奥歯の歯茎が痛い!原因や症状、病気の可能性を紹介!親知らずが生えてるのかも?

突然、奥歯が痛くなる。歯茎も腫れて痛い・・・こんな経験をしたことはありませんか?歯の痛みは、本当につらいですよね。大の男でも泣きたくなるほど、痛くなります。

「奥歯が痛い」「奥歯の歯茎が腫れて痛い」という時、原因はいろいろあるようです。すぐに思い浮かべる原因は虫歯です。厄介な親知らずが原因になることもあります。

怖いのは、虫歯と全く関係のない病気、三叉神経痛や顎関節症などが発症しても、奥歯が痛くなることです。腫瘍が発生している可能性もあります。

「奥歯の歯茎が腫れて、奥歯が痛い」原因は何か?応急処置と治療方法、予防法について、お伝えしますね。

どのように奥歯が痛むのか?

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一口に「奥歯が痛い」と言っても、その痛み方はいろいろあります。痛み方が違えば、原因となる病気も異なります。

まず、どのよう痛むのか、よく考えてみる必要があります。

[奥歯そのものが痛い]

➀虫歯

何もしなくても、奥歯がズキズキ痛む。冷たい物や熱い物がしみる。歯茎も腫れている。歯が黒くなって、穴が開いているようだ・・・こんな症状があれば、虫歯の可能性が高いです。

②知覚過敏

虫歯になっている様子もないのに、奥歯が痛い。冷たい物や熱い物がしみる。歯ブラシが当たっても痛い。歯が長くなったように見える・・・これは、知覚過敏の症状です。加齢とともに歯茎が痩せて、歯の根がむき出しになると、よく起こります。

知覚過敏用の歯磨きを使うと、しだいに痛みが緩和します。なかなか改善しない時は、歯科医に相談してください。

③親知らず

虫歯になっている様子もない。特に冷たい物や熱い物がしみることもない。でも、歯茎が腫れているようで、痛い・・・これは、親知らずが原因のようです。

喉が痛い・口臭が強くなる・口が開かない・・・などの症状が出ることもあります。

親知らずは、10代の後半から20代に生えてくることが多いようです。現代人は、生えない人もいます。私の父は(今も生きていれば、94歳です)、親知らずが上下左右4本とも生えませんでした。レントゲンを撮っても、親知らずが全く見えなかったそうです。「2本しか生えない」「1本がやっと顔を出した」という人もいます。

親知らずが生えてくる時、歯茎を突き破るので、歯茎が腫れて痛みます。細菌感染が起こりやすく、知歯周囲炎などが発症して痛むことがあります。

親知らずについては、次の「原因」のところで、くわしく書きますね。

[噛むと、奥歯が痛い]

食べ物を奥歯で噛むと、痛い。歯茎も腫れている・・・これは、歯の根の先に病巣がある時の症状です。虫歯が進行して、歯髄に達し、歯髄の中にある神経や血管が細菌感染を起こして死んでしまうことがあります。歯髄が死ぬと、細菌感染が根管から歯根膜を越えて歯槽骨にまで広がります。根尖歯周炎や歯根膜炎、歯根嚢胞などが発症して、痛みが生じます。

歯科治療を受けて、歯の神経を取ると、神経が切断されるので、噛んだ時に痛みを感じることがあります。

歯槽膿漏で歯がグラグラしていると、物を噛む時の圧力に耐え切れず、痛みが生じます。

[奥歯の痛みとともに、頭痛や肩こりが起きる]

奥歯の周辺が痛いだけでなく、頭痛が起きて、肩こりがひどくなることがあります。これは、歯の噛み合わせが悪いためです。虫歯や親知らずが原因で、噛み合わせが悪くなることがあります。

[奥歯が痛くて、口が開けられない]

奥歯周辺が痛くて、口が開けられない・・・という時は、2つ可能性があります。

1つは親知らずです。親知らずが炎症を起こしたりすると、痛みが生じるとともに、口がスムースに開閉できなくなることがあります。

1つは、「顎関節症」という疾患です。虫歯も歯槽膿漏も歯周病も関係ありません。「非歯原性疼痛」の1種です。口の開け閉めがスムーズにできない。口を開け閉めする時に「カクカク」という音がする。肩こりや首の痛み、手足のしびれを生じる。頭痛やめまいがする・・・などという症状が出ます。

奥歯の痛みと歯茎の腫れの原因

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奥歯が痛む・歯茎が腫れている・・・という症状の原因は、虫歯・咬合不全(不正咬合、歯並びや歯の噛み合わせが悪い)・親知らず・歯周病がほとんどです。

しかし、時には、歯とは全く関係のない、顎関節症・帯状疱疹・急性上顎洞炎、そして非歯原性腫瘍が原因となります。

[虫歯]

奥歯は、親知らずでなくても、歯ブラシが届きにくく、虫歯になりやすいのです。口の中には、300~500種類もの細菌が常在しています。この細菌は、食べ物の糖分と結びつき、ネバネバした物質となって、歯の表面に付着します。ネバネバした物質を「プラーク(歯垢)」といいます。ブラッシングが適正に行われないと、歯垢が付着しやすくなります。

歯垢は、細菌の巣のようなものです。「虫歯菌」としては「ミュータンス菌(ストレプトコッカス・ミュータンス)」が知られていますが、その他の細菌も虫歯の原因となります。虫歯は、歯周病と同様に、細菌感染症なのです。

➀歯髄炎

虫歯菌などの細菌は糖分と結びついて、酸を産生し、歯を溶かします。歯の実質欠損が起こり、歯に穴が開きます。虫歯が進行すると、歯髄に達し、歯髄炎が生じます。

歯髄には神経と血管があるので、奥歯が歯髄炎を起こすと、強い痛みを生じます。しかし、細菌感染が進行して、歯髄の神経が死んでしまうと、痛みを感じなくなります。

②根尖性歯周炎

歯髄炎が進行すると、歯髄にある神経や血管が死んでしまいます。血管が死ぬと、白血球の免疫機能が働かなくなりますから、細菌は増殖し続けます。細菌は根管から根尖に感染を広げ、歯根膜を越えて歯槽骨(しそうこつ)に達すると、根尖歯周炎を発症します。

歯根膜とは歯の根の周囲を包む膜です。物を噛んだ時に、固さや柔らかさなどを判断する器官です。虫歯が進行したり、強い力が加わったりすると、歯根膜炎を発症します。

歯槽骨とは、顎の骨の、歯を支えている部分です。奥歯の虫歯が進行し、歯根膜炎や根尖歯周炎を起こすと、物を噛んだり、歯をスプーンで叩いたりすると、激痛が走ります。何もしないでも、奥歯が、歯髄炎より激しく痛みます。

詳しくは、根尖性歯周炎の治療や費用は?症状や原因も知っておこう!進行して起きる病気に注意!を参考にしてください!

③根尖病巣(こんせんびょうそう)

歯根嚢胞(しこんのうほう)ともいいます。歯の根の先に膿の袋のような病巣ができます。

奥歯の虫歯が進行すると、根尖歯周炎から根尖病巣へ移行します。ふだんは、物を噛んだ時に、違和感や痛みを感じる程度です。ただ、過労や体調不良などで抵抗力が低下すると、急に奥歯が痛み出したり、奥歯の周囲の歯茎が腫れたりします。

詳しくは、歯根嚢胞の治療には手術が必要?症状や原因も紹介!放置すると危険な場合も?を参考にしてください!

[歯周病]

口の中に常在する多種多様の細菌が、食べ物の糖分と結びついて、プラーク(歯垢)となって歯の表面に付着します。プラークは細菌の塊のようなもので、中には歯周病を促進させる歯周病菌もあります。歯周病菌をはじめとする細菌が、歯肉(歯茎)に炎症を起こし、ついには歯槽骨を溶かして、歯をグラグラにしてしまいます。これが「歯周病」です。「歯槽膿漏(しそうのうろう)」ともいいます。

奥歯はブラッシングが行き届かず、歯周病になりやすいのです。

プラークは放っておくと、硬い歯石となります。歯石はブラッシングでは除去できないので、細菌は、プラークや歯石、歯の周囲に侵入して毒素を出し続けます。

➀歯肉炎

歯の周囲の歯茎(歯肉)に炎症が起きて、赤く腫れます。痛みは、ほとんどありません。歯磨きすると、出血します。歯と歯茎の間に隙間(すきま)ができて、プラークが溜まりやすくなります。

詳しくは、歯肉炎の症状を紹介!痛みや治療方法を紹介!を読んでおきましょう。

②歯周病

歯肉炎が進行すると、歯周病に移行します。歯と歯茎の隙間が大きくなり、「歯周ポケット」と呼ばれるようになります。歯周ポケットには、歯垢や歯石が溜まります。

歯茎が赤紫色に張れ、ブラッシングすると、血や膿が出ます。歯と歯の間が広がり、歯が長くなったように見えます。歯槽骨が溶けて、歯がグラグラになり、食べ物を噛むと、痛みが生じます。口の中がネバネバして、口臭がきつくなります。

[親知らず]

「親知らず」は、最後に生える一番奥の歯です。まともに真っ直ぐ生えてくれれば、生える時に歯茎を突き破る痛みだけで済みますが、なかなか真っ直ぐに生えて来ません。

生えても、斜めになって隣の歯を押したり、虫歯になったり、トラブルの多い歯です。

➀親知らずが生える時の痛み

現代人は、顎が小さくなっていて、親知らずがまともに生えにくいようです。横になったり斜めになったりして生えてくることが多く、奥の骨にひっかかって、痛みが長く続きます。

親知らずが歯茎を突き破って生える時、細菌感染しやすくなっています。口中の常在菌に感染して、炎症を起こして、歯茎が腫れ、痛くなります。

②親知らずは虫歯になりやすい

親知らずはブラッシングが行き届かず、虫歯になりやすいので、歯髄炎や根尖歯周炎を起こして、痛みが生じます。

親知らずと隣の歯の間に、歯垢や食べ物のカスが溜まりやすく、隣の歯との間に虫歯ができます。そうなると、親知らずを抜歯して、隣の歯を治療することが多いようです。

③知歯周囲炎

親知らずは「知歯」ともいいます。親知らずは真っ直ぐに生えず、斜めに傾いていることが多いので、周囲の歯茎には細菌が溜まりやすくなっています。特に、歯茎が半分かぶったような状態で生えていると、歯と歯茎の間に歯周ポケットができて、細菌が繁殖しやすいのです。

歯周病菌をはじめとする細菌が増殖して、親知らず周辺の歯茎に炎症を起こすのが、「知歯周囲炎」です。歯茎が腫れて痛み、口の開け閉めがスムーズにできなくなります。口臭が強くなり、飲み込む時に、喉が痛むこともあります。発熱・倦怠感・食欲不振などの全身症状があります。下顎のリンパ節が腫れることがあります。

④親知らずが隣の奥歯を押して、痛む

親知らずは真っ直ぐに生えないことが多く、隣の奥歯をグイグイ押すようになります。そのため、隣の奥歯が痛むようになります。

隣の奥歯を常にグイグイ押しているうちに、顎関節症を引き起こすことがあります。口の開閉が難しくなり、奥歯周辺が痛みます。

親知らずが横に転んでいて、全体の歯並びを悪くすることもあります。

⑤肩こりなど体調不全で、親知らずが痛む。

肩こりがひどくなると、親不知が痛むことがあります。ストレス過多や過労などで体調を崩すと、歯茎の中に埋もれている親知らずが痛む人もいます。

[咬合不全(こうごうふぜん)]

「咬合不全」とは、歯の噛み合わせや歯並びが悪いことです。「不正咬合」ともいいます。

歯並びが悪かったり、歯の噛み合わせが悪いと、いつも偏った場所に力がかかり、歯を支えている歯槽骨を破壊して、歯がグラグラになることがあります。

嚙み合わせが悪いと、奥歯が痛むだけでなく、頭痛や肩こりがひどくなります。それは、顎の動きが頭蓋骨につながっているためです。頭蓋骨は首や肩とつながっているので、奥歯の痛みが、頭痛と肩こりを引き起こすのです。

噛み合わせが悪くなる原因は、虫歯と、正しい位置に生えず、曲がって生える親知らずです。虫歯があると、噛み方が偏りがちになります。親知らずは歯並びを乱して、噛み合わせを悪くします。

[歯性感染症]

「歯性感染症」とは、虫歯や歯周病が進行して、細菌感染が歯の周囲の組織にまで広がり、炎症が起きることです。根尖性歯周炎・歯根膜炎・知歯周囲炎などは、歯性感染症です。

この他に、歯槽骨炎・顎骨骨膜炎・顎骨骨髄炎・蜂窩織炎(ほうかしきえん)・歯性上顎洞炎があります。

虫歯や歯周病の細菌感染が、歯槽骨や顎骨骨膜、顎骨骨髄にまで広がると発症します。蜂窩織炎では、炎症が口底や頬部まで広範囲に広がり、浮腫(むくみ)を生じます。歯性上顎洞炎は、上の奥歯の虫歯や歯周病が進行して、起こります。

上顎洞とは、上顎骨内の鼻とつながっている空洞です。歯性上顎洞炎から副鼻腔炎を引き起こします。

症状は、いずれも、歯茎が赤く腫れて、熱を持ちます。疼痛が生じます。口の開閉がスムーズにできなくなり、咀嚼(そしゃく)困難や嚥下(えんげ)困難が起きます。進行すると、膿瘍(のうよう)という膿の塊(かたまり)を形成することが多くなります。

慢性化すると、痛みが軽くなり、自覚症状がほとんどなくなります。

[歯をくいしばる]

奥歯を強く噛みしめたり、奥歯をくいしばったりすると、虫歯のような痛みが生じることがあります。

ストレス過多になったり、重量上げなど力の入るスポーツをしたりすると、疼痛が生じることがあります。歯の根に炎症を起こして、化膿することもあります。

就眠中に歯ぎしりする人は、要注意です。

[歯科治療のミス]

虫歯や歯周病などの歯科治療が不適切に行われると、痛みが生じることがあります。特に、奥歯の虫歯が歯髄に達して、神経を取った場合、神経を切断するため、痛むことがあります。

奥歯のインプラント(人工歯根)治療を行った場合、歯茎が腫れたり、内出血したり、痛みが生じたりすることがあります。それは、歯槽骨に人工歯根(インプラント)を埋め込むために、手術するからです。

インプラント治療の手術中に、大きな血管を傷つけて出血が止まらなくなったり、大きな神経を損傷して、麻痺が残ったりすることもあります。

[歯原性腫瘍]

口腔内に発生する腫瘍の中で、歯が発生する過程における各組織の細胞(歯胚=歯の芽)が関係している腫瘍のことです。歯原性腫瘍の99%が良性です。

エナメル上皮腫・角化嚢胞性歯原性腫瘍(かっかのうほうせいしげんせいしゅよう)・歯牙腫がよく発生します。いずれも良性ですが、切開して摘出する必要があります。

エナメル上皮腫は下顎の奥歯に発生することが多く、腫瘍の一部または大部分が嚢胞状になっています。大きくなると、顎の骨が膨らんで、顔の様子が変わります。

角化嚢胞性歯原性腫瘍は、下顎の親知らずが欠損した後に、歯胚が嚢胞化して発生することが多いようです。

歯牙腫は、歯胚の形成異常から生じます。腫瘍の中に歯の組織があります。ゆっくりと育ちますが、顎の骨を膨らませたり、歯の位置を異常にしたりします。

悪性腫瘍は、エナメル上皮癌やエナメル上皮線維肉腫などがあります。まれに、角化嚢胞性歯原性腫瘍から悪性化することがあります。

エナメル上皮腫は、エナメル上皮腫ってどんな病気?症状や原因、種類や治療方法を知ろう!

歯牙腫は、歯牙腫は放置すると危ない?その理由や治療法を知ろう!症状や原因も紹介!

これらを読んでおきましょう。

[非歯原性疾患]

虫歯や歯周病とは無関係の疾患で、奥歯が痛んだり、周辺の歯茎が腫れたりします。

➀顎関節症(がくかんせつしょう)

物を噛んだり、口を開け閉めする時に、顎を動かす筋肉(咀嚼筋=そしゃくきん)に痛みや違和感を感じたり、顎の関節が痛かったり、「カクカク」という音がしたりする疾患です。顎の痛みを「奥歯が痛い」と感じることが多いようです。

顎関節症は進行すると、頭痛・めまい・肩こり・手足のしびれという全身症状が生じます。

歯をくいしばったり、就眠中に歯ぎしりしたり、顎や顎の周辺筋肉に常に強い負担をかける癖があったりすると、顎関節症になりやすいようです。バイオリンなど顎で押さえる楽器演奏でも、発症します。歯並びや歯の噛み合わせが悪くても、発症します。

顎関節症は、歯科医院で治療できます。マウスピースを使う治療法がよく行われます。就眠中の歯ぎしりや歯のくいしばりは、ストレスが溜まると起こりやすくなります。歯科医で治療を受けるとともに、ストレス解消をしてくださいね。

詳しくは、顎関節症は何科に行けば良い ?治療方法についてを参考にしてください!

②三叉神経痛

三叉神経とは、顔の感覚を脳に伝達する神経です。「顔を触る・熱い・冷たい・痛い」という感覚です。三叉神経に痛みが生じる病気を「三叉神経痛」といいます。

稲妻のような、一瞬の鋭い痛みが走ります。奥歯だけでなく、顔全体に激痛が走ります。物を食べたり、冷たい物を飲んだりすると、痛みが生じることがあります。

「脳に原因がある」という説もあります。脳腫瘍が原因で起こることがあります。三叉神経痛は、内科かペインクリニックを受診します。できるだけ専門医に診てもらうことをオススメします。

③帯状疱疹

帯状疱疹は、水疱瘡(みずぼうそう)を起こす水痘ウィルスと、その仲間の帯状疱疹ウィルスによって発症する、強い痛みをともなう皮膚疾患です。

子供の頃に水疱瘡にかかると、治った後も、水痘ウィルスと帯状疱疹ウィルスは死滅することなく、三叉神経や脊髄神経など知覚神経節に隠れ潜んでいます。過労やストレス、病気や高齢化などで免疫力が低下すると、潜んでいたウィルスが活動を再開します。神経に沿って小さな水ぶくれが、皮膚に帯状に発疹します。

帯状疱疹が口の中に発疹すると、奥歯が痛みます。痛みが強いので、飲食が難しくなります。入院加療をオススメします。もちろん、内科を受診します。

詳しくは、帯状疱疹が顔に現れた時の症状は?治療方法も紹介!を参考にしてください!

④急性上顎洞炎

鼻腔の奥には、鼻腔とつながっている空洞があります。鼻の左右に4つずつ、計8つある空洞の総称を、副鼻腔といいます。目の下から頬の辺りにある空洞が、上顎洞です。

風邪やインフルエンザにかかると、上顎洞に炎症が起きます。これが、急性上顎洞炎です。炎症が副鼻腔全体に広がると、副鼻腔炎といいます、慢性化したものが、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)です。

黄色い膿状の鼻水・鼻づまり・頭痛・咳・痰が生じ、奥歯が痛みます。上の奥歯の虫歯や歯周病が進行して、細菌感染が上顎洞に広がって、上顎洞炎を発症することがあります。これを歯性上顎洞炎といいます。

急性上顎洞炎は内科を受診しますが、歯性上顎洞炎は歯科医院で治療を受けます。奥歯が痛む時は、とりあえず歯科医を受診するといいですね。

⑤腫瘍

口の中や周辺(首や脳など)に腫瘍が発生すると、良性でも悪性でも奥歯が痛むことがあります。歯科医を受診して、「異常なし」と言われたら、内科医に相談する必要があります。

奥歯の痛みの対処法と予防法

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歯の痛みは我慢できませんね。一刻も早く治療を受けて、痛みを鎮めたいものです。

[奥歯の痛みの応急処置]

夜中や休日に奥歯が痛み出したら、とりあえず応急処置を行います。

➀歯磨きしたり、水歯磨きでうがいしたりして、口の中を清潔にする

しっかり歯磨きします。水歯磨きを併用して、奥歯に水歯磨きが行き渡るようにていねいにうがいします。細菌感染が起きていることが多いので、口中を清潔にすることで、痛みを多少緩和できます。

②奥歯の辺りを冷やす

頬や顎の辺りに氷嚢(ひょうのう)やアイスノン、保冷剤などを当てて冷やします。必ずタオルなどに包んで当ててください。冷たいおしぼりを当ててもOKです。

口の中に氷を入れて冷やすのはNGです。痛みが増強することがあります。

③痛み止めを服用する

市販の鎮痛剤を服用します。用法・用量を守ることが大事です。

[歯科医に治療してもらう]

応急処置をしておいて、できるだけ早く歯科医院に行き、治療してもらいます。

親不知が痛みの原因になっている時は、「親知らず抜歯」をすることになります。しかし、親知らずは曲がって生えていたり、歯茎に埋もれていたり、まともに生えていないことが多いようです。単なる抜歯ではなく、摘出手術に近くなります。できれば、口腔外科医のいる歯科医院で抜歯してもらうことをオススメします。

私と妹は、口腔外科医に親知らずを抜いてもらいましたが、1本2時間近くかかりました。もっとも、45年も前ですから、今は、もっと簡単になっているでしょう。

歯科医の治療を受ける時は、事前によく相談することが大事です。しっかり説明してもらって納得してから、治療を始めてくださいね。

[予防方法]

虫歯も歯周病も、予防の基本は、「正しい歯磨き」です。毎食後と就寝前に、正しい方法でていねいに歯を磨くことが、何よりの予防です。

「正しい歯磨きの方法」は、歯科医さんが指導してくれます。

口呼吸をやめて、鼻呼吸するようにします。口呼吸をすると、常に口が開いている状態になりますから、口の中が乾燥します。唾液が出なくなり、唾液による殺菌ができなくなるので、虫歯菌や歯周病菌が繁殖して、虫歯や歯周病になりやすいのです。口臭も強くなります。

自覚症状のないまま、虫歯や歯周病が進行し、突然、激しく痛みだすことが多いので、歯科医に定期健診してもらうことをオススメします。病巣を早く発見して、適正に治療すれば、抜歯することもありません。

まとめ 奥歯の痛みは、早めの対処が必要です

奥歯の痛みの原因は、いろいろありますが、主として、虫歯と歯周病などの歯性感染症と親知らずです。虫歯や歯周病が進行すると、細菌感染が、歯の根から歯根膜から歯槽骨、顎骨骨膜、顎骨骨髄まで広がり、炎症を起こします。ストレスや過労、高齢化などで免疫力・抵抗力が低下すると、血液まで感染して「敗血症」を発症し、最悪の場合は死に至ります。

虫歯と歯周病は、歯科医の定期健診や歯磨き指導を受けたりして、予防と早期治療を心がけることが大事です。

親知らずは、最後に生える奥歯で、なかなか厄介な存在です。虫歯にも歯周病にもなりやすく、しかも、隣の奥歯を押して、歯並びを乱したり、噛み合わせを悪くしたりします。歯科医さんと相談して、早めに対処することが賢明です。抜歯することが多いのですが、歯医者さんによっては、温存することもあるようです、歯医者さんとよく相談してくださいね。

奥歯の痛みは、日常の癖が嚙み合わせを悪くしたり、歯に余計な力をかけたりして起こることもあります。歯をくいしばったり、歯ぎしりしたりするのは、歯に余計な負担がかかります。

歯のくいしばりや就寝中の歯ぎしりは、ストレスによって起こることが多くなります。ストレス過多・過労などは、免疫力・抵抗力を低下させて、奥歯の痛みだけでなく、様々な症状を悪化させます。ゆっくり休みをとり、ストレスを解消してください。

奥歯が腫れたり、痛んだりしたら、とりあえず歯科医を受診します。歯科医院で「異常なし」と診断されたら、すぐに内科を受診します。応急処置で痛みが改善されても、必ず、歯科医や内科医に診てもらうことが必要です。早めに対処することで、重症化を避けられます。

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