腹部周辺の痛みは、痛みの発生する場所で原因が異なることがほとんどです。
内蔵が集中していることもあり、普段の腹痛と違った痛みが発生した場合何かの病気の症状なのではないか?や痛みが繰り返したりすることで運動が億劫になったりしますよね。脇腹の痛みははっきりした原因を把握しておくことが大切です。
特に、痛み方によっては緊急を要する場合もあります。痛みがどういった原因で発生するのかを知っておきましょう。
今回は、右の脇腹の痛みについての記事を書いています。右脇腹に痛みや違和感を感じている人はぜひ読んでください。
右の脇腹の痛みの原因
では早速、右脇腹に痛みが発生する原因を紹介します。可能性となる問題が発生する兆候や行動を取っていないか確認してみましょう。
病院で検査をする前の段階で、自分のセルフチェックで病気などの可能性を探っていきましょう。
①筋肉痛が起きている
右の脇腹の筋肉に筋肉痛が発生していると痛みを感じます。
右脇腹は日常的にあまり負担のかからない部位なので、少し負担が加わっただけでも筋肉痛が発生することがあります。筋肉痛は、筋繊維が断裂して炎症が起きているために痛みが発生している状態です。あまり負担のかからないように安静にしておくと、徐々に痛みも引いてくるのであまり心配することはありません。
筋肉痛が発生している場合は基本的には筋肉が傷んでいるので、痛みの症状は身体の表面に現れやすい傾向があります。腹筋を押してみた時に痛みが増したり、筋肉を使った場合に痛みが発生するので恐らく痛みの原因は一目瞭然かと思います。
他に似ている病気などの症状もないので、しばらく安静にしてみて様子を見ましょう。3日以内には痛みが引いてくる事がほとんどなので痛みが引いた場合はその痛みを覚えておき、筋肉痛であることを覚えておきましょう。
どうしても早く治したい場合は、筋肉痛から回復する4つの方法と4つの予防方法!の記事に対策などを詳しく記載しているので読んでみましょう!
②便秘である
便秘が原因となって右脇腹に痛みが発生することがあります。
便秘になると、腸の中に溜まった便が腐り始めてしまいガスが発生します。ガスが腸の中で充満していき徐々に腹部を圧迫し始めるのです。そうなった場合は最初に腹痛が起き、ガスが小腸の方まで充満してしまうと右の脇腹に痛みが発生してしまうのです。
便秘は女性の方がなりやすく、
・食生活の偏り
・ストレス
・生理
・無理なダイエット
などが原因で発生してしまいます。この中でもストレスを抱えていたり、無理なダイエットを行っている女性が便秘になりやすいので、心当たりのある人は改善しましょう。
便秘の痛みは、腸が膨張してしまったときの腸のチクチク感や、老廃物が腸を通過する時に発生する腸の痛み、さらに便秘の症状によっては腸の痛みのみの症状ではなく胃の中の食物などが逆流してしまうことでの逆流性食道炎や吐き気などの症状を引き起こす場合もあります。
酷い便秘の症状では、かなり多岐にわたり身体に症状が出るので、脇腹以外にも症状が出ている場合は病院での治療が必要な便秘性過敏性腸症候群の可能性が考えられます。
あまりにも痛みが長期的に続いてしまう場合は消化器内科、胃腸科、便秘外来などを受診しましょう。もし、患者が子供の場合は小児科でも結構です。
妊婦の場合は婦人科でも診察が行なえます。過敏性腸症候群の原因を把握し、症状を回復していきましょう。
詳しくは便秘の解消方法とは?食べ物やストレッチの紹介!の記事を読んでみてください!
③病気の可能性
右の脇腹には多くの内蔵が集中しております。これらに炎症が起きて何かしらの病気が起きていることが原因で痛みが発生している可能性があります。
脇腹付近には、
・肝臓
・胆嚢
・腎臓
・大腸
・盲腸
といった内蔵が集まっております。内臓の病気が原因で痛みが発生している場合は、自分で治すのが困難の場合もあり、早期に対処した方が良い場合が多くあります。下記に右脇腹に痛みが発生する病気について紹介しているので、一度目を通しておきましょう。
右の脇腹に痛みを感じる病気
ここでは右の脇腹が痛む症状のある病気を紹介します。早期発見することで症状が悪化するのを防ぐことが出来るので、他の症状などと合わせて確認してみましょう。
①胆石症
右脇腹に痛みが発生する病気と聞いて、真っ先に思いつくのが胆石症(胆管炎)です。
胆嚢や胆管などに石が発生してしまう病気です。石が出来る場所で「胆嚢結石」や「総胆管結石」と呼ばれ方が変わりますが、原因や症状は同じです。
症状としては、右脇腹から背中にかけての痛み、発熱といったものが挙げられます。特に脇腹の痛みは食後に現れることが多く、痛みが1時間続く人もいるようです。激しい痛みを感じることもあり、胆石症だとこのタイミングで気づく人も少なくありません。
原因として挙げられのが、
・食生活の偏り
・肥満化
・ストレス
などが挙げられます。特に、コレステロールが硬化してしまい石になり胆石症が発症する事例が増えております。脂肪分が多い食事などは控えめにしておきましょう。
胆石症の治療方法としてレーザー治療や手術などがありますが、症状が軽い場合は、石を溶かす溶解療法で半年〜1年かけて治療することが多くあります。症状が悪化する前に病院へ行って治療した方が治りが早くなるので、激しい痛みを食後に感じている人は病院へ行きましょう。
②腹膜炎
腹腔内を覆っているのを腹膜といいます。この腹膜に菌が感染してしまうことで発症するのが腹膜炎です。
腹膜炎の症状として、右の脇腹が痛みだして徐々に範囲が広くなります。さらに、吐き気や発熱といった症状が現れます。
痛みが発生する前に、腹部に違和感や不快感が発生することがありますが、痛みが発生すると、激しい痛みになる事が多く我慢できないほどです。症状が悪化してしまうと、脱水症状やショック状態になる恐れがあり、命にかかわることもあります。
他の病気が起きている時に同時に発生してしまうことが多く、急性虫垂炎や急性胆嚢炎などの臓器の病気が起きた際に発症することがあります。それ以外にも、外部からの刺激により、腹膜内の臓器が損傷を受けて炎症が起きることもあります。
治療方法としては、細菌をやっつけるための抗菌薬を用います。しかし、他の病気の合併症が原因の場合は、根本となる病気を治療することが優先となります。どちらにせよ、病院へ行っての治療になるので、症状が悪化する前に治療を受けましょう。
③尿路結石
尿路結石や尿管結石。こちらは文字通り、尿の通り道である尿路に結石が発生するという病気です。
尿路結石の症状として、脇腹・下腹部・腰回りに疝痛発作と呼ばれる痛みが発生します。悶絶するほどの激しい痛みが発生し、かなり苦しむことがあります。その他にも吐血や血尿といった症状が現れることがあります。
尿路結石になる人は増加しており、10人に1人の割合と言われております。
原因は様々ですが、
・尿路の細菌感染
・水分不足
・過度のストレス
・暴飲暴食
といったものが日常生活では挙げられます。生活習慣が悪く尿に行く回数が少ないと、菌にも感染しやすくなります。規則正しい生活を心がけて、尿路結石になるのを予防することが大切です。また、結石の原因となるのが、シュウ酸やカルシウムの過剰摂取です。清涼飲料水やコーヒー、アルコール類の過剰な摂取は控えて、麦茶やほうじ茶などを多めに飲むようにしましょう。
尿路結石になった場合は泌尿器科を受診することになります。症状が軽い場合は、自然に治す「自然排石」での治療になりますが、結石が大きくなっている場合は手術を行うこともあります。
④がんの可能性
右脇腹には臓器が集中しているために、がんが発生していることで痛みが現れている場合があるので注意しましょう。
右の脇腹に痛みが発生する場合考えれるがんは、
・大腸がん
・肝臓がん
・腎臓がん
になります。この中でも大腸がんは発症する人が多いがんになります。腹部に違和感を感じるなどの症状がありますが、自覚症状のないままがんが進行する人も少なくありません。大腸がんについては、大腸がんの原因とは?運動不足や食生活に要注意!の記事に詳しく記載してあるので読んでみてください。
肝臓がんは脇腹の痛み以外の症状として、発熱や貧血などの症状が現れることがあります。腎臓がんは、血尿や腫瘍といった症状が現れることがあります。
なかなか早期に気づくことが出来ない場合もありますが、発見が遅れてしまうと他の部位に転移してしまい取り返しのつかない場合もあります。軽い症状であっても、脇腹の痛みや違和感がある場合は一度病院へ行きましょう。
④帯状疱疹
帯状疱疹は顔の皮膚や身体の胴体の部分などに発生しやすい皮膚症状です。皮膚の表面や、皮膚のすぐ下の皮下の部分でチクチクするような刺すような痛みが発生している場合は帯状疱疹の皮膚症状の可能性が考えられます。
子供の頃に多くの人が経験したことのある水疱瘡の原因となるウイルス菌が神経節や神経細胞に侵入することで発症するものです。普段の免疫力の高い状態のときにはこのような皮膚症状になることはありませんが、高いストレスを受けていたり、疲れが溜まっていて免疫力が下がっている時に発症してしまう傾向があります。
肌が乾燥しがちになったり、湿疹が現れることもあります。皮膚の表面が赤く紅斑してかゆみに近い痛みからだんだん痛みが増していきます。この皮膚症状は左右非対称に引き起こる特徴があります。右、あるいは左のどちらかの皮膚で症状が起きます。
原因となる行動を避けて、しっかり休養を取っていれば自然治癒も目指せますが、他の手荒れなどの皮膚症状に比べて治りにくい傾向があります。早めに治療を行わないとひどくなってしまったら後遺症として神経痛などの症状が残ってしまう場合もあります。
神経痛が残ると、皮膚症状は何もないのに、チクチクとする痛みだけが残ってしまい、皮膚の感覚が麻痺してしまうこともあります。衣服の擦れだけでも非常に厄介な痛みが起こるのでかなりの苦痛になります。
もし病院にかかるのであれば2週間以内に皮膚科に行き、早めに治療を行っていきましょう。
帯状疱疹に関する詳しい記述はこちらの記事を参考にしてみてください。
右脇腹の痛みの対処法
右の脇腹に痛みが発生した場合はまずは安静にすることが重要です。何が原因であっても激しく運動を続けていまうと痛みが激しくなってしまう可能性があります。
痛みは身体の以上信号の一つです。痛みを発することで身体を休めようとしているので、無理に動かすとかえって炎症などを酷くしてしまう可能性があります。
基本的な休んで痛みをとる方法の他に、具体的な症状の場合での対処法について紹介していきます。根本を直せる治療法ではないので、対処を行った後は病院などでしっかり治療を行っていきましょう。
筋肉痛の場合
筋肉痛の場合は、まずは筋肉を使ったばかりのときには冷やすことが重要になります。筋肉を使ってすぐは筋肉が傷ついて炎症が起こっている段階なので冷やすことで炎症を抑えることが出来ます。
これをアイシングと言って1回のアイシングで20分ほどの時間行うと効果が高まります。炎症によって広がった血管を冷やすことで血管が収縮し、神経を麻痺させて痛みの症状を緩和させることが目的です。筋肉を使用してから1日〜2日目がアイシングの効果的な器官になります。
冷やす工程が終わったら次は温熱療法で筋肉痛を改善していきます。運動後2日〜3日後から温めることが筋肉には適していて、ダメージ補修のための栄養や酸素などをしっかり患部に届けるために血管を広げて血行を良くします。
蓄積している疲れの原因となる乳酸の排出も効率化され早期回復が期待できます。入浴などを行って筋肉をしっかり温めましょう。さらに食事でも栄養バランスを調整することで筋肉の回復力を高められます。筋肉痛を早く直したい場合はタンパク質、ビタミンB群、クエン酸、亜鉛などの栄養を意識的にとるようにしましょう。
尿管結石の場合
尿管結石が疑われる場合は、しっかり水分を摂取し尿の排泄量を多くしましょう。異常に水を摂取してしまうと、逆に水中毒などの危険性もあるので、少しずつ小まめに水分を補給することを意識してください。
さらに結石をできやすくするシュウ酸やカルシウムなどの成分を含む食事を偏って摂取しないように意識しましょう。チョコレートを大量に食べたりアルコールを毎日飲むなどの行為は問題に繋がってしまう事になります。
結石の大きさが小さい場合は炎症を抑えるために抗生物質や痛み止めなどを飲みながら自然排出が望めるので手術の必要はありません。手術不要で完治できるように結石を大きくしないようにしていきましょう。
痛みが発生している場合は、早めに病院で薬を処方してもらいましょう。
その他
女性特有の症状で左の脇腹や腰辺りに痛みを発症するもので子宮筋腫や子宮内膜症と言った病気もあります。男性の場合は、ストレスが問題となる尿管結石や胆石症などの病気の発症確率が高くなっていますが、女性の場合は丁度腰や下腹部のあたりに子宮があるので、この器官で異常が引き起こっている可能性もあります。
子宮筋腫は子宮に出来る良性のしこりで子宮平滑筋の異常増殖によって発生します。右の脇腹に症状が出たり腰に痛みが出やすく、便秘や生理不順や残尿感などの原因にもなります。
子宮内膜症は生理の出血に合わせて、子宮内で炎症を引き起こしてしまうものです。20代から40代までの女性に多く見られます。さらに卵巣にまで症状が到達してしまうと卵巣内膜症膿疱に発展し、生理時以外にも痛みが発生するようになります。
これらの症状に関しては、女性ホルモンの乱れが大きな原因となることが確認されています。普段から女性ホルモンのバランスを正常に整えて症状の発生を防ぎましょう。
詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。子宮内膜症は不妊になりやすい?原因や対処方法について!
まとめ
右の脇腹の痛みの原因
・筋肉痛が起きている
・便秘が起きている
・病気の可能性
右の脇腹に痛みが起きる病気
・胆石症
・腹膜炎
・尿路結石
・がんの可能性
・帯状疱疹
以上が今回の記事のまとめになります。
筋肉痛の痛みが原因の場合は痛みの種類で分かると思いますが、内部からの痛みの場合は不安になることもあると思います。病気が原因だと痛みが続く場合が多いので、早めに診察へ行きましょう。進行する前に治療を受けることで、治療時間も短くすることが出来ます。
普段あまり痛みを感じる場所ではないので、原因をしっかり把握しておくことが大切です。
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