皆さんは牛肉と豚肉とどちらがお好きですか?牛肉の方が好きな方が多いかもしれませんが、豚肉の栄養が高い事は昔からいわれていました。
豚肉は結構栄養が豊富で、栄養効果があります。今日は豚肉について、詳しく見てみましたので、一緒に見ていきましょう。
豚肉について
豚肉は食用肉として、赤肉量は全体の40%前後、脂肪組織は20%前後と平均して高く、他の家畜に比べて、皮下及び内臓の周囲、筋肉中に多量の脂肪を蓄積し、肥大能力が大きいのがあげられます。
豚肉は良質のたんぱく質で、必須アミノ酸をバランスよく豊富に含んでいて、吸収効率にも優れた食べ物です。
豚肉の品種
日本で飼育されている豚肉の品種は、以下の6種類です。
- バークシャー
- 大ヨークシャー
- 中ヨークシャー
- ランドレース
- ハンプシャー
- デュロック
銘柄では
黒豚
バークシャー純粋種の俗称で、イギリス原産の黒豚と、土着の豚を掛け合わせたものが黒豚として、鹿児島の黒豚は有名です。黒毛和牛も黒豚も高級肉として知られています。
普通の豚との違いは、脂質の割合が低く、筋肉繊維が細かい特徴があり、普通の豚よりも飼育期間が長くなっています。
和豚もち豚
和豚もち豚は原々種豚の和豚もち豚の、祖父母と父親から生まれた、5%の優秀な豚が種豚(親豚)となって特徴の3種を、掛け合わせてできたのが和豚もち豚なのです。
これは日本人が考案した、日本人の口にあった豚肉だそうです。
SPF豚
SPF豚は特定病原体不在の豚で、豚の健康に悪影響を与える特定の病気が存在しない、徹底管理の元育てられた豚の事です。
規制対象になっている特定の病気は
- マイコプラズマ肺炎
- 萎縮性鼻炎
- トキソプラズマ感染症
- 豚赤痢
- オーエスキー病
SPF豚は無菌豚とは違います。無菌状態で出産飼育されているため、無菌豚として間違ったイメージをお持ちの方がおられますが、無菌豚は食肉用では存在しないと考える方が正しいです。
豚肉でダイエット?
豚肉は脂肪が多いので、余り好まれないようですが、脂分の少ないヒレ肉をおすすめします。ヒレ肉は女性におすすめです。その理由はビタミンB1はヒレ肉に一番多く含まれていて、しっとり柔らかい最上位のお肉です。
タンパク質も多く含まれていて、ダイエットの方などはとても良い食材で、また豚のヒレ肉は貧血に効果がある鉄分や、カリウムなどのむくみ効果や、脳の中枢神経や手足の末梢神経、筋肉の機能を正常に保つリンなどが含まれています。
ビタミンB1は低糖質ダイエットに近い、効果があります。
豚肉の部位別
豚肉はブロック肉が分かりやすく、肉別部位別に見てみました。ホルモンなどは知らない名前が多く皆様も、居酒屋などで一度食べて見られたらどうでしょうか?
肩ロース肉
脂肪の粗い網状が赤みの中に混ざって、濃厚な味でコクがあり生姜焼きや、焼肉、焼き豚、カレーなどに使われ、調理する前は筋切りすることが必要です。
肩肉
肩肉は旨味がしっかりして、肩は良く動くので少し硬めで、筋肉質で少なめに脂肪も程よくついて、シチューや豚汁の煮込み料理によく、ポークビーンズなどは、薄切り肉にするとよいです。
ヒレ肉
美肌効果のあるB1が最も多く含まれていて、豚肉の中で一番良質な部位です。柔らかくて脂肪分が少ないのが特徴で、油をつかう豚カツやポークソテーなどの料理に適しています。
ヒレはビタミンB1、B6、カリウムが豊富に含まれています。
ロース肉
肉質も柔らかくきめも細かく一番美味しいと言われる部位で、旨味が凝縮されているふちの脂身の部分もとても美味しく、焼き豚、ロースハム、豚カツ、ポークソテーなどに適しています。
モモ
もも肉はヒレに次いでビタミンB1が多く含まれていて、脂肪分が少なく、さっぱりと食べられます。ローストポークやボンレスハムなどの原料に使われています。
外モモ
外もも肉は柔らかい部位で、脂肪が少なく割とどのような料理にも合いますが、豚汁やシチュー角煮などによく使われ味も淡白です。
バラ肉
別名を三枚肉ともいって、濃厚な脂身が特徴の部位で、焼き豚、角煮、肉じゃがなどの料理に使われ、ベーコンはこの豚バラ肉から作られています。
またスペアリブと呼ばれる骨付きのものもあります。
豚ホルモン
豚レバー
豚レバーにはビタミンB2の成長を促進したり、ビタミンEの抗酸化作用が強く若さを保つ栄養素が含まれていて、その他にカリウム、リン、イオウなどのミネラルが豊富に含まれています。また脳の働きに効果的なアラキドン酸が100g中300mgも含まれています。
タン
脂肪も少なく牛に比べると3分の1程度の大きさで、硬く食感は牛タンと変わらないが、旨味も強く安価なので人気がある豚の舌です。
タンシタ
脂も適度にありホルモン初心者におすすめの、舌の付け根にある柔らかい部分で、肉っぽい食感がタンの食感とはことなります。
カシラ
良く動かすこめかみから頬にかけての部位で、脂身は少ないが旨味は強く、筋肉が発達して部位なのでやや硬めの食感をしています。
ノド軟骨(ドーナツ)
しっかりとカリカリになるまで焼くと、コリコリとした独特の食感で、豚のノド仏にある軟骨です
トントロ
豚肉の首の肉で、口の中でトロのようにとろけるような食感と、歯ごたえがコリコリと良く人気のある部位です。
ハツ
豚肉の心臓で脂肪も少なく、クセや臭みが殆どなく、シャキシャキとした筋繊維の食感が特徴で、さっぱりした味わいです。
えんがわ(ハラミ)
脂は少なめで肉のように食べられるバラ肉と横隔膜(ハラミ)の間の部位で、豚ホルモンの一つで人気がとてもあります。
ガツ
脂が少なく豚肉の胃で、臭みや癖のない食べやすいホルモンです。コリコリとした歯切れの良い食感で、少し硬めで鶏の砂肝に似ています。
マメ
きめが細かく歯触りが良い、豚の腎臓です。独特の臭みがありますが、調理の時に皮と白い筋を取ることで気にならなくなります。
ヒモ
前面に細かいヒモがありやや硬めで細長く薄く、焼いても美味しいが煮込むと深い味わいになります豚の小腸です。
ダイチョウ
臭みがややありますが小腸よりやや太く、コシのある歯ごたえがある豚の大腸です。しろころという大腸をぶつ切りにしたものもあります。
テッポウ
弾力が強く噛み応えがあり、開くと鉄砲の形に似ている直腸で、コゲル寸前まで焼いて食べるのが美味しくいただけます。
コブロク
コリコリとした歯切れの良い食感で、さっぱりした味わいの、豚の子宮で焼いて食べたり、煮込んで料理したりします。
チチカブ
ミルキーな味で脂っぽさがなく、火が通りやすく、すぐに焼けるのが特徴で、メスの14ある乳房で女性でも食べやすいです。
豚足
豚足は字の通り豚の脚ですが、ここにはプルプルのゼラチン質があり、美肌効果のあるコラーゲンがたっぷり含まれていて、主に煮込み料理に利用され、女性に人気を集めています。
豚肉の栄養
豚肉に含まれる主な栄養素はビタミンB1ですがその他にもビタミンAやビタミンDも含まれています。ステーキといえば牛肉ですが、豚肉のステーキも結構人気のようです。
豚肉の栄養は沢山ありますが、もっとも代表的な栄養素は、ビタミンB1が豊富に含まれている事です。豚肉の栄養効果についてみてみました。
ビタミンB1
ビタミンB1は水に溶ける水溶性ビタミンで、炭水化物を体内でエネルギーに変える、働きを持った補酵素でビタミンB群のひとつです。
豚肉のビタミンB1の含有量は牛肉の8倍で、食品の中でもトップクラスです。
疲労回復栄養効果
豚肉はビタミンB1が豊富に含まれ、ビタミンB1は「疲労回復のビタミン」ともいわれ、ストレス、肩こり、疲労などの疲労回復効果があります。
また心臓の機能を守る働きもあり、神経機能の正常化、脳の中枢神経や手足の末梢神経とも、深い関係があり重要な働きをしています。
細胞の活性化
ビタミンB1は身体全体の細胞を活性化させたり、ご飯など糖質の代謝を促進する働きがあります。また美肌作りに欠かせない、皮膚の粘膜の健康を維持する働きもあります。
またロイシンなどの太りにくい体作りの成分だったり、トリプトファンの睡眠障害を改善する成分や、脳を活性化するアラキドン酸などの成分が含まれています。
ビタミンB1が不足した場合
ビタミンB1が不足すると、エネルギー代謝がうまくいかずに、糖質の分解がスムーズに行われません。乳酸などの疲労が蓄積されることになります。またビタミンB1は体の脳の健康に不可欠なため毎日摂る必要があります。
アルコールを分解するにも、ビタミンB1が必要です。脳の活動を支える唯一のエネルギー源のビタミンB1は、糖質を分解して、生成されるブドウ糖です。
集中力を高め記憶力がアップするには、ビタミンB1を、糖分と一緒に取ることが必要です。ビタミンB1が不足すれば、脳が正常に機能しなくなるブドウ糖が生成されません。
精神が不安定になったり、イライラして集中できなかったり、精神面などにも影響が出たりします。また消化液の分泌を良くする働きもあります。消化不良や食欲不振にも効果を発揮します。
ビタミンB6
ビタミンB6はビタミン群の一種のピリドキシンと呼ばれ、たんぱく質分解・合成を助け、神経伝達物質の合成にかかわり、精神状態の安定に役立ち、皮膚や粘膜の維持に働き、女性の美肌効果やホルモンバランスを整える働きがあり、女性の強い味方となる成分です。
また動脈硬化を予防する効果、脂肪肝を予防する効果、成長を促進する効果、神経機能を正常に保つ効果、つわりの症状を緩和する効果、アレルギー症状を緩和する効果、月経前症候群を緩和する効果などがあります。
ビタミンB6は腸内細菌からも作られて、欠乏症が起こる事は稀ですが、妊娠中やピルを飲み続けていたりしていると、ホルモンの関係で不足になることがあります。
ビタミンB6が不足すると
ビタミンB6が欠乏すると、皮膚と粘膜に異常が起こりやすくなり代謝異常が起こります。舌炎、口内炎、口角炎、目・鼻・耳などに脂漏性皮膚炎、結膜炎などが起こります。
また神経に異常が出て、手足のしびれ、末梢神経障害、けいれん、不眠症、眠気、食欲不振、中枢神経の異常、倦怠感、情緒不安定、貧血なども起こります。
ビタミンB6は、鉄を運ぶヘモグロビンという物質を、血液中で合成する時にも必要な栄養素なので、貧血症状が起こる事もあります。
過剰摂取
またサプリメントなどで過剰摂取した場合にも、感覚神経障害や、腎臓結石ができたりすることがあります。1日に200~500mgの大量の摂取をすると起こります。
ビタミンB12
ビタミンB12は水溶性のビタミンのビタミン群の一種で、赤いビタミンとも別名いいます。葉酸と共に赤血球を作り出し赤い色をしています。
赤血球の数が少なくなる悪性貧血の予防効果もあり、体内に酸素を取り込み、二酸化炭素を吐き出す働きのある赤血球は、葉酸と協力して赤血球の中の核酸を合成し、正常な赤血球を生成します。
核酸の合成
ビタミンB12はDNAの主成分である、神経細胞の中にある核酸の合成に、欠かすことのできない栄養素で、核酸、たんぱく質、脂質の合成をサポート・修復することで、脳からの指令を末梢神経に正しく伝え、正常な神経細胞を保っています。
ビタミンB12は微生物によって生成され、植物性食品などに含まれませんが、海藻類や発酵食品には含まれ、動物性たんぱく質に含まれています。
赤血球の生成にはビタミン12と葉酸が必要で、葉酸は植物性タンパク質に含まれていますので、バランスの良い食事をすることが大切です。
ビタミンB12の効能効果は、知能や運動神経の発達、集中力や記憶力の向上や、精神の安定などがあります。
ビタミン12が不足すると
悪性貧血はビタミン12及び、葉酸の欠乏から起こります。ビタミン12と葉酸のどちらかが欠乏すると、赤血球が正常な赤血球になれません。
ビタミン12は植物性食品には殆ど含まれていなく、野菜中心の食事をしている人には、ビタミンB12の欠乏が見られます。
ビタミン12不足が起こると、身体が酸欠状態となり、動悸、息切れ、めまい、頭痛などの貧血が起こったりして、悪性貧血になる可能性が多くなります。
また不足した場合は、イライラや無気力、集中力や記憶力の低下、運動神経機能の低下、手足のしびれや痛み、末梢神経系の症状などが出てきます。
ビタミンB12は、睡眠障害となる一定の睡眠リズムを作り出す、メラトニンの分泌量を調整しているので、不足すると睡眠障害を起こします。
ビタミンB12が欠乏すると、その他に神経以外の細胞遺伝子の合成も行っているので、細胞分裂がスムーズに行われなくなり、胃や腸の消化器官が異常をきたすようになって、慢性的な下痢や、食欲不振、消化不良といった症状が出てくることがあります。
脂肪
豚肉の脂身には、オレイン酸やステアリン酸などの、コレステロールを低下させる脂肪が入っています。またアラキドン酸も多く含まれています。
肝臓で血中コレステロールは処理され、悪玉コレステロールが肝臓に入る事ができないので、肝臓への扉を開くのにオレイン酸が働きかけます。
この時別の脂肪酸がオレイン酸の働きを停止します。その為悪玉コレステロールが再び血中に戻って、動脈硬化の原因を作りますが、豚肉に含まれるステアリン酸がこれを阻止します。
ステアリン酸は別の脂肪酸の働きを阻止して、オレイン酸の働きを助けてくれるのです。
カルニチン
カルニチンは脂肪燃焼効果を向上させるので、ダイエット効果が期待でき、摂取カロリーの面で敬遠されがちな豚肉ですが、高たんぱく底カロリーといわれる鶏肉よりも、カルニチンが7倍も多く含まれています。
Lカルニチンは肉に含まれるアミノ酸で、体脂肪を燃焼しやすい働きがあり、豚肉を食べる事で脂肪燃焼効果がアップしてダイエットできます。Lカルニチンは肉類にしか含まれていません。
脂肪酸
脂肪酸とは人間が生活するうえで、必要なエネルギー源で、細胞の表面にある膜の細胞膜の構成成分になったり、ビタミンの吸収を助けたり、ホルモンのバランスを整えたり、ホルモンやビタミンン前駆体になったり、重要な役目をしています。
脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の大きく分けて2つの脂肪酸があります。
豚肉を食べる時の注意点
豚肉を食べすぎると、体内の中に乳酸が溜まって疲労となりますが、これは疲れの元のピルビン酸が増える事で、体内にある水素と結びつくことにより、乳酸が溜まってしまいます。
豚肉を食べる時の注意点
クエン酸と豚肉と食べると、ピルビン酸がクエン酸に変化して、疲労物質を体内から排出する働きをしてくれます。
またトマトと一緒に食べても、トマトもクエン酸を多く含んでいるので、相乗効果で疲労回復効果が上がります。
ビタミンB1の注意点
ビタミンB1の調理法の注意は、ビタミンB1は水溶性なので、揚げる、焼く、傷めるといった調理法が良く、煮る場合は煮汁も一緒に飲むことが必要です。
エネルギーを効率よくうみだす、ビタミンB1は毎日摂らないと、水溶性なのですぐに尿など体外に排出され、蓄える事ができませんが、臭気成分のアリシンの多い玉ねぎやにんにくと、結びつくと吸収率がよくなります。
そのため血中に長くとどまる、アリチアミンという成分に変わり、ビタミンB1の欠点がカバーされます。
ビタミンB1の注意点は水に溶けやすく、熱やアルカリに弱いという点がありますので、水洗いは手早くして、重曹などのアルカリ性食品と一緒に調理しない事です。
まとめ
いかがでしたか?豚肉について詳しく見てまいりました。
本当に栄養が凝縮しているようで私は余りお肉は食べませんが、豚肉のヒレ肉が好きで、とても柔らかくて美味しいです。
関連記事として
・寝る前の食事を止めた方が良い理由とは?食べるなら何がいい?
これらの記事も読んでおきましょう。