アドレナリンの出し方を3つ紹介!筋トレや恋愛が効果的?

「アドレナリンが出ましたね」と、スポーツ選手等がここ一番でいつも以上の力を発揮した時などに言っていたりすることがありますが、これはアドレナリンという脳内物質が体内に分泌されると、自分の限界を超えて力を発揮することが出来るからです。

俗にいう「火事場の馬鹿力」とは、アドレナリンが出るために想像を超えた自分の力が発揮されるのです。

では、アドレナリンとはどうすれば出るのでしょうか?アドレナリンが出やすいシーンや、意図的にアドレナリンを出す方法はあるのか?という疑問についても紹介します。

アドレナリンとは?

筋肉

そもそも、アドレナリンとは何でしょうか?どういった時にアドレナリンが出たというふうに言えるのかは、実際に体験したことのある人でないとなかなかわからないでしょう。

しかも、その感覚が実際にアドレナリンが発生した事によるものなのかどうかはれっきとした証拠が無いのでわかりませんよね。アドレナリンの全貌について見ていきましょう。

アドレナリンが出ると「火事場の馬鹿力」が出る理由

皆さんも、ここぞというとに「火事場の馬鹿力」が出たことはありませんか?

人間は恐怖を感じたり、緊張感を感じると副腎髄質という臓器から「アドレナリン」と言う脳内物質が分泌されます。

アドレナリンは「敵にいつ襲われるか分からない」そんな自然界で生き残るために備わった人間の脳内物質の一つで、「闘争と逃走のホルモン」と言われています。

アドレナリンが出ている時、体は興奮状態に入り、血管は拡張し、瞳孔は開き、呼吸は大きくなり、血中の酸素量が多くなります。

また、血圧や心拍数も上がり、血糖値が高くなります。

この一連の流れによって脳や身体のパフォーマンスが一時的に上がります。

これが「火事場の馬鹿力」です。

これは動物が進化の過程で生命の危険を感じた時にいつも以上の力を発揮して危機を脱出できるように供えられた力です。

鎮痛作用もあるアドレナリン

ある知人の話なのですが、彼はバイクに乗っていて信号待ちをしている時に車が一方通行の道を逆走してきて正面衝突される事故に遭いました。

その知人はバイクごと吹き飛ばされて、自分の骨が飛び出るくらいの重度の骨折を負ったのですが、その時の事をこう語っていました。

※その方は事故後2カ月ほど入院されていました。

「事故で骨折を伴う大けがをしたけどその時は不思議なほど痛みは感じなかった。
自分の骨らしきものも見えたけど、意識もしっかりしていて、意外に冷静で居られた。」

ものすごい痛々しい状況ですが、痛みを感じにくいのは、アドレナリンには集中力を高めるほかにも鎮痛作用があるからです。

生命の危険を感じている時は、痛みや恐怖を感じるよるよりも生命の危機を脱するほうが優先されます。

そのため、痛みを感じることでパフォーマンスが落ちないように鎮痛作用も備わっているのです。集中力やパフォーマンスも向上し、痛みも感じにくくするアドレナリンってすごいですね!

「ここぞ」の時に強くなるアドレナリン

あなたの周りの人にも、厳しい環境や条件になればなるほど力を発揮する人は居ないでしょうか?

スポーツ選手でも、重要な場面で、いつもよりすごい力を発揮する選手が居たりしますよね?

例えば、プロ野球の投手が剛速球で三振を取った時や、プロテニスプレイヤーが激しいラリーを制した時に大声で叫んだりしている時はアドレナリンが多く分泌されています。

そういう時は、いつもより凄いパフォーマンスが出ていないでしょうか?そういった人たちは、普段からアドレナリンをうまく使っている利用しているのかもしれませんね。

例えば、会社の中の優れたリーダー格の人も「仕事においては、緊張感が大事!」と耳にタコが出来るくらい言ってないでしょうか?

一般的に、緊張感があった方がいい仕事ができると思いますよね。アドレナリンは、そんな緊張感を作ってくれる脳内物質ですので、うまく利用したいですよね。

詳しくは、アドレナリンの作用とは?メリットとデメリットを紹介!を読んでおきましょう。

アドレナリンは神経伝達物質である

アドレナリンが生成される場所は脳みそだけだというイメージがありますが、実は血液内にも存在しています。腎臓に上部に存在している副腎髄質からも生成されて血液中に送り出されます。

しかしこれだけではアドレナリンは効果を高く発揮しません。脳の神経末端から何らかのストレスによって分泌されるアドレナリンがきっかけになって全身に信号が送られアドレナリンの効果が休息に高まります。

更に脂肪細胞に存在しているアドレナリンの受容体が神経と血液から送られてきたアドレナリンと結合して、エネルギーの源である脂肪酸を生成し運動パフォーマンスを向上させるのです。

アドレナリンはエピネフリンと同様のホルモンでもあり、神経伝達物質でもあります。アドレナリンの他にも、ドーパミンやノルアドレナリンなども同じく血液中を流れるホルモンと、神経系から走ってくる神経伝達物質の二つの作用を持った物質なのです。

アドレナリンはどこから出てくるのか

先程も紹介したように、アドレナリンにはホルモンと神経伝達物質の両方の性質の物があります。

神経伝達物質は脳内神経の交感神経神経節(脳から脊柱を通って各臓器や筋肉に繋がっている神経線維)から分泌されて信号を送ります。

ホルモンのアドレナリンは副腎髄質と呼ばれる、腎臓の上に乗っかっている三角帽子の様な器官から分泌されて、循環血液と一緒に体内に循環していきます。

神経伝達物質のアドレナリンは信号の役割が強く、短時間で瞬発的な力が発揮されます。血液中を流れるホルモンのアドレナリンにはその効果をより長時間持続させる力があります。

自分を限界まで追い込んでアドレナリンを出す

激しい運動をするとアドレナリンが出ます

それでは、どうしたら彼らの様にうまくアドレナリンを利用することが出来るのでしょうか?

今回はそのヒントになるように、アドレナリンの様々な出し方を解説していきます。

激しい運動をする

自分の限界を超えるような激しい運動をすると、アドレナリンが分泌されます。筋トレや短距離走、ベンチプレスや砲丸投げなど一瞬で全力に使う運動はアドレナリン分泌に向いています。

ジョギングやウォーキングなど負荷が軽く一定のリズムの運動ではアドレナリンが分泌されません。

ただし、激しい運動と軽い運動を交互に行うインターバルトレーニングの場合はアドレナリンの分泌が増えます。

テニスやサッカー、ラグビーなども良いでしょう。

非日常体験をしてみる

いつもと違ったことを体験してもアドレナリンが出ます。

不慣れな環境に敢えて身を置いて、自分の限界値に早く達することで、緊張感が増し、アドレナリンの分泌が促進されます。

遊園地などに行っている子供がはしゃいでいるのもこの状態が関係しています。午前中には楽しみすぎて、夕方には疲れ果てて両親の腕の中で寝てしまっているお子さんも少なくありません。自分の体力の限界まで遊んだり、騒いだりしてしまうそんな子供の様な精神を取り戻すこともアドレナリンを出すコツの一つでしょう。

たまにはいつもと違った新しいことに挑戦してみても如何でしょうか?

思いっきり大きな声を出してみる

部活などをやっていた人はチーム戦で相手チームと戦う前に円陣を組んで肩を組み、思いっきり大きな声で「オーー!」と叫んだことがあると思います。

この様に大きな声を出すとアドレナリンが分泌され、場の緊張感が高まると同時にそれによって選手各自のパフォーマンスが向上します。

軍隊などの高い緊張感が求められる集団でも声を使って緊張感を高めています。

カラオケも効果的

また、大きな声で歌うカラオケの曲も効果的です。

キーの高い曲を大声で歌っていると自然とテンションが上がりますよね。

思いっきり歌った後にスッキリするのもアドレナリンが関係しています。

また、カラオケの時に好きな歌を歌うと、今度はドーパミンという脳内物質が出て心が満たされた気分になります。

アドレナリンを出す呼吸法

スポーツ選手でもビジネスマンでも、呼吸を制するものがその場を制するとも言われています。それくらい呼吸は重要なのです。実際に呼吸は身体のあらゆる神経や作用に関係しています。

深呼吸をするだけでリラックス作用があったり、はたまた緊張したりストレスがたまっている時は呼吸はいつの間にか浅くなってしまっています。

ディープブレスと言って呼吸を深く長くする事で、集中力を高める効果もありますしスポーツマンが実践している火の呼吸という呼吸法もあります。

アドレナリンを出して、テンションを高める火の呼吸法について紹介します。

火の呼吸法

はじめは深呼吸をして、身体の姿勢を正してリラックスします。

次に1分間30回のペースで鼻から吸って鼻から吐く呼吸を腹式呼吸を意識しながら行っていきます。身体に無理に力を入れずに力を抜きながらも精神を統一していくことが重要です。

徐々にスピードを早くして1分間に100〜200回を目指して呼吸を早めていきます。あまり早めすぎると肺で酸素が処理できずに酸欠になってめまいがしてしまいますので注意してください。

へそ下の丹田(たんでん)に力を入れて、他の部位は力みすぎない状態で呼吸をすることが重要です。

この呼吸の効果で身体が奥底から温かくなってきたと感じれば成功です。

寒さも寒いと感じず、身体も軽く感じて、普段以上のパフォーマンスを目指すことが出来ます。しかし、訓練が必要で一朝一夕でできるものではありません。

ぶっつけ本番でやっても、力みすぎたり、視野が狭くなってしまう結果に終わってしまう事も少なくないので練習のタイミングからルーティーンに組み込んで、流れを掴むようにしましょう。

交感神経を刺激してアドレナリンを出す

熱いシャワーを浴びるとアドレナリンが出る

交感神経を刺激してアドレナリンを出す方法もあります。運動や呼吸法と違って簡単に行えるアドレナリンの出し方で、疲れる程に体力を消費してしまう方法ではないので、頭をシャキッとさせたい集中力を高めたいという人におすすめです。

42℃の熱いシャワーを浴びる

42℃以上の熱いシャワーを10分以上浴びると交感神経が刺激され、アドレナリンが分泌されます。42℃という熱い温度のシャワーは体を興奮状態に導きます。

熱いシャワーでないと副交感神経が刺激され逆にリラックス効果があります。温度は高ければよいというものではなく、交感神経の働きを高めるために42℃のシャワー10分以上を目安に長めに浴びましょう。

運動後のシャワーだけでなく、運動前に熱めのシャワーを浴びることによって事前にアドレナリンを分泌してパフォーマンスやダイエット効果を高める事も期待できます。

しかし、入浴して身体を温めすぎてしまうと逆にリラックス効果が高まって体温の低下とともに眠くなったり、身体の温め過ぎで体力を消費してしまって身体がだるくなってしまいますので注意してください。

カフェインを取る

カフェインを取ると交感神経が刺激され、アドレナリンの分泌が促進されます。

ご存じの通り、コーヒーは特にカフェインの含有量が多い飲料ですのでアドレナリンを出すのに向いています。

ただ、カフェインの取り過ぎは。睡眠障害や胃腸の不調などの様々なデメリットもあるので、コーヒーは一日に2~3杯までに抑えておきましょう。

ドキドキするシチュエーションでアドレナリンを出す

恋をするとアドレナリンが出る

ドキドキすることでアドレナリンを出すことも可能です。

恋をする

恋をすると、様々なホルモンと同時にアドレナリンも分泌されます。好きな人が目の前に居ると、緊張してドキドキしたり手に汗をかくのはこのためです。

恋をすると、その他にも、ドーパミンなど様々な脳内物質が分泌されます。

恐怖体験(絶叫マシンなど)

ジェットコースターなど絶叫マシンに乗るとスピードが出ている時は、すごく緊張しているとともにテンションが上がった状態になりますよね。

これは身の危険を感じる事によってアドレナリンが分泌されるためです。他にもバンジージャンプやスカイダイビング、といった絶叫体験でもアドレナリンが出ます。

例えば、ものすごく高い橋桁からバンジージャンプするときに大きい声を出していますよね。
そんな時はアドレナリンがものすごく分泌されています。

サーフィン、ウインドサーフィンスキーやスノーボードなどスピード感のあるスポーツもアドレナリンが出ます。

※安全に十分に注意しましょう

アドレナリンは出しすぎ注意

アドレナリン

しかしながら、アドレナリンの過剰分泌は心身を常にストレス状態に置くことになるので様々なマイナスの影響もあります。

常に緊張しているので、イライラしている状態が続き、落ち着かないので不眠の原因にもなります。また、日常生活でアドレナリンが過度に出ている状態が長く続くとうつ病などの原因になります。

アドレナリンの過剰分泌は鬱病の原因にも

うつ病の原因の一つとして、アドレナリンなどの脳内物質を脳内の受容体がうまく受取れない状態になっているのが原因の一つと言われています。

アドレナリンが分泌されたら、それを沈めてリラックス状態を作るセロトニンが分泌が必要になります。

アドレナリンもセロトニンもどちらも必要な脳内物質なのでバランスを取ることが重要です。

セロトニンも出してバランスを取りましょう

アドレナリンは「恐怖」や「緊張」を感じると分泌されるホルモンです。

一時的に普段以上のパワーを発揮しますが緊張や恐怖の状態が長く続くと、今度は逆に不眠や消化器官やお肌の不調、免疫力の低下などのデメリットがあります。

その為、アドレナリンを分泌する必要が無くなると、「緊張」や「恐怖」を取り除き心身のバランスを保つためにセロトニンという脳内物質が分泌されます。

セロトニンは精神の安定を促し、夜はメラトニンという睡眠ホルモンに変化します。そのため、メラトニンがうまく出ていると精神が安定し、睡眠の質も向上します。

アドレナリンの効果は4分

アドレナリンが放出されている興奮状態にも限界があります。感情の高まりによって、怒っているときや悲しいときなどそのピークは4分以上は続きません。瞬間的な最高沸点では6秒ともいいます。

身体への負担や、精神的な摩耗が大きいアドレナリンを分泌しての効果はそう長く続きません。どんなに無理をしても4分以上続かせることが難しいですし、逆に繰り返しアドレナリンを短時間に排出する行為を繰り返していると、後に身体の故障や声帯への影響、気が抜けた時に免疫力が急激に低下して風邪を引いたり感染症になるなどの問題が発生しやすくなります。

アドレナリンが放出されている時間が長いほど、身体は無理をし続けている状態ですのでそのことを念頭に置いてきちんと身体と神経を休ませて上げてください。

まとめ

アドレナリンを出すポイントは以下の4つです。

  • 自分を限界まで追い込む
  • 交感神経を刺激する
  • 興奮するシチュエーションに身を置く
  • 敢えて空腹の状態にする

冒頭の方でご説明させて頂きましたが、アドレナリンは緊急時に生命の危険を回避するという目的が働きの一つなので、自分の限界を超えるシチュエーションを作ったり、非日常な状態を作ったりして、緊張感を高める必要があります。

それに加えて、パフォーマンを上げたい活動時の少し前に交感神経を刺激するとアドレナリンが分泌されやすくなるので良いでしょう。

ただ注意点として、生活にメリハリをつけ、アドレナリンが必要でない時は十分な食事と休息を取り、リラックスや質の良い睡眠を十分に取ることです。

アドレナリンは正しく使い、快適なアドレナリンライフを楽しみましょう!

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