コハク酸とは?その成分、安全性と危険性について知っておこう!

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「コハク酸」とは、アサリなど貝に含まれる「うま味成分」です。琥珀(こはく)を蒸留した時に得られたので、「コハク酸」と名付けられたそうです。

コハク酸は、食品添加物として調味料や酸味料としていろいろな加工食品に使われています。食品添加物以外にも、医薬品他のPH調整剤・入浴剤・メッキ薬・写真薬などいろいろな分野で使われています。

コハク酸は基本的には人体に有効で、ガン細胞の増殖抑制作用があります。一方で、虚血性疾患を悪化させるなどの副作用もあります。

コハク酸の有効性と危険性、また、「うま味調味料」の疑惑についても、お伝えしますね。

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コハク酸とは?

buffet-617163_960_720エビと貝

「コハク酸」は、食品添加物として指定されている有機化合物カルボン酸の1種です。自然界に広く分布しています。アサリなどの二枚貝・藻(そう)類・地衣類・菌類・化石(琥珀を含む)に含まれている「うま味成分」です。

1550年にドイツの学者アグリコアが琥珀(こはく)を蒸留した時に、初めて得られた酸の1種です。そのため、「コハク酸」と呼ぶようになりました。

コハク酸については、コトバンクの栄養・生化学辞典や日本大百科全書の記事、フリー百科事典Wikipediakの記事が情報提供元になります。

[コハク酸の生化学・化学]

コハク酸の構造式は、HOOC-(CH₂)₂-COOH  で表されます。化学式は C₄H₆O₄ です。

新陳代謝過程におけるクエン酸サイクル(クエン酸回路)を構成する化合物の1つです。エネルギー代謝の過程で生成される代謝物の1つです。

クエン酸サイクル

クエン酸サイクルは、ヒトが生きるために必要不可欠のエネルギー代謝(エネルギー生産工場)です。食物から摂取される栄養素は、いろいろな有機化合物に変化し、最後にクエン酸になります。この変化する過程で、熱(エネルギー)や水(汗や尿)が生じます。

エネルギー代謝の過程において、コハク酸はコハク酸脱水酵素によりフマル酸に変化し、エネルギーとなります。コハク酸は体内で生成される代謝物です。

代謝物とは生物化学の用語です。「ガン用語」の辞書などに載っています。

コハク酸の製造

食品の添加物・うま味調味料、入浴剤やメッキ薬などに使用されるコハク酸を工業的に製造する場合は、無水マレイン酸を水素化します。

[コハク酸の用途]

コハク酸は、昔はリウマチの外用薬や淋病の内服薬として使用されましたが、現在では主としてうま味や酸味を与える食品添加物として使用されます。コハク酸は、食品衛生法により食品の指定添加物となっています。市販品は白い結晶または粉末です。

食品以外の用途としては、生分解性樹脂や炭酸ガスを発生する入浴剤、メッキ薬、写真薬に使用されます。また、医薬品の賦形剤としてPH調整に使用されます。

加工食品

加工食品のうまみ成分として使われます。

インスタントラーメン、ハム・ソーセージ、蒲鉾(かまぼこ)・竹輪(ちくわ)など練り物系、漬物の旨み・酸味として添加されます。

コハク酸の含まれる添加食品は驚くほど沢山あります。豆腐の製造にも、コハク酸やコハク酸二ナトリウムが使われています。

酒類

コハク酸は、アルコール発酵の副産物なので、ワイン・ビール・清酒などに酸味・苦味・塩味を与えます。

合成清酒には40種類以上の有機化合物が含まれていますが、コハク酸はリンゴ酸とともに、含有量が多くなっています。

調味料もどき

味噌(みそ)や醤油、みりんの味の調整に使われます。

コハク酸他の食品添加物が含まれた醤油やみりん、味噌は、「調味料もどき」です。本物の調味料ではありません。大豆・小麦・塩の原料に食品添加物が加わっている醤油は、「醤油風調味料」といいます。味噌やみりんも、コハク酸などの添加物で味を調えた商品は、「味噌風調味料」「みりん風調味料」です。

[コハク酸ナトリウム]

コハク酸は、実際にはナトリウムと結びついた「コハク酸ナトリウム」として使われます。

コハク酸ナトリウムには、コハク酸一ナトリウムとコハク酸二ナトリウムがあります。

コハク酸二ナトリウムは、「貝の味」を特徴とする日本人の嗜好に最もよく合う旨み成分です。複合調味の要素として注目されています。

他のうま味調味料と一緒に使う

コハク酸二ナトリウムは、溶解性と浸透性が高いので、調味効果が上がります。不揮発酸なので、発散しません。

他の調味料の刺激性を緩和して、口当たりを良くし、調味料の効果をあげます。

うま味調味料のグルタミン酸ナトリウム(味の素)と一定割合で併用すると、相乗効果でうま味がさらに引き立ちます。

[うま味とは?]

うま味とは、世界で通用する日本語の1つです。

「うまい」と「おいしい」は同義語で使われますが、旨味と「おいしさ」は違います。

「おいしさ」とは、味の他に、匂いや食感、その時の体調、その場の雰囲気などいろいろな要素に影響されて感じるものです。

「旨み」は、料理の味の基本となる5つの基本味の1つです。5つの基本味とは、甘味・苦味・酸味・塩味・うま味です。

うま味は、アミノ酸のグルタミン酸やアスパラギン酸、核酸構成物質のイノシン酸やグアニル酸、有機酸のコハク酸などによって生じます。

うま味調味料

「うま味調味料」とは、「うま味を刺激する物質を人工的に精製した調味料(Wikipedia)」です。ナトリウムと結びついた結晶・粉末として市販されます。

グルタミン酸ナトリウム・イノシン酸ナトリウム・グアニル酸ナトリウム・コハク酸ナトリウムなどがあります。

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コハク酸の安全性と有効性

spaghetti-699841_960_720二枚貝

コハク酸は、ヒトの体内のエネルギー代謝の過程で生成される有機化合物ですから、安全性が高いように思われがちです。もちろん、体内で生成されるコハク酸は、人体に有効です。

しかし、体内で生成される有機化合物でも、工場で製造されると、その製造方法や濃度、摂取量によっては、人体に悪影響を与えることがあります。

[通常の濃度と摂取量ならば安全]

コハク酸は、食品の指定添加物・サプリメントとしてFDA(アメリカ食品医薬品局)に認められています。日本でも食品衛生法により食品添加物として指定されています。

コハク酸は医薬品にも使用されますから、安全性はかなり高いと言えます。

大量摂取の心配は不要

コハク酸は、かなり強いうま味成分なので、大量に使うと、うま味がエグ味に変わります。そのため、一般加工食品にコハク酸・コハク酸ナトリウムを大量に使うことはできません。コハク酸を大量に摂取する心配は、ほとんどありません。

高濃度のコハク酸は危険

高濃度のコハク酸は可燃性です。腐食性があるので、薬傷を引き起こす可能性があります。

[コハク酸はエネルギーとなる]

前述しましたが、コハク酸は代謝(新陳代謝・エネルギー代謝)の過程において、体内で生成され、エネルギーとなります。

食事により摂取されるタンパク質・脂質・糖質(炭水化物)が、代謝のクエン酸サイクルにおいて、コハク酸など様々な酸に変わり、最後にクエン酸となります。クエン酸サイクルがスムーズに流れないと、体内にビルルビン酸や乳酸が溜まり、身体の不調を引き起こします。

[コハク酸とアスパラギン酸]

アスパラギン酸はアミノ酸の1種、うま味成分の1つです。利尿作用があり、有毒なアンモニアを体外に排出して中枢神経を保護します。カリウムやマグネシウムを細胞に運び、体調を整えます。疲労物質の乳酸をエネルギーに変え、疲労回復の作用があります。

コハク酸にアミノ基が1つ着くと、アスパラギン酸になります。

アスパラギン酸のサプリメント

アスパラギン酸は食品から摂取できますが、サプリメントとして摂ることもできます。

ナカライテスク株式会社は、様々な試験研究用の試薬や化成品、測定キットなど臨床検査関連の機器を製造しています。

ナカライ商品の中に、D-アスパラギン酸があります。ナカライ商品コード03501-34か03501-92で検索すると、詳しい商品情報がわかります。

通販サイトでも、いろいろなメーカーのアスパラギン酸サプリメントを購入できます。製造元により、希望納品価格が異なります。サプリメントは、製造情報・製品規格など、詳しい情報を得た上で、購入することをオススメします。

[癌細胞の増殖抑制作用]

コハク酸には、ガン細胞の増殖を抑制する作用があります。広島大学の研究で、「コハク酸に癌細胞の増殖抑制作用がある」とわかりました。

コハク酸は体内で生成されるものですが、ルチン・エラグ酸・クルクミンなどのポリフェノールを摂取すると、腸内の発酵作用によりコハク酸が産生されます。体内のコハク酸の濃度が上がります。

コハク酸濃度が20ミリモル(20mM)になると、大腸ガンのガン細胞の増殖が50%抑制できます。胃ガンにも増殖抑制効果が見られます。20ミリモルは、アサリやシジミなど貝の味噌汁一杯で摂取できる量です。

大腸ガンや胃ガンの予防には、毎朝、二枚貝のお味噌汁を一杯飲むと効果があるようですね。ガンを発症した人にも、手軽な治療法としてオススメです。

血管新生を抑制する

ガン細胞は、増殖するために栄養を必要とします。細胞の血管を増やして栄養を摂ろうとします。細胞の血管を増やすことを「血管新生」といいます。血管新生により、ガンの増殖・転移のリスクが高くなります。

コハク酸は血管新生を抑制します。そのため、ガン細胞は栄養を十分摂れず、増殖できなくなります。転移もしにくくなります。

[血管新生抑制の副作用]

細胞の新しい血管が増えることを抑制するため、副作用が起きることがあります。

胎児の発育阻害

妊娠中の女性がコハク酸を摂取すると、血管新生を抑制する物質が、胎児の発育を妨害する可能性があります。

虚血性疾患の悪化

「虚血」とは、血の循環が悪くなり、末梢部分への血液供給が急速に不足する状態です。高度の局所性貧血です。血管新生が抑制されるために、虚血性疾患が悪化する可能性があります。

虚血性疾患とは、血液の循環不全により生じる疾患です。代表的な疾患が「虚血性心疾患」です。「ブリタニカ国際大百科事典」によれば、「血液の循環不全により心筋に虚血が生じ、そのために起こる心疾患の総称」を「虚血性心疾患」といいます。「動脈硬化性心疾患」「冠動脈性心疾患」とほぼ同義語とされます。

[コハク酸アレルギー]

コハク酸でアレルギーを起こす人がいます。

喘息発作

コハク酸は喘息発作が起きた時の治療薬ステロイド剤に含まれていることがあります。コハク酸が含まれるステロイドを注射したため、喘息発作が悪化することがあります。

解熱鎮痛薬(NSAIDs)不耐性・過敏性の人は、コハク酸の含まれるステロイドを静注すると、喘息発作を起こすことがあります。

化粧品・白髪染め

コハク酸は化粧品や髪彩にも含まれています。アレルギー反応を起こす人がいます。

加工食品や調味料は表示に注意

一般加工食品や調味料もどきに含まれるコハク酸は、工場で製造される合成添加物です。「自然界に存在する物質をまねて化学合成したもの」です。

食品に含まれる添加物は1つ1つは微量ですが、トータルすると多量となります。体内に蓄積されて、免疫バランスを崩し、アレルギー反応が生じる可能性があります。

加工食品や調味料もどきを購入する時は、商品の成分表示に注意する必要があります。コハク酸という添加物名称を確かめます。コハク酸を含む食品ばかり購入しない方が無難です。

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食品添加物には危険なものがある

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コハク酸やコハク酸ナトリウムは比較的安全性が高く、人体に有効と言えますが、食品添加物の中には、危険性の高いものがあります。食品衛生法で指定添加物・食品添加物と認められていても、多量に摂取したり、常用したりすると、身体に悪影響を与えることがあります。

日本で、食品衛生法で認可されている食品添加物は1500種類もあり、世界一です。しかも、石油から合成された添加物が350種類以上あります。

[グルタミン酸ナトリウム]

「味の素」として知られています。昆布やカツオ節などの天然うま味成分であるグルタミン酸を合成して、ナトリウムと結びつけたものが「グルタミン酸ナトリウム」です。

食品衛生法により指定添加物として認められ、多種多様な加工食品に含まれています。また、ファミレスなどの調理に頻繁に使われます。

昆布や魚類に含まれるグルタミン酸や、グルタミン酸ナトリウムを普通に使用する分には問題はありません。「味の素グルタミン酸ナトリウム」は厳しい製品規格に沿って製造され、厳密な測定方法で安全性を確認しています。

健康な人が普通に摂取していれば、大丈夫です。

しかし、過剰・大量に使用すると問題が生じる可能性があります。

グルタミン酸は興奮性神経伝達物質

グルタミン酸は、興奮性神経伝達物質として、体内で重要な働きをしています。生来、身体の中に含まれている化学物質です。

しかし、人工的に精製されたグルタミン酸は脳神経には強すぎて、「覚せい剤に近い作用がある」という人もいます。消費者を味音痴にして、依存性を高める可能性が潜んでいます。多量に摂取すると、吐き気や頭痛、ほてりなどの過剰症を起こします。「中華料理店症候群」といいます。

東南アジアでは、野犬狩りにグルタミン酸ナトリウムを多量にまぶした肉を使います。肉を食べてフラフラになったところで、野犬を捕らえます。

[調味料もどきには要注意]

スーパーで沢山売られている醤油や、「おすすめ商品」や「商品情報」などに載っている新製品醤油(新式醸造醤油)は、正真正銘の醤油ではなく、多くの添加物が含まれています。醤油ではなく、「醤油風調味料」です。調味料もどきです。

みりんにも味噌にも、食品添加物が多く含まれた調味料もどきが少なくありません。

醤油・味噌などの名に惑わされないように注意が必要です。

調味料もどきに含まれる物質

調味料もどきに含まれる物質一覧を見ると、大豆の絞りカス・グルタミン酸ナトリウム・ステビアやサッカリンナトリウムなどの甘味料・増粘多糖類・コハク酸・カラメル色素などが含まれています。また、長距離トラックやフェリーなどで遠くまで移送されますから、保存料も大量に使用されます。

ステビアは、妊娠障害を起こす可能性があるので、妊娠中または妊娠希望の女性は、要注意です。

カラメル色素は、遺伝子を傷つける毒性(変異原性)の疑いがあります。

保存料には、発ガン性や染色体異常を引き起こす疑いがあります。しかし、食品の腐敗を防ぎ、食中毒を予防する効果は大きいと言えます。

[食品添加物はいつの間にか多量摂取する可能性がある]

食品添加物は食品衛生法で認可された食品です。ですから「食品添加物は危険だ」と決めつける必要はありません。

最近では、食品の安全性に対する関心が高まっていますから、各食品メーカーでも商品の開発には慎重になっています。国の規格もそれなりに厳しくしています。

無論、食品を食べる私達も注意して購入する必要があります。

商品の成分に注意する

加工食品を購入する時には、商品裏に記載されている成分表に注意しますよね。でも、アスパラギン酸やグルタミン酸ナトリウムなどは、添加物名称として「アミノ酸等」と表示されていることが多いようです。

製造元コードや販売元コードで商品検索をし、製造元や販売元の商品詳細ページで商品情報を得ます。添加物など化合物一覧を見れば、何がどれだけ使用されているかがわかります。

最近は、「もどき調味料」だけでなく、「もどき食品」が多くなっています。食品製造のメーカカタログNoなどで検索し、商品の成分や純度を確かめる必要があります。

一般に価格の安い調味料は、純度が低く、添加物の多い「もどき食品」です。本物の醤油・味噌・みりんは、もどき調味料よりずっと高価になります。

添加物の蓄積でアレルギー反応が生じる

食品添加物の種類は多いけれど、加工食品1つ1つに添加されている量は、規格内に収まっています。しかし、加工品を食べ続けていると、いつの間にか添加物が体内に蓄積されてしまい、ある日突然、アレルギー反応が起きることがあります。

アレルギー反応が起きる添加物は、人によって異なります。

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まとめ コハク酸など食品添加物はよく確かめて

コハク酸は、アサリなど二枚貝に含まれる天然のうま味成分の1種です。ヒトのエネルギー代謝の過程で生成される代謝物の1つでもあります。琥珀(こはく)を蒸留して得られる酸なので「コハク酸」と呼ばれます。

コハク酸は、エネルギー代謝に関わる人体に有効な有機化合物です。

コハク酸には、細胞の血管を増やす血管新生を抑制する作用があります。ガン細胞は血管を増やして栄養を摂り、増殖・転移します。そのため、コハク酸はガン細胞の増殖抑制作用があります。特に、大腸ガンや胃ガンの増殖抑制に効果があります。アサリなど二枚貝のお味噌汁一杯でガン細胞の増殖抑制が期待できます。

ただ、血管新生を抑制するので、妊婦の胎児の発育を阻害したり、虚血性疾患を悪化させる副作用があります。

コハク酸の塩類であるコハク酸ナトリウムはコハク酸よりもうま味が強いので、うま味調味料として加工食品によく使用されます。コハク酸・コハク酸ナトリウムは、グルタミン酸ナトリウム(味の素)とともに、食品衛生法による指定添加物となっています。

コハク酸ナトリウムやコハク酸は、グルタミン酸ナトリウムとともに、いろいろな加工食品に含まれています。注意したいのは、醤油や味噌、みりんなどの調味料の味を調えるために使われ、醤油風調味料・味噌風調味料・みりん風調味料など「調味料もどき」を製造していることです。本物の醤油を使っているつもりで、醤油風調味料を使っていることがあるのです。

調味料もどきは安価で、味も整い、口当たりが良いものです。成分表など商品情報を確認した上で購入・使用するのは問題ありません。しかし、知らないで使用していると、いつの間にかコハク酸など添加物が体内に蓄積して、アレルギー反応を生じることがあります。

特に妊娠中または妊娠希望の女性や乳幼児は、食品添加物に注意する必要があります。

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