、アレルギー検査から始まります。血液検査・パッチテスト・負荷試験などの検査行い、次のことを確認します。

  • アレルギー体質かどうか
  • 血液中のIgE濃度はどの程度か
  • 特異的IgE抗体があるか
  • アレルゲンは何か
(アレルゲン刺激性遊離ヒスタミンHRT)
「好塩基球ヒスタミン遊離試験」ともいう、即時型アレルギー検査の1種です。
血液を採取して、その血液中から分離した好塩基球という細胞にアレルゲンを投与し、放出されるヒスタミンの量を測定します。ヒスタミンの量で、アレルゲンに対する反応性を見ます。
食物経口負荷試験は、患者さんへの負担が大きく、アナフィラキシーショックを起こす危険性があります。アレルゲンを特定する補助検査として、「アレルゲン刺激性遊離ヒスタミン」が注目されています。

②薬物治療

皮膚科医は、症状に応じて、治療薬を投与します。

抗ヒスタミン薬の外用薬と内服薬、抗アレルギー薬(内服薬)を処方します。アトピー性皮膚炎にはステロイド剤の外用薬を使用します。

これらの薬剤は、専門家である医師の指示に従って服用したり、塗布したりします。医師の指示通りに使用すれば、治療薬の副作用などのリスクは低減されます。

③減感作療法

「減感作療法」は「アレルゲン免疫療法」「免疫的脱感作療法」と呼ばれます。アレルギーのよく知られている治療方法の1つです。

アレルギー疾患の患者に、少量ずつアレルゲンを投与して、だんだんに増量し、患者の体内にアレルゲンに対する抵抗性を作ります。免疫寛容へと誘導する、アレルギー性過敏症に対する免疫療法と言えます。

汗アレルギーや汗アレルギーによるコリン性蕁麻疹の患者には、アレルゲンとなる汗を低濃度で少量ずつ触れさせていき、だんだんに汗の濃度と量を増して、汗に対する過敏性を抑えていきます。

[多汗症という病気]

「多汗症」とは「必要以上に大量の汗をかく病気」です。体温や水分調整のための温熱性発汗ではなく、精神性発汗が多いようです。気温に関係なく、掌(てのひら)や足裏に濡れるほど汗をかきます。

自律神経系の不調だけでなく、重篤な疾患が潜んでいる可能性もあります。常に多量に汗をかいている人は、皮膚科か内科の医師に相談することをオススメします。

詳しくは、多汗症の治療方法は?原因や症状を紹介!を読んでおきましょう。

まとめ 汗アレルギーは、汗を放置しない

アレルギーとは、ヒトを護る免疫システムが「特定の物質に過剰に反応すること」、あるいは、「間違った方向に反応すること」です。

汗アレルギーは、自分のかく汗に含まれる物質にアレルギー反応を起こす皮膚疾患です。汗アレルギーについては、まだ解明されないことが多いのですが、最近、皮膚に常在するマラセチア菌というカビの1種が原因アレルゲンとわかりました。

汗アレルギーでは、かゆみが生じます。汗アレルギーは、コリン性蕁麻疹の原因になったり、併発したりすることが多くなります。アトピー肌の人の80%は汗アレルギーです。金属アレルギーも汗と大きく関係しています。

汗はヒトの身体の体温調整・水分調整をしています。汗をしっかりかかないと、熱中症や脱水症になりやすいといいます。また、汗は皮膚の角質層の水分を保持し、皮脂と混ざり合って、天然の保湿剤となります。汗は肌のバリア機能をサポートしています。

汗をかくことは身体に良いのです。汗をかいたまま放置することが悪いのです。汗を放置しておくと、蒸発する時に水分を奪って、肌を乾燥させ、バリア機能を低下させます。皮膚に刺激や菌が侵入しやすくなります。

汗アレルギーの対策は、汗を放置しないことです。入浴やシャワーで汗を洗い流したり、タオルなどでこまめに汗を拭いたりして、肌を清潔に保ちます。保湿効果の高いスキンケアを適正に行います。汗腺トレーニングで良い汗をかくようにします。

汗アレルギーやアトピー性皮膚炎、コリン性蕁麻疹、金属アレルギーの疑いがある時は、皮膚科医に相談します。検査を受けてアレルゲンを突き止め、適正な治療を受けます。

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