誰でもかかる可能性のある風邪は、引いてしまうと、熱が出たり、クシャミや鼻水が止まらなかったりと、つらい思いをしますよね。
風邪には特効薬がなく、症状をやわらげる対症療法が中心です。できることなら、薬を服用せずに治したいと思う人もあるでしょう。
そんな人にオススメしたいのが、コーヒー。実は、コンビニにも売られているこのコーヒーには、風邪の症状をやわらげる意外な効果があるようなのです。
そこで、前半は、風邪の原因と一般的な対処法について、後半は、なぜ、コーヒーは風邪に効くのか、その理由をまとめてみました。
風邪のひきはじめの方や、風邪の症状がつらい方、治りかけで体がだるい方、ぜひ参考にしてみてください!
そもそも風邪とは?
私たちが普段、風邪と呼んでいる症状は、「普通感冒」のことをいいます。
一般的な症状は、のどの痛みやくしゃみ、鼻水、だるさなどから始まり、やがて、せきや頭痛、発熱、寒気を伴うようになります。食欲不振、下痢、嘔吐などの症状がある場合もあります。
風邪の症状はくしゃみや鼻水、鼻づまりや喉の痛み、腫れなどです。また発熱などを伴うことも多く、頭痛や全身の倦怠感などの症状があります。
普段、健康な人であれば、1週間から10日程度で治るのですが、抵抗力の落ちた状態の人だと、ウイルスが体内で増えやすく、悪化して気管支炎や肺炎などに移行することもあります。
特に、喘息などの疾患がある場合には、タンがからんだせきなどの症状で重症となりやすいので、注意が必要です。
「かぜは万病のもと」と言われますから、早めの対処が大事ですね。
風邪の原因はウイルス
風邪の原因は、8割から9割がウイルスによるもので、代表的なものには、ライノサウルスやコロナウイルス、RSウイルスなどがあります。複数のウイルスに、同時に感染している場合もあります。
症状をもたらす原因となるウイルスは、200種類以上もあります。健康な人でも年に数回は風邪をひいてしまうゆえんです。
一般的には、空気中に浮遊するウイルスが、鼻や喉などに付着することで感染します。その位置によって鼻水や鼻づまり、または喉の痛みや腫れなどが起きるわけです。
寒さや乾燥によって、鼻や喉の粘液が乾き、ウィルスの侵入を防ぐ働きが弱まっていると、空気中のウィルスが入りやすくなります。
また、日頃からの疲労の蓄積やストレスなどが間接的な要因になることもあります。
風邪の治し方
では、風邪を引いてしまった時は、どのように治せばよいのでしょう。
一般的な対処法を紹介します。
手洗い
風邪の原因であるライノウイルスは、手で鼻や目の粘膜をこすったりした時にうつる特徴があります。そこで、こまめな手洗いが大事です。
手に残るウイルスは、15秒の手洗いでは約4分の1に、30秒の手洗いでは、60分の1になるといわれます。液体せっけんなどでよく手を洗い、流水できれいに流して、ウイルスや菌を洗い流しましょう。
ちなみに、洗った後、手を拭かない人を時々見かけますが、よく乾燥させないと、残ったウイルスや菌がまた増殖しはじめます。手を洗った後には、清潔なハンカチや、ペーパータオルなどできれいに拭きましょう。アルコールで消毒するのがオススメです。
うがい
うがいによって、口や喉をきれいにし、タンなどを取り除くことができます。また、喉の粘膜の水分を保ち、ウイルスの繁殖を防ぐ効果があります。
うがいによって、直後の喉のウイルスの数は、うがい前の4分の1に減少し、その効果は1時間後まで持続することが研究によって確かめられています。
ただし、うがい薬は、喉の粘膜を守っている良い菌も殺菌してしまうため、使用は一日に数回程度にしましょう。
保温と保湿
鼻や喉の粘膜の潤いを保つことは、ウイルスの活動を弱める第一のバリアーです。その粘膜は、粘液によって守られているため、水分が足りないと、ウイルスが繁殖しやすい状態になります。
また、気温の低下は、血管を収縮させ、体温の低下を引き起こします。すると、免疫力が弱まってしまうのです。悪化や他への感染を防ぐためにも、保温と保湿に気をつけましょう。
保温
- 暖かい下着やセーター、靴下などを着用する
- 外出する時は上着や マフラーでガードする
- 室温の調節に気を配る
- 湯冷めに注意する
保湿
- 加湿器などで室内を保湿する
- マスクの着用は鼻や喉の保湿効果もあり
- お茶などでこまめに喉を潤す
などして対策をしましょう。
水分補給
風邪をひいてしまった時は、発熱や下痢、嘔吐などで、普段より水分が体の外へ出て行ってしまうため、脱水症状になりがちです。
水分が失われると、「強いのどの渇き、食欲減退」などの症状が現れます。その目安は、体重の2%といわれ、体重60kgの人なら1.2リットルです。さらに脱水が進むと危険な状態になるため、水やスポーツドリンクを飲んでこまめな水分補給を心がけましょう。水分は、温かいものより常温のほうが、体への吸収がよくなります。
特に乳幼児や高齢者は脱水状態に陥りやすいので、十分な水分補給が必要です。
睡眠と栄養補給
発熱で、予想以上に体力を使っているため、ゆっくりと睡眠をとり、体を休めることが大切です。日頃のストレスなどは忘れて自分がリラックスできる環境を整えましょう。
また、食事での栄養補給も大切です。特に、粘膜を強くするビタミンAや、免疫機能を高めるビタミンC、血行をよくするビタミンEなどを多く含む食品を摂るよう心がけましょう。
野菜スープはビタミンを摂りやすく体が温まるのでオススメです。
なぜコーヒーが風邪に効くのか?その5つの理由
さて、ここまでは、一般的な風邪の対処法を見てきましたが、ここからはいよいよ、コーヒーが風邪に効くといわれる理由を5つ紹介します。
コーヒーの抗菌作用が風邪のウイルスに効く
免疫学の専門家であるジェニファー・コリンズ氏によれば、コーヒーは、ウイルスの複製を抑える成分が含まれています。そのため、体内でのウイルスの蔓延を防ぎ、風邪の症状を軽くする作用が期待できるとされています。
コーヒーを飲んで鎮痛効果
1杯のコーヒーに含まれるカフェインの量は、レギュラーコーヒーで40~180mg、インスタントコーヒーで30~120mgといわれています。
カフェインを摂ると、脳の血管が収縮することで、頭痛などの鎮痛に効果が期待できます。ただし、喉の炎症による痛みなど、血管の収縮と関係のない場合には、その例外のようです。
ちなみに、カフェインの大部分は「小腸」で吸収され、飲んで45分後には、ほぼ100%が吸収されます。その効果の持続時間は、おおよそ4~6時間と考えられています。
コーヒーの利尿作用が風邪のウイルスを体内から追い出す
健康な人の体には、腎臓の働きで尿として排出されることで、体内の悪いもの体の外に出し、デトックスを行う仕組みがあります。市販の総合感冒薬には、尿を出やすくする働きのあるカフェインが含まれているものが多いようです。
よく知られているように、カフェインは、コーヒーにも多く含まれています。そのため、コーヒーを飲むとデトックス効果で尿と一緒にウイルスも一緒に排出され、風邪が早く治るのです。
コーヒーが消化を助ける
風邪をひいた時には、栄養を摂取して免疫力を高めるのが回復への近道です。
コーヒーに含まれるクロロゲンという成分には、胃の働きを刺激し、胃酸を多く分泌させて、消化・吸収を促す作用があるとされています。
食後にコーヒーを飲めば、消化を助け、風邪を治すのにプラスに働きます。
コーヒーのリラックス効果で風邪への抵抗力アップ!
ストレスなどで体の抵抗力が落ちていると、ウイルスに感染しやすくなります。
しかし、中村大学栄養科学科の青峰正裕教授らの研究によると、コーヒーに含まれるカフェインには、強いリラックス効果があることが分かりました。
ストレスの軽減によって免疫力も上がるので、風邪の症状の改善につながるのです。
風邪に効くコーヒーの種類はどれ?
コーヒーと一口に言っても、アメリカンやカフェ・オレなど、いろんな種類があります。風邪にはどのコーヒーが一番良いのでしょうか。
エスプレッソとコーヒーの違いは?
まず、コーヒーの違いは、コーヒー豆の焙煎法から来ることを知っておきましょう。
「浅煎り」での抽出なら「ドリップ式抽出」、「深煎り」での抽出なら、「エスプレッソ式抽出」と言われています。
家庭で飲む、一般的なコーヒーはドリップ式です。それに対して、専用マシンが必要なのがエスプレッソ式です。
エスプレッソのほうが濃いので、カフェインも多いと思われていますが、実は、ドリップコーヒーのほうが、エスプレッソとくらべてカフェイン量が多いのです。
コーヒーの種類
普段、カフェでよく目にするコーヒーの種類をまとめると、以下のようになります。
- カフェ・オレ:ドリップコーヒー + ミルク
- カプチーノ:エスプレッソ + ミルク + スチームミルク + チョコレート
- カフェ・ラテ:エスプレッソ + ミルク + スチームミルク
- カフェ・モカ:エスプレッソ + ミルク + チョコレート
- カフェ・マキアート:エスプレッソ + スチームミルク
- アメリカーノ:エスプレッソ + お湯
こうしてみると、カフェで飲むコーヒーは、ほとんどエスプレッソベースだったのですね。風邪には、カフェイン量の多いドリップコーヒーがよさそうです。
まとめ
いかがでしたか?風邪の原因とその一般的な対処法、なぜコーヒーが風邪に効くといわれるのか、などいろいろな角度から、その理由を紹介しました。
もちろん、コーヒーの効果には個人差があり、コーヒーをあまり飲まない人と、普段から愛飲している人とでは、その影響は変わります。
これはコーヒーだけに限ったことではありませんが、飲み過ぎると体に悪影響を及ぼしますので、ほどほどの量にしましょう。
関連記事として、
これらの記事も合わせてお読みください!