食物繊維の効果を知ろう!ダイエットに有効?種類や効果的な摂取方法を紹介!

食物繊維と言うと、ダイエットや便通改善によいイメージがありますよね。体によいものですから、食事などに豊富に取り入れている人も多いのではないでしょうか。

しかし、食物繊維が体によいと言っても、具体的にどのようによいのか分かりますか?場合によっては、必ずしも食物繊維が便通改善につながるわけではありませんし、詳しい効果については、テレビなどの情報でうろ覚え、という人もいるかと思います。

そこで、今回は食物繊維の持つパワーと、具体的な効果について、詳しくご紹介します。どのように食物繊維を取り入れることが自分にとって最も合っているのか、この機会に理解を深めていきましょう。効果的なダイエット方法や便通改善など、身近な食物繊維を効果的に体に取り入れる方法について、詳しくご紹介します。

食物繊維とは?

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わたしたちが日頃体に取り込んでいる食品の中には、消化酵素によって消化され、体内に取り込まれるもの以外にも、消化されない成分が存在します。

こうした難消化性成分の総称が食物繊維と呼ばれるものです。ご飯やパンなど、日常的に口にしている炭水化物は、こうした食物繊維と糖質を合わせたものです。

食物繊維は難消化性成分のため、消化されないまま大腸まで運ばれていきます。消化されないというのは体に悪いような気もしますが、消化されずに腸内に入ることにより、食物繊維は非常に重要な役割を果たしているのです。それでは、食物繊維が果たしている様々な役割について、詳しく見ていきましょう。食物繊維にもタイプがありますから、きちんと知って、自分に合った取り入れ方をしたいものですね。

食物繊維の歴史

今や、体によいものとして認知されている食物繊維ですが、歴史は意外に古いようです。

1930年代にアメリカの穀類製造業ケロッグが、小麦ふすまの便秘患者・大腸炎冠者への影響を確認したことから始まっています。

その後、イギリスのマッカリソン博士が全小麦パンや豆、果物フンザ人が健康で長寿であることに気づき、1971年には、イギリスのバーキット博士によって、食物繊維の仮説が発表されました。この時の発表では、食物繊維の摂取量が少ないと大腸がんのリスクが高くなると言われています。

食物繊維の種類

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食物繊維の働き食物繊維の種類食物繊維と一口に言っても、その種類は水溶性と不溶性の2種類に分けられます。

水溶性食物繊維は、粘着性があるタイプとサラサラしたタイプがありますが、粘着性があるタイプは胃腸内でゆっくり溶けていく性質があるため、腹持ちがよいのが特徴です。

不溶性食物繊維

食物繊維と聞いて連想するのは、こちらが多いのではないでしょうか。繊維というだけあって、色状に長い筋のようになっています。

感触は、ボツボツしたり、ザラザラしていたりします。成熟した野菜などに多く含まれているのがこのタイプです。不溶性食物繊維は保水性が高いため、消化される途中で、胃や腸の水分を吸収します。それによって腸を刺激し、食べかすを肛門へと運ぶ、蠕動運動を活発化させるため、便通改善に効果を発揮するのです。

また、噛みごたえがあるので、食べ過ぎを防ぐ上に、顎の発達を促して歯並び改善にも役立ちます。もちろん、ダイエットにもよいですね。さらに、大腸内で発酵、分解される時にビフィズス菌などを増殖させるため、腸内環境を整えてくれるのも大きなメリットです。

水溶性食物繊維

水に溶けるタイプの食物繊維で、サラサラしたものと、ネバネバしたものに分かれています。粘着性のあるタイプは、胃腸内を移動する速度も遅いため、お腹が空きにくい特性があります。

そういった意味では、こちらも食べ過ぎを防ぎ、ダイエットには効果的ですね。また、糖質の吸収を抑えてくれるため、食後に血糖値が急激に上昇するのを防いでぐれます。胆汁酸やコレステロールを吸収し、大概へ排出してくれる他、大腸内や発酵・分解するとビフィズス菌が増えるため、腸内環境を整えてくれる働きもあります。

食物繊維の効果は?

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食物繊維にも水溶性と不溶性があるところまでご紹介しましたが、理想の摂り方は不溶性:水溶性=2:1だと言われています。すでに挙げたように、それぞれ効果が違うため、どちらか片方ではなく、バランスよく摂取したいものですね。

さて、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は、さらに細かく分類することができます。きちんと特性を理解して、上手に取り込むようにしましょう。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、ヌメリ感と高い保水性が高いのが特徴です。では、細かい種類別に効果を見ていきましょう。

ペクチン

ペクチンはカボチャや大根、キャベツ、熟した果物などに含まれています。血糖値の急上昇を抑える働きを持っています。

グルコマンナン

こんにゃくゼリーでも有名なグルコマンナンは、食べたものが消化・吸収されるのを阻む働きがあります。さらに、水分を吸いやすいため、少しの量でも満腹感を得られるのもうれしいところですね。

アルギン酸

アルギン酸はコレステロールや血糖値の上昇を抑えます。動脈硬化の予防や便秘解消にも役立ちますよ。海藻のぬめり成分はこのアルギン酸です。わかめや昆布、もずくやめかぶなどの海藻類に多く含まれています。

フコイダン

同じく海藻のヌメリ成分ですが、こちらは肝機能の向上や抗アレルギー、血圧の抑制などに効果的です。やはり海藻類に多く含まれていますから、味噌汁や酢の物などにしてメニューに加えるとよいですね。

不溶性食物繊維

一方、不溶性食物繊維は、水に溶けにくい性質があるため、水分を保ちつつ、便のかさを増してれるので、便通改善に役立ちます。

さらに、発がん性物質など、腸内にある有害物質を排出してくれるため、がん予防にも効果を発揮します。

セルロース

セルロースは穀類の外皮に多く含まれているため、食事から摂れる食物繊維の大半はセルロースだと言われています。腸内で有害物質を吸着し、体外へ排出してくれる働きを持つため、便通改善に効果的です。おからや大豆、ゴボウや穀類、りんごなどに多く含まれています。

ヘミセルロース

ヘミセルロースもセルロースに準じた働きがあるため、善玉菌を増やして有害物質を体内から追い出します。ゴボウや小麦ふすま、玄米や大豆などに多く含まれています。

ペクチン

水溶性の方でもご紹介しましたが、ペクチンには水溶性と不溶性の2種類があります。熟していくにつれて不溶性から水溶性に変わっていきます。腸内の有害物質を排出する働きがあるので、便秘予防や大腸がんの予防にも効果的だと言われています。

まだ熟していない果物や、野菜に多く含まれていますから、野菜をたっぷりと食べることを意識しましょう。

詳しくは、ペクチンの効果とは?成分や摂取の仕方を知ろう!注意点はなに?を読んでおきましょう。

リグニン

リグニンには、コレステロールの値を抑え、腸内環境を整えるのに大切な、善玉菌を増やす効果があります。ココアや豆類、果物ならイチゴやナシに多く含まれているので、積極的に摂るようにしましょう。

キチン・キトサン

血圧やコレステロールの上昇を抑え、免疫力を高める効果が期待できます。エビやカニの殻などに多く含まれています。

このように、食物繊維にもそれぞれ種類があり、食べ物によって含まれている食物繊維が違いいます。バランスよく取り入れていくことが大切です。

食物繊維で効果的にダイエット

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食物繊維はダイエットによいと言われていますが、水溶性と不溶性食物繊維では、それぞれ効果が違いますよね。では、効果的にダイエットするためには、どのように食物繊維を取り込めばよいのでしょうか。

食事量を抑えて便通改善

食物繊維には、タンパク質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラルという5つの成分が含まれています。そして、ダイエットや健康維持に大切な、血糖値の上昇を抑えるペウチンや、便秘予防に効果的なアルギン酸、消化吸収を抑えるグルコマンナンなどは水溶性食物繊維で、こんにゃくやかぼちゃ、海藻類に多く含まれています。

この水溶性食物繊維は、水に溶けるとゲル状に変化する粘性が特徴で、炭水化物の消化吸収を緩やかにしてくれるのです。余分な脂質も体外へ排出してくれるため、コレステロールを抑えて健康な体を維持するのに効果的です。

デトックス効果ですっきり

一方、水に溶けない不溶性食物繊維には、満腹感を与え、食べ過ぎを防ぐ効果があります。腸の善導運動を活発化させ、便通改善にも役に立ちます。中でも特に注目したいのが、有害物質を体外へ排出するデトックス効果ですね。

水溶性食物繊維で消化吸収を抑え、不溶性食物繊維で便通改善やデトックス効果を得ることで、食事量を減らし、適度な栄養素を取り込むことで、すっきりとした体作りに一役買ってくれるというわけですね。

肉ばかりではなく、野菜やきのこ、海藻類をサラダなどで取り入れ、豆腐などの豆類も意識的に摂るようにしましょう。白い米ではなく、麦や雑穀を混ぜたり、パンは全粒粉のものに変えたりと、より健康的な食品に替えていくことで、ダイエット効果が上がります。

1日あたりの必要量は?

食物繊維の1日あたりの食事摂取量の目標量の基準は、18歳以上の男性ならば19g、女性ならばg以上とされています(2010年度)。しかし、実際の平均摂取量は非常に少なく、10~40代の男女で14gにも満たないと言われています。必要摂取量にはほど遠い数値となっていますね。

日常生活の中では、なかなか食物繊維を意識することが少なく、摂れているつもりでも全く必要量に届いていないのが現状です。

食物繊維を多く含む豆類や海藻、きのこ類のほか、ごぼうなどの野菜や小麦、玄米などを意識的に取り込み、食事内容を改善していくことが大切です。

食物繊維で便通を解消

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さて、食物繊維が便通改善に効果的であることをご紹介してきましたが、人によっては、きちんと食物繊維を摂っていても便通が改善されない人がいますよね。「しっかりと食物繊維を摂っているのになぜ?」と思われるでしょうが、それは摂り方に問題があるのかも知れません。

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、不溶性食物繊維の特徴は水分を吸収することです。もともと水分量の少ない便しか出ない人の場合、さらに水分が吸収されてしまうことで、余計に便秘が悪化してしまうことになります。

自分の便秘の種類をきちんと把握し、水溶性と不溶性、どちらの食物繊維が効果的なのかを知りましょう。その上で、バランスよく取り込んでいくことが便秘解消のカギです。

便秘にならないためには

また、便秘解消には、食物繊維以外にも必要なものがあります。

水分を摂る

水分も、摂れているつもりで足りていないことがよくあります。お酒は水分を体内から奪ってしまいますし、緑茶やコーヒーは利尿作用があり、水分補給にはなりません。食事中には、意識的に水を飲むようにしましょう。冷たい水はお腹によくないので、常温やぬるめのお湯でもよいですね。

適度な脂質

脂質はダイエットの大敵と思われがちですが、大切な栄養素であることに違いはありません。ダイエット中だからと言って脂質を摂らない食生活をしていると、やはり便秘になってしまいます。野菜炒めなどにして取り込めば、健康的に脂質を摂取できますよ。取り過ぎはいけませんが、適度に取り入れて健康的な食生活を心がけましょう。

お腹を冷やさない

きちんと排泄を促すためには、腸の蠕動運動が欠かせません。しかし、お腹が冷えた状態にあると、腸の動きが悪くなり、便秘になりやすくなります。冷たいものばかり食べず、お腹を冷やさない工夫をしましょう。

定期的にトイレへ

快便の人は、毎日同じような時間帯にトイレに行きます。そのように体が癖付いているためですね。便秘の人も、できるだけ同じ時間にトイレに行く習慣を体に覚えさせましょう。

無理をしない

仕事中や電車の移動中などで、行きたい時にトイレに行けない場合もあります。しかし、可能な限りトイレは我慢せずに行くようにしましょう。便意を我慢していると、徐々に腸の蠕動運動が鈍くなり、やがては便の出にくい状態を作り出してしまいます。

食物繊維で糖尿病が改善?

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食事で食物繊維を摂取している人は、2型糖尿病のリスクが低いことも分かってきています。これは、ケンブリッジ大学のニック ウェアハム教授らの研究グループが発表したことで、食物繊維によって体重のコントロールがしやすくなり、さらには満腹感を与えてくれることで食べ過ぎを防げることなどが挙げられています。

また、食物繊維は血糖値の急激な上昇を抑える作用もありますから、食事の最初に食物繊維を含む食材から食べることで、糖尿病改善や予防の効果が期待できます。

食事をすると小腸からインクレチンという消化管ホルモンが分泌されますが、食物繊維を多く摂ることで、このインクレチンがより多く分泌されます。インクレチンは食欲を抑える効果もあるため、食べ過ぎを防いでくれるわけですね。

さらに、インクレチンは腸内細菌の影響も受けるため、食物繊維をきちんと摂ることで腸内細菌が整えば、インクレチンの分泌量が増え、健康的な食習慣に役立つのです。食物繊維で糖尿病が改善する可能性があるなんて意外でしたね。ぜひ、毎日の食事に取り入れていきましょう。

青汁で簡単に食物繊維を摂取

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食物繊維をてっとり早く摂取する方法として、青汁があります。CMなどでも目にすることが多いですが、青汁は材料にケール、ケール、大麦若葉、明日葉、桑の葉など、食物繊維の含有量が豊富な野菜を使用しています。ですから、普段の生活で不足しがちな食物繊維を摂るには、有効性の高い手段と言えます。

しかし、青汁に含まれる食物繊維は不溶性ですから、人によってはかえって便秘になってしまう場合もあります。不溶性の食物繊維は水分を吸収する作用があるためですね。たいていの青汁は不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよく配合していますが、食品によってもバランスは様々です。自分に合ったものを選び、体調に異変があった時には無理して続けないことが大切ですよ。

まとめ

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食物繊維の効果や種類についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。食物繊維が健康によいことは以前から知られていましたが、実際に摂取するのはなかなか大変でしたね。しっかり摂っているつもりでも、実際には思っていたよりも摂取量が足りていない、などということも多そうです。1日あたりの摂取量を把握し、必要量を食事や飲み物で取り入れるなどして補給しましょう。

近年では日本人の食事も欧米化し、野菜を始めとする食物繊維が減ってきていますよね。意識的に摂らないと、どうしても必要量を摂取することができません。青汁や食事、飲み物に入れるタイプの食物繊維もありますから、そうした商品を上手く活用して、栄養管理をきちんとする習慣を身につけましょう。少しの工夫で毎日の食事をより健康的にすることができますから、ぜひ、試してみてくださいね。

関連記事として、

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