長引く風邪の咳。苦しいですよね。
風邪薬を飲んでもなかなか止まらない苦しい咳を止めるのには、はちみつが効くのを知っていますか?昔から万能薬として使用されていたのがはちみつ。その驚くべき効果を再認識していきましょう。
薬に頼らず自然由来の食べ物で咳が良くなるなんて嬉しいですよね。医学的にも証明されたその効果とおすすめの摂り方をご紹介します。
特に声を使うお仕事などをしている人におすすめの方法になりますのでぜひ試してみてください。
咳はどうして起きるの?
長引いて苦しい、夜も眠れない、そんな咳はどうして起きるのでしょうか?
咳が発生するメカニズムや咳の種類について紹介します。自分に発生している咳の種類からはちみつでの改善が可能かどうかを診断していきましょう。
咳はどうして発生するのか
咳がでる原因はいくつかの要因が考えられます。
咳はのどや気管・気管支に炎症が発症してしまい、痰など分泌物が増えてしまったり、呼吸や飲食に伴って喉を刺激するような物質や飲み下せないような物が入り込んだような場合に、それらを体から取り除こうと働く自然に引き起こされる神経の反射運動です。
咳は、のどから肺にあたる器官に侵入してきた邪魔なものを体外に排出する機能なのです。
咳が発生する多くの原因は、ウイルスや菌の影響、もしくは乾燥、ホコリを吸い込んだことによる刺激、唾などの分泌液が気管支に侵入したことによるムセなどが殆どになります。
稀に肺が感染症にかかってしまっている場合やアレルギーが原因である場合もあります。
咳は止めると危険?
咳には外から侵入してきた害のある物質を排出する働きがあります。
強い咳止めは、こうした防御機能をなくしてむしろ病気を長引かせる恐れがあります。ましてや幼児に置いては呼吸そのものを阻害する可能性もある場合もあるのです。
こうしたことから薬に頼らず、自然由来のはちみつで咳を止めることが出来るのであれば、身体に負担を与えず苦しさが緩和され、大変望ましいといえるでしょう。
しかし、咳の根本の原因を突き止めないと、咳を止めてしまうことで病状が悪化してしまうこともあります。原因が明らかでない場合にはまず検査を受けて症状を明らかにしていきましょう。
特に長期的に発生している咳の対応には注意が必要です。
咳の種類
喉に発生している炎症の位置などによって発生する咳の種類が変わってきます。
空咳
最も一般的で軽度の症状であると認識される咳は「コンコン」「ケホケホ」と表現される咳で、空咳と呼ばれる症状で上気道で発生している咳になります。
炎症でなくても、乾燥やホコリ等が原因で喉に刺激が伝わって空咳が発生することもあります。
咳痰
中度の症状にあたるのが、この空咳に痰が混ざるようになった咳で「ゴホゴホ」「ゲホゲホ」と表現される咳で下気道に炎症が発生していることが推測されます。肺炎、気管支炎などの病気の可能性があります。
その他の咳
オットセイなどの動物の鳴き声の様な咳の場合は急性咽頭炎やクループ症候群と呼ばれる症状の可能性が高いでしょう。咽頭部と声帯近くまで炎症が発生している状態で、咳の音が濁ります。
激しい咳が続き、よだれや痰も激しくでて、呼吸が苦しくなる百日咳や喘息。
などの咳があります。深部にまで炎症が及んでいて、咳が止まらないだけでなく音に違和感があったり、呼吸が苦しいと感じる場合には薬を使用しての治療が必要になります。
咳の元になっている原因を排除しないと咳を止めることは出来ないので病院に行きましょう。
はちみつでの改善が目指せるのはあくまで空咳の段階になります。炎症が強すぎる場合は薬の力が必要になりますので、しっかり判断していきましょう。
咳を止めるのに有効なはちみつ
昔から、咳にははちみつがよく効くと言われてきました。40代の筆者の母親も私たち子どもが風邪を引くと大根はちみつをせっせと作ってくれて、それをしょっちゅう、おちょこで飲ませられたものです。
これは日本だけではなく正解的にも認められている民間療法でもあるのです。
はちみつの効果を検証する研究
おばあちゃんの知恵、いわゆる民間療法といわれるもののひとつでした。
実は子どもの咳を止めるには、市販の咳止め薬を安易に飲ませるよりも、はちみつを利用する方が安全かつ、より高い効果を得られるという意見も述べられています。
アメリカのペンシルベニア州立大の研究チームにより医学誌に発表されましたデータがあります。
同大は風邪を引いた2~18歳の子ども100人以上を対象に調査。
はちみつと、市販の咳止め薬と、ダミーの服用剤の3種類を就寝前に飲ませて効果を比べてみたところ、はちみつを飲んだ場合の方が、咳の回数が減ったとの回答が一番多く、その結果、朝まで熟睡できたということです。
はちみつに期待できる効果について
はちみつに含まれている効果を紹介します。
抗酸化効果
はちみつに含まれるクエン酸やポリフェノールなどの抗酸化物質が咳止めに効く成分として働きます。粘膜の酸化を防ぎ、防御壁の老化や機能の低下を防いで、保護効果を高めます。
殺菌作用・抗菌作用
さらに初みつは保存食品としても優れている自然食品であり、添加物などを含まなくても長期保存に向いている食材でもあります。殺菌作用や抗菌力も高く、喉に刺激を与えている菌も殺菌してくれる効果があります。
保湿効果
はちみつの分子構造は保湿に最適な構造をしており、粘膜周囲の水分を集めてコーティングし、乾燥させにくくする効果があります。
はちみつ自体に含まれている水分量は20%前後と少ないのですが、適度な粘度で長時間喉に滞在し保護するので保湿の効果に最低な成分となっています。
免疫力のUP
はちみつには豊富にビタミンやミネラルが含まれていて、バランスが良い特徴があります。栄養も十分に摂ることが出来ますし、はちみつには腸内細菌を増やす働きがあることもわかっています。
免疫力の6割は腸内細菌が担っているといいますので、免疫力の向上効果が期待できます。更にはちみつに含まれるアミラーゼなどの天然の酵素が免疫力を向上させる上でも重要な働きをしています。
疲労回復効果
はちみつに含まれている甘さは、ブドウ糖や果糖という単糖の成分で構成されています。この単糖はすぐに体内でエネルギーに変換される成分ですので変換効率の良い栄養素になります。
エネルギーの補填が短期的に行えるので疲労回復効果が期待できます。
はつみつの栄養成分とは
はちみつはミツバチが花の蜜を巣に蓄えたもので完全に天然の蜜のジュースになります。
はちみつに含まれている栄養成分について見てみましょう。
はちみつの栄養成分について
はちみつは消化吸収に優れたブドウ糖と果糖などの糖分が80%を占めているほか、ビタミン(5種類)やミネラル(9種類)やアミノ酸(16種類)やポリフェノール(11種類)が豊富に含まれているため、疲労回復に効果がある優れた栄養食品でもあります。
このため、これを摂取することにより咳で弱った身体の栄養補給にも最適であるといえます。
はちみつの中に含まれるグルコン酸と呼ばれる有機酸の一種である物質は医療の殺菌にも使われています。つまりはちみつには、喉に菌が繁殖して起きる喉の痛みや咳を殺菌する効果もあるのです。
ぬるま湯にはつみつを溶かしてうがいをするのも喉の殺菌には有効です。
はちみつは冷蔵庫で保管すると固まる
はちみつに含まれているグルコースの働きで、低温状態になるとはちみつは結晶化してしまいます。
はちみつは2年ほどで風味が落ちてしまいますが、腐る食材ではありません。ですので夏場でも涼しい日陰での常温保存が可能な食材になります。
5℃〜14℃で結晶化してしまう事がありますので、20℃前後が最も適温な状態になります。再加熱することで結晶は溶けて液体に戻りますが、風味や味は落ちてしまいます。
はちみつは乳幼児に食べさせないで!
ごくまれに、蜂蜜の中にボツリヌス菌が混入していることがあります。
これを1歳未満の乳幼児が摂取してしまうと、菌がお腹の中で増殖してボツリヌス症という病気にかかり、死に至る可能性があることが知られています。
このため、1歳未満の乳児にははちみつを与えないほうが安心です。
過去にははちみつなどで糖分を与えられた乳幼児は砂糖を与えられた幼児よりも発育がよく、健康的になるとの報告もありましたが、現在では厚生省が禁止している行為になります。
1987年までは乳幼児のボツリヌス菌の中毒症状が頻発して居ましたが、厚生省の通達以降はこの事故は発生していませんでした。
しかし、若い世代での認識も薄くなったころ。レシピサイトなどではちみつを使用した乳幼食の掲載などが原因で2017年3月に赤ちゃんが中毒症で死亡する事故が発生し問題になりました。
咳が出たらはちみつを試してみよう
咳が出ている時に有効なはちみつの使用方法について紹介します。
おすすめの方法を紹介しますのでぜひ試してみてください。
はちみつドリンク
はちみつはそのまま舐めても構いませんが、4倍程度のお湯に溶かして飲むと味もやさしくなって飲みやすくなります。このとき、レモンを絞ってはちみつレモンを作ってみましょう。
はちみつの栄養にレモンの栄養を加えることによって、クエン酸による疲労回復効果やビタミンCの抗酸化作用が体調の回復を助けてくれます。
特に夜は、副交感神経が活発になるため、気管や気道が狭くなってしまいがちです。それにより、異物に対して過敏になることから、咳がひどくなり咳によって寝られなくなることが多くなります。
夜寝る前にはちみつを飲んで咳を抑制して熟睡できるようになると、咳で弱った身体の回復につながるので、より高い効果を得ることができます。
はちみつ大根もおすすめ
江戸時代から風邪薬の代用品として重宝されてきたはちみつ大根も咳止めにおすすめです。
大根には風邪に効果的とされるビタミンCが多く含まれているうえ、辛み成分が白血球を活性化し、細菌の力を弱める効果があります。
また、特に大根のおろし汁に多く含まれる成分には炎症を抑える効果があり、咳止めや痰を切る働きをします。このため、はちみつと大根を一緒に摂ると喉に大変いいのです。
そして作り方もとても簡単です。
【はちみつ大根の作り方】
- 手持ちのビンを熱湯で消毒する。
- 大根を1センチ角に切ってビンに詰める。
- はちみつを大根の量の8分目弱入れて蓋をする。
- はちみつと大根の汁が混ざりあって、サラサラな状態になったら完成です。
これをそのままおちょこに入れて飲んだり、お湯で割ったりして1日に4~5回くらい飲んでみてください。
大根をそのまま取り出して食べてもいいでしょう。常温での保存が可能ですので、涼しい所で管理するようにしてください。しかし大根を入れるので、出来るだけ1ヶ月以内に消費できる量を作って使用するようにしてください。
はちみつを摂取する目安
1回に摂取するはちみつの目安はスプーン1杯程の量が最適になります。
摂取しすぎてしまうと、どうしても糖質を過剰に摂取してしまう原因になってしまうので注意が必要です。
寝る1時間前にスプーン1杯くらいの量を摂取すると効果が高いでしょう。
1日の摂取量としては2〜3杯の量が目安になります。過剰摂取になってしまうと、肥満の原因になってしまいます。大人の場合は赤ちゃんの様にボツリヌスの中毒症状になることはありませんが。過剰の摂取しすぎないように注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
江戸時代から咳止めとして使われ、民間療法と思われたはちみつの効果が医学的に立証されていたなんて意外でしたね。
はちみつの消炎、殺菌効果はそれだけで摂取するよりもレモンや大根と合わせることによって増大することも分かっていただけたかと思います。
ただ咳を止めるだけでなく、咳で弱った身体を回復させるためにもビタミンミネラル豊富なはちみつを摂取するのは大変効果的です。
子どもだけでなく、大人の咳にも効き目があるので、是非風邪で咳がひどいときに試してみてください。
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