ガングリオンの原因とは?症状や種類、治療方法も紹介!

皆さんは”ガングリオン”という病気を知っていますか?なんだかカッコイイ名前ですよね。よく女性の手にポコッと骨のようなコブのような腫れが出来る病気です。あれか!と思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

何かにぶつけたわけでも無いのにいつの間にか腫れてくるなんてちょっと心配になりますよね。今回はその”ガングリオン”について詳しく見ていきます!

ガングリオンとは何?

schnakenstiche-59775_960_720

ガングリオンとは、簡単に説明すると、手首などの関節の近くに突然現れる「腫瘍」の事を言います。関節の近くにある膜や粘液嚢胞にゼリー状の液体が溜まる事によって腫瘍ができます。腫瘍の部分は触ってみると柔らかいものや硬いものもあり、大きさもバラバラです。

腫瘍と聞くと悪い物と思われると思いますが、その腫瘍の中は黄色い液体がゼリー状になったもので、関節液や潤滑油である滑液が蓄積したものになっていて、ガングリオンの腫瘍は通常であれば良性ですので特に心配する事は無いのです。

ガングリオンの症状が見られるのは若い女性に多く、男性の3倍と言われています。悪性ではないので放っておいても問題ありませんが、誰にでも目に入る手の部分に大きなコブが出来ているとなると、若い女性としては恥ずかしいものですよね。

ガングリオンの原因は諸説あります

ガングリオンが出来てしまうメカニズムは今のところはっきりとわかっていません。原因となる物は諸説あり以下の通りになります。

●関節の使い過ぎ(動かし過ぎ)

一番言われているのが関節の使い過ぎという事です。関節を動かす事によって靭帯の周りの細胞が激しく刺激を受けて負荷をかけてしまうと言われています。元々日常生活でも手は良く使う部分なのである程度の動きであれば問題はありません。

しかし、仕事柄「パソコン作業を長時間続ける人」「楽器などで細かく手首を動かす人」など、必要以上に手首を酷使してしまうとガングリオンになってしまうと考えられています。

●怪我・どこかにぶつけた

強くぶつけた場所が衝撃から守ろうとしてガングリオンを発症させるという説もあります。この場合のガングリオンの周辺をマッサージする事で解消される事があります。マッサージによってほぐれてクッションがいらないと体が判断すると消えるそうです。

●ストレス・ホルモンバランスの乱れ

日常的に激しいストレスを感じたりホルモンバランスが崩れると体が緊張状態になり、血管が収縮して血行が悪くなってしまいます。そうなると老廃物がうまく排出されなくなり、その老廃物がガングリオンとなって発症するそうです。

ガングリオンの症状

特徴的なのは腫瘍(コブ)になります。これは基本的に痛みなどの症状がありませんが、ガングリオンが出来る場所によっては「痺れ」や「痛み」を感じる事があります。手の甲や手首の神経のそばに出来た場合、ガングリオンが神経を圧迫してしまい痛みを生じます。

ガングリオンができやすい場所

GREEN_utukushiite-thumb-autox1000-18681

手のガングリオン

ガングリオンは体のどこにでも出来るわけではなく、同じような場所に出来るようです。一番多いのは「手」の部分です。

ガングリオンを発症している人の80%を占めているのが、手の甲・手首・指の付け根といった部分になっています。その次に膝、肘、足の指となっています。

膝のガングリオン

手に出来たガングリオンよりも痛みを伴いやすく、激しい痛みで歩く事も困難になる場合もあります。膝のガングリオンは大きく3つに分ける事が出来ます。

  • 膝の裏側部分に出来るガングリオン「膝窩部ガングリオン」
  • 膝の関節部分に出来るガングリオン「膝関節ガングリオン」
  • 膝の半月板部分に出来るガングリオン「膝半月板ガングリオン」

半月板ガングリオンはとても激しい痛みと痺れを伴うので早く治療したいところですが、治療が難しいのが難点です。半月板で無い場合でも痛みと痺れが起こります。膝は体の体重を受けながら歩いたり、座ったり立ち上がったりするので受けるダメージが手とは違うのです。

ガングリオンが出来た後も負荷がかかり悪化してしまう事も多いので、早めに治療をするようにしましょう。

オカルトガングリオン

ガングリオンは体の中に出来る事があります。これをオカルトガングリオンと呼び、皮膚表面にコブなどが見られなくても、痛みや痺れが起きる場合このガングリオンが疑われます。関節の深い部分に小さな腫瘍が出来るので骨内ガングリオンとも呼ばれています。

通常のガングリオンよりも治療が難しく触診ではわからないので、MRIや超音波検査などで確認する必要があります。

ガングリオンの治療方法

doctor-1228627_960_720

ガングリオンの腫瘍自体は悪い物ではないので放置しておけば自然消滅するので大丈夫ですが、大きな腫瘍は周辺の神経を圧迫して別の問題が起きてしまう可能性があるので、放置しておくよりも治療する事をオススメします。

一般的な治療方法は「穿刺治療法」「圧迫治療法」「切除手術」「レーザー治療法」になります。

ガングリオンが出来た場合は整形外科に受診するのが一番良いと言われています。皮膚科でも良いのですが、ガングリオンが出来る場所は関節や神経に面している場合が多く、その線に強い整形外科が一番ふさわしいはずです。

穿刺治療法

注射針をガングリオンに刺してしこりの中にあるゼリー状の液体を吸引する方法になります。ただ吸引しただけではその部分に不快感が残ってしまうので、病院によっては炎症を抑える副腎皮質ホルモンを注入する場所もあります。

穿刺治療法はすぐ治療する事が出来て2、3千円と治療費が安いので嬉しいのですが、吸引したとしてもその部分にまたガングリオンが再発してしまう可能性が高いのです。また、何度も注射針を刺す事によって感覚障害や運動障害を起こす事があるので注意しなければいけません。

圧迫治療法

ガングリオンの部分に力を加えて押しつぶす方法になります。特に何か道具を使うというわけではないので、手軽にできて治療費が安いです。ただ、ガングリオンが出来る場所によっては神経が近い場合があるので、力を無理に加えてしまう事で近くの神経まで傷つけてしまう可能性があります。

病院に行かずに自己判断で潰してしまうという方もいるようですが、場合によっては危険な為必ず医師に相談するようにしましょう。こちらの治療方法も根本的な治療ではないので、再発する可能性がとても高いです。

切除手術

ガングリオンにメスを入れ、液体と膨らんだ部分を丸ごと切除してしまう方法になります。ガングリオンの根本から取り除くので再発する確率が低くなります。上記の2つの方法をしても何度も再発するようであれば切除する事をオススメします。

ただ、傷痕が残ってしまう場合があるのでそこは頭に入れておかなければいけません。5cm以下の大きさであれば3万円ほどの費用になります。手術といっても大きな手術では無いので、日帰りで行えます。10cm以上の大きさになると手術費用が7万円ほどになり、日帰りではなく泊りで行う事になります。

レーザー治療法

レーザー治療はここ最近開発された治療法になります。ガングリオンの内部から治療していく方法になり、痛みや傷跡が残らないのがメリットです。切除手術よりも更に再発率が低くなるのが良いところですが、治療が1回では終わらず1~2ヶ月通院する必要があるのが大変な部分です。

1回の費用は500円ほどですが、1~2ヶ月通院するとなると1万円~3万円ほどの費用になります。どこでも受けられるというわけでなくレーザーの機器が揃っている大きな病院に限られます。

ガングリオンの予防について

treatment-1327811_960_720

ガングリオンが出来てしまう詳しい原因はまだはっきりとわかっていないので、遺伝や生まれつきの体質によって出来てしまう可能性があります。

その場合は予防する事は難しいですが、「手の酷使」や「ストレス」などが原因の場合は生活習慣の見直しをする事で予防する事が出来るかもしれません。

手を休ませる

手は普段の生活で必ず使う場所になるので、完璧に休ませるという事はほぼ無理に近いです。ですが、動きを軽減するように気を付けたり数時間マッサージを行ってあげるという事で少しは予防に繋がるので、最近手首が痛いなぁと思った時は少しでも休ませてあげるようにして下さい。

血行を良くする

ストレスやホルモンバランスの乱れでガングリオンを発症する場合があります。お風呂に入った時に運動やマッサージをして血行を良くする事で予防や、既に出来てしまったガングリオンの症状を和らげる効果があるようです。

くるくる体操

血行を良くする体操で「くるくる体操」というものがあります。簡単に行えるので医師がオススメしている体操なので是非実行してみて下さい。

  1. 腕をまっすぐ上に伸ばし、上げた状態で手首をくるくる回します。
  2. 腕を曲げずに真横、前後に上げ下げしながら手首をくるくるまわします。

たったこれだけの体操です。時間や回数に関しては自分のペースで大丈夫なので疲れない程度に行ってあげましょう。血行が良くなるお風呂に入っている時やお風呂から上がった後に行うとより効果的です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ガングリオンは手首を酷使している人であれば誰にでもできるものです。ほとんどは痛みが無く自然と消えていきますができる場所によっては激しい痛みが伴う事もあります。その場合は我慢せずに整形外科などを受診するようにしましょう。

予防としては日常生活でストレスを溜めない事や、手首を酷使しすぎない事が一番大切です。くるくる体操をして予防するようにしましょう。

  
/* */
  
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする