剣状突起ってなに?発生する場所を知ろう!痛みがある場合に考えられる原因とは?

あなたは、剣状突起という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?耳にしたことがある方は、そんなに多くはないのではないでしょう。

実は、剣状突起とは、胸の骨の一部のことです。みぞおちのあたりを触ると、しこりのような感触が感じられるものが、剣状突起です。そして、しこりのような感触から、がんなどの重大が疾患と勘違いして不安に陥る方が多く、実際に医療機関で受診される方もいらっしゃいます。

そこで、剣状突起についての概要と、みぞおちにしこりができる疾患と剣状突起との判別についてまとめてみましたので、参考にしていただければ幸いです。

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剣状突起とは?

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そもそも剣状突起とは、何なのでしょうか?

胸部の骨の構造について

人の胸部は、胸骨と肋骨によって構成されています。

肋骨(ろっこつ)

肋骨は、胸部の内臓(心臓、肺、肝臓など)を覆うことで保護している骨です。脊椎(背骨)から前面に回り込むように胸部内臓を取り囲んでいます。

肋骨は、左右にそれぞれ12本ずつ存在し、合計で24本の肋骨があります。そして、上から順に第一肋骨~第十二肋骨と呼ばれます。

第一肋骨から第七肋骨までは、完全に胸部を覆う形で胸部内臓を取り囲んで、最終的に胸骨につながっています。

第八肋骨から第十二肋骨までは、胸骨と接するまでには至らず、胸骨の下の前腹部は肋骨による保護はされていません。

胸骨

胸骨は、人の胸部にある骨のことです。胸骨は、上から胸骨柄、胸骨体、剣状突起という3つで構成されています。

胸骨柄と胸骨体には、第一肋骨から第七肋骨が接続することで、胸部内臓を保護しています。

剣状突起とは?

剣状突起は、胸骨体の下端に存在する薄く平たい突起のことです。剣状突起は、いわゆる「みぞおち」と呼ばれる前腹部の上方中央の部位あたりに存在することになります。

剣状突起の大部分は、成人になっても軟骨で構成されています。そして、40才頃から加齢によって徐々に骨化が始まり、老人になると完全に骨化するとされています。

したがって、剣状突起を骨として観察できるのは老齢の人の場合に限られます。このような剣状突起には、横隔膜や腹筋の一部が付着しています。

みぞおち

みぞおちは、人の前腹部の上方中央に存在する少し窪んだ部位のことです。

みぞおちの奥側、つまり背中に近い部位には腹腔神経叢(ふくくうしんけいそう)という末梢神経が網状に集まったものが存在します。そのため、みぞおち付近に衝撃を受けると、強い痛みを感じるのです。

ですから、ボクシングや空手などの格闘技で人体の急所の一つとしてみぞおちが狙われるのです。

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剣状突起にまつわる勘違い

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このような剣状突起については、剣状突起の存在によって多くの人に勘違いを生じさせる場合がありますので、ここでご紹介しておきます。

みぞおちに「しこり」?

上述のように、剣状突起はみぞおちに存在しています。そして、剣状突起は成人でも軟骨成分で構成されています。

つまり、人間の前面の肋骨下端あたりを正面中央に向かって手でなぞっていくと、みぞおちに至ります。そして、そのみぞおちに軟骨でできた剣状突起が存在し、手で触ると突起状の軟骨が「しこり」のように感じられるのです。

「しこり」を押すと痛みが生じる?

剣状突起という骨についての知識が無い人にとっては、この突起状の軟骨が「しこり」に感じられ、何らかの病気ではないかと勘違いしてしまいます。

そして、この勘違いを助長してしまうことが生じます。

つまり、何らかの病気だと勘違いしてしまうと、人はその「しこり」が気になってしまい、剣状突起を触り続けてみたり、強く押してみたりしてしまいます。そして上述の通り、みぞおちの奥には腹腔神経叢が存在しますので、剣状突起を押した圧迫の衝撃で圧痛を感じることがあるのです。

このように「しこり」に加えて痛みを感じることで、ますます何らかの病気ではないかと自分勝手な疑いを増強してしまうわけです。

剣状突起は病気ではありません

剣状突起は、人間なら誰にでも存在する軟骨状の突起です。その突起が「しこり」のように感じられるのは、剣状突起が軟骨でできているからです。また、剣状突起を押して圧迫痛が出るののも、剣状突起の近くに腹腔神経叢という神経の集まりがあるからです。

痛みを感じても、安静にしてすぐに痛みが治まるのならば、それは病気では無いのです。ただ単に人の骨格の構造や神経網の配置から、誰にでも感じられるものですので、安心してくださいね。

剣状突起は折れやすい

剣状突起は、誰にでも存在する突起だと分かっても、なんだか気になって剣状突起をコリコリと触ってしまう方がいらっしゃいます。

しかしながら、剣状突起は突起になっているという構造上からも、軟骨という性質上からも衝撃によって折れやすいのです。

そして、剣状突起が折れてしまうと、軟骨とはいえ肝臓などの内臓を損傷させてしまう危険が生じます。

したがって、剣状突起が気になるからといって、触りすぎないようにしてください。

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みぞおちにしこりの現れる癌

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それでも、みぞおちのしこりが気になる方もいらっしゃると思います。しこりと言えば癌(がん)の可能性があるのではないかという心配や不安もあるかと思います。

そこで、みぞおちにしこりの現れる疾患と剣状突起との判別について説明したいと思います。

肝がん(肝臓がん)

みぞおちにしこりができる疾患として代表的なものは、肝がん(肝臓がん)です。特に肝臓の左側にがんが発生すると、みぞおちにしこりが感じられるようになります。

ただし、肝がんによって、みぞおちにしこりを感じられるということは、肝がんが相当程度に進行している場合です。

肝がんの症状

肝がんが相当程度に進行しているとすると、それまでには肝がんによって次のような症状が現れている可能性が高いです。

  • 全身の倦怠感(疲労感、脱力感、吐き気、食欲不振など)
  • 便通異常(便秘、あるいは下痢)
  • 黄疸
  • 突発性の腹痛
  • 貧血症状(めまい、冷や汗、頻脈など)
  • 手掌紅斑
  • 意識障害(肝性脳症)
黄疸

黄疸は、血液中のビリルビン濃度の上昇によって、全身の皮膚や眼球などが黄色くなってしまう状態のことです。

ビルビリンは、赤血球の中のヘモグロビンが破壊されてできる黄色い色素です。ビルビリンは肝臓で処理され、胆汁を介して腸を通り便によって排泄されます。しかし、肝障害などで胆汁の流れが妨げられると、ビルビリンが血液中に増えてしまいます。

手掌紅斑

手掌紅斑とは、手のひらの外周部分が赤くなる疾患で、痛みやかゆみは伴いません。

肝機能が低下すると、肝臓による体内の余分なホルモンを分解・代謝する力が低下します。すると、血液中のエストロゲンというホルモン濃度が上昇します。その結果、エストロゲンの血管拡張作用により、手のひらの毛細血管が拡張され手掌紅斑が発症します。

詳しくは、手掌紅斑の原因とは?症状や発生の仕組みを知ろう!かゆみが判断基準になる?治療方法も紹介!を読んでおきましょう。

肝性脳症による意識障害

肝性脳症は、肝臓の機能低下によって生じる意識障害のことです。

肝機能の低下により、体内で発生した有毒なアンモニアを肝臓で無毒な尿素に変換することができなくなります。その結果、神経毒性があるとされるアンモニアが血液中に増えてしまい、脳神経などに害を及ぼして意識障害が発生します。

詳しくは、肝性脳症ってなに?症状や原因、治療法を理解しよう!状態で変わる危険度とは?を参考にしてください!

肝臓は「沈黙の臓器」

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、悪くなってもなかなか症状が現れません。

肝臓はたくさんの肝細胞で構成され、さまざまな役割を担っています。そのような肝臓が全く機能しなくなると、人間の生命維持に大きな影響が出ます。そのため肝臓には、一部の肝細胞が傷ついても再生させる再生能力があります。

また、肝臓の代償機能により、肝細胞の再生中には、その他の肝細胞が頑張って役割を補います。この代償機能が、肝臓の悪化を現れにくくしています。

肝がんの発生メカニズム

肝炎(肝臓の炎症)になると、肝細胞の壊死と再生を繰り返すことになります。この肝炎が慢性化すると、次第に肝細胞の再生が困難となり肝炎が肝硬変へと進行していきます。このような肝細胞の壊死と再生を繰り返す中で、肝細胞の遺伝子に異常をきたして悪性腫瘍に変化したもものが肝がんです。

肝がんと剣状突起

このように突然肝がんとなるわけではなく、肝がんの前には肝炎などの疾患が必ず発生しています。肝炎などの肝臓疾患でも、黄疸や全身倦怠感などの症状が現れますし、健康診断でも肝臓機能を表す数値に異常がでているはずです。

これに対して、剣状突起は病気ではありませんから、並行して現れる症状はありません。ですから、事前に肝炎などの症状が現れる肝がんのしこりと剣状突起を誤認する可能性は低いと言えるでしょう。

ただし、素人が肝炎や肝がんなどの疾患を判断することは難しいですから、どうしても突起が気になる場合は医療機関を受診して医師の診断を仰ぎましょう。

胃がん

肝がんの他に胃がんでも、みぞおちにしこりができる可能性があります。胃はちょうどみぞおちのあたりに位置していますから、胃がんが発生すると、みぞおちにしこりを感じられることがあります。

ただし、胃がんによって、みぞおちにしこりを感じられる場合も、胃がんが相当程度に進行している場合です。

胃がんの症状

胃がんが相当程度に進行しているとすると、それまでには胃がんによって次のような症状が現れている可能性が高いです。

  • 全身の倦怠感(疲労感、脱力感、吐き気、胸やけ、食欲不振など)
  • 貧血症状(めまい、冷や汗、頻脈など)
  • 便が黒くなる(胃の腫瘍から出血のため)
  • みぞおち周辺の痛み、不快感
  • 腹部膨満感
  • 吐血

胃がんと剣状突起

胃がんは、初期の頃は自覚症状が少なく、進行とともに症状が徐々に現れてきます。そして、高い確率でみぞおちの痛み、腹部膨満感、全身倦怠感といった症状を伴います。

これに対して、剣状突起は病気ではありませんから、並行して現れる症状はありません。ですから、みぞおちの痛みや腹部膨満感を伴う胃がんのしこりと剣状突起を誤認する可能性は低いでしょう。

ただし、素人が胃がんなどの疾患を判断することは難しいですから、どうしても突起が気になる場合は医療機関を受診して医師の診断を仰いでください。

詳しくは、胃がんの原因は?ストレスや食生活に要注意!を読んでおきましょう。

膵がん(膵臓がん)

膵がんでも、みぞおちにしこりができる可能性があります。膵臓はちょうどみぞおちの奥あたりで胃の裏側に位置していますから、膵がんが発生すると、みぞおちにしこりを感じられることがあります。

ただし、膵がんによって、みぞおちにしこりを感じられる場合は、膵がんが相当程度に進行している場合です。

膵がんの症状

膵がんが相当程度に進行しているとすると、それまでには膵がんによって次のような症状が現れている可能性が高いです。

  • 全身の倦怠感(疲労感、脱力感、吐き気、胸やけ、食欲不振など)
  • みぞおち周辺の痛み、不快感
  • 背中の痛み
  • 黄疸
  • 吐血

膵がんと剣状突起

膵がんの自覚症状は、初期には無症状あるいは腹部の違和感を感じることが多いとされています。そして、進行とともに症状が徐々に現れてきます。

これに対して、繰り返しになりますが剣状突起は病気ではありませんから、現れる症状はありません。ですから、膵がんのしこりと剣状突起を誤認する可能性は低いでしょう。

ただし、こちらも繰り返しになりますが、素人による膵がんの判断は難しいですから、どうしても突起が気になる場合は医療機関を受診しましょう。

詳しくは、膵臓がんの原因となる生活習慣とは!治療が難しいのはなぜ?を参考にしてください!

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みぞおちにしこりが現れる他の疾患

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このようながんの他にも、みぞおちにしこりが現れる疾患がありますので、ご説明したいと思います。

脂肪腫(しぼうしゅ)

みぞおちにしこりが感じられるとしても、全てががんであるとは限りません。というのも、肥満体型の方の場合、脂肪腫という良性腫瘍の可能性もあります。

脂肪腫は、脂肪からできる腫瘍のことで、徐々に拡大していきます。背中、肩、おしりに現れる傾向が多いとされますが、上腕や大腿部などの四肢にも現われます。

痛みは無いのが通常ですが、上腕や大腿部などの筋肉に発症すると稀に痛みを伴います。しかしながら、脂肪腫が発症すると目視で認識できるほど周囲との境界が明確に現れることが通常です。つまり、脂肪腫は黄色味を帯びていますので、剣状突起との区別は容易に判断できるでしょう。

詳しくは、脂肪種って何?症状・原因・治療法・予防法を紹介!を読んでおきましょう。

粉瘤(ふんりゅう)

また、同じく良性腫瘍の一つで、粉瘤の可能性もあります。粉瘤とは、皮膚の新陳代謝によって剥がれ落ちる垢などの老廃物が、皮膚の内側に溜まることでできた良性腫瘍です。

発生初期は、皮膚の内側でしこりとなるにとどまることが多いのですが、徐々に肥大化していきます。大きくなってくると、ドーム状に皮膚が盛り上がり、半球状になります。多くの場合に、半球状の中央に黒い点状の開口があります。

さらに、大きくなる過程で、老廃物に細菌が感染すると化膿して炎症を起こし、発赤と痛みが生じることもあります。粉瘤は、顔、首、耳の裏、背中に発生しやすいとされていますが、皮膚ならどこにでも発生する可能性があります。

粉瘤のしこりは、剣状突起と異なり、ドーム状に盛り上がりますので区別は容易です。また、粉瘤は炎症が生じれば目視で発赤の認識もできますので、剣状突起との区別は容易に判断できるでしょう。

詳しくは、粉瘤が臭い原因や対策方法について紹介!出来やすい場所は?を読んでおきましょう。

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みぞおちのしこりの見分け方

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ここまで剣状突起の他に、みぞおちにしこりのできる疾患を見てきました。そこで改めて、みぞおちのしこりの見分け方を整理します。

目視で判別できる

脂肪腫や粉瘤については、剣状突起と異なり、皮膚が黄色味を帯びたり、ドーム状に盛り上がったりしますので、目視で判別することが容易と言えるでしょう。

また、脂肪腫は脂肪によってできていますので、触った場合に、しこりと言っても非常に柔らかく感じられます。

ちなみに、脂肪腫の治療法も、粉瘤の治療法も簡易な手術となります。

目視で判別できない

剣状突起とがんによるしこりは、目視で判別することはできません。だからこそ、勘違いの原因にもなってしまいます。

しかし、肝がん、胃がん、膵がんのいずれにしても、しこりは相当程度に進行したときに現れてくるものです。相当程度に進行するまでには、しこり以外にも何らかの症状が現れているはずです。

ですから、剣状突起とがんによるしこりについては、総合的に判断するしかないと言えるでしょう。

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まとめ

いかがでしたか?剣状突起についての概要について、ご理解いただけたでしょうか?

今回は、剣状突起をがんによるしこりと勘違いをされる方が多いことから、あくまでも剣状突起と他の疾患によるしこりとの判別という観点で説明しました。

ですから、肝がん・胃がん・膵がんの場合に、しこりが現れるまでは大したことがないという趣旨ではありません。むしろ、その他の症状から何かおかしいなと感じられたら、医療機関で検査や治療を速やかに受けられてください。がんは、早期発見が重要です。

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