風邪の時に筋トレはしてもいいの?開始の目安や予防法を紹介!

ハードな筋力トレーニングを行っている人は、見た目はがっちりしていて健康そうなのに、普通に過ごしている人よりも風邪をひきやすいと言われています。

何故このようなことが言われているのでしょう?そして本当にそのとおりなのでしょうか?

そもそも筋力トレーニングとは?

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筋肉に適切な負荷(限界重量より少しだけ重く)をかけて、筋繊維を(適度に、微細に)損傷させます。

損傷した筋繊維は、修復する際に以前よりも少しだけ太くなります。これをひたすら繰り返すことによって、筋肉を太く大きくしていくのが筋力トレーニング(以下、筋トレ)です。トレーニングの方法によって、バルクアップ(筋肉量を増やす)とパフォーマンスアップ(筋肉の能力を向上させる)に分けられます。筋繊維に過剰な負担をかけると、筋断裂などの大怪我の原因になりますので、慣れるまではトレーナーに指導してもらうことをお勧めします。

バルクアップ、パフォーマンスアップどちらのトレーニングを行っても、結果的に身体に負担をかけるため、ハードにトレーニングを行えば行うほど一時的に免疫機能は低下します。

筋トレのメリット

なぜ人は筋トレをするのでしょう? 筋トレにはどんなメリットがあるのでしょう?

女性は、あまり筋肉を付けたくないからといって筋トレを敬遠しがちです。しかし、適度に筋肉をつけることには多くのメリットがあります。

ダイエット効果

筋肉量を増やすことで、基礎代謝(生命活動を行うために身体が必要とするカロリー、つまり何もしなくても身体が勝手に消費してくれるカロリー)が向上して太りにくい体質になります。

減量とリバウンドを繰り返す人は、筋肉量が不足している(基礎代謝が低い)可能性があります。さらに、筋肉が適度に付いた身体は健康的で美しい外観になります。

怪我の予防

筋肉が腱や関節の働きをサポートして、怪我をしにくくなります。日常生活を行っているだけでは、50歳を過ぎたあたりから急激に筋肉量が低下していきます。

基礎代謝が落ちて太りやすくなるとともに、筋力不足で怪我をしやすくなるため、50歳になる前から予防的なな筋トレが推奨されています。若者に交じってハードにトレーニングするのではなく、スクワットや腕立伏せなどの自重トレーニングでも十分な効果が得られます。

外観を若々しく

筋肉を修復する際に、テストステロン(男性ホルモン)や成長ホルモンなどが活発に分泌されます。成長ホルモンは、新陳代謝を活発にして若さを保つ働きがあります。テストステロンは、やる気を出し気分を明るくする作用があります。男性更年期障害の原因は、加齢によるテストステロンの急激な分泌減少による自律神経異常という説もあります。

また、筋肉で皮膚が引っ張られることによって、しわしわではなく、ピンと張った見た目に美しい肌になります。

強靭な精神を作る

はじめは持ち上げることのできなかった重量も、日々の積み重ねによっていつの間にか持ち上げることができるようになります。単純で辛い作業を長い期間繰り返すことによって、忍耐力が養われます。

脳の働きを活発にする

運動する習慣によって血流が良くなり、仕事や学習にとってプラスの効果があります。マイナス思考が減り、性格が明るくなるといった報告もあります。

筋トレのデメリット

「過ぎたるは及ばざるが如し」、何事もやり過ぎはよくありません。過剰な筋トレはデメリットを生じさせることがあります。

カタボリック

トレーニング過剰により、カタボリック(筋肉を分解してエネルギーにする状態)になりやすくなってしまいます。カタボリックになると、せっかくトレーニングして付けた筋肉が、分解されてしまいます。ハードにトレーニングする場合には、エネルギー補給を考慮して行いましょう。

冷え性

筋トレに熱中し過ぎて体脂肪を減らし過ぎると、体温の維持が難しくなります。身体が熱を保つことができずに、冷え性になってしまう可能性があります。

女性の男性化

女性では体脂肪率が10%を下回ると、生理不順や男性化(体毛の増加や攻撃性)が目立ち始めるようです。筋トレによるテストステロン分泌の増加と、体脂肪減少によるエストロゲン(女性ホルモン)の分泌減少の相乗効果によるものと考えられています。

ハンガーノック

高強度の運動を長く行う際にエネルギーが不足すると、低血糖状態になってしまいます。体脂肪は、いざという時にエネルギーとして使用することができます。その体脂肪を極限まで減らしてしまうと、体内に蓄えることのできるエネルギーが少なくなり、低血糖になりやすくなります。

マラソンランナーは、レース前にカーボローディングと言って大量の炭水化物を摂取します。これは一時的に、筋肉中に大量のグリコーゲンをため込むことによってハンガーノックを防ぐために考えられた方法です。

筋トレをすると風邪を引きやすいの?

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そもそも風邪というのはウイルス(まれに細菌)による感染症です。免疫力が落ちている時に感染しやすくなります。ハードなトレーニング後には、一時的に免疫力が低下します。そのタイミングで風邪をひいてしまうことが多いと言われています。

ハードなトレーニングをした後には、疲労回復に努めるとともに風邪をひかないように注意することが必要です。

風邪の時にトレーニングしてはいけない?

トレーニングはしない方が無難です。トレーニング中は体温も上がり、エピネフリン(アドレナリン)も分泌されるため気が付きませんが、(風邪を引いているため)通常の状態よりも身体への負担が大きくなっています。結果的に、トレーニング後にトレーニング前よりも体調が悪くなることが多くなります。

安静にしていれば2~3日で回復するような風邪でも、身体に負担をかけることによって長引いてしまいます。風邪の時に必要なのは休息です。しっかりと休みましょう。

トレーニング可能な体調判断の目安

一般的に、症状が首から上の場合にはトレーニング可能と言われています。つまり、くしゃみ・鼻水・軽い頭痛・微熱・喉の痛みなどです。

一方で、症状が首から下の場合にはトレーニングは中止して休息した方がよいとされています。つまり、咳・吐き気・筋肉痛・関節痛・発熱などです。

風邪を引いている時のトレーニング方法

集中力も体力も低下している状態なので、質の良いトレーニングを行うことは不可能です。セット数と重量を減らして、早めに切り上げないと風邪が悪化してしまいます。

身体に負荷をかけないトレーニングにどの程度の意味があるのか考えて、どうしてもトレーニングしたい場合のみ行うようにしてください。

ハードなトレーニングをしても風邪を引かないためには?

ハードにトレーニングする場合には、体調管理が重要になります。扱う重量が上がると、少しの油断で怪我をしやすくなり、疲労も蓄積しやすくなります。そのため、免疫力が低下しがちになります。現在の自分が、どの程度疲労しているのかを理解することが重要です。そのうえで、風邪の予防に効果的な方法をプラスすることで風邪をひかずに過ごせます。

手洗い

風邪予防の基本は手洗いです。ある研究によると、鼻と口に指を触れさせないだけで風邪の70%以上は予防できるそうです。帰宅後や複数の人間が触れた物を触った後には、必ず手洗いを実行しましょう。

アルコールによる消毒は一定の効果が見込めますが、ウイルスは死滅した訳ではなく手指上に存在します。物理的に洗い流すことが最も効果があります。

しっかりと栄養補給

偏った食事やジャンクフードの摂り過ぎは、免疫機能を低下させます。栄養の事を考えて、主食(炭水化物、たんぱく質、脂質)、ミネラル、食物繊維などをバランス良く摂る事が重要です。食事に置き換えてプロテインばかりを摂取していると、必要な栄養素が不足して風邪を引きやすくなります。

また、サプリメントを大量に摂取する方もいますが、サプリメントは名前の通り補助食品です。主食を摂らずにサプリメントを摂取しても、吸収効率が低くなり、表示されている通りの効果が得られないことがあります。

たっぷりの休息

ある研究では、睡眠時間を4時間に制限して1週間経過すると、免疫機能が50%以上も低下するという報告があります。適正な睡眠時間には個人差がありますが、十分な睡眠をとる事が重要です。各社がいろいろなアンケート調査を行っていますが、成人の場合、5.5~8.0時間は睡眠をとる事が推奨されます。

仕事などで忙しく、睡眠時間が少なくなってしまった場合には、全力でのトレーニングは行わず、強度を下げて疲労を蓄積させないようにしましょう。

体温を下げない

冷たい飲み物の飲み過ぎを避け、エアコンなどで過度に身体を冷やさないようにすることで免疫力を維持できます。気温が低くても、体温が維持できていれば風邪はひきにくくなります。

ガム・キャンディーなどで喉を乾燥させない

鼻は鼻毛や粘膜などで保護されていますが、喉は外気に曝されています。ガムやキャンディーなどで唾液の分泌を促進させ、喉を保護することも有効です。

まとめ

風邪を引いた時には、しっかりと休養を取ることが重要です。昔から「風邪は万病の元」と言う様に、こじらせると様々な大きな病気へと移行していきます。

筋トレは、有酸素運動ほど心肺機能への負担が少ないので、体調が戻ったら直ぐにトレーニングの再開が可能です。ただし、限界まで追い込んでしまうと、また免疫機能が低下して風邪がぶり返す危険性があります。様子を見ながらのトレーニングが賢明です。

よく言われることですが、「休養もトレーニング」なのです。

  
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