沖縄名物・特産である海ぶどうは、プチプチとした食感が特徴の海藻です。沖縄に行くと必ず海ぶどうを食べるという人もいるかもしれませんね。それほど人気のある食べ物です。日常ではなかなか食べることができない名産と言うことができるでしょう。
海ぶどうは栄養を豊富に含み、体に良い作用をもたらしてくれたり、ダイエット効果が期待することができます。では、そんな海ぶどうの栄養や体に与えてくれる効果効能についてみていきましょう。
海ぶどうとは?
海ぶどうはイワズタ科に属する海藻の一種です。沖縄のような海水の透明度が高く、光が深くまで届くような環境で育ちます。別名”グリーンキャビア”とも呼ばれます。
見た目はぶどうのように粒状の実が連なっています。食べてみると口の中でプチプチと弾け、独特の食感を楽しむことができます。茎や枝がついているものもありますが、可食部は粒の部分でほとんどが水分です。旬は10月から5月の春までと比較的長いです。出回っているもののほとんどは養殖のもののようで、天然のものはかなり珍しいようです。
味は薄い塩味が付いていますが、それほど感じることはできません。そのため少々味付けをしたりします。海ぶどうは味を楽しむというよりも、食感を楽しむ食品と考えていいでしょう。
沖縄の料理屋や居酒屋に行くと海ぶどうは必ずあります。食べ物の前の前菜として食べると、沖縄を感じることができるでしょう。ぜひ、沖縄に行った際には食べてみてください。
沖縄の珍味
海ぶどうの産地は沖縄本島、宮古島。またダイビングがよく行われている恩納村でも養殖が盛んです。。昔から海ぶどうは珍味とされ、また豊富に栄養を含むことから、長寿草だったようです。これを食べれば長く健康でいられると考えられていたのですね。
確かに海ぶどうは、豊富な栄養を含み、体に健康を与えてくれます。海のものを食べる習慣が徐々に減ってきているといいますが、海ぶどうは健康にも大きな貢献をしてくれるでしょう。
沖縄の人は世界でも有数の長寿といわれていますが、その理由の1つに海ぶどうがあるかもしれませんね。よく笑い、人とのコミュニケーションをとることも長寿の理由と考えられていますが、食べ物も良いものを食べているのです。
保存の際には温度管理が大切
海ぶどうのプチプチとした独特の食感は、温度に敏感です。基本的には常温である25〜27度で保存するのが良いとされ、温度が高すぎたり低すぎたりするとしなびてしまうことがあります。
そのため、保存方法として冷蔵庫に入れるのはNG。陽の当たらない場所で常温保存が良いです。ついつい冷蔵庫保存してしまいそうですが、注意するようにしましょう。
また、なるべくであれば早めに食べるようにしましょう。例えば取り寄せで海ぶどうを買った場合、賞味期限・保存期間は摘み取りから1週間程度のようです。賞味期限を延ばすために塩漬けされたタイプもあるようです。やはり鮮度のことを考えると早く食べる方が食感を楽しむことができると思いますよ。
沖縄で食べるのが一番良い
一方、美味しい海ぶどうを食べたいというのであれば、やはり沖縄へ行き新鮮なものを食べる方がいいかもしれませんね。どんな食材でもそうですが、現地で食べるほど美味しい食べ方はないでしょう。
沖縄には他にも美味しい食べ物がたくさんあります。今でこそ、通販が発達して日本どこでも沖縄のものが食べられるようになっていますが、やはり現地の雰囲気と合わせて食べるのが、気持ちとしても良いものです。
海ぶどうの栄養
では、海ぶどうには実際にどんな栄養が含まれているのでしょうか。
栄養バランスが崩れがちな現代社会人に必要なビタミン・ミネラルなどの栄養も含まれていて、健康のサポートをしてくれるかもしれませんよ。具体的には以下の栄養素が含まれています。
マグネシウム
マグネシウムは体の生理反応・代謝機能に関わる重要な栄養です。特に骨の形成、高血圧の抑制、動脈硬化の予防といった効果があります。海ぶどうにはマブネシウムが100g当たり、51mg含まれています。
マグネシウムは神経活動にも関与しています。摂取量が減少することで、集中力の低下などの脳機能の低下などがみられます。その他、睡眠不良、頭痛といった日常生活の不調を招くこともあります。
最近ではマグネシウムをサプリメントから摂取するということも多いようです。しかし、なるべくなら自然な形で摂取したいですよね。海ぶどうはそんな自然な栄養摂取をサポートしてくれる食べ物となるでしょう。
カルシウム
カルシウムは骨の素材として重要な役割を果たします。高齢の方などの骨を作る上では積極的に摂取したい栄養素です。また、骨だけでなく、筋肉の動きをサポートするなど、生きていく上でとても重要な役割・働きを持っています。海ぶどうにはカルシウムが100g当たり34mg含まれています。
カルシウムが不足すると骨の老化はもちろん、精神的なイライラを招いたり、歯が弱くなるなどのことも起こります。丈夫な体を作る上で、カルシウムは必要不可欠なのです。
自分の体で自分の身の回りのことをできる。この当たり前のことは体が丈夫であってこそできるものです。その根底にあるのがカルシウムなのかもしれませんね。
食物繊維
食物繊維は腸内環境を整える栄養として、最近注目を浴びています。腸内に存在する善玉菌は食物繊維をエサにして増殖していきます。腸に関して不調がある人にとってはぜひ取りたい栄養ともいえるでしょう。海ぶどうには100g当たり、0.8mg含まれています。
食物繊維が不足すると、腸内環境が悪化してしまいます。腸内環境の悪化は便秘を招くことがあります。長期間、便が出ないと久しぶりの排便の際、強い力を必要とすることもありますし、お腹が張るなんてこともあるでしょう。また、腸内環境が全身に悪影響を及ぼすことも最近の研究でわかってきています。
食物繊維が不足している人ほど便秘の傾向があるでしょう。日常的に便秘で悩んでいるのであれば、海ぶどうを含めた食物繊維を含む食べ物を積極的に食べるようにしてみてくださいね。
そのほかの栄養
海ぶどうには主に上記の3つの栄養が含まれています。もちろん、それ以外にもたくさんの栄養素が含まれていて、体に良い効果・効能をもたらしてくれます。例えば以下の栄養が挙げられます。
ヨウ素
ヨウ素は脂質・糖質の代謝機能があります。摂取することでダイエットの効果が期待できるでしょう。また、美容効果もあるといわれています。海ぶどうには100g当たり80μg含まれています。
ビタミンK
ビタミンの中でもビタミンKは血液の凝固作用や骨の健康促進に関わっている栄養素です。どちらの機能も体の機能を保つ役割として重要です。海ぶどうには100g当たり35μg含まれています。
鉄分
鉄分は血液を作るのに必要な栄養素です。よく貧血対策として摂取することがありますよね。海ぶどうには100g当たり0.8mgの鉄が含まれています。
海ぶどうの効果
では、豊富な栄養が含まれている海ぶどうを食べることで、体には実際どのような効果があるのでしょうか。
単なる健康長寿のためだけではなく、美容の面でも効果が期待できるといいます。具体的には以下の効果が挙げられます。
骨を丈夫にしてくれる効果
私たちの骨は日々、骨形成と骨吸収ということが行われています。これは骨を作ったり、古いものを壊したりする作用です。骨を常に最善の状態にするために必要なものといえるでしょう。
この作用の際、カルシウムやマグネシウムが必要となります。これら成分が合わさって初めて機能するのですね。どちらの成分も含んでいる海ぶどうは、骨にとって良い効果を与えてくれます。
骨が弱くなってしまうと、骨粗しょう症などの病気にかかりやすくなります。骨が折れやすくなり、日常生活に影響をあたえることもあるでしょう。そうならないためにも、日々の食べ物には気を配りたいものです。
腸内環境を整える効果
海ぶどうには食物繊維が含まれている、というお話をしました。食物繊維は腸内細菌でも善玉菌のエサとなり、腸内環境を良くしてくれる効果が期待できます。特にこれは便秘症の人に大きな効果をもたらしてくれるでしょう。
便秘症の人は腸内環境でも悪玉菌が増えてしまっている状況が考えられます。腸機能が低下していることもあり、便の運搬がスムーズにいっていないかもしれません。そういった状況を改善するためには、食べ物を変える必要があるのです。
食物繊維を含む海ぶどうはこういった腸内環境を整える効果が期待できます。便秘が改善され、数日〜一週間に一度だった排便が1日に1回出るようになるかもしれません。腸内環境を変えるには時間がかかりますが、継続して食べてみることをおすすめします。
美肌効果
海ぶどうを食べる人、特に女性にとって、美肌の効果を最も期待しているかもしれませんね。海ぶどうに含まれるカウレルパラセモサエキスという美容成分が、肌の新陳代謝をあげる効果があるとされています。
日常生活の中で、肌は紫外線などからダメージを受けて損傷しています。普通であれば肌の新陳代謝が行われ、肌の質を保つことができるのですが、加齢によってその周期が遅れることもあります。
この新陳代謝を促し、肌をいつまでも綺麗にする。海ぶどうにはそういった効果を期待することができるでしょう。普段の紫外線対策も大切ですが、食べ物に気を配ってみるのもおすすめです。カロリーも100g当たり4.1kcalと低いので、カロリーに関して気にする必要はないでしょう。
そのほかの効果
海ぶどうには様々な効果をもたらす成分が含まれており、上記に挙げたこと以外にもたくさんの効果があります。例えば海ぶどうに含まれるポリフェノールは抗酸化作用があり、アンチエイジングに効果があります。
また、ヒアルロン酸なども含まれており、これは肌の潤いを保つ効果が期待できます。関節の痛み等にも効果があり、日常生活の体の不調を癒してくれる効果も期待できるでしょう。
フコダインという成分は高血圧の抑制、コレステロール値を下げるという効果もあります。生活習慣、特に血圧や血管に関して、不安がある人は海ぶどうを食べてみるといいかもしれませんよ。
海ぶどうの食べ方
海ぶどうを食べると色々な効果があることがわかっていただけたかと思います。では、次にその海ぶどうをどうやって食べたら美味しいのかについて見ていくことにしましょう。おすすめの食べ方として、以下が挙げられます。
シンプルに刺身で
海ぶどうはやはりそのプチプチ感を楽しむところにあるでしょう。何か料理してしまうと、その食感が失われてしまうかもしれません。なので、シンプルにそのままの状態で食べることをおすすめします。
ポン酢や醤油、またマヨネーズやドレッシングなどにも合うと思います。人それぞれの好みがありますから、色々試してみるといいかもしれませんね。味付けにこだわってみてください。
塩気が強いときは少し洗い流す
海ぶどうの品質を保つために、商品によっては塩漬けされていることがあるようです。これをそのまま食べてしまうと、塩気が強い場合があります。そういったときはサッと水で洗い流してみてください。
あまり塩気が強いものですと、食べにくいですから注意してくださいね。新井がなすときはそれほど時間をかけないことがポイント。また、早めに食べるようにしてください。
早めに食べるようにしましょう
独特の食感は、当たり前ですが新鮮なほど際立ちます。食べるまで時間がかかってしまうと、どうしても食感が落ちてしまい、せっかくの海ぶどうが台無しになってしまうかもしれません。
なので、できれば早めに食べるようにしてください。温度管理や日光に当たらないようにしても、鮮度は落ちていくので、注意するようにしましょう。
トッピングとしても◯
沖縄では沖縄そばに海ぶどうをトッピングすることがあるようです。見た目も食感もアクセントとなるので、良い組み合わせですよね。沖縄そばはなかなか食べることはできませんが、ほかの麺類と合わせてもいいでしょう。
うどんやそばと合わせてもいいかもしれませんね。もちろん、それ以外のちょっとした料理のツマのような存在で使ってみてもいいと思います。箸休めの食べ物になってくれると思いますよ。
沖縄の長寿の秘訣
沖縄は世界でも稀にみる長寿の地区です。長寿の地区を「ブルー・ゾーン」とも呼ぶことがあり、健康の研究が実施されていることがあります。沖縄の長寿の秘訣はいくつかありますが、やはり重要なのは食生活といいます。
沖縄といえばゴーヤが思い浮かぶ人もいるかもしれませんね。ゴーヤを始めとする野菜を、沖縄の人はよく食べていて、それが健康につながるといいます。野菜のほか、タンパク源としてアグー豚なんかも有名でしょう。私たちが食べるようなロース部だけではなく、耳や足なんかも食べたりします。
砂糖にも長寿の秘訣があります。それは黒糖。黒糖は精製された砂糖とは異なり、ミネラルを含んでいます。また、甘さも控えめで、虫歯になりにくいという特徴もあります。こういったものを小さい頃から食べているというのも、健康である1つのポイントでしょう。
腹八分で抑えることも、住んでいる人は心がけているようです。要するに食べ物を食べすぎない。お腹の空きがなくなったら食事をやめる。食べすぎは体に毒ですから、きちんとした節制が必要です。この習慣はとても重要で、食べ物が溢れている現代社会において身につけるべきことの1つといえるでしょう。
地域と繋がり、よく笑う
人間が長く生きるために必要な要素は食べ物だけではありません。地域の人と繋がり、よく笑うという社会性も長寿の要素としてもとても重要です。沖縄では地域の人との繋がりが密で、会話も良くし、社会として距離が近いことが多いようです。
体をよく動かす
じっとして何かを作業する、というよりも外にでて農作業をしたり、人と会う。こういった運動習慣が、体を健康に保つ1つの理由と言えるでしょう。仕事にしても、人間関係にしても、生きている楽しさを感じられる生活をしているのかもしれませんね。
まとめ
海ぶどうは身近な食材ではありませんが、沖縄に行ったことがあるという人であれば食べたことがあるかもしれませんよね。その食感は身近の食材にはないものです。食べたことがない人はぜひ食べてみてください。
今では通販で簡単に取り寄せることもできますから、ハマった人は買ってみるといいかもしれませんね。もちろん、健康効果を意識して食べて続けてみてもいいでしょう。
料理のちょっとしたアクセントや小腹が空いた時の軽いおやつ。そういった使い方もしてみてもいいと思いますよ。ぜひ、海ぶどうを食べてみてくださいね。
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