サーカディアンリズム(概日リズム)とは?乱れるとどうなる?

「サーカディアンリズム」という言葉をご存知ですか?ちょっと聞きなれない、という方もいらっしゃるかもしれません。「サーカディアンリズム」これは約24時間周期のリズムのことを指し「概日(がいじつ)リズム」ともいいます。

サーカディアンリズムは、体内時計によって動かされています。睡眠と覚醒のように1日の昼と夜で変わる現象に、大変深くかかわりがあります。この体内時計が乱れると睡眠に影響がでたり、体調やメンタルに影響がでたりします。

そこで今回サーカディアンリズム、体内時計、そして睡眠についても詳しく調べてみました。質の良い睡眠をとるためにもぜひ参考にしてくださいね。

サーカディアンリズムとは

手の上の地球

サーカディアンリズムは日本語では「概日リズム」と呼ばれます。

1日の周期、約24時間周期のリズムを指します。ラテン語で「サーカ」が「約」、「ディアン」は「1日」という意味なので文字通り「約1日のリズム」ということになります。

人間にはもともと、身体のリズムを整える「体内時計」が備わっています。これは生体リズムといって、人に関わるあらゆるリズムを整えるものです。例えば呼吸や拍動、女性の月経、自律神経活動リズムなど分単位、時間単位、日単位、月単位と速さの様々な生体リズムがあります。

24時間のリズム

この中でも24時間周期、つまり1日のリズムがサーカディアンリズムです。24時間周期のリズムは、人だけではなく単細胞生物にも備わっています。サーカディアンリズムを動かすのは人間に備わっている「体内時計」なのです。

最近の研究によると、体内時計細胞では時計遺伝子といういくつかの遺伝子が「時計たんぱく」を合成し、それらが結合したり分解されたりすることを24時間周期で繰り返していることがわかりました。

体内時計の概日リズム信号が生じるのは、こういった遺伝子活動によるものであると考えられています。

体内時計とは?

では体内時計は身体のどこで調節されているのでしょうか。人の体内時計の中心となるところは脳の視床下部にある部位、視交叉上核(しこうさじょうかく)で調節されています。この視交叉上核が生体時計として働くのです。

人の体の臓器ほぼすべてに体内時計があり、その中心を担っているのが脳にある視交叉上核です。

実は人間の体内時計は24時間ではなく25時間といわれています。24時間という地球の周期とは少しずれているのです。

時間の手がかりがなく、朝昼夜のわからないところで過ごしたときの1日の時間、これを「自由継続」または「フリーラン」といいます。

自由継続とは?

自由継続の時間は、生物それぞれで固有です。この自由継続に従って生活していると、地球の周期24時間とはだんだんずれていってしまいます。今が朝か昼か夜か、など時間を知ることができず、光の入らない暗い部屋で過ごすと、体内時計はリセットされないままとなります。そして寝る時間がどんどんずれていってしまいます。

自分で朝だと思って起きても昼だったり、そのうちそれが夜になったりしてしまいます。これを防ぎ24時間のサーカディアンリズムにしていくにはどうすればいいのでしょうか。

人が自由継続ではなく24時間のリズムで過ごすためには「同調因子」というものがかかわっているのです。

同調因子とは?

では同調因子とはどういうものなのでしょうか。まず挙げられるのが「太陽の光」です。

そのほか私たちが普段送る通勤や通学など社会的生活、起床など規則正しい生活や時間の確認、食事、運動などが挙げられます。毎朝、例えば6時に起き太陽の光をしっかりあびる、そして食事もきちんと起床1~2時間後に摂る、夜は明るい光を浴びないという生活をすることで、正しいサーカディアンリズムを得ることができるのです。

最も大きな同調因子は「明暗サイクル」で「太陽の光」です。これは人間だけではなく他の生物にも当てはまります。朝、太陽の光が目に入る、そして太陽の光を浴びることで視交叉上核が刺激されて体内時計はリセットされるのです。

明暗サイクルは地球の自転に支配されているもので、こういったリズムを「外因性リズム」といいます。

サーカディアンリズムと睡眠の関係

眠る女性

サーカディアンリズムと睡眠には深い関係があります。24時間のうち「朝起きて昼活動する」「夜は眠る」というリズムを人は繰り返しています。この睡眠リズムは、サーカディアンリズムによってコントロールされています。

そして睡眠リズムにはセロトニンとメラトニンという2つの物質が大きくかかわっています。

また睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という睡眠が交互に出現する「睡眠サイクル」があります。これらのことについて詳しくみていきましょう。

セロトニンとメラトニン

睡眠リズムには2つの物質がかかわっています。その「セロトニン」という脳内物質と「メラトニン」というホルモンです。それぞれどういったものなのか見てみましょう。

セロトニンは朝分泌される

なぜ朝太陽の光を浴びると、サーカディアンリズムにとっていいのでしょう。朝、太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされるのです。その時脳内の神経伝達物質である「セロトニン」が分泌されます。

セロトニンが分泌されてくると、自律神経に働きかけます。そして交感神経を刺激するので体温が上がり心拍数も増加します。また脳も働きが活発になってしっかり覚醒されます。

昼間、人が活動している間はセロトニンが分泌されますが、夕方になるに従いだんだんと分泌量は減少していきます。

メラトニンは眠りのホルモン

メラトニンは脳の「松果体」という部位で分泌されます。「睡眠ホルモン」とも言われ睡眠に深いかかわりをもっています。夕方になってセロトニンが減っていくと、今度はメラトニンの分泌がだんだん盛んになります。起床後、14時間から16時間後に最も多く分泌されています。

メラトニンの分泌によって体温が低下し、脈拍数も減っていきます、そして血圧も低くなっていくのです、このように身体が眠る準備を始めるのです。

メラトニンが分泌されるのも、朝太陽の光を浴びた情報が「視交叉上核」に伝わり、松果体に伝わったことによるものです。朝、太陽の光を浴びることがいかに大切であることがよくわかります。

レム睡眠とノンレム睡眠

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」といって2種類の睡眠があります。この2つの睡眠を人は眠っている間に繰り返しています。

簡単に説明すると「レム睡眠」は身体を休ませ、「ノンレム睡眠」は脳を休ませる睡眠です。レム睡眠の時は体温は上昇します。ノンレム睡眠の時には体温が下がるので、レム睡眠からノンレム睡眠に移る間深い眠りが訪れるのです。

睡眠サイクル

人は眠ると最初に深い眠りが訪れます。これは「徐波睡眠」と呼ばれます。だいたい90分から100分というサイクルで、レム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されます。ノンレム睡眠からレム睡眠に入る90分から100分の時間単位を「睡眠単位」と読んでいます。

睡眠時間が6時間という人は睡眠単位を4回繰り返しているということになります、

ノンレム睡眠は睡眠の後半には浅くなっていきます。こうして起床時間の覚醒へと向かっていきます。

レム睡眠

レム睡眠とは「Rapid Eye Motion」の略で、これは「急速眼球運動」を意味します。眠っているけれど、まぶたの下の眼球がきょろきょろと動いている状態です。これは睡眠に入っておよそ90分後に出現します。

この眠りの時、脳は覚醒時に近い状態です。一方、身体は休息しており弛緩しています。この睡眠は全部の睡眠のうちおよそ20%を占めるといわれています。レム睡眠の間は体温が上昇し、血圧心拍数も上昇しています。

眼球が動いているレム睡眠の時に起こすと大抵の人が夢をみていた、と答えると言われています。またレム睡眠の時に起きると体温は上昇しているので、目覚めはよくすっきり起きることができます。

ノンレム睡眠

一方ノンレム睡眠は「脳を休ませて体をメンテナンスする睡眠」です。眠りのうちのおよそ80%を占めています。

ノンレム睡眠の間は身体の生理的な機能はすべて低下しています。つまり体温・血圧・呼吸数・心拍数、さらに脳内活動も低下していて体を休ませているのです。

ノンレム睡眠は深い眠り、と認識されることが多いのですが実は眠りの深さで4段階に分けられます。浅めのノンレム睡眠もあるので、必ずしもノンレム睡眠が深い眠りとはいえないのです。

第1段階

まどろみ期といわれます。睡眠は浅く、うとうとしている状態です。周囲の状況もなんとなく把握できます。

第2段階

いわゆるスヤスヤ眠りに入るころです。椅子に座って寝ていると時々頭がカックンとなるような状態です。

第3・4段階

この段階は深い眠りです。第4段階は「徐波睡眠」といわれる深い睡眠です。脳は休息状態なので、起こしてもなかなか起きることができず、起きたとしてもぼんやりしています。

この徐波睡眠に入っている時に「成長ホルモン」が分泌されます。成長ホルモンは、文字通り体の成長を担うホルモンです。そのほかに身体の疲労回復や傷ついた細胞を修復する働きもあります。

そしてこの眠りの間、脳は休息をとっています。起きている間に経験した不快な出来事や不愉快な出来事など、不要な情報を取り除くのです。

このように人はサーカディアンリズムという24時間の周期的リズムで、睡眠と覚醒を繰り返しています。そして睡眠の中でもレム睡眠とノンレム睡眠という睡眠のリズムを繰り返しています。その睡眠サイクルにはセロトニンとメラトニンという2つの物質が大きくかかわっているのです。

サーカディアンリズムが乱れるとどうなる?

居眠り

人は24時間のサーカディアンリズムに睡眠と覚醒を繰り返しているということがわかりました。

しかしサーカディアンリズムが何かのきっかけで乱れると、どういうことが起きてしまうのでしょうか。乱れとは、体内時計と24時間の周期とのズレが修正されなくなることで、このことによって生じる睡眠障害があります。

代表的なのが時差ボケです。3時間以上時差のある国に旅行に行ったときに生じます。これは「概日リズム睡眠障害」といいます。時差ボケ以外にも、交代制勤務の影響によって生じることがあります。

また睡眠とサーカディアンリズムの概日リズム機構が乱れると、気分の調節にも影響が出てうつ病などの原因となるという可能性もあると言われています。

概日リズム睡眠障害

体内時計の周期と24時間の地球の周期とずれは、同調因子で調節され修正されているということは先ほど説明しました。しかし、このずれが修正できなくなると、だんだんと本来寝るべき時間に眠れない、起きられないということが生じます。

それでも無理に起きて活動すると眠気を始めとして倦怠感や頭痛、食欲不振などの不調が生じます。
こういった24時間周期に同調できなくなって生じる障害を「概日リズム睡眠障害」といいます。そのほか「睡眠リズム障害」「覚醒リズム障害」と呼ぶこともあります。

「時差ボケ」のほか、夜中に起きていなければならないような、交代勤務の仕事など「交代勤務睡眠障害」があります。

高血圧になることも

サーカディアンリズム、つまり体内時計が乱れることで高血圧になることもあります。血圧も自律神経の働きにおり日内変動をしています、つまり朝は交感神経優位となっているので血圧は上昇し、夜になると副交感神経が優位となって血圧は下がっていきます。そして熟睡している時間、もっとも血圧は下がっています

しかし、サーカディアンリズムの乱れによって血圧の低下が少なく、または高くなることがあります。

心筋梗塞や脳卒中の危険性も高まることがあると言われています。よく眠れなかったり昼間も眠い、そして夜血圧が高いという方は、サーカディアンリズムが乱れているかもしれません。

サーカディアンリズムが乱れる原因

睡眠そして、健康にも大きくかかわるサーカディアンリズム。これを乱す原因には何があるのでしょう。

勤務形態によるもの

例えば深夜勤務、また昼夜問わず不規則に勤務する仕事についている人は体内時計が乱れやすくなります。寝つきが悪くなる、目がすぐに覚めるなどの症状がでます。

夜遅い時間にブルーライトを浴びる

パソコンやスマートフォンからはブルーライトという光がでています。ブルーライトを夜遅くまで浴びたり見つめたりすることは、サーカディアンリズムを乱すと言われています。ブルーライトは太陽の光にも含まれています。

ブルーライトを発するものは例えばスマートフォン、パソコンなどのLEDディスプレイです。夜中にブルーライトを浴びると、睡眠の質は低下してしまいます。

またメラトニンの生成が抑制されてしまうこともあります。それだけではなく、自律神経の乱れや免疫系統、内分泌系にも影響を与える恐れがあります。

夜更かしなど生活時間の乱れ

夏休みなど、夜更かしをして毎日午前4時に寝て昼頃起きるという生活を続けているなど、本来の睡眠時間帯が遅くなっているとサーカディアンリズムが乱れます。

そのほか朝食をとらなかったり、食事時間がまちまちだったりすることも乱す原因となります。朝、太陽を浴びない生活を続けることもサーカディアンリズムが乱れていく原因となります。

サーカディアンリズムを乱さないようにするには

朝日

睡眠の質だけでなく健康にも大きくかかわるサーカディアンリズム、これを乱さないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。

朝は太陽の光をしっかり浴びる

朝起きてまず太陽の光を浴びること、これが一番大事です。毎朝同じ時間に浴びると効果的です。

曇りの日や雨の日だと太陽光は晴れの日の1/100程度の光の量ですが、それでも蛍光灯に比べると明るさはかなりあります。天気が悪くても外にでると効果があります。

カーテンも閉め切らず朝の光が寝室に入るようにするのも、いい方法です。仕事の時も昼休みは外に出ることを心がけるといいでしょう。

夜はなるべく光を浴びない

そして夜は明るい光を浴びないようにしましょう。とはいえ現代の生活ではなかなか難しいかもしれません。

夜は浴びないほうがよいブルーライトですが、朝ブルーライトを浴びることで脳に朝だということを判断させることができます。

夜、どうしても仕事でパソコン作業する人やスマートフォン、携帯電話で連絡する人もいます。そういった方はブルーライトカットのめがねを使うなどの対策をするといいですね。

夜間働く人は

仕事の種類によって、夜勤がある方もたくさんいらっしゃいます。良質の睡眠をとるには夜、仮眠をとることやカフェインを摂ることも効果的だと言われています。また夜勤中は、強めの光を浴び体内時計を夜勤の生活リズムに同調させるようにします。

夜勤が明けて、家で眠る時は睡眠環境を暗めにするといいでしょう。また周りの音が気にならないように耳栓をするのもおすすめです。

まとめ

朝の女性

人をはじめ、あらゆる生物には生体リズムがあります。その中の約24時間のリズムがサーカディアンリズムです。人はこの24時間周期に合わせて睡眠と覚醒のサイクルを繰り返しています。

サーカディアンリズムを整えることは、質の良い睡眠をとるためにも大事なことです。それにはまずしっかり太陽の光を毎朝同じ時間に浴びる事が大切です。そして規則正しい時間に食事をとることです。このことによって、覚醒時に分泌される「セロトニン」そして睡眠ホルモンといわれる「メラトニン」がきちんと分泌されるのです。

サーカディアンリズムは24時間明るい現代社会の生活をしていると、乱れやすいものです。だからこそ、良質の睡眠と健康のためにも整えるように心がけたいですね。

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