夏が近づき、服装も軽やかで涼しげなものに変えたくなりますよね。
夏にはミニスカートやショートパンツなど、脚を出した格好をする、という人も多いでしょう。そんなときに気をつけたいのが、膝の黒ずみです。どんなに細くてまっすぐな脚でも、膝に黒ずみがあると美しく見えにくいのです。
ここでは、膝の黒ずみはどうしてできてしまうのか、解消する方法にはどんなものがあるのかをご紹介していきます。
黒ずみの原因と予防法
膝が黒ずんでしまうのには、大きく分けて3つの原因があります。
それぞれについて、次に詳しくご紹介していきましょう。
摩擦
膝の黒ずみには摩擦が大きく関わっています。
肌は外からの刺激を受けると、皮膚の表面近くの表皮内にある「メラノサイト」という細胞に「メラニン色素を作れ」という命令を送ります。メラノサイトによって作られた「メラニン色素」が黒っぽい色の正体です。
メラニン色素は表皮の内側に溜まっていき、外から受ける刺激から体の細胞を守る働きをします。外からの刺激が多いほど、メラノサイトへのメラニン色素を作れという命令も多くなります。そうしてメラニン色素が溜まっていってしまい、膝を黒ずんで見せてしまうのです。
膝が刺激を受ける原因には、足をよく組む癖がある、膝をつく癖がある、正座をする機会が多い、スキニーパンツのようなぴったりとしたパンツを履くことが多い、お風呂で体を洗うときにナイロンタオルでごしごしと洗ってしまう、などの習慣が挙げられます。
脚を組む癖や膝をつく癖を直し、膝に刺激を与えないように気をつけることで、膝の黒ずみを防ぐことができます。また、ぴったりとしたパンツを履きたいときには、ボディクリームやボディローションを塗ってから履くことで、膝への刺激を減らすことができます。パンツの素材を肌に優しい綿素材にするのも効果的でしょう。お風呂で体を洗うときには、よく泡立つタオルを使ってタオルではなく泡で体を洗うようにしたり、素手で洗うことで、膝への刺激が減らせます。
乾燥
膝が乾燥していることも、膝の黒ずみに関係があります。
膝は、体の他の部分に比べて皮脂腺が少ない部分です。そのため、汗はほとんどかきませんし、皮脂もほとんど出ません。膝は常に乾燥している状態なのです。
皮膚は乾燥していると、外からの刺激にとても弱くなります。乾燥によって刺激に弱い状態の膝は、ちょっとした刺激でも「メラニン色素を作れ」という命令を受けてしまい、その結果としてメラニン色素が多く作られて膝が黒ずんで見えてしまうのです。
膝にボディクリームやボディローションを毎日塗る習慣をつけ、膝を保湿してやることで、黒ずみが起きにくくなります。
日焼け
黒ずみの原因には日焼けも考えられます。
皮膚に紫外線を受けるとメラニン色素が作られて、皮膚が黒っぽくなるのはおそらくご存知だと思います。膝も、もちろん日焼けをします。素足のままで太陽の光に当たったとき、膝にメラニン色素ができて黒く見えてしまいます。紫外線は皮膚にとって刺激の1つでもあります。
予防としては、脚にも日焼け止めを塗ったり、薄いストッキングやタイツ、長いソックスなどを履く、といったことが挙げられるでしょう。
このように、膝の黒ずみには、「刺激」「乾燥」「日焼け」の3つが大きく関わっているのです。
皮膚が黒くなるメカニズム
次に、メラニン色素ができるメカニズムについてご紹介します。
皮膚の表面である表皮は、主に「表皮細胞(ケラチノサイト)」と「色素細胞(メラノサイト)」でできています。ケラチノサイトの下にあるメラノサイトで、メラニン組織が作られています。
表皮が刺激を受けると、メラノサイトに「メラニン色素を作れ」という命令が出るということは、上でご紹介した通りです。そして、その作られたメラニン色素が体を守るために溜まっていくのですが、メラニン色素はずっと溜まり続けているわけではないのです。
表皮の一番下からは、次々と新しい表皮細胞が作られていて、徐々に皮膚表面に向かって押し上げられていきます。押し上げられた分、今まで皮膚の表面近くにあった細胞は、細胞としての機能を失った「角質」に変化していきます。角質は通常ならば、メラニン色素と一緒にアカとして体から剥がれ落ちていきます。
この表皮細胞が生まれて角質となって体から剥がれ落ちていく過程を「ターンオーバー」と呼び、これはおよそ28日のサイクルで行われています。通常なら28日で生まれ変わる皮膚表面の細胞が、紫外線を浴びすぎたり、肌に刺激を強く受けすぎたり、ストレスなどによってターンオーバーのサイクルが乱れてしまったりすると、メラニン色素も正常に体から剥がれていかなくなり、表皮に多く溜まってしまうのです。
こうして膝が黒ずんで見えてしまうことになります。
膝の黒ずみケア
膝が黒ずんでしまったら、まずは皮膚の表面のメラニン色素を含んだ古い角質を取り除き、その後は肌のターンオーバーで皮膚表面が新しい細胞に生まれ変わるのを待ちます。
ここでは、膝の黒ずみを解消するケアの方法をご紹介していきます。
スクラブ
スクラブで肌の表面を磨き、古い角質とメラニン色素を取り除く方法です。
スクラブは色々な種類が売られていますが、ここでは重曹を使ったケアの方法をご紹介します。
- 重曹大さじ1杯につき水を小さじ1杯ほど加えて混ぜ合わせ、ペースト状にします。
- 黒ずみが気になる部分にペーストを塗り、手の指の腹で、優しく円を描くようにくるくるとマッサージします。
- ペーストを洗い流します。
- やさしく水分を拭き取ります。強くこすらないようにしましょう。
- 化粧水で保湿をします。顔に使っている化粧水で良いでしょう。
- クリームや乳液、ワセリン、シアバターなどで保湿した水分を閉じ込めます。これも顔に使っているもので構いません。
重曹は掃除用よりも粒子の細かい医療用、または食用のものを使います。また、マッサージの時にスクラブが手の表面も磨いてしまうので、手が荒れやすい人は、手袋をしてケアをした方が良いでしょう。
重曹の代わりに塩を使う方法も広く紹介されていますが、塩は重曹より粒子が粗いため、肌への刺激が強くなりすぎてしまいます。
スクラブでのケアは頻繁に行ってはいけません。月に1~2回程度にとどめ、ケアとケアの間には少なくとも1週間の間を空けるようにしましょう。化粧水とクリームを使った保湿は、毎日欠かさず続けます。
ピーリング
ピーリング剤で肌の表面に溜まってしまった古い角質とメラニン色素を溶かすケアです。古い角質がとても厚く、硬いときには、スクラブよりもオススメの方法です。
ピーリングジェルなど、ピーリング剤もたくさん売られていますが、ここでは、もっと手軽に取り入れられるケア方法として、尿素を配合したクリームを使う方法をご紹介します。
尿素には、角質のタンパク質を溶かすピーリング効果があります。ケアの方法は、尿素が配合されたハンドクリームを膝の黒ずみが気になる部分に塗るだけです。尿素にはピーリング効果の他に、保湿の効果もあります。尿素で皮膚表面の古い角質を取り除いて、肌のターンオーバーを促すのです。
尿素の配合濃度が高いクリームほど、ピーリング効果もターンオーバー促進の効果も高くなりますが、尿素は肌にとって1つの刺激物でもあります。まずは10%くらいの濃度のものを使ってみて、黒ずみに改善が見られなければ濃度を高くしていく、といったようにケアをしましょう。膝の皮膚が柔らかくなってきたと感じたら、尿素の配合濃度を下げていくと良いでしょう。
尿素でのケアには注意して欲しいところがあります。尿素で角質を溶かすことは、自分の体のターンオーバーとは違うサイクルで角質を剥がすということになります。そのため、皮膚の表面はまだ十分に育っていない細胞に覆われることになり、刺激に弱い状態になっているのです。刺激に弱くなることで、表皮の中にメラニン色素がより多く作られてしまう、という悪循環に陥ってしまうこともあります。
尿素クリームを塗る頻度を調整したり、配合濃度の違うクリームを使い分けたりして、皮膚が柔らかくなりすぎないように気をつけましょう。
美白ケア
黒ずんだ角質を取り除くのと同時に、美白ケアを取り入れるのも、黒ずみの改善につながるでしょう。
美白化粧水や美白クリームなどで保湿ケアをしたり、メラニン色素の生成を抑えるビタミンC誘導体が配合されたものを使ったりします。
また、シミを薄くする効果があるサプリメントを摂ったり、生野菜を意識して食べて体の中にビタミンを取り入れることも効果があると考えられます。
プロによるケア
皮膚科で治療したり、エステサロンなどでピーリングを受けるなどの方法もあります。
自分でケアするのには自信がない、黒ずみを少しでも早くなくしたい、という人は、プロによるケアを受けるのも一つの方法です。
まとめ
皮膚の表面にメラニン色素を含んだ古い角質がたまっていることで、膝が黒ずんで見えてしまいます。
膝への摩擦を減らすこと、膝をデリケートな状態にしないように保湿をすること、日焼けを避けることなどで、黒ずみの原因であるメラニン色素の生成を抑えましょう。
すでに膝が黒ずんでしまっている、というときには、まず古い角質をスクラブやピーリングで取り除き、保湿を続けて肌のターンオーバーによって皮膚表面が新しい細胞に替わるのを待ちましょう。ターンオーバーのサイクルは、およそ28日です。角質ケアと一緒に美白ケアを取り入れるのも、黒ずみ改善の効果が期待できます。
膝の黒ずみ解消で一番大切なことは、保湿を毎日続けることです。乾燥した状態にしないことで、膝を外からの刺激から守ります。また、角質を取り除いた後の肌はとてもデリケートになっているので、保湿ケアが大変重要になってくるのです。
夏に向けて今から膝のケアをして、綺麗な脚で夏を楽しみたいですね!
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