気管支炎はうつるの?症状や原因を知っておこう!

咳や痰、発熱が出ていて「風邪かな?」と思っていたけれど、風邪薬を飲んでもなかなか改善せず苦しい思いをしている方はいらっしゃいますか?

もしかしたらその症状、風邪ではなく”気管支炎”かも知れません。

実際に風邪だと思って病院を受診したら気管支炎と診断された、というケースは意外とよくあることのようです。

そこで今回は、気管支炎とは何か、気管支炎の特徴的な症状や治療方法などについて詳しくご紹介していきたいと思います。

止まらない咳は体力を奪いますし、非常に苦しいものです。適切な治療をして、早期回復を目指しましょう。

気管支炎とは

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そもそも気管支炎とはどのような病気なのでしょうか。

どんな病気?

「気管支」とは、気管という外と肺を結ぶ空気の通り道の主要部分で、喉に続いて枝分かれして左右の肺に繋がる細長い管のことを言います。

気管支炎とは文字通り、この気管支部分に炎症を起こす病気です。気管支炎は急性気管支炎慢性気管支炎の二つに分類されます。

気管支炎の原因は?

気管支炎の原因には、様々なものが考えられます。

■ウイルス感染

気管支炎を発症させる最も多い原因は、ウイルス感染によるものです。

ウイルスの種類は幾つかありますが、中でも”ライノウイルス”や”コロナウイルス”と呼ばれるウイルスが多いとされています。

これらのウイルスは風邪と同様に季節によって流行し、季節の変わり目にはライノウイルスが、冬の寒い季節にはコロナウイルスが流行する傾向にあります。

■細菌感染

ウイルス感染ほど多くはありませんが、細菌による感染でも発症します。

主に”インフルエンザ菌””黄色ブドウ球菌””肺炎球菌””マイコプラズマ””クラミジア”などがあります。

■喫煙

喫煙者は気管支炎を発症するリスクが非常に高いと言われています。

喫煙によって慢性的に気管支が刺激される為、慢性気管支炎に関しては最も大きな原因であるとも考えられています。

喫煙者の方で気管支炎にかかってしまった場合、やはり禁煙することが一番有効な治療方法となります。

■大気汚染

大気が汚染された環境に長く居る人は、喫煙と同様、慢性的に気管支が刺激されてしまいます。

自分が何もしていないのに発症してしまうというのは非常に辛いことですが、大気汚染が原因で気管支炎となってしまった場合には、引っ越しをするなどをして環境を変えない限り、治療をしても症状が悪化したり回復すさせることが難しくなってしまいます。

■アレルギー

風邪などをひいて免疫力が落ちている時にアレルギー物質に接触すると、”アレルギー性気管支炎”を起こしてしまう場合があります。

アレルギー物質とは、主にハウスダストや花粉、カビ、ペットの毛、アレルギーのある食品などです。

こういったアレルギー物質への接触を続けることで、アレルギー反応の一つとして気管支炎が起こってしまうのです。

自分では何のアレルギー物質に反応しているのか分からないことが多いと思いますので、病院で検査を受けて原因を特定し、その物質と接触しないようにすることが必要となります。

■子供に多い

子供は気管支がまだ狭く免疫力が低いことが多い為、気管支炎を起こしやすいと言われています。

基本的に気管支炎は他の人へうつることはありませんが、ウイルスや細菌による感染の場合はうつってしまうこともあります。その為、普段から子供との接触が多い方は注意する必要があります。

急性気管支炎の特徴

ウイルス

気管支炎には、先に述べた通り大きく分けて急性気管支炎と慢性気管支炎の二つがあります。

まずは急性気管支炎の特徴を見ていきましょう。

感染性によるもの

急性気管支炎は、原因の項目で挙げたウイルスや細菌による感染によって引き起こされることがほとんどです。

そしてその多くは、風邪を引いた時の合併症として現れます。

症状

症状は一般的に風邪とよく似ており、鼻水やのどの痛み、悪寒といったものがあります。

咳については最初のうちは”空咳”が出ますが、症状がひどくなってくるとネバネバした痰の絡んだ咳が出るようになります。

最初は無色の痰ですが、症状が悪化するにつれて黄色や緑色のような痰に変化していきます。

また、マイコプラズマの感染によって引き起こされた場合には、かなり激しい咳が出るようです。この他にも、食欲不振、倦怠感、発熱といった症状を伴うこともあります。

治療法

対症療法が治療の中心となります。

咳が強ければ「鎮咳薬」、痰がでる場合には「去痰薬」を使用しますが、最も大切なのは風邪の時と同様、体を温めて安静にし、栄養と睡眠をしっかり摂ることが大切です。

尚、マイコプラズマなどの細菌感染が原因の場合は抗生物質が必要となります。

適切な治療をする為には原因物質を特定することが大切ですので、風邪だと思って放置せずに病院を受診するようにしましょう。

予防策

こちらも普段の風邪予防と同様です。

  • マスクをして喉の乾燥やウイルスの侵入を防ぐ。
  • 外から帰ってきたらうがい・手洗いをしっかり行う。
  • 睡眠不足にならないように気を付ける。
  • バランスの良い食事をして栄養を摂る。
  • 加湿器を使用する。

普段からこういった習慣を身につけておくことで、急性気管支炎を発症させるリスクはかなり低くなります。

規則正しい生活を送るように心がけましょう。

慢性気管支炎の特徴

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次に、慢性気管支炎の特徴をご紹介してきます。

慢性的な刺激によるもの

急性気管支炎に対し、原因でご紹介した喫煙や大気汚染に居ること、アレルギー物質への接触などを長期的に行うことが、慢性気管支炎を引き起こす主な原因だと考えられています。

蓄膿症などの鼻の疾患がある場合にも発症する可能性あるとも言われています。しかし、まだはっきりとした原因は解明されていないのが現状のようです。

症状

急性気管支炎の症状が、文字通り慢性化してしまったものが慢性気管支炎となります。

しかし急性気管支炎との違いとして、

  • 風邪でもないのに咳が出る。
  • 少し運動をしただけで息切れをする。
  • ご飯やラーメン、お風呂などの湯気を吸い込むとむせる。
  • 症状が2年以上継続している。
  • 一度良くなっても、毎年3か月以上症状が出る。

といった特徴があります。

咳がひどくなると呼吸困難を起こす可能性もあります。

また、継続した咳を伴いますので、睡眠中に起こって寝不足になってしまう人もいるようです。

治療法

日常生活を送れる状態なのか、それとも支障をきたすほど悪化しているかによって変わってきます。

まず、気道を拡げる為に「抗コリン薬」「β2刺激薬」「キサンチン製剤」といった薬剤が用いられます。

その他に、急性気管支炎と同様、痰がひどい場合には「去痰薬」を使用しますが、「鎮咳薬」についてはむやみに使用すると気道に痰などが溜まりやすくなってしまう為、使用は避ける傾向があります。

症状が悪化し生活に支障をきたしている場合、呼吸不全の心配もありますので、状態によっては入院治療が必要となることがあります。

予防策

急性気管支炎の予防策とは別に、慢性気管支炎の場合は原因となっているものを取り除かなくてはいけません。

  • 急性気管支炎になった時にしっかり治療する。
  • 喫煙者の場合は禁煙をする。
  • 大気汚染環境に居る人は引っ越すなどをして汚染されていない環境に身を置く。
  • アレルギー物質を特定し、接触を避ける。
  • 蓄膿症や慢性副鼻腔炎がある場合には治療をする。

などがあります。

原因不明であることもある為はっきりとした予防策はありませんが、原因と考えられているこれらのことを注意することによって、慢性化に対する大きな予防策となります。

気管支炎と似ている病気

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気管支炎と間違える可能性のある、似た症状を持つ病気があります。その中で幾つかご紹介したいと思います。

気管支炎喘息

いわゆる「喘息」と呼ばれている病気です。

咳や痰、息切れなど、気管支炎とよく似た症状を持っていますが、特徴的な症状としては”呼吸する度にゼーゼーと音がする”というものがあります。

重症化すると激しい呼吸困難に陥り、酸素不足になって意識を失なったり、チアノーゼ状態(唇や指先が紫色になる。冷たくなる。)となることもあります。

多くはハウスダストやダニによるアレルギーが原因となります。

肺炎

気管支炎の症状の他に、悪化すると胸に痛みを感じたり、38度以上の高熱が続きます。

最初のうちは呼吸がしにくかったり、食欲低下、全身倦怠感といった風邪のような症状が現れる為、気付かず放置してしまうケースが非常に多いようです。

しかし、こういった症状が良くならずに3日以上続く場合は肺炎を疑ってすぐに病院を受診する必要があります。

肺炎は日本人の死因第三位という非常に怖い病気です。特に高齢者に多い為、肺炎予防のワクチン接種などの対策をすることが重要です。肺炎については、肺炎はうつるのか?種類によって変わる原因と予防方法を参考にしてください。

百日咳

子供がかかるイメージの強い百日咳ですが、大人でも発症します。百日咳は細菌が呼吸器に付着することで起こる感染症で、非常に激しい咳が続きます。

百日咳の感染性は非常に高く、罹患者との接触やくしゃみなどで他人へと感染します。

乳幼児がかかると呼吸困難や肺炎の併発など重症化しやすく、最悪の場合脳炎を起こしたり死に至る場合もあります。

  • 一度咳が出ると止まらない。
  • 嘔吐を伴うような激しい咳が出る。
  • 二週間以上咳が続く。

といった症状がある場合には、できるだけ早く病院を受診しましょう。

百日咳の予防にはワクチン接種が有効です。子供の頃にワクチンを接種していても効果は一生続く訳ではありません。発症や他の人への感染を防ぐ為にも、是非ワクチン接種を検討してみて下さい。

まとめ

気管支炎には急性のものと慢性のものとがあり、その原因もウイルスなどの感染によるものや、喫煙などの生活習慣から引き起こされることが分かりました。

軽い症状であれば放置してしまうケースも多いですが、悪化すると慢性化したり、回復まで時間がかかってしまう場合もあります。

風邪と同様に、日頃から感染予防を行ったり、喫煙者の場合は禁煙するなど、発症の原因とされるものから遠ざかるように努めることが大切です。

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