足がだるい。下半身が重い。足が疲れる。足がむくむ。下半身が痛い・・・このような状態を経験した人は多いですよね。特に、立ちっぱなしの仕事・座りっぱなしのデスクワークの人は、下半身がだるく重くなりやすいようです。
足の筋肉を使いすぎて疲労が蓄積すると、下半身がだるくなります。でも、いろいろな病気が原因で、下半身がだるくなったり、重くなったりします。時には、痛みが生じます。中には、放っておくと重篤な状態になる病気もあります。
下半身のだるさの原因と、手軽にできる解消法について、お伝えしますね。
なぜ足を使い過ぎると、だるくなるの?
下半身は、骨と筋肉と靭帯で支えられています。臀部や腰部、腿(もも)や脛(すね)、ふくらはぎの筋肉が疲れて硬く張ると、血行が悪くなり、末梢神経を圧迫します。
そのために、足がだるく、重く感じるようになります。
[足は「第二の心臓」と言われる]
心臓は全身に血液を送り出すポンプのようなものです。送り出される血液は動脈から毛細血管を通って全身に運ばれ、静脈に入って心臓に戻ります。
血液循環
動脈を流れる血液には、酸素と栄養分がたっぷり含まれています。
各組織は毛細血管から酸素と栄養分を採りいれて、いろいろな生命活動を行います。生命活動を行った結果、体内に生じる二酸化炭素や不要物・老廃物は、毛細血管から静脈に入ります。静脈血の二酸化炭素や老廃物・不要物は、肝臓・腎臓・肺などで処理され、体外へ排出されます。
血液が心臓から動脈に流れ、さらに静脈を通って心臓に戻ることを「血液循環(大循環)」といいます。血液循環が悪くなると、酸素や栄養物が十分運ばれず、各組織に二酸化炭素や老廃物が蓄積し、いろいろな障害が生じます。
筋肉は手押しポンプ
血液の循環がスムーズに行われるように、筋肉が手押しポンプの役目を果たします。下半身には全身の筋肉の2/3が集まっています。特大の手押しポンプです。
足に流れた血液は、重力に逆らって心臓に戻ります。下半身の筋肉がしっかり動いて、手押しポンプの役目を果たす必要があります。
歩くなどして下半身の筋肉を動かすと、血液循環が良くなります。そのため、「足は第二の心臓」と呼ばれるのです。
[下半身の筋肉が疲れると、血液循環が悪くなる]
長時間の立仕事や、歩きすぎ、過度な運動で下半身の筋肉を使い過ぎると、筋肉に疲労物質が溜まります。立ちっぱなし・歩きっぱなしの激務が数日続くと、筋肉が疲労して、歩けなくなることもあります。
デスクワークのように座りっぱなしでも、足が床についていますし、腰や臀部の筋肉を使いますから、疲労します。
筋肉が疲労すると、手押しポンプの働きが低下する
下半身の筋肉は、腰部・臀部・腹部・大腿部・脛・ふくらはぎの筋肉です。この筋肉と骨盤や足の骨、アキレス腱、靭帯で、下半身を支えています。
下半身の筋肉が疲労すると、手押しポンプの働きが低下して、血液循環が悪くなります。足の筋肉が硬く張って、血液の流れを妨げます。そのため、酸素や栄養分が十分運ばれず、二酸化炭素や老廃物が蓄積しますから、足がだるく、重く、冷たく感じるようになります。
筋肉が硬く張ると、神経を圧迫する
腰から出た末梢神経は下半身の筋肉の隙間を縫って足の爪先まで通っています。
筋肉が疲労して硬く張ると、血管を圧迫して血行を妨げるだけではなく、末梢神経を圧迫します。神経が圧迫されるので、特に、膝から下、脛やふくらはぎが重くだるくなります。
浮き指が脛やふくらはぎの筋肉を疲れさせる
「浮き指」とは、足の親指が90度以上反り返ってしまうことです。浮き指の人は、地面にしっかり足指がつかない「指上げ歩き」をします。指上げ歩きを続けていると、必要以上に力が入り、脛やふくらはぎの筋肉が疲れて硬くなり、血管を圧迫します。足のポンプの機能が低下して、血液循環が悪くなり、足がむくんだり、だるくなったりします。
[下半身の筋肉が弱ると、血液循環が悪くなる]
下半身の筋肉が疲れすぎると、血液循環が悪くなります。しかし、運動不足で筋肉が衰えても、血液循環が悪くなります。
筋肉は使わないと、すぐに衰えます。座りっぱなしで動かないと、太ももや脛・ふくらはぎの筋肉は衰えます。寝ていることが多い病人や高齢者は、歩けなくなりますよね。
足の筋肉が衰えると、足がむくんで、だるくなる
夕方になると、足首から先がむくんでパンプスを履くと痛かったり、ふくらはぎがパンパンに張ったり、脛を指で押すとへこんだりすることがありますよね。
足の筋肉が衰えると、手押しポンプの働きが低下します。血液循環が悪くなり、動脈によって酸素や栄養を運び込むことが不十分になります。不要な水分や老廃物、二酸化炭素を静脈に戻して運び去ることができなくなります。そのため、不要な水分が足に溜まって、ふくらはぎや脛、足首から足先にかけて、むくみ(浮腫)が生じます。足がだるく重く、冷たく感じます。
[生理でも足がだるくなる]
生理前から生理中にかけて、足がだるくなるのは、多くの女性が経験しています。これは、生理前から生理中にかけて女性ホルモンのバランスが乱れたり、貧血が起きたりするためです。
ホルモンバランスの乱れで自律神経の働きが悪くなる
生理前になると、黄体ホルモンという女性ホルモンが増えますが、卵子が着床せずに生理が始まると、黄体ホルモンは急激に減少します。このようにホルモンバランスが乱れると、自律神経が悪影響を受けて、働きが悪くなります。
自律神経の働きが悪くなると、血行が悪くなります。酸素や栄養分を含んだ動脈血が十分流れず、不要な水分や老廃物、二酸化炭素が静脈血に入って運び去られにくくなり、足がだるく重くなります。
自律神経の働きが乱れると、イライラや頭痛、胃痛、全身のだるさなど生理痛が生じます。
貧血で、下半身がだるくなる
生理前から生理中にかけて、ホルモンのバランスが崩れて、自律神経の働きが悪くなり、全身の血行が悪くなります。また、生理中の出血でも、血液が不足するようになります。
貧血のため、酸素と栄養分が行き届かず、下半身に老廃物や二酸化炭素が溜まり、だるくなります。
デスクワークの多い女性は、つらさが増す
女性はデスクワークが多いため、ふくらはぎの筋肉が衰えがちです。ふくらはぎの筋肉が衰えるため、ポンプの働きが低下して、血液循環が悪くなり、下半身がだるく重くなります。足がむくんだり、冷えたりします。
生理前から生理中にかけては、女性ホルモンのバランスが崩れるので、下半身のだるさ、むくみが強くなります。
[ダイエットで下半身がだるくなる]
糖質制限など厳しいダイエット方法を続けると、生命活動に必要なエネルギーが不足することがあります。必要なカロリーが不足すれば、痩せますが、全身がだるくなります。
ダイエットで貧血になれば、当然血液循環が悪くなり、下半身がだるくなります。
下半身がだるくなる病気
筋肉の使い過ぎや、筋肉の衰えによる血液循環の滞りが原因の下半身のだるさは、病気ではありません。セルフケアで改善することができます。
しかし、下肢静脈瘤・肝機能障害・心不全・腎不全・糖尿病・高血圧症・坐骨神経痛などの疾患により下半身がだるくなったり、重くなったりする症状が生じることがあります。疾患による下半身のだるさは、医師の治療が必要です。
また、妊娠中は、下半身がむくんだり、だるくなったりすることが多いようです。
[下肢静脈瘤]
下肢静脈瘤とは、下肢(特にふくらはぎ)に静脈が青い筋のように浮き出て、コブのようなデコボコができる病気です。女性に多く発症します。
生命の危険があったり、足が壊死したりするような深刻な病気ではありません。
下肢静脈瘤の原因
心臓から送り出された動脈血が足の先まで酸素や栄養分を届けた後、そこで発生する二酸化炭素や老廃物、不必要な水分は、静脈血に入って心臓に戻ります。
静脈の血は重力に逆らって流れます。ふくらはぎの筋肉がポンプの作用をして血液を押し流すとともに、静脈弁が血の逆流を防いで一方通行にしています。
立ちっぱなしの仕事や足を使い過ぎる仕事を長く続けたり、妊娠したりすると、静脈弁に負担がかかりすぎて、弁が壊れてしまいます。そのため、静脈血が逆流して、下方の静脈に圧力がかかり、静脈が蛇行してコブのように盛り上がります。
また、長期間の立ち仕事や、妊娠により下半身の負担が大きすぎると、ふくらはぎの筋肉が過労になってポンプ作用が低下します。静脈血の流れが滞り、静脈がうっ血して腫れます。
下肢静脈瘤の症状
- 足がだるくなります。足の静脈が張って、鈍痛が生じます。足がむくみます。足がつります。足にかゆみが生じることもあります。
- 静脈がコブ状になった部分に熱感を生じます。
- 静脈血が漏れて浸み出し、皮膚が黒ずみます(色素沈着)。患部周辺の皮膚に湿疹ができて、なかなか治りません。進行すると、皮膚に難治性の潰瘍ができることもあります。
(静脈血栓炎)
静脈瘤に血栓(血の固まり)ができて、炎症を起こして腫れることがあります。「静脈血栓炎」といいます。
静脈瘤が硬くなり、赤く腫れます。激しい痛みが生じます。
血栓が肺に飛んで、重篤な「肺血栓」を起こす可能性も、全くないとは言えません。
下肢静脈瘤の治療
静脈血栓炎は、氷などで冷やすと、痛みが解消します。残ったシコリは数ヶ月で自然に吸収されてなくなります。
生命に関わるような重篤な疾患ではありませんが、見た目が悪く、女性は悩みます。早めに医師に相談することをオススメします。
(弾性ストッキングによる保存療法)
軽症ならば、弾性ストッキングを着用して、下肢全体を圧迫します。静脈血の逆流を防いで、症状を改善し、静脈瘤の進行を遅くします。
(外科的療法)
足のだるさやむくみ、鈍痛がひどい場合、見た目が悪くてスカートがはけない場合、色素沈着や潰瘍が生じた場合は、外科的な処置が必要になります。
結紮硬化療法やスリッピング手術など、症状によって対処方法が異なります。
[坐骨神経痛]
坐骨神経痛とは、何らかの原因により、坐骨神経という末梢神経の1種が圧迫・刺激されて起こる神経痛の総称です。
坐骨神経は、腰から太ももを通って膝に至る部分の神経です。この神経は、膝下から足の先まで続いています。
坐骨神経痛の原因
坐骨神経痛の原因は、85%不明です。若い人は椎間板ヘルニア、中高年は脊柱管狭窄症によることが多いようです。
椎間板ヘルニアは、椎体の間にある椎間板が何かの原因で突出することです。突出した椎間板が坐骨神経を刺激して、坐骨神経痛が起こります。
脊柱管狭窄症は加齢などにより、神経が通っている脊柱管が変形して狭くなることです。脊柱管が狭くなり、神経を圧迫・刺激すると、坐骨神経痛が起きます。
指上げ歩きなど足裏が不安定な歩き方をしていると、腰椎を圧迫して変形や歪みを生じさせ、坐骨神経の働きを低下させます。下肢の血行を悪くします。腰椎の変形や歪みは、脊柱管を変形させ、坐骨神経痛が起きます。
坐骨神経痛の症状
- 腰からお尻、太ももの裏側、ふくらはぎ、くるぶし、かかとにかけて、激痛が生じます。
- 多くの場合、腰痛を伴います。
- 坐骨神経が障害されるので、膝蓋(しつがい)反射やアキレス腱反射の欠如が起こることがあります。
- 足にしびれが生じます。血行が悪くなり、足がだるくなったり、冷えたりします。
- 足に力が入らず、足の筋力が低下します。そのため、さらに血液循環が悪くなります。
- 歩く・座る・姿勢を保つことができなくなり、日常生活に支障を生じます。
- 排尿や排便が困難になることもあります。
坐骨神経痛の治療
激痛を緩和する鎮痛剤の投与をし、原因や症状に合わせて、ブロック注射や牽引(けんいん)、電気治療を行います。鍼(はり)や整体が効果のあることもあります。
[糖尿病腎症]
糖尿病で高血糖状態が続くと、腎臓機能が障害されて、尿を作れなくなってしまいます。体の中で生じる老廃物を尿とともに排出することができなくなります。
進行すると、腎不全となり、生命に関わる可能性が高くなります。
糖尿病腎症の症状
- 不要な老廃物が排出できず、体内に溜まるので様々な障害が生じます。
- 初期には、自覚症状がほとんどありませんが、尿に微量のタンパク質が出ます。
- 進行すると、足などのむくみ・手足のしびれ・足がつる・筋肉が強張る・筋肉や骨の痛みなどが生じます。
- 息苦しさ・疲れやすさ・だるさ・嘔吐・発熱・腹痛・血圧上昇が生じます。
- 尿が出なくなり、腎不全になります。
糖尿病腎症の治療
糖尿病腎症は、軽症ならば、血糖をコントロールします。降圧剤を投与して血圧を下げます。
進行して尿が出なくなれば、人工透析を行います。
[肝機能障害・心不全・高血圧]
血行が悪くなり、血液の循環がうまくいかない疾患を発症すると、下半身がだるくなります。
肝機能障害
肝臓に異常が発生して、肝臓の機能が低下すると、静脈血がスムーズに流れなくなります。静脈の血流が悪くなると、下半身がうっ血状態になり、不要な老廃物や二酸化炭素が溜まります。そのために、下半身がむくみ、だるくなります。
肝機能障害の足のだるさは、耐えがたいほどつらいものです。肝機能障害が進行すると、全身が疲れやすく、だるくてたまりません。
肝臓は「沈黙の臓器」です。肝臓の大部分に病変が生じても機能し続けます。肝臓に障害が起きても、初期は、ほとんど自覚症状がありません。でも、足のだるさは、数少ない初期の自覚症状です。足の耐えがたいだるさが続いたら、早く病院へ行くことをオススメします。
詳しくは、肝機能障害の症状とは?治療方法や予防方法を紹介!を参考にしてください。
心不全
ポンプの働きをする心臓が十分に機能しなくなれば、当然、血液循環が悪くなります。下半身がうっ血して、だるく、重くなります。下半身の冷えも生じます。
心臓・足の筋肉・静脈弁が正常に働いて、血液循環を良好な状態に保つことができます。どれか1つに異常が起きれば、血液循環が滞り、うっ血状態が生じます。
詳しくは、心不全とは?症状や治療方法、予防方法を知っておこう!を読んでおきましょう。
動脈硬化・高血圧
動脈硬化が生じると、血液の流れが悪くなります。そのため、心臓が拍動を増強するので、血圧が上がります。血管壁に強い圧力がかかり続けると、血管壁が損傷し、血管が狭くなり、動脈硬化が進行します。悪循環に陥ります。
血流が悪くなるため、下半身に静脈血がうっ血して、下半身がだるく、重くなります。
[熱中症]
熱中症になると、突然倒れるということはありません。足がつる(こむらがえり)・下半身がだるい・顔がほてる・ふらふらする・・・などの兆候が必ずあります。
暑い時期、こむらがえりが起きて、下半身がだるいと思ったら、熱中症の可能性があります。すぐに涼しいところで横になり、スポーツドリンクなどで水分補給をします。
詳しくは、熱中症の症状とは?原因や気をつけるべき人を知っておく!を読んでおきましょう。
[妊娠]
妊娠はヒトの最も重要な生理現象です。病気ではありませんが、妊娠中は下半身がむくんだり、だるくなったりします。
妊娠初期のホルモンバランスの乱れ
妊娠初期は、ホルモンバランスが乱れ、自律神経の働きが低下します。そのために、いろいろな症状が生じます。腰痛や股関節の痛み、骨盤辺りの痛みが生じる人がいます。下半身や全身がだるくなります。
大きくなった子宮が静脈を圧迫する
妊娠中期から後期にかけては、子宮の中で赤ちゃんが育ち、子宮が大きくなります。大きくなった子宮が股関節の近くにある静脈を圧迫して、静脈血の流れが悪くなり、下半身にうっ血するようになります。そのため、下半身がだるくなります。
静脈弁にかかる負担が大きくなり、静脈弁が壊れ、下肢静脈瘤と同じような状態になります。
むずむず症候群
妊娠中は鉄分が不足して、貧血になる人が多いようです。そのため、寝ようとして横になると、足がだるくて、むずむずし、動かしたいという衝動にかられることがあります。これを、「むずむず症候群」といいます。
詳しくは、むずむず脚症候群の原因とは?ストレスや運動不足に注意!を参考にしてください。
妊婦さんの下半身のだるさのケア
お腹が大きくなると、つい同じ姿勢をとりがちですが、筋肉が強張って、血行が悪くなります。できるだけ体を動かして、血流を良くするように注意します。
足がだるい・足がむずむずするなどの症状があれば、すぐに産科医に相談して、適正に対処する必要があります。
下半身のだるさを解消する
脚や下半身がだるくなるのは、血液循環が悪くなり、静脈血がうっ血して、不要な二酸化炭素や老廃物が下半身に溜まるからです。
ですから、基本的には、血液の流れを良くし、血液循環が滞りなく行われるようにすれば、下半身のだるさは解消・改善できます。
[脚・下半身の筋肉疲労に対処する方法]
長時間の立仕事や歩行、マラソンなど激しい足の運動により、脚・下半身の筋肉に疲労物質が溜まります。筋肉が疲労すると、ポンプ機能が低下して、血液循環が悪くなります。
①軽い運動で、疲労物質を循環させる
使い過ぎによる筋肉疲労は一過性ですから、休めば自然に解消します。
しかし、疲れているから、脚が痛くてだるいから、じっとして動かないと、筋肉が硬く張ったままでほぐれません。軽い運動やストレッチをして、足の筋肉のポンプ作用を高め、疲労物質の循環を促します。
②ゆっくりお風呂に入って、血行を良くする
お風呂に入って全身を温めると、血行が良くなります。血液循環が良くなり、疲労物質の循環を促します。
③優しく脚をさする・足裏を指圧する
血行を良くするには、マッサージが、効果があります。しかし、強くもんだり、ローラーや棒で押すマッサージは、筋肉を傷めます。筋肉が疲れていると、損傷が大きくなります。筋肉痛がある時に強いマッサージはNGです。
優しく脚をさすると、リンパ液の分泌を促します。リンパ液は疲労物質を循環させますから、足の筋肉疲労の回復を速めます。
足裏のツボを指圧すると血行が改善し、疲労物質が循環します。
④短時間、足を高くして横になる
身動きするのもつらいほど疲れている時は、少しの間、足を高くして横になります。足を高くすることで、血液の流れを良くします。身体が少し楽になると、動きやすくなります。
[血液の流れを改善する方法]
運動不足などで下半身の筋肉が衰えると、ポンプ作用が低下して、血液の循環が悪くなります。
①体を温め、冷やさないようにする
お風呂にゆっくり入り、全身を温めます。
冷房に当たりすぎや冷たい飲料などの摂り過ぎに注意します。
②適度な運動をして、血流を良くする
ウォーキングやラジオ体操など有酸素運動で、血流を良くします。運動すると、下半身の筋肉の衰えを防ぎ、筋肉をつけることができます。
③足のツボをゆっくりと押す
脚のツボは、「三里」と「承山」です。三里は、向う脛の外側・膝の下にあります。承山は膝からくるぶしまでの中間点です。
脚のツボを押すと、血行が良くなります。
④足枕や弾性ストッキングを使用する
足枕で足を高くして寝たり、テーピング効果のある弾性ストッキングを着用したりすると、静脈血のうっ血を改善して、血液の流れが良くなります。
[下半身のだるさを予防する]
下半身のだるさやむくみを予防する方法は、血液循環を良くすることです。身体に歪みがあると、血管を圧迫して、血行が悪くなります。
①体を冷やさない
冷えは血流を悪くします。夏でもお風呂にゆっくりつかって全身を温め、冷房や冷たい飲食物の摂りすぎに注意します。
②姿勢を正しく保つ
姿勢が悪いと、骨盤や背骨に歪みが生じます。
(足指で地面をつかむように歩く)
足裏を地面にしっかりつけ、安定した形で歩くようにします。相撲取り・能役者・歌舞伎役者は、足指で土俵・舞台面をしっかりつかむようにして歩きます。
(ヨガは姿勢を正しく保つ効果がある)
ヨガは、姿勢や動作、筋肉や骨格の異常を修正する効果があります。ヨガポーズをとると、身体のストレッチにもなりますし、筋肉を鍛えることにもなります。
③筋肉を鍛える
筋肉は手押しポンプとなって、血液循環を良好に保ちます。下半身の筋肉が衰えると、静脈血の循環が滞ります。ウォーキングやスロージョギング、ストレッチなど、有酸素運動をして下半身の筋肉を強くします。
(有酸素運動でダイエット効果)
老廃物や不必要な水分が循環するようになり、脚のむくみが取れてスッキリします。食事制限より、下半身瘦せのダイエット効果があります。
(姿勢を正しく保つには、上半身の筋肉も必要)
背骨や骨盤を正常に保つには、腹筋や背筋など上半身の筋肉が必要です。肩甲骨の外転に関わる唯一の筋肉である前鋸筋(鋸筋)も、よく動かすようにします。
呼吸を腹式呼吸にします。お腹に力を入れて引っ込め、肩を外へ廻し、胸を開くようにすると、姿勢が良くなります。手や腕を大きく上げて廻すと、肩こりの改善にもなります。
④生活習慣に注意する
立ちっぱなし・座りっぱなしなどを長期間続けていると、血液の循環が悪くなります。
規則正しい生活・適度な運動・十分な休養など、日常の生活習慣に注意する必要があります。栄養バランスの良い食事を腹八分目に摂るようにすれば、生活習慣病である糖尿病や高血圧の予防にもなります。
(青汁でむくみを取る)
外食が多く、野菜が十分摂れない人は、青汁を飲むのも対策の1つです。余分な水分を循環させて、下半身のむくみやだるさが減少します。
まとめ 血液循環が悪いと、下半身がだるくなる
血液は心臓から動脈に送り出され、全身の毛細血管を流れて、静脈に入り、心臓に戻ります。これが「血液循環」です。動脈血は酸素と栄養分を全身に運び、静脈血は体内に生じた二酸化炭素や老廃物、不要な水分を運び去り、体外へ排出できるようにします。
心臓は、血液を循環させるポンプのようなものです。心臓を助けて、手押しポンプの働きをするのが、全身の筋肉です。下半身の静脈血は重力に逆らって心臓に戻りますから、強力なポンプが必要です。そのため、下半身には全身の筋肉の2/3が集まっています。
下半身の筋肉は、骨や腱、靭帯とともにヒトの身体を支えています。長い間、立ち仕事をしたり、歩き続けたり、激しい運動をしたりして、下半身の筋肉が疲労すると、ポンプ機能が低下して、静脈血の循環が滞ります。疲労物質や二酸化炭素、老廃物などが溜まり、下半身がだるくなったり、むくんだりします。
筋肉は動かさないと、すぐ衰えます。筋肉が衰えると、ポンプ機能が低下して、血液循環が悪くなります。下半身がだるくなり、むくみが生じます。
適度な運動をすると、筋肉の疲れもとれますし、筋肉の衰えを防ぐことができます。身体を冷やさないようにして、血液循環を改善すると、下半身のだるさを解消できます。
しかし、下半身にかかる負担が大きくなりすぎると、下肢静脈瘤という疾患を発症することもあります。肝機能障害や熱中症の初期兆候は、下半身のだるさや足がつることです。妊娠すると、下半身がだるくなったり、むずむずしたりします。
下半身のだるさは、重篤な疾患の兆候の可能性があります。生活を改善しても下半身のだるさが軽快することもなく、つらくなるようなら、早めにお医者さんに相談することをオススメします。
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