生理がこない病気の症状は?対策や予防法について

生理がこない病気は、女性のトラブルのなかでも珍しいことではありません。毎月ぴったり同じペースで来る人もいますが、そのときの体調や食事の状況などで、1週間程度ずれることはよくあります。

しかし、なんらかの病気が原因となっている場合は注意が必要です。生理がこないとき、体はどうなっているのか、何が起きているのかを知って、原因や対策を考えていきましょう。健やかな体や生活を守るためにも、覚えておいてください。

女性ホルモンと生理

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女性ホルモンは卵巣で作られるホルモンで、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があります。卵胞ホルモンは妊娠に向けて子宮の内膜を厚く育てます。黄体ホルモンは着床を促して、妊娠を助ける働きがあります。

妊娠をしなかった場合は、生理を起こして体をリセットして、新しい1ヶ月が始まります。これを28〜35日周期で繰り返しているのが、女性特有の体のしくみです。

それぞれが絶妙なバランスを保つことで、毎月正常な生理がきています。女性が妊娠や出産、健康的な毎日を送るためには、欠かせない機能です。なんらかの原因によって女性ホルモンのバランスが崩れると、さまざまな変化があらわれます。

無月経もその一つです。無月経とはどのような症状でどのような原因があるのか、見過ごしがちな無月経のリスクについて見ていきます。

生理がこない病気:無月経とは

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女性は、妊娠をすると生理が止まることはよく知られています。これはもちろん病気ではありません。

妊娠していないのに、生理が止まってしまう状態を「無月経」といい、体にとっては明らかな異常です。通常は3ヶ月以上生理がこないと「無月経」と診断されます。

原発性無月経

満18才を過ぎても初潮がこない状態を「原発性無月経」といいます。染色体の異常や先天的な病気などが主な原因です。

続発性無月経

初潮が来てから、3ヶ月以上生理がこない状態が続く場合です。初潮を迎えた女性なら誰でも起こる可能性があります。若い女性に増えているのは、ストレスや過激なダイエットなどが原因と考えられています。

妊娠をしていないのに、生理がこない状態が続くということは、女性ホルモンが正常に働いていないことになります。火照る、骨がもろくなるなどの更年期のような症状、肌トラブルやイライラなどのストレス、無排卵によって妊娠しづらいといった大きなリスクが隠れています。

無月経の原因

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生理がこない病気として、原因となる症状について見ていきましょう。

無排卵

排卵をしていないことは、生理がこない病気の大きな原因のひとつです。

◆卵巣機能低下症(早発卵巣不全)

卵巣が排卵を行うことができない病気です。卵巣の中に卵胞があって、それでも排卵しない場合をゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群といいます。卵胞が残っていないために閉経してしまうこともあり、43才未満で閉経する場合を早発閉経といいます。

月経の周期が長くなってくると共に、排卵も起こらなくなり、排卵がないということは基礎体温も低温のままという状態が続き、やがて閉経に至ります。

・原因

卵巣の機能が低下する原因はまだ明らかになっていません。バセドウ病などで知られる甲状腺機能亢進症、筋無力症など自己免疫性疾患がある人や先天的な染色体異常がある人に多いことがわかっています。老廃物の排出がうまくいかず、むくみやすい、便秘しやすい、冷え性などいわゆるリンパ系が弱い体質の人、喫煙の習慣がある人は特に卵巣機能の低下に注意が必要です。

・治療方法

早期閉経の場合は、ホルモン補充療法でエストロゲンを補いながら、骨粗しょう症の予防や更年期症状の緩和を行います。妊娠を望む場合は、卵胞が残っている場合にのみ治療が可能です。ゴナドトロピンを投与して排卵を誘発させる方法がとられていますが、必ず妊娠ができるものではありません。

◆多のう胞性卵巣症候群

卵胞の発育に時間がかかり、なかなか排卵しない疾患です。同じくらいの大きさ(10mm)の卵胞がたくさんできて、それ以上大きくなるのに時間がかかります。月経周期が長い(35日以上)、ニキビが多い、毛深くなる、体重増加などの症状が現れます。

排卵障害として若い女性に多くみられます。自力で排卵があれば妊娠は可能ですが、排卵日の特定が難しく、排卵しにくい、排卵の回数が少ないことから妊娠しにくい傾向にあります。

・原因

脳下垂体から出るFSH(卵胞刺激ホルモン)が、卵胞の発育を促します。LH(黄体化ホルモン)は排卵を促します。多のう胞性卵胞症候群は、LHの分泌が多く、卵胞が育ちにくいといわれています。なかなか排卵しないので、排卵を促すためにさらにLHを分泌し、余計に卵胞が育ちにくいという悪循環ができあがってしまいます。

LH(黄体化ホルモン)にはアンドロゲンという男性ホルモンが含まれていて、これもホルモンのバランスを崩す原因になると考えられます。体毛が濃くなったり、食欲が増す、ニキビが増えるといった男性化の兆候もみられます。

インスリンが過剰に分泌されることで卵、巣機能を阻害することもわかってきました。糖尿病や肥満は健康のためにも改善していきたいところです。

高プロラクチン症、乳汁漏

妊娠や産褥期と関係なく、乳汁が分泌されることがあります。胸を圧迫すると出てきたり、何もしなくても出てくることもあります。プロラクチンという乳汁を作り出すホルモンが過剰に分泌され、無月経や卵巣の機能障害を引き起こします。

一般的に、母乳をあげている間は妊娠しないような体になっています。このときに働くのがプロラクチンがです。基準値を超えてプロラクチンが分泌されている状態を高プロラクチン血症といい、生理が長くなったり、こなくなったりします。黄体機能不全や排卵障害を引き起こすことも珍しくありません。

精神的な原因

生理がこないのは、病気のせいだけでなくメンタルもとても大きな影響を及ぼします。

・体重減少性無月経

脚や体の細さ、体重の軽さにこだわりすぎてしまい、急激なダイエットや急激な体重減少、リバウンドを繰り返すことが体にいいはずがありません。体に必要な栄養が取れず、体調や心のバランスが崩れてしまうのは、当然ともいえます。

過食症や拒食症を繰り返す摂食障害を引き起こしかねません。生理がこなくなるのは拒食症の時期です。

・心因性無月経

とても強い精神的なストレスを抱え自律神経が乱れると、ホルモンのバランスも崩れ、生理がこなくなってしまうこともあります。

無月経の対策

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3ヶ月以上生理がこないと思ったら、放置せずに病院に行きましょう。きちんと検査をするまでは妊娠の可能性も否定できません。毎日の習慣もできることから改善していきましょう。

まずは病院に行く

生理がこないというのは、どこかに異常があると考えましょう。原因を突き止めるためには、病院に行って検査をしておくことが大切です。妊娠や出産をするためにも、体を整えておく必要があります。

冷え性を改善する

新鮮で栄養たっぷりの血液を全身や子宮に届けるためにも、こまめに運動したり、食事から十分な栄養を摂取することを心がけましょう。

肩こりや冷え性があれば、血の巡りがよくない体質かもしれません。運動をして体を温めたり、お風呂は湯船にゆっくりとつかって筋肉の緊張をほぐしたり、心や体をリラックスします。冷たい飲み物や食べ物は控えましょう。

規則正しい生活

夜遅くまでパソコンやスマホを見ていたり、睡眠不足で疲れが溜まったままでいると、自律神経のバランスが崩れる原因になります。ストレスや疲れはその日のうちに解消するようにしましょう。

まとめ

最後に、生理がこない病気についてまとめます。

生理がこない病気を無月経といい、女性ホルモンになんらかの異常があると考えられます。無排卵や排卵障害など女性ホルモンの異常、甲状腺ホルモンの異常、急激なダイエット、強いストレスなどが原因となることがあります。

このような状態を放置していると、妊娠しにくくなったり、骨がもろくなってしまいます。3ヶ月以上生理がこないときは、すぐに病院で検査を受けて原因を特定しておきましょう。

生理がこないことは確かに楽ではありますが、女性の体は妊娠や出産に限らず、毎日の体調にも女性ホルモンが影響します。健康的な日々を過ごすためにも、体を大切にして過ごしていきましょう。

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