人は誰しもが、体のどこかに「ほくろ」があるものです。人によっては、チャームポイントであったり、コンプレックスでもあるものですよね。
ほくろは、見た目は黒い斑点ですが、痛みを感じたりかゆみを感じたりするといったことは、普通の状態ではありません。
もしあなたが、ほくろにかゆみを感じているのであれば、何かしらのトラブルが起きている可能性が非常に高いといえます。
今回は、ほくろのかゆみについての記事を書いています。ほくろにかゆみを感じている人や、不安に思っている人はぜひ読んでみてください。
ほくろとは
そもそも「ほくろ」とはどういったものなのでしょうか?ほくろについて知っておきましょう。
ほくろの語源の始まり
ほくろは元々は母糞(ははくそ)という呼び名で呼ばれていました。基本的にほくろは母親のお腹の中で発生してしまう皮膚の黒い着色であったことにより、母親のお腹の中でついた糞という意味で母糞と呼ばれていました。
鎌倉時代に色の識別名称が生まれ、黒という単語が出来たことにより母糞と黒の言葉の混同が起こり、「母黒(ははくろ)」という名前に変換し、この言葉が徐々に変化し室町時代にはホクロとなりました。
皮膚にできる腫瘍
ほくろは、医学的に「色素母斑」あるいは「母斑細胞性母斑」や生まれつき存在しているホクロに対しては「先天性色素性母斑」といわれていて、皮膚で発生する良性の腫瘍です。良性なので、体に与える悪影響はありません。
生まれつきほくろがある部位もありますが、生まれてから育ってる間に発生しているほくろの方が多いのです。
基本的には黒く体表からは黒く見えることが一般的ですが皮膚の深部で発生した場合は青色母斑と言って青く見えることもあります。
メラニン色素の蓄積
ほくろが発生する原因は、皮膚にメラニン色素細胞が積み重なってしまうことです。メラニン色素細胞が過剰につくられたり、上手く体外に排出することが出来ないとほくろが出来てしまいます。ほくろが発生する原因としては
・紫外線の浴びすぎ
・ストレス
・寝不足
・肌への刺激
・栄養不足
紫外線の浴びすぎではメラニン色素細胞の活性化が引き起こりその紫外線の刺激から肌を守るためにメラサイトが過剰に働き紫外線を吸収してしまい、色が黒くなってしまいます。
ストレスや栄養不足などの問題では肌のターンオーバーが正常に行われないことで肌へのメラサイトの蓄積が引き起こることでほくろが出来てしまいます。
肌への刺激の問題ではメイク、化粧品の成分からの刺激などの微弱なものも蓄積してしまうことでほくろの原因になってしまうこともあります。同じところに何度もニキビなどの炎症が引き起こっていたり、癖でいじってしまっていることももちろん関係してしまいます。ほくろを増やしたくない人はこれらの原因をほくろに繋げないためにも控える必要があります。
なかなか出来るものではありませんが、ほくろが出来てしまうと除去するのに、時間や費用がかかることもあります。目立つ場所に出来るのが嫌なのであれば予防することが大切です。同様の理由で発生してしまうものに、シミやそばかすと言った物があります。
ほくろが増える原因とは!?病気の可能性は!?の記事に詳しく書いてあるので読んでみてください。
ほくろがかゆい原因
通常であれば、かゆみを感じることはありません。なぜ、ほくろにかゆみを感じるのか紹介します。
皮膚ガンの可能性
ほくろがかゆい場合、皮膚がんである可能性があります。この場合、早期発見が重要になってくるのでかゆみを感じている人は注意しましょう。
通常のほくろは、良性腫瘍なので悪影響はありません。癌の場合、ほくろでなく悪性黒色腫(メラノーマ)と呼ばれる、メラノサイトが悪性になってがん化したものです。一見すると、ほくろの様に見えてしまうので、放置してしまう恐れがあるのです。
※画像が「メラノーマ」です。他にもいくつかの症例として、メラノーマの画像や写真を他のサイトで確認し、自分のほくろの状態と見比べてみましょう。
悪性黒色腫(メラノーマ)の特徴と通常のほくろとの違いを紹介します。
・茶色っぽい、色にムラがある
メラノーマはもともと普通の肌の色の部分の所に発生する、皮膚病です。メラニン色素細胞が徐々に蓄積していくことで発生するので、最初から濃い黒色をしていることは稀です。時間が立ってから気づいた場合は既に黒くなっている場合もありますが、初期の状態では茶色っぽい状態のことがあります。
・爪や足の裏に出来やすい
メラノーマの出来やすい部分としては特に刺激を受けやすい足の裏や、手や足の指の爪の部分などに出来やすい傾向があります。足の裏に出来た場合は発見が遅れてしまい、状態が進行してしまっているケースが多々見受けられます。
大人になってから出来てしまったほくろの様な黒いシミに近いものはメラノーマの可能性があるので気になる場合は一度皮膚科などで検査を受けておいたほうが良いでしょう。
爪に出来ている場合は縦に線が入ったように一部黒くなっていて内出血と見間違えてしまう事も少なくありません。内出血と異なる点は、押したり刺激を加えても痛みが発生しないことと徐々に黒い部分が広がっていってしまう点です。
時間経過とともに皮下にまでメラノーマが侵食してしまった場合は治療がより複雑になりますので早めに病院へ行くことをおすすめします。
・痛みやかゆみがある
まず一番の違いは、メラノーマは痛みやかゆみを感じるといった点です。逆にいうと、かゆみや痛みを感じることで、早期に気づくことができます。
これらを感じたら注意深く観察してみるようにしてください。
・大きくなる
通常のほくろであれば、ほとんど大きさは変わりません。
しかしメラノーマの場合は、短期間で大きくなるのが特徴です。目で確認できるくらい大きさが変化するので、「大きさの変化するほくろ」はメラノーマの可能性が高いといえます。
さらに、ほくろよりも大きくなることがあり、7mmを超えるサイズになる場合が多くあります。かなり目立ってくるので、大きいほくろの場合も注意しましょう。
・出血することがある
出血することも稀にあります。黒く滲んだような血が見られた場合は、メラノーマの可能性を疑いましょう。また、血が出てしまうような刺激をメラノーマやほくろなどの色の変色してしまっている皮膚に与えることは危険です。
ほくろがガンになってしまうことはありませんが、メラノーマの場合は刺激を与えていしまうことで症状の進行が早まってしまうことがあります。出血してしまうほどいじらないようにしましょう。
・色が濃くなる
ほくろの場合、一度皮膚に現れると色が過剰に変化することはみられません。
メラノーマの場合は、徐々に色が濃くなっていく傾向にあります。注意深く見て、色が濃くなっていく場合も気をつけましょう。さらに、色がまばらになっていることがあります。こういったところも確認してみてください。
特に背中や手や足の裏にできやすい傾向がありますので、色の変化がないか確認してみましょう。
・左右非対称である
ほくろは、ほとんど左右対称の綺麗な丸をしていることがほとんどです。しかしメラノーマの場合は、左右が非対称であることが多くあります。
いびつな形をしていることが多く、ほくろと比べてみると一目瞭然であることが分かると思います。
以上のような違いが挙げられます。これらを知っておかないと、ほくろだと勘違いしてしまうことがあります。発生する詳しい原因は判っておりませんが、紫外線や生活習慣だが関係しているといわれております。
メラノサイトが発生する場所であればどこでも出来る可能性はありますが、足の裏に出来ている場合が多いとされています。日本人は、足の裏にメラノーマが現れる確率が高いのでお風呂に入った際などに確認しておく習慣をつけましょう。
・毛が生えない
メラノーマの皮膚細胞は癌化してしまっているので、毛根の細胞も死んでしまっています。よって汗腺や毛根などから汗の排出や毛の成長が正常に行われません。
たまに「ほくろから毛が生えていれば病気である」や「ほくろに生えている毛を抜いてしまうと病気になる」などと言われますが、これは根拠のないものになります。全く問題が無いかどうかはわかりませんが、今のところ因果関係は解明されていません。
また、毛が生えていることは正常な皮膚の活動を行えている証拠でもあります。逆に産毛などの毛が全く生えていない色の着色が確認されるものはメラノーマの可能性があります。
メラノーマの疑いのあるところの皮膚に毛が生えていないか確認してみましょう。
メラノーマに関する詳しい記事はこちらになります。合わせて参考にしてみてください。
・メラノーマが爪に出来てる?見分け方や他の病気の可能性について
老人性血管腫
老人性血管腫が現れていることで、ほくろと勘違いしてかゆみを感じていることがあります。
老人性血管腫は、皮膚の内部にある毛細血管が急激に増殖することによって発生します。老人性血管腫の主な原因は、紫外線の浴びすぎや皮膚への刺激だとされており、高齢になることで生じることが多いために、老人性といわれているのです。
老人性血管腫が発生すると、赤い斑点が現れるのでほくろと勘違いする人もいます。ほくろとの違いは、
・赤くなる
・かゆみがある
・突起していることがある
などが挙げられます。ただし、特に害があるというわけではないので放置しておいても問題はありませんが、女性の方などで目立つ場所にできると嫌がる人も多くいます。
老人性といっても、人によっては30代前後から発生する人もいます。治療する場合は、病院へ行ってレーザー治療を受けると除去することができます。なるべく発生させない様にするのが一番なので、皮膚への刺激を避けるようにしましょう。
ボーエン病
皮膚に発生する病気の一つにボーエン病があります。この病気は表皮の内部に引き起こる皮膚がんの一種で、がんの細胞の増殖が表皮内部にのみ確認される物で真皮にまで症状が及んでいない物を言います。「表皮内癌」などとも呼ばれるものになります。
はっきりとした原因は不明でヒトパピローマウイルスや紫外線の影響などが関係していると言われています。ボーエン病の症状が大量に起きている場合はヒ素の摂取が危惧されます。
身体の皮膚のどこにでも発生する可能性のある病気で、湿疹や手荒れ、ホクロやメラノーマの様な症状に似た状態に皮膚の状態が変化し、色の変化や、皮膚の質感が変わります。
中年以降の年代に頻発し、老化も原因の一つになっています。外用薬などの薬は効果がなく、範囲がどんどん広がり、長期間放置してしまうことで真皮にまでがんの状態が進行し有棘細胞癌と同じ症状にまで発展します。
基本的に痒みの症状は見た目ほどは強く発生することはないですが、若干痒みの症状が出ることもあります。
治療法は基本的に、皮膚の細胞を切除する手術を行うことになります。手術範囲が小さい場合は近くの皮膚を引っぱって縫合することになりますが、広範囲に及ぶ場合は皮膚のドナーが必要になり、からだの他の部分の皮膚を切除し、その皮膚を移植する必要があります。
この病気の治療手術後の症状の転移や再発は稀になります。
こちらの記事も合わせて参考にしてみてください。
ほくろが痒いときの対処法
ホクロが痒い場合はどの様な対処をすれば良いのでしょうか?正しい手順を踏まえて危険性の高い皮膚がんの問題を回避していきましょう。早期発見をし、早期に治療をすることでメラノーマは完全に治すことが出来ます。
メラノーマの危険性を考え正しい対処法を行っていきましょう。
掻きすぎない
痒いからと言って好きなだけ掻いてしまうと、皮膚が荒れてしまったり、その刺激によってメラノーマのような皮膚がんが発生しやすくなってしまいます。
耐えられないほどのかゆみがる場合はまずその痒みの原因を突き止めることが大事になります。原因がわからない状態のままで書くことのみを続けていると皮膚の細胞が壊れてしまい、そこから分泌される分泌液で更に他の皮膚まで痒さが広がってしまいます
皮膚の表面細胞を傷つけない程度の力で掻くようにしましょう。
写真を撮って記録しておく
ホクロを掻く時に見慣れないホクロや皮膚の黒ずみを発見した場合や特に足の裏や手のひらや手足の爪などの部分に黒ずみが発生している場合は発見日時と写真でしっかり記録しておきましょう。
1週間程の時間経過とともにその変化を観察し、大きさが短期間で急激に変化していないか、もしくは色の変化が起こっていないかなどを確認していきましょう。皮膚科などの専門家に相談するときもその症状の変化を提示することで更に詳しい診察を行うことが出来ます。
もし1ヶ月以内に皮膚の変色や拡大などの変化が確認された際は行きつけの皮膚科もしくは、メラノーマの病気に明るい病院などに検査を受けに行きましょう。
薬を使用する
かゆみ止めの薬は市販薬でも売られていますが、それらを利用して痒みを和らげて、あまり掻く刺激を与えないようにしましょう。
また、薬を使用する時は塗るタイプの外用薬は基本的に虫刺されに対する物が多く、外用薬の場合は薬用成分で刺激になってしまうこともあります。スラジンやムヒの内服薬タイプのものなどの痒みを発生させるヒスタミンという物質の働きを抑える薬などがありますので、こちらを利用したほうが良いでしょう。
異常な痒みや我慢できない程の痒み、蕁麻疹、湿疹、乾燥による痒みなどに有効なので乾燥などの場合は保湿剤と合わせて使用するなど症状によって外用薬と合わせながら内服薬も使用していきましょう。
まとめ
ほくろがかゆいと感じる原因
・皮膚癌になっておりメラノーマが発生している
メラノーマの特徴
・茶色っぽい、色にムラがある
・爪や足の裏に出来やすい
・大きくなる
・痛みやかゆみがある
・出血することがある
・色が濃くなる
・左右非対称である
・毛が生えない
その他の痒みの原因
・老人性血管腫により赤いイボができている
ほくろが痒いときの対処法
・掻きすぎない
・写真を撮って記録しておく
・薬を使用する
以上が今回のまとめになります。
このように、ほくろがかゆい時は異常が起きている可能性が非常に高いといえます。特にメラノーマであった場合は、早期発見が重要になってきます。
このサイトを閲覧したということは、かゆみを感じた方が多いと思われます。注意深くほくろを観察して、メラノーマとほくろの違いを確認してください。確認しても通常のほくろでかゆみが続くようであれば、一度病院へ行ってみてもらう方が良いといえます。
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