突然ですが、人間の三大欲求というものをご存知でしょうか。三大欲求とは食欲、睡眠欲、そして性欲の3つを指示しており、生命の維持と子孫づくりという生物の本能に基づく欲求のことです。
実は近年、この三つの中でも特に、「食欲と性欲の二つは密接な関係にあるのではないか」という疑問が呈され、研究が進んできています。食欲中枢と性欲中は、脳の中でもほんの隣同士に位置するため、相互に影響を与え合うと考えられているのです。
もしそれが真実だとすれば、「性欲を利用して食欲をコントロールする」といったことや、反対に「食欲の利用によって性欲を操作する」などといったことも可能になるかもしれません。
前代未聞のセックスダイエット?性欲で食欲を抑えよう!
「セックスダイエット」と急に言われますと、戸惑う方もおられるかもしれません。しかしながら、この方法は字面ほど突飛なわけではないようです。実は昨今行われた実験の結果、性欲と食欲に関して、「一方が満たされれば、もう一方の欲求は自ずと収まりやすい傾向にある」ということが明らかになってきました。
つまり、積極的に性欲を満たすことでダイエットの成功率をアップさせることは科学的にも十分に可能であるようです。
セックスで痩せられる理由とは?
確かに、ふと考えてみればこのコンセプトも意外としっくりくるかもしれません。皆さんも是非想像してみてください。例えば、食べ放題のビュッフェで美味しい料理をたらふく平らげ、満腹になった後すぐに「さあ、次はセックスしよう」と思える方は少ないでしょう。反対に、恋人や旦那様とのセックスの直後に、大量の食事をお腹一杯になるまでかきこみたくなるというシチュエーションも余り想像できません。
むしろ、どちらのケースでも「まずはしばらくゆっくりして幸福感に浸りたい」と考える方が多数派ではないでしょうか。ここにダイエット成功の秘訣があります。性欲が十分以上に満たされることで、性欲中枢と隣接する食欲中枢もそれにつられて満足度が向上します。その結果、食欲にセーブがかかり、食事の量を必要最低限に抑えやすくなるのです。
また、単純に運動してのセックスによるダイエット効果も捨てたものではないかもしれません。30分のセックスによるカロリー消費量は平均して、女性で69.1kcal程になります。これは15分間ジョギングを続けるのと同等のカロリー消費量になります。ということは1時間セックスをすれば、30分ものジョギング運動に匹敵するカロリーを消費することができます。も
ちろん、これは「性欲を利用した食欲のコントロール」からは少々逸脱しますが、性行為が持つダイエット効果の一つとして紹介いたしました。
セックスだけではない!性欲を駆使した他のダイエット法!
性欲を利用して食欲の抑制やダイエットを実現する方法は他にはないのでしょうか。一つ思い当たるのは、性欲の大本である「パートナーへの想い」を切り口とする方法です。これは非常にシンプルな発想です。要するに、これからも今まで通り、あるいはそれ以上にパートナーから愛されていきたいという欲求を梃子にするということです。
映画や漫画などでも、「片思いの異性を振り向かせるために必死にダイエットし、プロポーションを良くする」という展開はお馴染みでしょう。簡単に言ってしまえば、これと同じ発想です。愛するパートナーからの愛情を目的として、自分を磨くモチベーションを得て、そしてその強いモチベーションを推進力として辛いダイエットを貫き通すというわけです。
ここで言及するまでもなく、多くの方々は自然とこの方法を実践しているかもしれません。ですが、あえてそれを意識してみることでより強いモチベーションと推進力を得られる可能性があります。例えば、毎朝着替える際に衣服を脱いで鏡の前に立ってみるというのはどうでしょうか。
特に、自分でも脂肪が気になる部分をじっくり見つめ、触ってみてください。さらに言えば、彼との性行為の際にそこをパートナーの方に直接見られることも意識してみてはどうでしょうか。こうすることでダイエットのためのモチベーションを自分の中により一層呼び起こすのです。
これも一種の、性欲の活用法といえるのではないでしょうか。
食事で性欲をコントロールすることは可能か?
ここまでは、性欲による食欲のコントロールについてばかり述べてきました。ですが、性欲と食欲が相互に影響を与え合うというなら、逆に食欲を用いて性欲をコントロールすることも可能ではないでしょうか。
性行為があると予想される日には性欲を高め、逆の日には減じるといったように、です。そういったコントロール法を習得することができれば、パートナーの方との性生活もより充実させられるでしょう。
ここでは女性と男性の場合にわけて紹介したいとも思います。
女性のケース
早速ですが、食欲をあえて満たさず空腹状態を保つことが性欲を高じる最良の手段かと言いますと、そう簡単な話ではないようです。むしろ、女性の場合、食事後の方が性欲を高められるケースもあるんです。「どういうことか」と思われると思います。今まで散々「性欲を満たすことで食欲を抑制する方法について述べてきたにも関わらず、逆の話になった瞬間、理屈を変えるのか」とも思われるかもしれません。ですので一旦整理させてください。
確かに、実験を通して「性欲が満たされることで食欲が抑制される」ことは明らかになりつつあります。本文の前半で記述させて頂いたダイエットに関するお話しはこの結果に基づいたものです。ですが、逆は必ずしも成り立つとは言えないようなのです。もっと言いますと、一概に食欲を満たすといっても、どのように満たすかによって、性欲に与える影響は変わるということが明らかになってきているのです。
一口に食事と申しましても、人によって重視する点は異なるでしょう。ひたすらに安上がりで大盛の食事を好む人もいるでしょうし、逆に量よりも味をひたすらに追及する人も多いでしょう。量と質の二択といったところでしょうか。実は、この2つのうちどちらを満たすかによって、性欲への影響は異なるというのです。
結論から申し上げますと、量への欲求を満たした場合、つまり強い満腹感を得た場合は性欲が減退すると考えられています。脳が「もうこれで十分」と考えるからだとも言われております。よって、逆に料理の質、味への欲求を満たせば女性は性欲が昂りやすいということです。なぜなのでしょうか。
まずそもそも、女性は美味を堪能することで、食欲を通り越した純粋な幸福感を脳が強く感じると言います。その幸福感が脳の視床下部に位置する性欲中枢も刺激し喚起する仕組みになっています。つまり、食事を通して強く純粋な幸福感を得ることで、性欲も満たされたいと、脳が感じるのです。特に男性との食事でその幸福感が満たされることで、性欲が喚起されやすくなると言います。
注意して頂きたいのは、性欲を昂らせるために必要なのは「幸福感」であって「満腹感」ではないということです。満腹感まで得てしまったら、性欲はセーブされる危険性があります。とはいえ、美食によって幸福感だけでなく、満腹感も満たせてしまうといったことは珍しくないでしょう。むしろ自然のことと言えます。そんな時は慌てず急かず、満腹感が去るのを待つのがベストです。
例えば、腹ごなしもかねて食後に二人でゆっくり散歩をするというのはどうでしょう。あるいは単純に、運動もせずにしばらくのんびりとするのもいいかもしれません。研究によると、満腹感を得てしまった場合は2時間待つのがベストのようです。2時間たてば満腹感のみが去り、性欲が昂りやすい状態に入れます。そこから行為を開始するのが良いでしょう。
男性の場合
では男性も同様なのでしょうか。女性と同じように、満腹感よりも美食による幸福感を追及することで性欲が高じやすいのでしょうか。これもまた、一概にそうとは言えません。それどころか男性の場合ですと、女性とはあらゆる点で事情が違うのです。
まずこれまでにも何度か繰り替えさえて頂いたように、女性の脳においては食欲中枢と性欲中枢は隣同士にあります。しかし男性の場合、この時点で女性とは異なります。男性はそもそもこの2つの距離が、女性と比べると離れ気味なのです。だから食事による幸福感を満たしても、女性と比べて性欲が影響を受けづらいのです。
ただし、太り気味の男性や過食気味の方は性欲が減退しやすいという側面もあります。最も、これ女性の場合とは少々異なる理由からです。男性の場合、性欲の多寡を左右する最大の要因はホルモンです。要するに、男性ホルモンの分泌量が多いほど性欲が強くなるのです。ですが、運動不足の場合や肥満体の男性の場合、その大事な男性ホルモンが減少してしまいます。こうして、過食によって性欲の減退が引き起こされるのです。逆を言えば、運動を増やし痩せることで性欲は強くなるともいえます。
まとめ
今回紹介させて頂くお話しは以上になります。繰り返しますと、女性の場合は性欲と食欲は密接な相互関係にあります。そのため、一方をうまく利用すれば、もう一方の欲求をある程度コントロールすることが可能です。
しかしそのためには、その欲求の働きについて正しく知っていた方がよいでしょう。特に、性欲の利用による食欲の制限がやや容易なことに比べて、逆のケースはやや複雑ですので、うまく実践するにはそれなりの理解が必要かもしれません。