立ち仕事のむくみを解消する方法を紹介!靴選びで疲れが変わる?

立ち仕事といえば何時間も立ちっぱなしの印象が強く、できればやりたくないと思うかもしれません。辛い・疲れる・怠い等立ち仕事に対するイメージは決して良いものではないですね。

仕事中に休憩があるとはいえ、長らく習慣化してしまった身体はなるべくその仕事に慣れようと少しでも“楽”な姿勢や、(仕事中に)身体の休ませ方を身に付けるものです。

立ち仕事を続けることは決して身体によくないことはわかっていても、果してどこがどのように良くないのかといった具体的なイメージは浮かびません。身体への変化を知ることで立ち仕事対策も見つかりやすいことを考えれば、知っておくべきことは多いでしょう。

本稿ではこの立ち仕事に対する体の変化について検証し、疲労を改善させるまたは未然に防ぐ立ち仕事に深く関わる体対策について迫ってみます。

最後までお読みになればあなたが今までいただいていた立ち仕事のイメージが変わり、若々しく颯爽と動けるためのヒントが見つかるかもしれません。

立ち仕事による身体の変化

立ち仕事

人は立ちっぱなしでも座りっぱなしでも身体によくはありません。元々何時間も同じ姿勢を維持し続けるというのは身体に負担がかかって当然です。

ただそうは言っても、仕事中にその任務を放棄するわけにもいかないでしょう。だとすれば継続任務をこなせるだけの要素を持ち合わせることが何よりの近道です。

立ち仕事の種類

立ち仕事の場合、立ちっぱなしとは移動して場所を変わっている状態と、その場で何時間も同じ姿勢を維持し続けるという2つがあります。前者は歩く分だけエネルギー消費量も高く、筋肉が動くために程よく全身状態を保つことができます。

一方後者はその場でその姿勢を維持するといった正直想像以上に辛い状況なのかもしれません。前者は倉庫内作業であるとか、美容師・理容師、看護師・医師等の医療従事者のケース等があります。後者は警察官の立番や警備員の仕事がすぐに思い浮かぶでしょう。

接客業、例えばキッチンでの調理やホール係、スポーツ観戦やコンサート等でのチケットの確認業務等は、その場で動いて他の場所に移ることはほとんどありませんが、それでもまったく動かないというのではなく、ある程度の範囲内であれば動けるでしょう。

体への負担

いくら休息があるといっても就業時間(4~8時間)中の立ちっぱなし状態は身体への負担も大きくなります。身体全体の疲労は元より、筋肉疲労も起こり筋肉が硬くなりやすくなったり、腰痛の原因ともなるでしょう。

女性であれば立ち仕事は血行や血流の減収に繋がるため、特に足の浮腫みを発症し下半身が重だるくなったりもするはずです。筋肉の機能で身体全体を維持することが困難となるため、姿勢も悪くならざるを得ませんし、面積としてはそれ程大きくない2つの足裏で体を支えるため、足底の負担もかなり大きくなるでしょう。

重力の影響なし!?脚は“第二の心臓”

ふくらはぎ

脚は第二の心臓と呼ばれるほどそのポンプ機能は重要な役割を担っています。特にふくらはぎには中心を流れる深部静脈(しんぶじょうみゃく)と皮下を流れす表在静脈は、心臓へ血液を戻すために二つの機能を有し血流を常に一定化させています。

脹脛には後部に腓腹筋やヒラメ筋といった比較的大きな筋肉が、そして外側部には長短腓骨筋等がつき内側部の脛骨と前後左右から深部静脈や足先に向かう神経を守っています。

血液やリンパ液、そして体内水分は地球の中心に向かって働く力(重力)の影響で下へ下へと流れていきます。そうした液体は重力があるため下方向へは流れやすいですが、動脈で足の先端に運ばれ酸素と二酸化炭素を含むガス交換が行われた血液は、静脈を通って心臓に戻らなくてはなりません。

下から上(心臓まで)に送るためのポンプの役割を果すのが、下肢静脈内に存在する逆流防止弁(静脈弁)と下肢筋肉なのです。足を動かすと腓腹筋やヒラメ筋が収縮し静脈が圧迫されて血液が上に流れ、筋肉が弛緩することで静脈は広がり血液を吸い込みやすくしています。

足の浮腫み・痛みは要注意

こうした筋肉と逆流防止機能によって血液は一方向にしか流れず下から押し上げられるようにして心臓に戻っていくわけです。従って足の動きがない状態では下肢筋肉と静脈弁の働きが鈍ってしまい“第二の心臓”としての役割を果せなくなってしまいます。

またこうした機能不全は加齢の影響を受け一層その悪化が進行する場合もあります。立ち仕事では足を動かす(足首の運動)機会が制限されることになり、筋肉の収縮弛緩が減少します。血管も年齢と共にその柔軟性がなくなり硬くなり、また血中のコレステロールや中性脂肪が増えて詰まる確率も高くなります。

血液の粘性度が増し、血管壁の硬度下・柔軟性の低下、そして静脈弁が機能しないと血管に詰りが生じます。特に下肢で起こりやすいこうした病態を下肢静脈瘤と呼びます。足の浮腫みがひどく痛みや不快感が伴うため仕事や日常生活に支障をきたす状態となります。

疲労の仕組み

立ち仕事によって発生した疲労は血液中に増える疲労物質によって引き起こされます。長時間の立ち仕事や激しい運動、もちろん家事やデスクワーク等で引き起こされる疲労の原因は諸説あると言われていますが、中でも現在は2つの説が有力視されています。

痛みを発症させる物質が原因とする説は近年多くの研究者によって支持されています。激しい動作や慢性的な動きによって傷ついた筋繊維(筋肉を動かすたんぱく質の層)や周辺組織が回復へ向かう際、(腫れ・痛み・熱・機能障害といった)炎症を引き起こす際に発生する物質が有力です。

ヒスタミン・セロトニン・ブラディキニンを主とする物質が筋肉を覆う膜である筋膜を刺激するために痛みを発症するとされています。

筋肉は使い過ぎれば酸素の供給が間に合わず、エネルギー源であるブドウ糖がしっかりと燃えてくれません。その際、燃え残った残留物として疲労物質である「乳酸」が筋肉に溜まり毛細血管を通して血液中に流れ出ます。血液中の乳酸が一定量以上増えると筋肉は活動することができません。

この乳酸原因説は最近になりその解釈も少しずつ変わってきましたが、依然として疲労の主な原因とする研究者も多いことは事実です。

立ち仕事のお役立ちグッズ

着圧ソックス

様々な仕事がある中で立ち仕事が業務の大半を占める場合、如何に身体を疲れさせないか、また疲れた体を如何にして早期に回復させるかは重要な課題でしょう。

そこで身体のケアや体調を整える快適グッズ等が最近注目されています。

対策グッズ:着圧ソックス

適度なマッサージ効果、それでいて程よい圧力を動くときに感じる最近人気の着圧ソックスは元々医療用として開発されたソックスでした。別名マッサージソックスとも言われるこうした商品はむくみを防止して細くすっきりとした脚でいたいという女性のニーズに応え急速に発展してきました。

下肢の静脈には元々静脈弁があり周囲の筋肉が動くことで血管のポンプ作用が働き、血液を心臓に戻す役割があります。運動不足や加齢等によりこの機能が低下したり働かなくなる場合、浮腫みや違和感が現れますが、こうした身体の機能をサポートするのが着圧ソックスの役割です。

着圧ソックスは下肢の血流・リンパ・水分の流れを促し、老廃物を効率的に除去する働きを持っています。その仕組みは履いた際に部位毎に異なる圧力がかかることで、特殊な縫い方でその圧を調整しています。

例えばしたから順に足首は20~30hPa(ヘクトパスカル:圧の単位)、ふくらはぎは10~20hPa、膝上が5~15hPaといった具合です。あくまで一般用ですが、医療用の着圧ソックスならさらに高い圧力を足首にかけるため相当の効果を期待できます。

様々なメーカーから発売されているこうした特別なソックスは、圧の感じ方にも個人差があるためやはり前もって試着ができるほうがいいでしょう。但し足に付けるものなので試着はほとんど受け付けてないかもしれません。購入の際は店員さんやネット等でのクチコミを利用してみるのも悪くないでしょう。

履くときは皺の寄らないよう適度に引っ張ってはくことがポイントです。特に医療用やそれに近い圧力がかかる商品であれば、少々きつく感じることがあり皺のよった中途半場な状態で履くと効果が発揮されないばかりか、痛みや違和感の原因ともなってしまいます。

対策グッズ:シューズ

自分に合った靴はそれだけで仕事での疲れを半減させる効果もあり、決して無視できない要素を含んでいます。仕事だから安いシューズでといった考えは、特に立ち仕事をする場合には無用でしょう。

靴を選ぶ基準は自分の足に合うかどうかです。足長(そくちょう)や足幅(そくふく)は元より甲の高さ、土踏まずの面積等、足の足底には多用な項目があるため、可能であれば専門家に測定してもらうほうが良いかもしれません。

現在販売されている多くの多目的シューズはかかとの部分にも厚みと深さがありしっかりと踵骨部をホールドし歩くときの基準となるポイントを作ってくれています。しかしその厚みや高さはメーカーによっても若干差があり、その微妙なフィット感を得られるかどうかで日常の動きに大きく差がでてしまうのです。

日本人は「甲高・幅広」と言われてきた足の形がありました。体型と同じように今は足のスタイルも変わってきているため、必ずしもこの規格に合うということはありません。

しかし機敏でしかも立っている時の安定感を求められる等、特にスニーカーの場合フィット感とある程度の浮腫みを想定した微妙なバランスが求められます。そうした要望に応え割と日本人の足型に合わせた形を実現したモデルを揃えたメーカーがニューバランスです。

足指が靴の中でしっかり動くように設計されているため、立ち仕事による慢性疲労対策や腰痛予防にも効果があります。それでいて色合い豊かで見た目も可愛らしく今風のお洒落なデザインも人気を呼んでいます。履きやすくデザイン性に富んでおり仕事にプライベートにとおすすめかもしれません。

立ち仕事の疲労対策

風呂

いくら良い予防対策グッズを施していてもそれだけですべてがOKというわけにはいきません。日頃のセルフケアもとても大切な要素のうちのひとつです。

自分の身体を守れるのは自分でしかないことを認識すべきです。ひとりでもできる立ち仕事疲れ対策をみていきましょう。

日頃の適度な運動

立ち仕事による局所の疲労や身体全体の疲れを改善するため、積極的な休養と運動による血流亢進を心がけると良いでしょう。運動不足は体重増加や筋力低下の原因となるため、身体が重くなったりサポートが得られない状態では疲れやすくなるのも当然でしょう。

ダイエット目的としても体重をコントロールしながら筋肉の質を高める運動をすることで疲労しずらい身体にすることも可能です。また定期的にストレッチを加えることで筋肉の硬化(かたくなること)を防ぐ役割としても有用です。

ゴルフボール等の硬めの球体を利用して足裏をゴロゴロするのも効果的です。代替医療(だいかえいりょう:Altanative Medicine)では足裏と内臓の各器官が直接繋がる多くのツボがあるとされ、足ツボ解消法や疲労回復効果を促す対策として重要です。

中でも湧泉(ゆうせん)は全身の筋肉疲労に効果を発揮するツボで、立ちっぱなしや歩き回る仕事の人にとっては是非覚えておきたい場所のひとつです。足裏の足裏中央より少しつま先側を突起物で押すとジワリと効いてくるはずです。

足裏の足底筋膜が炎症し歩くときに痛みを発する足底筋膜炎も運動不足の要因とされおり、立ち仕事・座り仕事関係なく発症するため日頃からケアをしておくことをおすすめします。

こうした足裏のツボ刺激には指で足裏を押すのは大変なので、ゴルフボールを使いましょう。イスやテーブルに手をついて立ちながらボールを足で踏んでゴロゴロ・ゴロゴロ、体重をかけてみると痛いポイントがわかるはずです。習慣化すればこれほど便利で簡単なセルフケアの方法は中々ないことに気付くはずです

専門医を受診

立ち仕事がメインで足の浮腫みや痛みが顕著であれば、やはり病院で診断してもらうほうが得策でしょう。単なる疲れかどうかの判断は専門家の医師でなければ中々判断はつかないものです。

特に表皮静脈に発生しやすい下肢静脈瘤は浮腫みやだるさだけでなく皮膚の炎症も起こし、痒み痛みを伴う場合もあります。足の静脈に負担がかかる立ち仕事の場合、下肢静脈瘤になりやすいとの報告もあるため自己判断は禁物で、早期に病院での診察をおすすめします。

仕事中にもつけられる着圧ソックスも自分の脚(足)にどの程度の圧力が合うのかを相談できるでしょうし、履き方や注意事項等より詳しい情報を得られるというメリットだってあるはずです。

治療をメインとする整骨院や治療院では下肢への負担が増すため膝や股関節、そして腰の状態もチェックしてもらうといいでしょう。気軽に相談できる専門家が身近にいるというのは心強く、治療方針を話合いながら痛みの軽減をはかることが可能です。

その日の疲れはその日のうちに!

疲れは身体を休めればよいという話ではありません。どの部分がどれだけ疲れているかを把握する、言ってみれば“能力”のようなものが必要かもしれません。筋肉の疲労は自宅でのセルフケアでも十分取り去ることも可能なため、毎日ではなくとも十分な気遣いをしてあげましょう。

中でもお風呂は身体の疲れを癒やすには最適の環境です。38~40度程と多少ぬるめのお風呂にじっくり浸かることが良いでしょう。この温度だと副交感神経が高まり体がリラックスモードに入りやすくなるのです。

筋肉も弛緩しやすくなり(セルフ)マッサージの効果が一層高まり、仕事で疲れた体調を元に戻しやすくできるはずです。

立ち仕事をしていれば当然下肢の血流が滞りやすくなるため、お風呂と共に脚を心臓より高く上げて休むといった機会も増やしましょう。足元に足枕を置いて両足をあげていれば浮腫みを低下させ筋肉の張りも減ってくるはずです。

まとめ:立ち仕事の疲れを解消

運動

立ちっぱなしの仕事は意外に多く、医師・看護師などの医療系、調理やホール・美容・理容等サービス系など多種にわたります。立ち仕事では身体への全身疲労とは別に腰・股関節・膝関節等の各種関節痛、さらに下肢の浮腫みや痛み違和感等も症状として現れます。

こうした立ち仕事での体調変化を緩和・改善するためには日頃の(セルフ)ケアが非常に大切になります。十分な休息はもちろんですが、硬くなっている筋肉を元の状態に戻そうと緩めたり伸ばしたりといった自己管理も継続すれば徐々に降下を発揮するでしょう。

さらに日頃あまり気にしない足元を見つめ直すのも良い方法です。特にシューズはしっかりとあなた自身の足の形にあったものを選ぶことが関心です。足が靴にフィットすればそれだけで歩き方や姿勢が変わります。

近年は脚の浮腫みや違和感解消に着圧ソックスを含め様々な対策グッズが発売されています。専門家やネット等で情報を集めあなたにあったグッズを選んで使用することも立ち仕事にたいする体対策として有効でしょう。

大切なことは颯爽と身体を動かし溌剌と仕事をする姿勢です。身体が動けば仕事の能率も数倍高まり、それが次のさらに充実した仕事に結びつくかもしれません。

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