ほとんどの人があまりこのような状況になることはないと思いますが、便が白いということが、あるそうです。便は普通、黄色もしくは茶色、時にこげ茶色の場合もあります。これが白くなるというのはちょっと想像できません。
今回はその便が白くなるということについてお伝えいたします。なぜ、白い便が出るのか?便というのは通常、黄色から茶色をしています。これは、消化の際の肝臓から分泌されている胆汁が茶色をしていてその影響を受けるからです。
この胆汁は、人が食事をした際に脂を分解するために分泌されます。この分解時に茶色の胆汁が作用し、便が黄色くなるのです。つまり便が黄色くなっていないということは、脂肪が分解され消化されていないということになります。
この記事の目次
食生活が原因で出る白い便
食生活が原因で便が白くなることがあります。
暴飲暴食
原因
食事の際、脂肪分をたくさん取る過ぎると、白い便が出る傾向にあります。これは、脂肪を分解・消化するのに、胆汁が出ていることは出ているのですが、過剰の摂取により脂肪の量が多すぎるため、消化が間に合わないということが理由です。
つまり胆汁が足りず分解できないことで胆汁の色がつかないのです。
症状
すべてが白い便というわけではありません。部分的に白い便になるということなのですが、往々にして食べすぎはやはり厳禁です。
特に子供の場合はその胆汁の分泌も追いつかないことがあり、白い便になります。
治療法
これは単純に食べすぎを改めることで改善します。特に脂肪分を多く含むものがよくありません。
これは逆にメタボになる可能性もあり、そうすると別の病気も併発することがありますので、充分に気をつけることが肝心かと思います。
乳製品の取りすぎ
原因
乳製品の食べ物は結構あります。アイスクリーム、チーズ、ヨーグルトなどです。これらを食べ過ぎると、便が白くなることがあるようです。
これは牛乳などが白いから白くなるのではなくて、中に含まれている乳糖の影響です。
症状
乳糖というのは日本人を含めアジア人には消化する酵素がないか、少ないために取り過ぎると消化不良を起こします。その影響で、便が白くなることもあります。また、ほとんどが軟便や下痢になります。
ただ、乳糖自体は牛乳だけで、牛乳を加工したチーズやヨーグルトにはありません。ですからこの場合はおそらく牛乳の過剰摂取が影響していると思われます。この場合も子供がこの症状を引き起こすことが多いようです。
治療法
こちらも同様、食べ過ぎの抑えることで解消します。
便秘薬
原因
便秘薬に含まれる特殊な成分で、便が白くなることがあります。
症状
その薬を飲む時に便が白くなります。もちろん、その薬を止めれば白い便は止まりますが、それぞれ個人個人の考え方もあり、どうしても便秘薬を手放せない人もいるので、その辺は充分に考慮しての対処となります。
治療法
便秘薬を飲んでの白い便に関して、あまり心配はないかと思います。というのも、胆汁の不足や胆のうの機能不全ではない、つまり病気が元ではないということです。ただ単に白く染まった、薬による変色ということの解釈でいいかと思います。
病気、感染症状などが原因で白い便が出ることも?
病気や感染が原因により、便が白くなることがあります。
ロタウィルスの影響
原因
主に乳児や子供が感染する病気です。まれに大人でもかかるケースがありますが、大人がかかるのは稀です。おそらくよほどの免疫力が落ちている時かと思われます。
症状
このウィルスに感染すると、便が白くなると同時に、下痢になり、更に嘔吐を伴います。白い便の下痢をすることから、白色便性下痢症とも言われるようです。
ロタウィルスによる白い便は、体内に侵入したウィルスを早く外に出そうとする働きのために、胆汁を作り分泌することが間に合わないためによるものとされています。
それだけ身体はそのウィルスに反応しているということです。
治療法
この場合、食事は取れません。逆に早く排出するためには、その労力を消化に使うことは避けるべきであり、治療中、食事は一切取れず、原則として点滴をして絶対安静ということになります。
大体、一週間ほどでウィルス感染もよくなり、白い便は元の色に戻ることと思います。詳しくは、ロタウイルスは予防接種で防ごう!症状や原因は?感染した時の対処法や治療方法も紹介!自宅での対策方法は?を読んでおきましょう。
肝炎
原因
肝炎にかかると、その肝臓の機能が作用せず、その影響で胆汁が作られないことがあります。それが便を白くしていると思われます。
症状
白い便が出ると同時に、肝臓が悪くなっているので、黄疸という症状が出ます。これは文字通り、身体が黄色くなることで、皮膚や白目の部分が黄色身を帯びてきます。
治療法
肝炎はまず安静にすることが大事です。そして現在では薬の服用である程度はよくなります。ただ、予後は用心していないと、再発することがかなりあります。
胆のう炎
原因
主に大人の人にかかるのは、胆石が溜まってそこに細菌が入り炎症を起こします。そして子供の時には、ウィルス性のもので、胆のうに細菌が入って炎症を起こします。これは小児胆のう炎と言って、大人の胆のう炎と分けて考えているようです。
症状
炎症を起こしていることで、発熱や痛みが発症することがあります。主に、大人がなる場合が多く、胆のうは、胆汁の貯蔵庫なので、脂肪の消化の際の胆汁の出が悪くなります。それが原因で、やはり便が白くなるのです。
小児胆のう炎は、発熱や腹痛を同時に起こし、その時点では原因が何であるか分からないのですが、白い便で胆のう炎だということが分かるそうです。
治療法
胆のう炎は感染症の元になる細菌を殺菌するため、投薬で治療することがほとんどです。この場合の薬は、主に抗生物質などです。
胆道閉鎖症
原因
そのほとんどが先天的なもので、主に赤ちゃんのかかる病状です。本来の胆汁が通る管が詰まってしまっている場合で、胆汁が出ないために便が白くなります。
症状
この場合も白い便が出る傾向が強いのですが、脂肪を分解する胆汁が出ないので、水に浮く便が出ます。さらに、食べたものにより色が微妙に違ってきます。ほとんどは白い色ですが、灰色をしたりクリーム色をする場合もあります。痛み等はないと思われますが、早々の対処が望まれます。
治療法
この場合は管の通りをよくするために手術を行います。割と新生児の時点で行っても問題ないものであり、早めに対処することがほとんどです。稀に、胆管がない場合もあり、その際は代替の管を使用することになります。
詳しくは、胆道閉鎖症の症状を知ろう!便の色や黄疸に注意!生存率や病気の予後は?を読んでおきましょう。
胆石症
原因
こちらも食事が主な原因となります。過剰な食事摂取などが続くと、肝臓などに胆石が出来ます。この胆石が胆管を塞いでしまい、胆汁が流れなくなってしています。
症状
胆石が溜まり詰まると、背中などに痛みを覚えます。この痛みは通常の腹痛とかの痛みではない、激痛となることが多いようで、身体を伸ばせないほどの状態になります。この胆石が胆汁をせき止めてしまうので、脂肪を分解できず、便は白くなります。
場合によっては、胆石が溜まって細菌が入り込み、胆のう炎につながることもあります。
治療法
胆石を取ること以外に方法はありません。胆石をカテーテルで破壊し、流し出します。胆石が巨大化してしまうと、手術で取り出すこともあります。
これもやはり石ができやすい体質があるようで、生活習慣、食生活を改善することも必要になるかと思います。
胆管がん
原因
これは胆管ががんにかかってしまうことで、かなり深刻な状況です。場合によっては転移もありえますので、死にかかわる問題となります。
症状
はっきりしない体調が続くかと思われます。当然、胆管が詰まる傾向にあるので、胆汁が分泌されず、消化もきちんとされません。便もやはり白い色となります。
治療法
がんに対する治療法は、これといった方法はないというのが現状でしょうか。人それぞれに合う方法を模索するしかありません。早期発見となれば、その部分の切除で完治する可能性は非常に高くなります。ただ、発見が遅れ、他の場所への転移がみられると、ある意味覚悟が必要になることもあります。
抗がん剤、放射線治療など発症した人はいろいろな治療法を試されますが、やはり身体に負荷のかかる治療法がほとんどなので、免疫力が落ちたりしがちなので、その後の生存率は低いままとなっている傾向があります。
潰瘍性大腸炎
原因
この病気は大腸の内側にある粘膜に腫瘍ができることです。この病気自体になること自体のその原因は厳密には解っていません。腹痛を起こし、血便が出たり下痢も引き起こします。
症状
この病気にかかると便に白い綿のようなものが付着します。それが排出されると便が白く見えます。まれに、大腸からの出血でこの白い部分に血が付着して赤くなったり、ピンク色になることもあります。
腹痛を引き起こしますが、初期の段階ではよく下痢になります。このような症状で、食べたものに心当たりのない時は、潰瘍性大腸炎が疑われます。
治療法
これといった根本的に解決する治療法はありません。最近では、便移植といって、健康な人の便を当人に移植し、腸の環境を整える方法が試みられています。
詳しくは、潰瘍性大腸炎は完治するの?原因や治療方法を紹介!を参考にしてください!
過敏性腸症候群
原因
主な原因としては、ストレスがあげられますが、はっきりとは解かっていません。ただ、小さい頃から胃弱であったり、真面目、神経質な性格という人がなる傾向が強いようです。
長時間トイレに行けない状況にあるなど、精神的に不安な状態になると、下痢を起こすなどの症状がでます。
症状
4つのタイプがあり、不安定型、慢性下痢型、分泌方、ガス型があります。
不安定型
便秘と下痢を交互に繰り返す症状です。この際、胆汁が間に合わずに白い便が出ることもあります。
慢性下痢型
ストレスや不安な状態で下痢になりやすく症状です。こちらも、便が固まらないうちに排出されることで、やはい胆汁が間に合わずに、白い便が出ることがあります。
分泌型
激しい腹痛を伴い、便にいたっては、粘液が出るタイプです。
ガス型
ストレスから、おならが大量出てしまうことです。
治療法
ストレスが原因の場合は、ストレスを取り除く心理療法などが適しています。また、生活習慣が原因の場合は、普段の生活の見直し、改善をすることにより治癒するようです。
その他に考えられる便が白くなる原因
その他に考えられる便が白くなる原因を紹介します。
バリウムの影響
原因
バリウムは健康診断で、胃の検査をする時に飲むものです。いわゆる造影剤として胃の内部を調べるのに使います。その際には大体がコップ一杯の真っ白なバリウムを飲み、身体を回転させたりして撮影をし、異常がないかを確認します。
このバリウムは当然消化吸収しませんので、そのまま便として排出されます。この時にバリウムが真っ白なまま便として排出されていると言う訳です。
症状
バリウムそのものが便として、排出されます。それこそ真っ白の便なので、別に身体の異常でないということは一目で解りますし、事前にバリウムを飲んでいることもわかっているので問題はないかと思います。
治療法
白い便はバリウムそのものなので、これも心配することはありません。体内に入っていたバリウムが出切れば、通常の便に戻ります。ちなみに参考ですが、水分を充分に取らないと固まって大変なことになりますので、注意してください。
バリウムについては、バリウムが出ない時の対処方法とは!水分や食事を改善?を読んでおきましょう。
寄生虫によるもの
原因
便が白いといっても白い塊のようなものが点々としている場合は、寄生虫の卵の可能性があります。これは、食品を洗わずに食してしまうとか、生の肉や魚に付いているものを食してしまうことが原因です。
症状
特に異変はあまり感じない傾向にありますが、その寄生虫が栄養を吸収してしまい、身体の成長に影響が出ます。
食べても痩せてしまうような状況であれば、疑う余地はあります。ただ最近はこのケースが稀です。
治療法
薬を服用することで改善されます。病院で果たして寄生虫がいるのかを確認してからとなりますが、身体に痛みなどがないので、発見は遅れ気味なることが多いようです。
いろいろな便の色とその症状
便は俗にいう、お通じといって、食べ物を食べたもののカスと考える人がほとんどですが、実際には食べもののカスはその一割程度です。あとのものは、水分と腸の古い細胞などで占めています。
便の色が白以外でも、身体に異常が起きた場合には便の色が変わることがあります。以下、ご説明します。
その他、異常を知らせる便の色
便の色で分かる健康状態を知りましょう。
赤い便
便に血液が混じっていると思われます。肛門付近で裂傷ができ、排便の際に出血することです。一般的に痔と言われています。
便が赤くなるということは、ひどい痔ということになります。通常は、切痔がほとんどで、便か硬い時に、排便時肛門の周りの皮膚が切れて出血してしまうことです。場合によってはかなり痛みを感じます。
また、便全体が赤いようでしたら、内部の直腸での出血が疑われます。おそらくそのような状況になっているのであれば、健康診断でも引っかかると思われます。直腸の出血は、特に大腸がんの可能性もありますので、注意を要します。
黒い便
サプリメントで鉄分入りのものを服用すると、便が黒くなることがあります。これであれば特に異常はありませんが、まれにその黒いものが血の場合があります。
直腸などで出血すると排便まで短い時間なので赤いままですが、上部内臓の胃とか腸で出血していると、排便するまでに時間がかかり、出血しても黒くなってしまうことがあります。
その影響なのですが、よく観察して血なのか、別のものなのかを確認する必要があります。ただ、食べたもので肉や魚がそれに含まれている血液が混じって黒くなることもあります。
緑の便
便が酸性になっている場合は、緑色になることがあります。また、抗生物質など薬の影響、細菌性の病気にかかるときも同様に緑色をします。注意するのは、細菌性の病気になった時でしょう。
便が白くなるのを防ぐには?
便が白くなるを防ぐにはどうすればいいのでしょうか?
ウィルスなど
感染して白い便が出る場合には、その感染源をシャットアウトしなければいけません。普段から手洗いやうがいなどを充分にしておくことで防げます。これはインフルエンザや風邪などとも一緒です。
特にロタウィルスの感染力は強く、空気感染します。消毒も通常のアルコールでは防ぐことは難しいようなので、注意が必要です。
肝臓など内臓系
こちらは内臓の疾患によるものなので、大元の病気を避けることが重要かと思われます。肝臓は、無理をしてもほとんど痛みや症状が出にくく、気づくと相当に悪い状態になっています。ですから、無理をしないことが一番の予防法です。
また、胆汁を出す膵臓もお酒をかなりの量を飲んだり、お酒を抜く日を意識的に作っていない人は悪くなる傾向にあります。よって、無理をしないことということは、イコールお酒を抜く日を作るということであり、量も減らすことが肝心です。
免疫力をアップする
人の身体は、いろいろなものから元は防御する機能を持っています。これが免疫力です。この免疫力が落ちてくると、病気がちになります。風邪を引きやすかったり、疲れやすい、食が細いなどあらゆることに絡んできます。
先にあげたウィルスからの防御も免疫力が強ければほとんど問題はないはずなのです。この場合は、腸内細菌を善玉に有利にするように心がけると、免疫力を強くすることもできます。
簡単な方法としては、ヨーグルトを日々取ることで腸内環境はよくなっていきます。ただし、それ以外にも、ちょっと寒いくらいで厚着をしたり、暖房を入れたり、夜の寝る前の飲食や食事をしないなど、他にも気を使うことはあります。
このような日々の少しずつの悪い積み重ねが、免疫力を下げていっているのです。今からでもいいので、是非このような悪い習慣を排除し、免疫力を上げる努力をしましょう。
まとめ
いかがでしたか。便が白いなどというのは、本当に滅多にないことなので、おそらくそのような便が出た時は、何が起きたのかという感じになると思います。もちろん、そのような状況の対処法を知っていればなんら驚くこともないと思います。
ただ、先天的なものの影響で、このような症状が出てしまう以外は、人為的なものが原因と考えられます。暴飲暴食、乳製品の過剰な摂取、ウィルス感染、肝炎などは日々意識して気をつけることにより、充分に避けることができます。
確かに痛みを感じる前に、予防としてあらゆる病気を避けようとする人は少ないかと思います。この先、痛みや苦しみを味わうことがないように、もう少し健康に気をつけることを意識してみてはいかがでしょうか?
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