疲れているのに眠れない、布団に入ってもなかなか寝付けない、そんなことありませんか?もしかしたらそれは入眠障害かも知れません。
入眠障害についてと対処方法をご紹介します。
入眠障害とは?
入眠障害とは布団に入ってから30分以上寝付けない睡眠障害の一種です。
睡眠障害には
・入眠障害
・熟睡障害
・途中覚醒
・早朝覚醒
などさまざまな睡眠障害がありますが、この中で一番多いのが「入眠障害」です。
一般的に人は布団に入ってから眠るまでに15分程度かかると言われています。その時間は個人でもさまざまです。体調によっても、すぐに眠れる時や1時間以上かかるときなどあるでしょう。ただ単に30分以上眠れないのではなく、そのことに関して非常に大きな精神的苦痛があるかどうかが大きなポイントです。
時間がかかっても眠るまでにストレスを感じなければ、入眠障害と言えない事もあります。
入眠障害の原因
では、どういう原因が考えられるのかを紹介します。
ストレス
仕事でのストレス、対人関係でのストレス、様々なストレスを抱えて生きていると思います。考え事をしていて眠れないという経験は誰しもありますよね。眠らなければ、と焦れば焦るほど眠れないものです。ストレスやマイナス思考は交感神経を乱し、入眠の妨げになります。
また、今日も眠れなかったらどうしよう、などのプレッシャーもNGです。出来るだけ緊張や不安な状態を避け、リラックスした状態でベッドに入りましょう。
睡眠環境
テレビの音や外の騒音、そういったものが入眠を邪魔してる可能性があります。また枕元の照明が明るすぎたりすると眠れなくなる原因の一つになります。
人は眠くなるとメラトニンという睡眠ホルモンが分泌されます。このメラトニンは日中は自動的に抑えられる性質があるため、明るい光を浴びると分泌量が少なくなります。
眠気を誘うためにできるだけ寝る前の数時間はテレビ等を見るのは控えましょう。どうしてもという場合はその照度を下げる等して身体を睡眠モードにするのが良いです。
体内時計のズレ
昼と夜が逆転していたり、眠気が本来眠る時間より遅かったり早かったりする状況です。
一般的な人は夜眠って朝起きるという生活をしています。身体もそのように出来ていますが、夜勤やシフト制の仕事などの影響でこれがズレてしまい、眠りたい時間に眠れない状況になります。
一度ズレた体内時計を元に戻すことは簡単ではありません。少しでもおかしいな、と思ったら病院を受診するなどして、早めに修正すると良いでしょう。
入眠障害の対処方法は?
では次に対処方法を紹介します。
規則正しい生活
入眠障害は何かをすればすぐに改善するものではありません。一進一退を繰り返し、治っていくものです。
朝起きて太陽を浴び、三食きちんと食事を取り、夜暗くなったら眠る、当たり前のことですが、文明の発達によってこれらの行動をすることが難しくなっている人が多くいます。
規則正しい生活を送ることは体内時計の修正を行うことにもなりますので、毎日同じ時間に寝て起きることを心がけましょう。
リラックス
寝る前にリラックスすることもとても重要です。ゆっくりお風呂に入ったり、ホットミルクやハーブティーなどを飲んでリラックスを心がけましょう。
お気に入りの音楽を聴いたり、抱き枕など自分なりの睡眠アイテムを用意し眠りやすい環境を作ることも良いですね。ただし、リラックスできるからと言って過剰すぎるアルコールとカフェインは睡眠の妨げになってしまいますので摂取する際は注意が必要です。
光を避ける
寝る前にはついつい携帯電話やテレビ、パソコンなどを使用してしまうと思いますが、これらは出来るだけ控えるのが良いでしょう。
睡眠を促すには副交感神経が必要ですが、明るい画面は副交感神経とは逆の交感神経が活発化してしまいます。脳への刺激が強く覚醒してしまうのです。
また、照明が明るすぎるのも同様です。就寝の1時間前くらいには部屋を暗くして、または暖色系の照明に切り替えて、脳を睡眠モードへ導くのもお勧めです。
適度な運動
日中に適度な運動をして身体を疲れさせるのは、自律神経の修正にも効果があるといわれています。日ごろからデスクワークが多い人などは運動不足になりがちです。軽いウォーキングやストレッチなどの有酸素運動が良いと言われてます。
ただし寝る前の激しい運動は体温が上がりすぎ逆に寝つきが悪くなります。2~3時間前までには運動を終わらせて、体温が下がるタイミングで布団に入ると眠りやすくなります。
病院へ行く
心療内科、精神科、メンタルクリニックなど最近ではさまざまな科がありますが、睡眠に関してはどの科を受診しても大丈夫です。
その他の睡眠障害やうつ病など、自分では思ってもいなかった別の病気が見つかるかも知れません。辛い症状が続くようであれば迷わず病院を受診しましょう。
近年、メンタルクリニック等は増えて受診もしやすくなっています。仕事終わりに受診できるような病院もあります。敷居が高い、と思わずに受診することをお勧めします。
カウンセリングなど人に話を聞いてもらったりして、ストレスを解消することも良いと思います。また、時には睡眠薬などの薬を用いて、改善していくのも良いでしょう。
ただし、人によっては副作用など辛い症状もあると思いますので信頼できる医師に相談しましょう。
他の疾病の可能性
入眠障害が他の病気により起きていることもあります。どのような病気があるか症状などを知っておきましょう。
うつ病
うつ病のほとんどの場合が、眠れない入眠障害を始め、途中覚醒、早朝覚醒など何らかの不眠症を伴います。
その他の症状として、食欲不振、無気力、体重の減少、頭痛や眩暈などの症状が現れ、日常生活を送るのが非常に困難になりますので早急に病院を訪れましょう。
パニック障害
パニック障害とは突然、激しい動悸がしてこのまま死んでしまうのではないかと思う不安に襲われる病気です。
この不安が眠る前、または眠った直後に起こると「眠ったらまたパニック発作が起こってしまう」と入眠障害を起こすことことがあります。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
いわゆるトラウマと呼ばれるものです。精神的、肉体的ななショックや恐怖で心に傷を負ってしまいます。
このトラウマには何の前触れもなく記憶が蘇るフラッシュバックが起こり、それは夢に現れることもあります。そのため入眠障害を伴うことがあります。
むずむず脚症候群
寝る前やくつろいでいる時、しばらく座っている時に、ふくらはぎや足の甲にむずむずした感触やほてりがあり、むずがゆく眠れなくなる病気です。眠ったあとも違和感ですぐに目覚めたり、熟睡できなかったりします。
この病気は脳のドーパミンの働きが正常でないことが原因で、ドーパミンの生成には鉄分が関係していることから、鉄分不足の女性に多くみられます。
少なくとも週3以上このような症状が続く場合は病院へ行くことをお勧めしますが、新しい疾病のため認知度が高くありません。別の疾病と診断され改善されない方も多くいます。足を動かすことで症状が緩和されるようです。むずむず脚症候群については、むずむず脚症候群の原因とは?ストレスや運動不足に注意!の記事を読んでおきましょう。
その他にも睡眠時無呼吸症候群、統合失調症、不安障害などさまざまな疾病が影に潜んでいる可能性がありますので、1ヶ月以上の長い入眠障害がある場合は病院を受診しましょう。
まとめ
入眠障害についてご紹介しました。一度ずれた睡眠リズムを戻すことは大変時間がかかりますので、焦らず治療していくことが大切です。
自分なりのリラックス、そして時には薬やカウンセリングなど医師の力を借りて徐々に直していきましょう。
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