頭寒足熱とは皆様も、よく耳にされると思います。頭寒足熱は昔から、語り継がれてきた言葉があり四字熟語として、広く知られています。まず頭寒足熱という言葉をお聞きになられて、何を連想されるでしょうか?健康に良さそうというイメージが、涌くのではないでしょうか?
頭寒足熱の言葉には四百年の、歴史が刻まれています。四百年もの長い間頭寒足熱の、言葉が語り継がれ、健康に良いとして淘汰されずに、生き残ってきた頭寒足熱の言葉には、この言葉の持つ意味が、本当に効果があった為に、この言葉が今なお使われているようにも思います。
頭寒足熱について色々調べてみましたので、一緒に見ていきましょう!
頭寒足熱の意味
頭寒足熱の持つ意味には、どの様な意味があるのでしょうか?
頭寒足熱の言葉の意味は、読んで字のごとく頭を冷やして、足を暖かくするの意味です。人によって頭寒足温(ずかんそくおん)と言われる方も、おられますがどちらも同じ意味です。正しいのはどちらも正しいようですが、あまり頭寒足温とは言いません。パソコンの文字変換でも、時間足熱は出てきますが、時間足温はスムーズに出てきません。
頭寒足熱は頭を冷やして、足を暖かくして健康に良い、睡眠に良い、受験に良いなど色々な良いことがあります。それはどの様な事からそのような事が言われているのか、本当にそれは正しいのか見ていきたいと思います。
頭寒足熱の由来
まず頭寒足熱の由来を見てみたいと思います。この言葉は日本に古くから伝わる言葉ですが、世界的にも使われていたようです。
18世紀にオランダの名医ヘルマン・ブルーハフェが「頭を冷やして、足をあたためる。これで病気知らず」を説いたのが始まりだそうです。
ヘルマン・フルーハフェは臨床教育を行った最初の人物です。そして日本の蘭学に及ぼした影響が大きかったそうです。
人間の身体は心臓に近いほうの、上半身は暖かくできています。しかし下半身は心臓のような筋肉がないため、身体が自ら暖かく保つことが出来ません。そのためにも下半身や足を温めることは、身体の芯が温まる感じで、血の巡りが良くなります。
下半身や足を温めて、身体がぽかぽかして来るのは、各細胞に血液の流れがよくなって、酸素と栄養が、運ばれるようになるからです。身体が活性化して、代謝が良くなると、寒い冬などは身体が冷えてこわばってきます。血液が大切な臓器を守るために、上半身を集中して温めるので、下半身が冷えやすくなります。
冷えた足元を温めることで、足元の血行が良くなり、身体全体の血液が頭から足の先まで、循環して健康になるのです。身体は暖かい時の方が、良く動きますし、健康になります。寒い冬などは身体全体の筋肉がこわばって、スムーズに身体を動かすことができません。
そのためにも頭寒足熱、頭を冷やして足を暖かくして、身体全体の血液を循環させることが、大切な事がお分かりいただけると思います。
頭寒足熱はなぜ健康に良いのか
人間の体温は心臓が上半身にあるため、熱は心臓に近いほうが暖かくなります。そのため下半身が冷えた状態になります。それでは頭寒とはどの様な意味があり、足熱とはどの様な意味があるのでしょうか?
頭寒足熱の頭寒とは
何かイライラしているときや、何か絶えず考えているときは、脳が興奮状態になっています。ノルアドレナリンやドーパミンの、分泌が活発になっていて、大脳が熱をもった状態になっています。頭寒足熱の頭寒とは、ストレスから解放され、リラックスしている状態で、副交感神経が、優位に立っている状態です。
頭寒
頭寒という言葉を代表するのに、イライラして興奮しているときなどに、「頭を冷やしてこい」などと昔から言われるように、頭は冷やすことが大切です。しかし冷やしすぎるとこれまた弊害が出てきます。
頭を温め過ぎると何故良くないかと言いますと、頭を温めすぎる事で脳が過熱しすぎると、身体を冷やそうとするのです。身体を冷やすことは免疫力も、抵抗力も悪くなり、代謝が悪くなって、悪循環を繰り返すようになってきます。
そして頭が温まりすぎる事で、脳が機能低下を起こし、ボーとして集中力がなくなってきます。ですから受験勉強の時は、頭寒にすることが大事だということが、お分かり頂けると思います。脳の機能低下を防ぐことで身体の冷えを防ぎ、血液の循環を良くして、受験勉強に励んでくださいね。
但し寒い冬に頭を氷で冷やして、温度を下げることは逆効果です。頭もある程度の温度が必要です。雪の降るときになぜ頭に帽子をかぶるのか?それは頭の温度を下げない事も理由があるのです。頭寒足熱と言っても頭を氷のように冷たくしては、受験勉強もはかどりません。
頭寒足熱の足熱とは
緊張すると手足は冷たくなります。リラックスすると手足が暖かくなります。緊張することはアドレナリンが出て、血管が収縮して交感神経が、優位に立っている状態です。リラックスすると副交感神経が、優位に立っている状態です。
頭寒足熱になると副交感神経が優位に立って、リラックスしている状態で、この状態は松果体(しょうかたい)のセロトニンという物質が分泌されて、セロトニンがホルモンのメラトニンを分泌している状態になっています。
副交感神経が優位に立つということは、血管が拡張して血液の通りがよくなり、手足が暖かくなるということです。
足熱
足熱とはどの様な事を言っているのでしょうか?足は第二の心臓とまで言われ、足の裏にはツボが沢山あります。人間が二足歩きになって、重力により足は体液が溜まりやすくなりました。このため足の筋肉を運動で鍛え、足に流れてきた血液を、心臓の方に戻さないといけません。運動して血液を心臓に戻すことが出来ればよいですが、足が冷えていたのでは、血液は上の方に循環させることが出来ません。
足を温めることで血液を心臓に戻し、全身の循環を良くして、基礎代謝を高めることで、身体全体の冷え性を防ぐことが出来るのです。足が冷えていると、循環機能が低下して、血液の流れも悪くなり、体液が溜まりやすく、足がむくんだり冷え性になったりします。
足を温めることで寝つきも良くなり、身体全体が温まり、身体全体が温まることは、身体の内臓の機能も活発になって働きます。免疫力もアップして健康な体になります。特に女性は子供を産むためにも、足を温めることはとても大切な事です。
頭寒足熱の健康法
さて頭寒足熱の言葉の意味は解りましたが、健康にどの様に良いのでしょうか?
睡眠
睡眠のメカニズムを考えると、頭寒足熱が睡眠にとって良いことが解ります。まず睡眠するのに、身体の体温が下がることで、眠気が起こり眠たくなります。これは脳や内臓が活発に動いていたのを、寝るためのストレッチ体制に入り、休息体制を整えるのです。
身体の中には血液が流れています。血液は栄養と酸素を届けています。心臓は手足に血液を送っていますが、身体が冷えることで、身体の熱が放出されて、心臓など臓器の体温も下げることになります。
手足が冷えている人は、血液が手や足までスムーズに、流れなくなっているので、心臓や臓器の温度が下がらなくて、休息体制を整えることが出来なく、寝つきが悪くなるのです。脳や身体の臓器などが熱いままだと、交感神経が優位に立っていて、緊張状態が続いて寝付けなくなるのです。
ですから頭寒足熱は頭を冷やして、脳を休息体制に整えるため、手足を温めることで、身体の臓器の温度や、体温を下げることが出来て、スムーズな眠りにつけるということです。
ストレス性睡眠障害などは、交感神経が優位に、立っている状態になっているため、頭寒足熱によって、脳を休息体制に整え手足を温めて、身体の臓器の温度も下げることが出来て、深い眠りにつけるのです。
夏の暑い時は頭寒足熱
真夏の寝苦しい暑い夜などは、頭を冷やして足を暖かくして寝ると、深い眠りにつけます。頭を冷やすより、首を冷やすことで頭が冷えます。
何故暑い夜は頭を冷やした方がよいかと言いますと、夏の寝苦しい暑い夜などは頭の温度もかなり上がっています。睡眠のところでも言いましたが、まず脳が休息体制を整えるためには、身体が冷えてこなければ、休息体制が取れません。
身体全体の血液を下げるためには、頭や首の血管が集中している部分の、血管を冷やさなければ体温は下がりません。体温を下げるには頭や首を冷やすことで、脳が通常の温度に戻ることが必要です。脳が冷たくなる状態に、なるまでやるのは逆効果になります。
半身浴
半身浴は身体の芯から温まります。やり方としてはみぞおちから下の、身体の部分を湯につかり38~40度のぬるま湯20~30分つかって、その時腕はお湯につけないので、上半身は冷えたままです。ですから頭寒足熱の状態ですが、しばらくすると、身体の芯からぽかぽか温まり発汗します。発汗することで、老廃物も排出して体内の汚れがきれいになります。
腕はお湯につけない様にして1分です。湯から上がるときに温度を徐々にあげ我慢できるまで温度を高くすると効果は倍増だそうです。身体を拭いてから下半身から下着をつけて、上半身はしばらく裸にして、薄着の状態にします。
半身浴は一日何度でも、何時間でもよくて、体長の悪い時は特に1時間以上すると、老廃物や精神的な苦痛も取れて、身体によい影響を与えるそうです。
こたつ
昔からあるこたつ、昔の人は良く考えましたね。これは頭寒足熱の代名詞の、ような暖房器具です。湯たんぽもそうですね。少しくらい寒い日でも、こたつに足を入れると、身体は温まり頭は頭寒でパソコンをするのにも、持って来いですね。昔は一般の家庭にも、掘りごたつがありました。睡眠時は湯たんぽで優しい足からのぬくもりで、心地よくて深い眠りにつけます。
だからと言って朝までこたつで、寝るのは良くありません。なぜなら体温は朝方4時ごろまでにかけて下がりますが、その後徐々に起きるための準備として、体温は上昇していきます。こたつで朝まで寝ていると、睡眠時の体温の調節がうまくいかなくなって、質の悪い睡眠となり、翌日にかけて身体がだるかったり、すぐ起きれなかったりします。
冷えは女性の大敵
冷えることは女性にとって身体に一番悪い状態になります。子供を産むように作られている、女性にとって冷えは妊娠の機会を、奪うことにもなりかねません。
顔はほてっていても、手足は冷たい冷えの症状は、身体から体内代謝の機能を正常に働かなくしてしまいます。その結果新陳代謝が十分に行われず、体重の増加や体調不良を起こしてしまいます。天然素材の絹や綿の靴下を履いて、汗をかくように老廃物を排出して、冷えを身体から追い出すことが大切です。
ポリエステルの靴下は熱がこもって、結局足を冷やす結果になります。汗をかいたら発散できる、綿や絹の靴下がよいです。今は綿と絹が裏表あるのがあるようです。
茶殻枕で快眠
お茶の出し殻を利用するのも、とても良い快眠が得られます。お茶の出がらしを天日に干してカリカリにして、乾燥させてから枕に詰めます。お茶の香のほんのり爽やかな、香りが快眠を誘います。
またお茶の葉を布袋に詰めて、風呂に入れるとお茶のビタミンCで、つるつるに身体も芯から温まり、一石二鳥です。寒い冬などは市販の浴用剤より健康に良いでしょう。
頭寒足熱に良い食べ物
頭寒足熱に良い食べ物なんてあるのでしょうか?
カレー
カレーとは驚きましたね。カレーはインドのような暑い国の食べ物で、頭寒足熱とは程遠いと思っていました。
ところが朝カレーを食べることで、手足の温度を上昇させることが出来るそうです。スパイスは漢方薬でも使われているように、カレーにはスパイスが利用されています。このスパイスがエネルギーを与えて、1日の血行を良くするそうです。
漬物
漬物はわかるような気がします。なぜなら寒い地方は、漬物を食べることが多いと聞いています。寒さを防ぐために、身体を暖かくする食べ物に、漬物が良いのではないかと考えられます。これはぬか漬けなどの漬物は、発酵菌が善玉菌を増やす働きがあるので、食べることで腸の活動が活発になります。そのため身体全体が温まるように思われます。
ぬか漬けやキムチなどは発酵される酵母菌が、善玉菌を腸の中で増やしてくれますので、腸内環境を整えてくれて、身体全体を温めてくれます。
身体を温める食べ物・冷やす食べ物
身体を温める食べ物と、身体を冷やす食べ物があります。これらは良くできていて、寒い地方では身体を温める食べ物が多く、暑い地方では身体を冷やす食べ物が多いです。
頭寒足熱をするためには、冬は暖かい食べ物を食べて、夏は冷たい食べ物を食べるのが良いのではないでしょうか?あまり身体を冷やすのは良くないといわれ、夏でも暖かい食べ物を食べる人がいますが、それも考え方の一つです。
しかし身体の栄養を考えるなら、暖かい食べ物も、身体を冷やす食べ物も、バランスが大切だと思います。酵素などは熱を加えるとなくなってしまいます。しかし酵素がなくなっていくと老化が早くなります。酵素は必要です。ですから食べ物をとるときに気を付けないといけないことは、冬はやや暖かい食べ物に傾き、夏は身体を冷やす食べ物に傾いた、バランスの取れた食べ物を食べるのが、頭寒足熱にかなっているように思います。
身体を温める野菜には冬の野菜や、地面の下に出来る根野菜、黒・赤・オレンジの野菜等があります。反対に身体を冷やす野菜には、夏の野菜や、地上に出来る野菜、白、青、緑色の野菜などがあります。
身体を温める野菜
生姜、かぼちゃ、ニンジン、ネギ、玉ねぎ、ゴボウ、レンコン、ニラ、にんにく、ヤマイモ、ふき、唐辛子、かぼちゃ、こんにゃく等
身体を冷やす野菜
ナス、キュウリ、レタス、ホウレンソウ、トマト、白菜、キャベツ、小松菜、ゴーヤ、セロリ、もやし、オクラ、大根等
まとめ
頭寒足熱について、もう皆様はご存知の事が多いと思います。その中でも何かヒントになるような事はありましたでしょうか?みんな知っている事ばかりと言われる方も、再度認識されることで、また健康について考える、キッカケになるように思います。
頭で考えて理解していても、それを実行しなければ、健康には役に立ちません。私はどちらかというと、身体を冷やす方が多かったように思います。食べ物にしてもそうですし、靴下も真冬にならないと、はかない癖がついていました。足元が暖かくなると、何か違和感がありどうしても、素足になることが多かったのですが、やはり歳には勝てません。
この頃なぜか夜が寝られなくて、昼間に睡魔に襲われて困っていました。そんな中頭寒足熱を実行しましたら、何と昼間の睡魔が無くなっているではないですか?それに夜、靴下(絹)を履いて寝たら、今まで床に入っても3時間から一晩中眠れなかったのが、2時間かかりましたがぐっすりと眠ることが出来ました。
頭で頭寒足熱は解っていても、毎日の生活に取り入れてこそ、役に立つものですので皆様も実行されたら、健康に役立つように思われます。