骨膜炎とは?治療法や症状を知ろう!発症しやすい原因ってなに?

骨膜は、骨の外側を覆っている結合組織です。2層に分かれていて、表層は繊維性の組織、深層は血管性の組織で形成されています。

主な役割は、骨の保護と栄養補給、骨の形成と再生です。この骨膜が炎症を起こすと「骨膜炎」となります。炎症が骨膜ではなく、骨の内部にある「骨髄」で発生した場合には「骨髄炎」となります。「骨膜炎」は打撲や筋肉の酷使などから発症することが多いのに対して、「骨髄炎」のほとんどは細菌性の炎症です。

ただ、「骨髄」と「骨膜」は「ハバース管」という管で繋がっていますので、細菌性の炎症が起きた場合には、「骨髄」単独での炎症にはならずに「骨膜」も炎症を起こします。骨膜のみが炎症を起こすケースだけが「骨膜炎」となるので、発生頻度は「骨髄炎」よりも低いと言われています。

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骨膜炎はよくある病気?

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それでは、「骨膜炎」とは発生頻度の少ない疾患なのでしょうか?実は、スポーツ選手や一般のマラソンランナーの方、部活動に熱心な学生などに非常に多い疾患なんです。

特にかかりやすいのは、骨も筋肉も発達途中の中学生・高校生と言われています。また、普段運動を全くしていなかった人が、いきなり運動を始めたときにも起きやすいです。

シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)

骨膜炎は聞いたことがなくても、「シンスプリント」はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?

過度の走り込み、ジャンプ、つま先立ちなどの動作を繰り返すと、ふくらはぎにある筋肉群が緊張・収縮を繰り返すことで骨に繰り返し強い力がかかります。それによって、骨の表面にある骨膜に炎症が起きてしまい、「ジーン」と響くような痛みがでます。この炎症を治療せずに放置しておくと、炎症範囲は広がっていき、骨や筋肉にも大きなダメージを与えてしまいます。

骨にダメージが蓄積することで細かい亀裂が入り「疲労骨折」になったり、骨と筋肉を繋いでいる「腱」に炎症が広がることで柔軟性を失って「腱断裂」になったりすることもあります。

基本的にはどちらか一方の足のみで発症しますが、痛みを我慢するために痛くない方の足で痛い方の足をかばってしまうため、結局両足とも発症してしまうことが多くなります。

顎骨骨膜炎

運動以外の原因で骨膜炎になることもあります。それが細菌性の骨膜炎です。細菌性の骨膜炎は、手や足では頻度が低いですが、菌と接触する機会の多い「口内」では発生しやすくなります。

虫歯や歯肉炎によって口内細菌が増殖して、口内のキズなどから侵入することで炎症が起きます。炎症が歯槽骨にまで達すると「歯槽骨炎」、顎骨の骨膜にまで達していれば「顎骨骨膜炎」、顎骨の骨髄にまで達すれば「顎骨骨髄炎」、炎症が広範囲に広がれば「蜂窩織炎」となります。

原因は細菌感染によるものなので、抗生物質による治療で治すことが可能です。重症化すると命に関わりますので、早期の受診をお勧めします。

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骨膜炎と似た疾患は?

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骨膜炎と似たような症状の疾患もあります。発生原因も似ており、炎症を起こす部位も近いですが、炎症を起こしている場所の違いで区分されています。

滑膜炎

関節を構成している「滑膜」が炎症を起こしている状態です。関節は、関節包によって覆われて保護されています。

この関節包の外側が「繊維膜」、内側が「滑膜」です。「滑膜」は、関節が滑らかに動くようにひだ状をしており、関節の潤滑油である「関節液」を分泌しています。「滑膜炎」には、3つの特徴的な症状があり、悪循環を起こしています。

炎症部位の痛み

関節を動かすことで痛みが生じたり、炎症によって関節内部の圧力が上がることによって痛みが出ます。

関節の腫れ

滑膜に炎症が起こると、滑膜の機能が低下します。すると、代償的に滑膜細胞の増殖が促進されます。滑膜細胞が増殖することによって関節液の分泌が過剰になり、さらに関節内部の圧力が上がり、関節が腫れる原因となります。

関節のこわばり

関節が腫れ、関節内部の圧力が上がることで、関節の動きが悪くなります。動きが悪くなると、無理に動かしたり、過剰な力がかかったりします。そうすることで痛みと炎症が増し、さらに関節がこわばるという悪循環になります。

筋膜炎

筋膜は、筋肉や臓器を包んでいる保護膜です。筋肉や臓器をしっかり保護しながら、しなやかな可動性を保つため、強靭で薄い層を複数作ることで相反する機能を両立させています。筋膜は、「浅筋膜」「深筋膜」「筋外膜」「筋周膜」「筋内膜」の5層構造になっています。それぞれの膜が、皮膚、骨、筋肉にしっかりと結合しています。この筋膜が炎症を起こすと「筋膜炎」となります。

筋膜炎は、筋膜に過度の負荷がかかることによって筋膜が固くなることで発症します。筋膜が固くなることで筋肉の可動性が悪くなります。そして、可動性が失われた部分には、さらに負荷がかかりますので症状がどんどん悪化していきます。

代表的なものとして、足の裏の筋膜が炎症を起こす「足底筋膜炎」や原因不明とされることが多い「腰痛」なども筋膜炎と考えられています。

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骨膜炎・滑膜炎・筋膜炎の原因は?

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これらの炎症には、共通の原因となるものが多くあります。発症部位によって区別することが多いですが、合併していることも多数あると考えられています。

長時間に渡る筋肉の酷使

マラソン・自転車・サッカー・テニスなどの長時間に渡って筋肉を酷使するスポーツでは、「筋膜炎」を起こすことがあります。「筋膜炎」は、「筋断裂」「肉離れ」などよりは軽症とされていて、休養とストレッチやマッサージなどの治療で速やかに回復します。

反復動作によるダメージ

同じパターンの運動を繰り返すことで生じやすいのが、「滑膜炎」と「骨膜炎」です。「滑膜炎」は手首や足首で発症することが多いですが、「骨膜炎」は膝やすね、足の甲などで発症することが多いとされています。関節に負担がかかると「滑膜炎」に、骨に負担がかかると「骨膜炎」になりやすくなります。

身体的な特性による影響

偏平足・O脚やX脚・身体の柔軟性不足・過体重などは、日常生活や運動時に受けるダメージが大きくなり、炎症に繋がります。

偏平足では、足裏にかかる衝撃を減衰できないため「足底筋膜炎」や膝の「滑膜炎」を起こしやすくなります。

O脚やX脚では、足が真っ直ぐではないために、膝の軟骨が片側だけ極端に摩耗してしまいます。そうすると、骨同士が接触しやすくなり「滑膜炎」を起こしやすくなります。「滑膜炎」が悪化していき関節液が関節包の外に漏れだすと、一般的に「ひざに水が溜まった」状態になってしまいます。

身体の柔軟性不足は、身体の軸となる腰への負担が大きくなり、腰の「筋膜炎」を起こしやすいと言われています。

過体重は、骨・筋肉・関節の全てにかかるダメージを増幅します。

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骨膜炎・滑膜炎・筋膜炎の予防方法・治療方法は?

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これらの炎症では、薬剤を利用した治療や外科的な治療は最終手段となります。よって、普段からの予防とセルフケアが重要です。

安静

炎症を起こしている場合には、まず安静にすることが重要です。患部が熱を持っているようであれば、湿布や冷却スプレーなども有効です。痛みがひどい場合には、完全安静で一切の運動を一時的にやめます。後は、痛みの程度に応じて少しづつ元に戻すようにします。

ストレッチ

運動前には「動的ストレッチ」、運動後には「静的ストレッチ」を行うことが推奨されています。運動前の「静的ストレッチ」は、パフォーマンスを下げてしまいます。それを補うために無理をしてしまい、ケガに繋がることがあります。運動前にはパフォーマンスを上げる「動的ストレッチ」を行いましょう。「動的ストレッチ」で体温が上がると、血流がよくなり、関節の中にある関節液の温度が上がります。関節液は温度が上がると流動性が高くなるので、よりスムーズに動くようになります。

セルフケア目的のストレッチは「静的ストレッチ」です。過度の負荷や反復運動で疲労して固くなってしまった、関節・滑膜・筋肉・筋膜を正常な状態に近づけていきます。関節の柔軟性が向上すると、力がスムーズに伝達されるので骨や筋肉の負荷が減少します。

動的ストレッチ

軽く反動を付けた関節のストレッチ(ダイナミックストレッチ)や心拍数を上げるための軽い有酸素運動(ジャンプ、軽いランニングなど)などを組み合わせたものです。徐々に反動をつけることで関節の可動域を広げ、筋肉にも刺激を与えることができます。ラジオ体操やブラジル体操などが有名です。

静的ストレッチ

反動を付けずに、ゆっくりと関節や筋肉を伸ばしていくストレッチです。運動後などの固まってしまった筋肉を伸ばすことで血流を改善し、疲労回復の促進やリラックスに効果があります。

筋力強化

人体は、様々な機能が複雑に動作することで動いています。身体のどこかをケガすると、その影響は思いもしない部位に現れることがあります。ひどい腰痛の患者が、足首をストレッチするだけで劇的に改善した例などもあります。

人体を動かす基幹システムである筋肉を強化することで、患部への負担を軽減することができます。有効なのは、姿勢を維持するために必要となる大きな筋肉群と体幹(インナーマッスル)を鍛えることです。見た目がかっこいいので、ついつい二の腕や肩まわり、胸などを鍛えがちですが、それと合せて体幹を鍛えることを忘れないようにしましょう。

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まとめ

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似たような部位での炎症でも、どこが炎症を起こしているのか?(関節なのか?骨なのか?筋肉なのか?それとも筋膜なのか?)どのような原因によるものなのか?(オーバーワーク?疲労の蓄積?捻挫?)によって症状を推定することが可能です。

症状が分かれば、重症化しないように対応することができます。ひと昔前までは、炎症を起こしやすく、効果の少ないトレーニングなどがありました。現在では、身体に負担が少なく、効果的なトレーニング法がいくつも開発されています。あまりにも同じ症状を繰り返すようであれば、トレーニング法を見直すことも必要かもしれません。

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