普段はあまり食べないのに、食欲が止まらなくなってしまって多くの量を食べてしまう時期を経験したことはありませんか?
食べ過ぎた後に、後悔してしまうことも多いはずです。いつもならお腹いっぱいの量を食べても、食べ足りない気持ちになってしまうという人もいるでしょう。
この現象にはいくつかの原因が考えられます。
今回は食欲が止まらないことについての記事をかいています。食欲が増していて、ついつい暴飲暴食してしまう、太ってしまう、食事管理が出来ないという悩みを抱えている人は是非参考にしてみてください。
食欲とは
そもそも食欲とはどうして湧いてくるのでしょうか?食欲について軽く説明していきたいと思います。
食欲は3大欲求の一つ
食欲とは人間の3大欲求であり、生きていく上で欠かせない欲求なのです。三大欲求は性欲、睡眠欲、食欲の3つの欲求から構成される物で、人間が継続的に反映するために絶対に欠かせない欲望であり行為になります。
空腹感を感じて体にエネルギーや栄養分が足りなくなった時に、脳が発信する信号になります。消化管からの分泌液の量などから食欲が発生します。
この本来の食欲を満たさないと、胃が収縮したり体が動かなくなったりといった場合があります。
しかし、この本来の食欲とは別の食欲も存在します。これは生きている上で感じる、感情や記憶、目から入ってくる情報により生まれる食欲です。
甘いものは別腹なんて言葉がありますが、これがまさにそうです。本来の食欲の欲求は満たされているのですが、自分の好物を食べたいという欲により生まれる食欲なのです。
このように食欲には2種類あり、本来の食欲以外の欲が多い人こそ、過剰に食べてしまうので太りやすくなってしまうのです。
食欲が止まらない原因
食欲が止まらなくなってしまう原因について紹介します。
本来の必要最低限の食欲以外で発生してしまうコントロールが出来ない食欲をあげていきたいと思います。
必要量はしっかり食べているのに、食欲が止まらないと言う人は何が原因で問題が発生しているのかを明確にしていきましょう。
①ストレス
イライラした時や、不安を感じた時についつい食べ過ぎてしまうことってありませんか?ストレスが原因で食欲が止まらなくなる場合があります。
ストレスを受けると、脳から「コルチゾール」という成分が分泌されます。コルチゾールは胃を活発にさせたり、食欲を増やす働きがあるホルモンの一種になります。また、食欲を抑える働きのある「レプチン」という成分を減少させてしまうのです。
ストレスにより食欲は増して、食欲を抑える成分が減少してしまうので、食べる量が多くなるのです。
さらに、いつもよりも多く食べてしまったことに対してストレスを感じてしまい、また食べてしまうといった負の連鎖に陥ってしまう場合があるので注意すべき原因でもあります。
根本にあたるストレスの原因を解消しないと、いつまでもストレスの連鎖から抜け出すことは出来ません。募らせているストレスの最大の要因をハッキリさせていきましょう。
②生理
女性の方で経験のある方も多くいると思いますが、生理になると食欲が増して食べ過ぎて知まったことはありませんか?
生理が近づくと黄体ホルモンの「プロゲステロン」という成分が増加します。プロゲステロンの働きとして、体に栄養分を多く蓄えようと働き出すために食欲が増してしまう傾向にあります。
さらにホルモンバランスが崩れてイライラしがちになってしまい、ストレスも加わるので食欲はさらに増してしまうのです。結果過食症になってしまうこともあります。
この過食症の症状は月経前症候群(PMS)の症状の一つとしても発生することのある症状になります。しかし逆に過剰にこれを節制していると、拒食症などに繋がる危険性もあります。
生理中には無性に肉や甘いもの酸っぱいものや辛いものなど、極端にあるものを食べたくなる傾向があります。食事内容が偏ってしまうとホルモンバランスが更に崩れるきっかけにもなりますので、注意しましょう。
③睡眠不足
意外に思う方もいるかと思いますが、睡眠不足も食欲が止まらなくなる原因の一つなのです。
これは医学的にも解明されている原因になります。
睡眠不足の状態に陥ると、食欲を増進させる「グレリン」という成分と、食欲を抑える「レプチン」という成分のバランスが崩れてしまうのです。これによりグレリンの方が多くなってしまい、食欲が増してしまっている可能性があります。
さらに、炭水化物を摂取することで脳内物質のセロトニンが分泌されます。セロトニンは不眠やストレスなどで発生しているストレスを軽減してくれる働きがあります。
この働きを無意識に体が認識しており、炭水化物を欲しているということがわかっています。
他にも、睡眠時に分泌される成長ホルモンが分泌されないことで、脂肪を分解する働きが低下し、エネルギーの変換に必要なアミノ酸が足りなくなってしまいます。
その結果体内で分解できなかったアミノ酸を食事から吸収しようとする働きが生まれます。これらが睡眠不足から来る食欲の原因になります。
④運動不足
運動をするとお腹が空く→食欲が発生すると言うのは自然な流れですよね。しかし運動をしないことでも食欲が湧くことがあります。
運動をしていないと、体の「セロトニン」という物質が不足してしまいます。このセロトニンは、体の機能を整える重要な役割をしており、不足すると欲求不満や睡眠障害などの害が現れるのです。
これにより、食べても食欲が満たされない状態になってしまい、食欲が止まらない状態になってしまうのです。
肥満体型の人が動いてもないのに食事をしてしまい、さらに太るという悪循環を発生させている大きな原因でもあります。
⑤スマートフォンのいじりすぎ
え?スマートフォンと食欲って関係あるの?って思うかもしれませんが、スマートフォンやパソコンが発するブルーライトが原因となります。
ブルーライトを浴びることで、体内時計が狂ってしまうことが原因です。それにより食欲が発生するリズムが狂ってしまい、食べたばかりなのに食欲がでてくるといった場合があります。
現代社会では、ブルーライトを回避するのは難しいと思いますが、食欲が止まらなくて悩んでいる方は極力控えましょう。
今では設定などで、ブルーライトをカットする光量設定をすることも携帯の機種によっては出来ます。機能がついていない場合は、保護フィルムでもブルーライトがカットできる商品もありますのでそちらを使用してみてもいいでしょう。
⑥たんぱく質不足
いくら食事をしても、その中にたんぱく質が含まれていないと、食欲が満たされないという場合があります。
研究により、お腹がいっぱいになってもタンパク質が不足すると、人間の食べたいという欲求がつきないことが判明しています。
オーストラリアの機関から発表された研究結果では、タンパク質の摂取量が低下するほど、トータルの摂取カロリー量は増加することが判明しました。
確かにお菓子や揚げ物などは、たくさん食べても足りない気持ちになりますが、肉や魚は満足な気分にさせてくれることからもこの効果を実感できるでしょう。
普段の食事にたんぱく質を混ぜることで、食べ過ぎてしまうのを防ぐことができます。
タンパク質の摂取目安としては成人の体重1kgあたり0,7gの量が推奨されています。
食欲が止まらない時の対処方法
食欲が止まらなくて困っている人は、どのようにすれば良いか紹介します。
ダイエットなどで食欲の欲求と戦っている人にもおすすめの方法になります。しっかりと対策を練って、食欲を止めるようにしましょう。
①よく噛む
食欲を抑える方法としては有名だとは思いますが、食事の際に噛む回数を増やすことで食欲を抑えることができます。
噛むことで、ヒスタミンという成分の分泌が促進されます。ヒスタミンは満腹中枢を刺激する働きするほか、食欲を抑えるレプチンの分泌も増えるので食欲を抑えることができます。
1回の口に運んだ時に、25回〜30回噛むのを意識しましょう。習慣づけてしまえば苦ではなくなります。
②炭酸水を飲む
聞いたことがある人も多いかもしれませんが、炭酸水を飲むことで食欲を抑えられます。
炭酸水が体内に入ってくると、体温によって温められた炭酸ガスが胃の中で膨らみます。これにより脳が満足感を感じて、食欲が増さないように仕向けるのです。
食前に飲むことで、食べすぎるのを防ぐこともできます。ただし、少量だと逆に食欲が増す恐れがあるので、350ml〜500mlは飲むようにしてください。
③歯磨きをする
まだ何か食べたいと感じたときに、歯磨きを行うことで食欲を止めることができます。
普段食後に歯磨きを行っていることで、歯磨きをすると当分は何も食べないと脳が記憶しており、食欲がこれ以上でないように脳が指令するのです。
特に口がスッキリする、ミントやメンソール系の歯磨き粉を使うことでより高い効果が期待できます。
④食物繊維が豊富なものを摂取する
食物繊維は消化が緩やかで長時間胃の中に滞在する傾向がありますので、食後の満腹感が長時間継続します。
もし、肉や炭水化物などと一緒に摂取する場合は野菜などの食物繊維を多く含んでいるものを先に摂取しましょう。
血糖値の上昇を穏やかにして消化を緩やかにすることで、満腹感が継続しやすくなります。逆に肉や炭水化物を先に食べてしまうと、血糖値が急激に上昇してしまいインスリンが分泌されることで食欲が増幅してしまいます。
食べる順番なども考慮して満腹感を継続していきましょう。
食欲が止まらないのを改善する方法
いくら食欲を抑えたとしても、湧いてくる食欲が止まらないことにはキリがありません。どのようにすれば通常の体質に戻れるかを紹介します。
①運動する
運動をすることで、食欲が止まらなくなっている状態の体を改善することができます。
運動といっても、ウォーキング程度の軽い有酸素運動で問題ありません。軽い運動をすると、体内にあるセロトニン神経が活発に働くようになります。セロトニンが不足していると、欲求不満が解消できません。
リズムよくウォーキングをすることがポイントとなってきます。夕食後15分前後で構わないので、運動することを試してみましょう。
②深呼吸をする
普段落ち着いて深呼吸をすることって意外とありませんよね。深呼吸をすることで、改善できる場合があります。
深呼吸にはセロトニン神経を刺激する作用があり、体内のセロトニンの割合を増やすことができます。イライラした時やストレスを感じた際にやると、リラックス効果もあるのでオススメです。
深呼吸をする際はお腹の膨らみを意識することで、より高い効果を得ることができます。
③太陽の光を浴びる
外に出て太陽の光をたくさん浴びることで、体内のセロトニンの量を増やすことができます。
オフィスや建物の中で働いていると、意外と太陽の光を浴びることが少なく、セロトニン不足に陥ってしまう場合があります。昼休憩などの時は、なるべく外に出て意図的に太陽の光を浴びましょう。
特に朝の光というのは、セロトニンを多く分泌させるので、体質の改善スピードも早くなると考えられます。
食欲と病気の可能性
様々な方法を試したが、食欲が一向に収まらないという人は、病気の可能性も疑わなければなりません。食欲が止まらない症状のある病気を紹介します。
①過食症
文字通り、大食いを繰り返し行なってしまう病気が過食症です。
特徴として大食いをした後に、気分が暗くなって落ち込みやすく絶望感を感じてしまいます。さらに食べた後に、体重が増えるのを防ごうとして無理やり吐いてしまうという場合もあります。
心の病気といわれており、ストレスや周りから良く見られたいという感情から発症してしまうケースが多いです。
自分が過食症だと把握しないと症状の改善は難しいので、まずは過食症と向き合うことが必要になります。
②糖尿病
インスリンが不足してしまい、血糖値が高くなってしまう病気が糖尿病です。
インスリンがあるからこそ、正常な血糖値を保つことができます。しかし食生活や運動不足などが偏りすぎると、インスリンの分泌に異常をきたしてしまい糖尿病が発症してしまいます。
体内からインスリンが不足すると、体がそれを補おうと働くために食欲が増してきてしまいます。
いわば食欲が増してくるのは初期症状なので、早期発見のための手がかりのようなものです。普段の生活が乱れている人は、糖尿病の疑いを持ちましょう。
③バセドウ病
聞き覚えのある人も多いと思いますが、甲状腺ホルモンが余分に分泌されてしまうのが、バセドウ病です。
バセドウ病の症状として、食欲が増す・暑さを感じやすく汗をかく・疲れやすくなるなどの症状が見られます。症状が悪化すると、震えが出だしたりイライラしやすくなるといった症状も現れます。
こちらも初期症状の一つに、止まらない食欲があります。その他の症状も同時に感じているのであればバセドウ病の可能性が高いといえるので、病院へ早くいくようにしましょう。
まとめ
食欲が止まらない原因
- ストレスによりコルチゾールが増えている
- 生理によりプロゲステロンが増加している
- 睡眠不足によりグレリンが増加している
- 運動不足によりセロトニンが不足している
- ブルーライトにより体内時計が狂っている
- タンパク質が足りないので欲求が満たされていない
食欲を抑える方法
- よく噛みヒスタミンの分泌を増やす
- 炭酸水により胃をふくらませる
- 歯磨きをして食欲をなくす
食欲が止まらないのを改善する方法
- 運動を取り入れる
- 深呼吸をする
- 太陽の光を浴びる
食欲が止まらない症状のある病気
- 過食症
- 糖尿病
- バセドウ病
以上が今回の記事のまとめになります。
食欲が止まらないのは様々な要因があるのがお分かり頂けましたでしょうか。肥満になりやすくなるというリスクもあるため、なるべく食べ過ぎるのは避けたいところですよね。
自分がなぜ食欲がこんなにも湧いてくるのかを知って、しっかりと改善し、快適な生活を送りましょう。
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