スクワットの回数はどのくらいがよい?やり方や効果、注意点を知ろう!

トレーニング種目でスクワットをメニューに加える人は多いと思います。

昔はウェイトトレーニングといえばマニアックで自分大好きなナルシスト、またはボディビルダーのイメージが強くありましたが、今ではスポーツクラブで誰もが取り組める種目として変貌を遂げています。

中でもスクワット・ベンチプレス・デッドリフトは「ビックスリー」とも言われ全身の筋肉を効果的に鍛える運動として多くの支持を集めています。スクワットは特に下半身を強化する種目としてメニューに加える場合が多いですが、そのやり方や回数にひと工夫を加えると驚く程の効果が見込まれます。

本稿ではそんなスクワットの秘密について迫りつつ、スクワットの効果的なやり方や回数を検討し最も成果の上がるスクワットについて検証していきます。

最後まで読めば美しくメリハリがありそれでいて機能的なボディを手に入れるヒントが見つかるはずです。

スクワットとは?

スクワット

スクワットについて語るにはスクワットがどういうものかを知らなければなりません。

スクワットが優れたトレーニング効果をもたらすその秘密と実践すると身体や心がどう変わっていくのかといった生体の反応についてみていきましょう。

スクワットのメカニズム

当たり前の話ですが股関節・膝関節・足関節といった下肢の関節は曲がるようにできています。しかもこの3ヶ所はほぼ同時に曲げてほぼ同時に伸ばすことができるという特徴を有します。

スクワットではこの関節の機能(曲げ伸ばし)を如何にうまく使うかが大変重要となります。股関節→膝関節→足関節という運動の順番(実際には3ヶ所の関節が僅かの時間差で動いていく)が最もスクワットのフォームを安定させてくれます。

筋肉への影響(効果)は太ももの前にある筋肉(大腿四頭筋)と考えられがちですが、理想的なスクワットでは太ももの裏にあるハムストリング(大腿二頭筋)や臀筋群と下背部(かはいぶ)が刺激を受けます。つまりスクワットでは腿裏やお尻、さらに背中側に効果のある種目といえるでしょう。

スクワットは下肢筋群に効くだけでなく体幹筋群の効果的な刺激にも繋がります。ウェイトが重くなればなるほど股関節を曲げる動作でお腹周りやその上の胸郭をしっかりと安定させる必要があり、その際に体幹の深部にある筋肉達が効果的に使われるというわけです。

ウェイト(重量)を肩に担いで身体をある程度まで下げていきまた上がってくる。一見単純そうに見えるスクワット動作ですが、実は身体の各部分がしっかりと連動しなければ成し得ない動作であることを認識しておくべきでしょう。

股関節から曲げる!

多くの人は「スクワット=膝を曲げる」というイメージを持っているかもしれませんが、膝を曲げているうちはスクワットの効果を高めることはできません。またその考え方で実践すると重量を重くしていくに従って膝を壊すリスクが高まります。

スクワットで最も大切なことは脳内のイメージを「(スクワット=)股関節を曲げる」という考え方にシフトすることです。これは身体の動く仕組みを知らなければイメージすることは難しく、従って身体のことを多少なりとも知っておく(学ぶ)必要性があるのです。

体重をしっかりと受け止めるために股関節を曲げていく、膝や足関節は股関節が曲がった結果として曲がるものであるという認識とその仕組みや関節動作の関連性を理解していないかぎり一般の人では体得することは難しいでしょう。

重りを担いで股関節から曲げていく、すると足底(あしうら)やふくらはぎが硬くて伸びない人であれば後ろに倒れてしまう感覚になりますが、ここをなんとかこらえつつバランスをとりながら上げ下げするということになります。

膝が足よりも前にでない

股関節から曲げるイメージができ上がれば膝を曲げるというイメージは消え膝を屈曲した際に、1)【膝頭が足よりも前に位置する】ことはなくなります。実はこの状態が膝に最も重量負担を強いる姿勢で特に膝蓋骨付近の痛みを増長する遠因となることが知られています。

1)の動作にならないためには骨盤が前傾している状態でスクワットをすることが絶対条件です。例えば左真横から骨盤を観ると股関節を軸として反時計回りに前側に30度以上傾斜している状態を『前傾』と言います。

因みに25度以下の傾斜は中間位、5度以下(骨盤がほぼ真っ直ぐに直立した状態)は後傾と呼びます。骨盤を前傾することで股関節は軽度屈曲となり、膝から曲げ始めるという動作を回避・抑制しつつ股関節事態を曲げやすくする仕組みが働きます。

つまり股関節のリード(屈曲)動作につられて膝と足関節が動くという順番が理想なのです。その順序良く起こる動作を引き出す元が骨盤の前傾位というわけです。

スクワットの基本

パワーポジション

身体を動かすためにはその動きに適した姿勢というものが必要です。

スクワットであれば日常生活では明らかに体験することのない形(フォーム)や動きでありそれだけでも身体には種々の負担が生じます。スクワットをするために必要な身体の基本的な姿勢みていきます。

パワーポジション

いわば“非日常”の動きや形が要求されるスポーツ動作、それを可能にするために必要なのが「パワーポジション」と言われる姿勢です。パワーポジションとは重りを担がずに両手をぶらんと下げた状態からスクワットの要領で身体を下げていき、“ある程度”まで下げきった状態での基本姿勢です。

横からみると母趾球-膝-肩を一直線上に位置させてお尻を突き出し背中を反らせる姿勢にです。パワーポジションは動作の開始時に最も素早く安定、且つ力強く動ける体勢と言われています。

例えば野球選手が跳んできたボールをキャッチしたり捌くときにこのパワーポジションをとっているかどうかで反応時間や動きの勢いに大きな差が出ます。パワーポジションは特に静止状態からの爆発的な動き出しに大きく関わる要素なのです。

この姿勢のポイントは骨盤の前傾位です。スクワットのボトム(もっとも低い位置)ポジションで骨盤位置が前傾にならないとパワーポジションはとることができません。骨盤前傾はパワーポジションをとるための必須条件と言えるでしょう。

スクワットの“コツ”

このパワーポジションができればスクワット自体それ程難しい動作ではありません。重量が増えることによって確かに姿勢は崩れやすくなりますが、それもパワーポジションが完成していればすぐに改善可能であり、徐々に重量を増やすことで回避できる課題です。

パワーポジションをマスターすることでスクワットの本当の楽しさや効果を身体で理解することができますし、カロリー消費もしっかりと高まります。骨盤が前傾すると背中を反らせやすくなり低い姿勢になっても胸をしっかりと張ることができます。

すると肩甲骨周りにある褐色脂肪細胞の働きも高まることから、運動量も増加しダイエット(方法)としてのスクワット効果は一層促進されるというわけです。

スクワットの注意点

初心者はスクワットをする前に、このパワーポジションを練習し体得することが必要でしょう。単に見た目のイメージだけでスクワットを実施しても膝周りが疲れたり負担がかかるだけで本当の効果を得られることは難しいからです。

スクワットは単に下半身だけでなく体幹や背中、そして腿裏へ効かせるべきエクササイズであり、そのためのフォーム(動き)作りや動きの仕組みを理解することが早く効果を出す秘訣です。

ウェイト(重量)を増やすことで全体の筋肉量を増やすことも可能ですが、そのためには食事等を含めた栄養面の管理やコントロールが必要です。また初心者は特に慣れない動作により筋肉痛等を起こしやすくなるため、運動前後のケアも重要な要素となるでしょう。

スクワットの効果

背中効果

スクワットは一般に脚に効くと思われがちですが、実はほぼ全身に効果的なトレーニング方法であることを知る人は多くありません。

また単なる筋肉トレーニングというのではなくダイエット方法として、基礎代謝を高めることで消費カロリーの向上を促す効果的な運動なのです。

基礎代謝と脂肪燃焼効果

基礎代謝量とは睡眠時や何もしていない状態で消費されるエネルギー量のことで、この時人間は生命維持に必要な最低限のエネルギーしか使っていません。この基礎代謝量を如何に高められるかがダイエットや体重コントロールの最も大切な要素とされています。

運動で痩せようとする運動ダイエットでは筋肉を刺激して良く働くように仕向けることで基礎代謝が向上し脂肪の燃焼効果も高まります。スクワットであれば如何に腿裏や大臀筋・中臀筋といった臀筋群、そして背筋群を効率的に刺激し鍛えられるかが脂肪燃焼効率を高めカロリーを消費するかの限りになるわけです。

ヒップアップや美脚効果も!

スクワットはダイエット法としての機能的な効果もさることながら見た目の筋トレ効果としてもとても効果的な種目です。程よく盛り上がりまるみを帯びて弾力に富むヒップライン、細くも太くもなく程よく均整のとれた滑らかなレッグライン等はある意味女性らしさの象徴かもしれません。

いわゆる美脚・美尻効果といった点で腸腰筋・内転筋・ハムストリングを含めた身体の中心ラインを効果的に鍛えるため、スクワットを含む筋トレが貢献する役割は非常に大きいといえます。

特に臀筋群(大臀筋・中臀筋・小殿筋)や腿裏の大腿二頭筋等、尻周辺への効かせ方によりその効果は驚く程変わります。最近ではネット等でスクワットのやり方を指導する動画や参考記事もあることから、自分に合ったケガのない方法やスクワットフォームを見つけることも肝要でしょう。

体幹筋群への刺激

体幹トレーニングと言えば両手両足で身体を支えてバランスをとるというスタイルが一般的かもしれませんが、スクワットでもやり方次第で十分な体幹トレーニングになることをあなたはしっていますか。

体幹トレーニングは最近流行りのトレーニング法ですがまだ新しい概念ということもあり、学術的に確立された理論ではありません。腹筋・背筋といった表層筋への刺激と違い、体幹(コア:CORE)といわれる人間の胴体部にある深部筋に刺激がいけば体幹の運動としては成立します。

スクワットの場合、ウェイトを担いだ始動前のポジションから①身体を下げていく段階、②最も定位置での一瞬の静止、③身体を上げていく段階と3つの局面で身体全体を安定させる必要があります。

3つのいずれの段階でもお腹周りや背中をしっかりと安定させる機構が働くことで体幹筋群への十分な刺激が得られることから体幹への運動効果が高いといえるでしょう。

ウエイト重量が重くなればなるほど姿勢の維持は困難になりますが、逆にその状況を耐えつつスクワット動作を継続することで体幹への刺激は一層強まります。

スクワットの方法

スクワット2

スクワットにはフリーウェイト(重量)で行うもの、マシン(レッグプレス)で行うもの、さらに自分の体重のみで行う自重トレーニング等があり、また身体の沈み込みの仕方によってクウォーター(1/4)、パラレル・ハーフ(1/2)、フル(膝完全屈曲)等の方法があります。

筋トレ方法としてあなた自身の目的に合った方法を選ぶことで、継続性も高まり長い目でみてしっかりと効果が現れるでしょう。未経験者から経験者に至るまでスクワットの重要なポイントを示します。

未経験者

初心者はまずスクワットのやり方やその仕組みを学ぶといいでしょう。可能であれば自重のみでフォームを確認しながら行うと良いかもしれません。動きずらい場合長めの細い棒やウェイトバー(10~20kg)を担いでスクワットフォームを確認してみましょう。

筋トレメニューの1種として加えるというよりは2週間程の導入期間を設けることをお薦めします。そのフォームややり方に慣れる時間がある方が身体が徐々にスクワットの形に慣れていきケガの防止にも役立つからです。

重りより回数を、回数よりは動作フォームを重視して行いましょう。しっかりしたスクワットの形が出来上がることで目的としる部位への刺激とトレーニング効果が一層高まります。

中級者

数週間の導入期間の後、初級者で十分にスクワット動作に慣れてきたら次は本格的なウェイト(重量)を利用して行いましょう。ちなみにレッグプレス等のマシントレーニングではこの限りではありません。

まずは10回持ち上げられる重量を選定します。10回はおおよその回数の基本と考えても良いでしょう。さしたる根拠があるわけではありませんがちょうどキリが良いという程度のものです。人によっては5回とか7回でもいいでしょう。

中級レベルであれば最終目標はあなた自身の体重と同じ重量です。体重50kgの人であれば50kgの重量をを10回1セット上げらることが最終的な目標となります。それをクリアしたら重り(プレート)を増やしましょう。

徐々に挙上できるウェイトと回数を増やしていけばケガのリスクを最低限に抑えながら最大の効果を得ることが可能です。

上級者

上級者であればスクワットの形は完全にできていると考えていいでしょう。ケガや関節を痛める危険性も少なく挙上できる重量も相当な重さになるはずです。

目安の重量はあなた自身の体重の2倍程度です。60kgの人であれば120kgで10回1セットが無理なくこなせるように設定していくといいでしょう。

扱う重量があがってくれば当然関節にかかる負担も高まります。中・上級者では特にトレーニングのための様々なアイテムを利用して身体にかかる負担を軽減することも賢い選択です。

中でも特に有効なアイテムがトレーニングベルトです。腰に巻くトレーニングベルト(パワーベルトとも言う)高負荷重量を扱う際、お腹の腹空内圧を高め腰痛予防対策として効果があります。

バーをおろす高さと効果の違い

スクワットは身体を低くして身体を停止するレベルにより3つに大別されます。膝の曲がりが最も浅いものをクォータースクワット(1/4曲げるの意)、次いでハーフスクワット(1/2:パラレル)、最も低い状態をフルスクワットと言います。

この内最も馴染みの深いのがハーフスクワットです。膝の屈曲角度がおよそ直角(90度)、ハムストリングや臀筋群、そして大腿四頭筋にバランス良く効かせることが可能です。

フルスクワットは上級者レベルやボディビルダーが好んで行う種目です。特に大腿四頭筋への十分な刺激を得られるため魅せる筋力作りには効果的と言われています。

3種の下肢角度はあなた自身の運動する目的に合わせて選択することが重要です。おすすめはクオーターとハーフスクワットの中間、「これ以上下すときつくなりそうだ!」というポイントまで下すことです。角度にすると約70度くらいですが、骨盤を前傾させたパワーポジションでするとハムストリングや臀筋群がより一層の効果働くでしょう。

まとめ

美脚

スクワットはウェイトトレーニングの一種でありそのトレーニング効果は、ダイエットを含むシェイプアップ、アンチエイジング、さらに体幹(お腹周り)部への高い筋刺激効果をもたらします。

スクワットの基本姿勢としてパワーポジションがあります。パワーポジションを身に付けることでスクワットでよくある間違い(膝を曲げる・背中をまるめる等)を回避しケガのリスクを低下させることが可能です。

パワーポジションの基本肢位は骨盤前傾です。骨盤の位置を前方へ傾けることで姿勢の安定と体幹深部の筋肉達の働きが高まり脂肪燃焼効果が促進されます。

回数を重視する場合クォータースクワットを取り入れましょう。軽度負荷で回数を多くこなすことで心肺機能が向上しエネルギー消費の点から有酸素運動と同等の効果をもたらします。

スクワットはトレーニング種目として身体の裏側にある大筋群を効果的に鍛えます。美脚・美尻効果や姿勢改善も促され女性らしいプロポーション作りに役立つため、是非そのやり方やメカニズムを学び実践されてみてはいかがでしょう。

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