夏になると皆さん汗に悩んでいるのではないでしょうか?体温調節のために出る汗ですが、均等よく身体から出てくれるとありがたいです。
しかし、個人差があって顔から汗が滝のようにでている人もいます。特に女性は顔に汗を掻くとシワになるので美容上にもよくありません。
女性は顔に汗がでていると、メイクが剥がれ化粧崩れが起き、メイクを治してもまた顔から汗がでてくると精神的にも参ってしまいます。
顔の汗は暑いから出るだけでなく、精神的なことで出てくることもあり、顔に汗を掻かない方法があれば是非見てみたいと思いませんか?
顔の汗は本当に悩みの種ですね。顔の汗を止める方法について記事にしてみました。
顔の汗について
顔の汗は女性にとっては一番いやですよね。顔に汗が出てくると化粧崩れして、化粧直ししても顔の汗が止まらないと化粧直しもできません。
汗のでる理由に3種類の発汗があります。
- 温熱性発汗・・・身体が熱くなったときに熱を逃がして体温を下げる働き
- 精神性発汗・・・緊張や興奮した時に出るいわゆる冷や汗
- 未覚性発汗・・・辛いものなど食べた時に頭や顔や首に出る汗
汗の働きは体温調節です。運動や気候の変化で体温が上昇すると、身体は体内の水分を汗として出して、その気化熱で体温を下げようと働きます。
顔の汗のメカニズム
汗は全身にあるエクリン腺という汗腺で作られ、無色透明のさらっとした基本的な汗です。しかし、顔の汗はべたついています。
顔の汗がべた付いているのは、汗の中にミネラル分を多く含んでいるからです。体温調節にかく汗はミネラル分の再吸収が行われます。しかし、顔の汗はそれが起こりにくいのでべたつきます。なぜ、再吸収が行われないのかというと発汗のスピードが速いからです。
顔の汗はタラタラと滝のように出てくることが多く、大量に短時間で出る汗はミネラル分の吸収が追いつかないためです。
顔の汗の発生原因
顔の汗の原因には精神発汗、自律神経の乱れ、ホルモンバランスの崩れ、運動不足、食事の影響、病気の影響などがあります。
精神発汗
顔や頭は汗腺が多いこともあり、緊張や精神的な強いストレス、困ったことが起こった状態などによって自律神経の交感神経が異常を起こします。
そして、気温と関係なく汗腺を刺激することで大量の汗を掻きますがこれを精神発汗といいます。いわゆる冷や汗のことです。
自律神経の乱れ
自律神経は私たちが生命を維持するために無意識のうちに呼吸し、心臓を動かし、食物を消化するなど基本的な生命維持活動を維持しています。
そして、発汗(体温調節)もこの自律神経が調節しています。この、自律神経が乱れてくるとさまざまなところに弊害をもたらします。発汗もコントロールできない必要以上の汗が出てくることがあります。
ホルモンバランスの崩れ
女性ホルモンが乱れると顔の汗が多くなることがあります。女性ホルモンの乱れで有名なのが更年期障害です。
更年期障害になると、女性ホルモンが急激に減少し、ほてりや汗が突然出てきます。汗が止まらなくなるタイプは更年期障害の症状の場合もあります。
運動不足
運動不足になると運動しないことで汗が出る機能が衰えて発汗の際に異常が起こります。普段汗をかく機会が少なく汗をかく機能が衰えてくると、心臓から離れた冷えやすい末端の汗腺が休止状態になります。
ですので、体温調節の汗は他から出さないといけなくなり、顔や頭、𦚰などの汗腺の多い部分から滝のように汗が出てきます。
食事の影響
熱い食べ物を食べたり、辛いものや香辛料などを食べると血行を高め、汗腺を刺激して汗が出てきます。
これも、体温調節をするために汗がでるのですが、直接的に汗腺を刺激するため汗腺の多い部分から大量に汗をかくので、顔や頭から汗が出てきます。
病気による影響
上記の異常がないのに顔の汗が酷い場合は、顔面多汗症(局所多汗症)という病気かも知れません。
交感神経の異常によって起こる顔の汗は精神性発汗が慢性になっている可能性があります。日常生活で支障が出る場合は病院を受診しましょう。
顔の汗を止める対策方法
顔の汗をツボで止める方法がありました。汗を抑える化粧品や制汗剤などありますが、顔の汗をツボ押しで止める方法の一番の利点は副作用がないということです。
しかし、化粧品や制汗剤のように即効性や持続性はありません。人前で汗を止めたい人必見、顔汗体質の人の対策法をさまざまご紹介いたします。
ツボ押しで顔の汗を止める方法
1.手
後谿(こけい)
手の平を握りこぶしに握ると、小指の環状線が飛び出たシワの状態になります。この飛び出たところが後谿のツボといいます。
この後谿のツボを反対の親指かボールペンなどで強く押すと、顔の汗をとめることができます。
陰げき(いんげき)
手を開いた小指側の付け根から1.5㎝ぐらい下がった点を陰げきのツボといいます。ここを同じように片方の親指で強く押します。
2.胸周り
屋翳(おくえい)
3~5cmほど乳首から上部分に位置するツボです。
反対の人差し指、中指の腹で優しく抑えます。
大包(だいほう)
脇の真下にあるツボです。
こちらも、人差し指、中指で強く押します。
胸周りのツボは両方の手で、屋翳と大包を手を交差してツボを同時に抑えると効果的で、屋翳を親指の腹で、大包を中指の腹で抑えると抑えやすいです。
3.首
首はツボというより顔の汗を止めてくれる方法です。首の後ろには頸動脈という血管の太いのが通っているので、ここを冷えたジェルや濡れタオルで冷やすと、顔の汗を速攻で止めることができます。これは、効果的で即効性のあるすぐにできる対処法です。
ツボ押しの方法
ツボ押しの方法はあくまでも優しく抑えて、効果が現れない時はさらに強く抑えるようにするとよいでしょう。
また、ツボを押さえる時に手のツボは小さな点であるため、ボールペンや棒などでおさえてもよいです。
ツボ押しをして顔の汗が止まる理由
人間の身体には発汗量を一定に保とうとする反射機能が備わっているため、このツボ押しは人間の生理機能に基ずく理論といえます。それは、ある部位で汗が掻きにくくなると他の部位で汗をかくということです。
この出来事は「皮膚圧反射の原理」といわれる原理に基づくことで、手や胸の上部を抑えると顔や頭の発汗を抑えることができるのです。
この現象は左右対称に現われて、左右の胸や手のツボを押さえると、一時的に胸から上の発汗を抑えることができるのです。
皮膚圧反射の原理が作用している間は、他の部位で発刊されているので身体に悪影響がでることはありません。
手足を温める
顔から汗が出やすいのは他の汗腺が活発でないため、顔や頭に集中的に汗が出やすくなっています。ですから、手足の末端を温めることで、他の汗腺を活発にして、顔から集中している汗を分散します。
汗腺は衰えやすいですが鍛えると効果はでやすく、汗腺トレーニングをして汗腺を鍛えると、汗の臭いがなくなります。
また、体内の老廃物が排泄しやすくなったり、ネバネバの汗からサラサラの汗に変化たりするといった効果があります。暑さに慣れて少々の暑さでは汗が出にくくなり、部分的に多汗がなく全体に平均してでるようになります。
汗腺が正常になれば顔からドバっと汗が出ることはありません。汗腺の改善策は汗腺トレーニングや、運動、入浴、食生活の改善で代謝を高めることです。
皮膚圧反射(半側発汗)
人の身体には身体の一部を圧迫すると、その周辺の汗が減って、反対側から出る汗が増えるという性質があります。これを、皮膚圧反射といいます。
顔の汗を止めるにはこの方法を使うと良いでしょう。これは、すぐに効果のある対処法です。
さらしをまく
この方法は皮膚圧反射を応用した方法といえます。京都の舞妓さんや、女優さんなどがやっている方法で、さらしを巻いて上半身の汗を止めます。
制汗剤を用いる
顔用の制汗剤を使うと顔の汗を止めることができます。制汗剤が汗を抑えるのは収れん剤が入っているためで、これは、汗腺の出口を塞いで汗を出にくくするものです。
ですから、身体に対しては余りよい方法ではありません。長時間汗腺を塞いだままにしていると肌にもよくないですし、体温調節にも影響します。
顔汗専用の制汗クリーム
顔汗専用の制汗クリームの特徴は
- ピタッと顔汗が瞬時に止まる
- 化粧する前でも後でも使えて、化粧崩れ防止に効果的
- 使い続けると顔汗量が減る
特徴があります。
制汗剤クリームでおすすめグッズとして人気があるのがサラフェプラスです。
- サラフェプラス・・・・顔用の制汗剤
- 汗止め帯・・・・・・・胸に巻く帯
- しろくまの気持ち・・・冷感スカーフ
パースピレックス
制汗剤の一種で長時間効果が持続する、新しく発売された制汗剤(医薬品)です。パースピレックスは1回使用すると3~5日持続しますが、こちらは顔用ではありません。
しかし、顔用に裏技として使っていられる方もいます。医薬品なので副作用がある恐れがあり十分に注意する必要があります。その裏技をご紹介します。
1.効果が現れるまで毎日塗りますが、敏感肌の人は1日起きぐらいで少しでも肌の違和感を感じたらすぐに中止します。それを2週間続けます。
2.洗顔して肌を清潔にしてから塗ります。顔が汚れていると副作用の原因となり、効果も半減されます。また、顔に傷ができていると副作用のかゆみの原因となります。
3.完全に乾いた状態でパースピレックスを塗ります。洗顔し化粧水の使用後肌がきちんと乾いてから塗らないと副作用が出てきます。パースピレックスは医薬品なので必ず乾いてから塗ることを心がけてください。
4.パースピレックスをよく振ります。塩化アルミニウムという成分が高濃度で配合されています。ですから、よく振ってから使わないと塩化アルミニウムが固まったままです。塩化アルミニウムが固まったままだと、副作用が現れますので必ずよく振って使用してください。
5.薄めてコットンを使用して顔に塗ります。パースピレックス・ローションを化粧水で薄めて塗布することが必要です。濃度は使用する人によって違いますので、自分に合った濃度を見つけることも大切です。コットンに含ませて塗ると副作用が軽減されます。
6.翌朝パースピレックスを洗い流します。ぬるま湯か水で必ず洗い流してください。洗い流さないと副作用の発生リスクは高まります。
オオサカ堂でパースピレックス・ローションはお任せ発送便で1本約2990円で売られています。為替変動で買う時期により価格は変動します。
汗が出やすい体質の改善方法
顔の汗を止める改善方法として適度な運動があります。運動をしないでいると少し動いただけでも顔の汗が滝のように出てきます。
有酸素運動をする
運動不足は上でも説明しましたが汗腺の機能を低下させます。ウォーキングやジョギング、軽い有酸素運動をして、日ごろから汗をかくことをし全身の汗腺を目覚めさせることで、顔の汗を軽減できます。
有酸素運動はストレスを解消したり自律神経のバランスを整えたりしてくれます。汗の量だけでなく臭いやべたつきなども解消してくれます。
リラックスする
精神性発汗の場合、発汗を促す交感神経が分泌されます。これは、交感神経の精神的な高ぶりを刺激するためです。ですから、気持ちが落ち着けば自然に汗は引いていきます。
しかし、「恥ずかしい」「汗を早く止めたい」と気にしすぎると、交感神経を感情が余計刺激するので汗が止まらなくなります。
ゆっくりと深呼吸をして、気持ちを落ち着かせることが早く汗を引く方法です。
交感神経の異常興奮によって汗腺が刺激されるので、副交感神経が優位に立つように意識的に働きかけ鎮めることが必要です。
深呼吸をするとリラックスできるのは、息を吐くときに副交感神経が刺激されリラックスできるのです。これは、自分で意識的に自律神経に働きかけることができます。
潜在意識を書き換える
人間は「寝る前に考えた通りの人間になる」という法則がありますが、寝る前に楽しいことを一杯考えてリラックスする時間を確保します。
寝る前にどれだけリラックスして、楽しいことが考えられるかで、顔の汗を気にしなくなるようになります。
- 自律神経のコントロール
- 潜在意識
寝る前に音楽を聴いてリラックスさせる音楽療法なども、顔の汗には効果があります。ゆったりとした音楽を聴くことで、緊張した神経がリラックスしてきます。
顔の多汗症の治療方法
顔の汗は治すことが出来ないのでしょうか?治療薬や施術なども行われています。どのような物があるか見てみました。
病院で処方してもらう薬・多汗症治療薬
皮膚科、心療内科、精神科、神経科などで処方してもらう、プロバンサインという薬があります。この薬は多汗症の薬の中でも唯一認定され、治療薬として病院で使用されています。
プロバンサインの薬は
- 即効性があって1時間前の使用でもよい
- 安心できる医療でも使われている薬
- 汗をかく抗コリン作用による脳の指令を停止
といった効果があり、ファイザー製薬から販売されています。この薬は一時的に汗がでるのを抑えます。
ボトックス注射を打つ
ボトックス注射は顔のしわ取りによく使われますが、顔の多汗症の治療にも有効です。食中毒の原因菌になるボツリヌス菌が作る、A型ボツリヌス毒素を有効成分にした注射です。
毒素というととても怖い感じがしますが、毒素を取り除いた無害なものを適量に注射します。感染や人体への影響はありません。
この注射はアセチルコリンという神経の末端から分泌される、神経伝達物質を抑制するため筋肉の動きを麻痺させる働きがあり、表情筋を止めて表情シワを解消するため使われますが、発汗を促す作用もアセチルコリンにはあります。
ボックス菌注射は狭い部分に効果があり、汗の多い部分に注射をすることで神経ブロックして汗を止めることができます。顔の汗の場合は額の汗を抑えるのに有効です。
ボックス注射を受ける時は副作用がありますので、多汗症治療の豊富で信頼できるクリニックでないと、筋肉を麻痺させる作用があり副作用が伴うことがあります。
漢方薬
漢方薬は身体の自然治癒力を引き出すもので、身体の調子を整え血流や自律神経、ホルモンのバランスなどを整えていくため治療薬のような即効性はありません。
漢方は顔汗用、𦚰用というものはありません。個人の体質に合わせて体質改善をするため顔の汗の根本原因となる体質改善をする薬を処方します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?汗っかきの人をみると気の毒に思います。私はどちらかというと余り汗をかかない方ですが、歳と共に少し汗が多くなってきました。でも、よっぽど炎天下を歩き回らないと余り汗をかきません。
それに比べ友達は冬でも汗をかいているので本当に気の毒になります。汗をかくと手に持っているものも汚れてしまい、商品など販売している人は気が気でないですよね。
汗を身体全体に掻くようにすることが大切ですね。
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