赤ちゃんのオムツから、あなたの便器から突然、緑色の便を発見したら本当にビックリしますよね。病気なのか、一時的なものなのか・・・どうしよう、証拠を取って病院に行くべき?誰に相談すればいい?こんな時に限って休日! でも待ってください。
便とは身体からのお便り。便のメッセージを一緒に読んでみませんか。誰よりも一番早く詳しく、あなたの身体を知ってくれるわけですから。
便が緑色になる理由
便が緑色になるのには理由があります。病気であれ、生理的なものであれ、この仕組みを理解することが安心につながります。
便の色を決めるもの
「ビリルビン」まず、この名前がキーワードになります。
胆汁という消化液に含まれる色素の名前です。胆汁は肝臓で生成され十二指腸で分泌されます。ビリルビンの原料となるのが古くなったり壊れたりした赤血球というのもポイントになります。
このビリルビン、胆汁が胃で消化された後の内容物を、さらに分解するために働く時に一緒に内容物に混ざり緑の色が付きます。その後、小腸から大腸に移動すると、ここでビリルビンは吸収されて黄土色や茶色の便となって排泄されます。これが健康な便の配送ルートです。
緑色は危険?緊急?
便にもいろんな色があります。赤、黒、白は受診をお勧めしますが緑色については決してその限りではありません。出血を知らせるメッセージではありません。確かに病的なものもありますが一時的なもの、生理的なもの、正常なもの、と様々な症状に分かれています。
これからタイプ別に分けて判断の目安と対応をご説明いたします。病的な緑色の便が出た時は、下痢や黄疸など他の症状を伴うケースがほとんどです。
心配しなくていい緑色の便4タイプ
まったく心配ないものから、少しの工夫で改善できるものまで多様な便について紹介します。
赤ちゃんの緑色の便
昔は、自分がお母さんになる前に近所の赤ちゃんや兄弟のお世話をした経験がありました。しかし少子時代が長引き、赤ちゃんを見るのも触るのも初めてという母親が増えました。経験者が少ないので病気なのか健康なのか分かりません。
おむつを開けて、いきなりドロドロの緑色の便を見たらパニックになると思います。いろんな本を見て、そんなこともあると一度くらい読んでいても思いだせません。印刷で見た緑と目の前の緑が同じと保証されないから不安は消えません。
どうしても不安なら便ごとオムツに包んで受診し、経験値にすれば今後はドッシリ構えられることでしょう。でもその前に、便だけでなく赤ちゃんの機嫌や食欲、泣き方なども観察してください。たとえ便が正常でも食欲がなく、泣き方が弱々しい、元気がない等は注意が必要です。
結論からすると赤ちゃんの緑色の便は「酸化便」と呼ばれる健康な便です。
だいたいは黄色い便ですが、腸の中の空気に触れて酸化したりオムツの中で排泄後に酸化したりして緑色の便になったりするのです。灰緑色で、うぐいす色とも呼ばれています。ご安心ください。
腸内環境を改善する3つの栄養について
ここからは赤ちゃん以上の年齢が対象になります。腸内環境が悪化しても緑色の便が出ます。しかも下痢を伴います。
改善しないと将来的には様々な病気の温床となるので、便からのメッセージに耳を傾けましょう。
それは善玉コレストロールと悪玉コレストロールのバランス正常な吸収ができないと、やはりビリルビンが残って緑色になります。
食生活の乱れや栄養の偏り、不足があるというメッセージです。改善して快適な腸内環境を手に入れましょう。
乳酸菌・善玉コレストロール・食物繊維、この3種を多種多様に組み合わせるのがコツです。乳酸菌は小腸に効き、ビフィズス菌は大腸に効きます。一つにこだわり偏ると全体的な効果が望めません。
★乳酸菌を含む代表的な食物
ヨーグルト・塩こうじ・納豆・漬物・醤油・味噌・チーズ・キムチ・日本酒・ワイン
★善玉コレストロールを含む代表的な食物
バナナ・玉ねぎ・大豆・じゃがいも・とうもろこし・キャベツ
★食物繊維を多く含む代表的な食物
切干大根・アーモンド・サツマイモ・ごぼう・アボガド・オクラ・こんにゃく
これらを組み合わせて相乗効果を狙います。
例えば、ヨーグルトにバナナを混ぜたり、お好み焼きの具としてキャベツに加えてキムチやチーズを入れてみましょう。テレビでも紹介されて好評なメニューですが実際とても美味です。
ベジタリアンの方はご注意!
全く正常な腸内環境でありながら緑色の便よく見るという方。下痢でもないし痛みもない。体調もとりたてて問題ない・・・。
食生活で野菜中心を心がけるあまり、偏ってらっしゃいませんか?特に緑黄色野菜です。
野菜の色素が多すぎて吸収されずに排泄されてしまったものです。みかんを食べすぎて尿が黄色くビタミン特有の臭いがしたことありませんか?あれと同じ理由です。ビリルビンは関係ありません。
淡黄色野菜を増やしましょう!
「玉ねぎ・ラッキョウ・キャベツ・カブ・大根・白菜・カリフラワー・レンコン・サツマイモ・レタス・セロリetc」
緑黄色野菜はあまりに品種が多いのですが色が濃いのが特徴です。今からでもできる改善、ご参考ください。
薬・サプリメント・合成着色料の影響
食べ物ではありませんが、緑黄色野菜をメインにしたサプリもまた過剰に摂取するのは考え物です。吸収されにくい量として色素が排泄されてしまうからです。一時的な補給ならともかく大量の常用は避けた方が良いのではないでしょうか。
合成着色料もくせものです。今の日本にはありませんが、昔のお菓子は食べたら色が舌についてしまうものがありました。今でも海外ではそういうことがあるそうです。そうなると便に付着します。緑の着色料なら緑色の便になるわけです。海外でそうなるとパニックになるので、ご注意ください。
薬の影響としてクロロフィル配合剤が挙げられます。緑色の薬です。服用後に便が緑色になれば薬剤師にご相談ください。
病的な緑色の便とは
ここに出てくるタイプはいずれも要観察です。
下痢、嘔吐など他の症状を伴うことも多く、時に緊急を要するのでご注意ください。様々な胃腸炎で便が緑色になります。
アレルギー性腸炎
特定の食べ物に過剰反応して消化不良を引き起こし炎症をきたすものです。炎症から胆汁の再吸収が阻まれビリルビンは便の中に残って緑色になります。
卵・牛乳・大豆が三大アレルゲンと言われていますが、個人差が大きくこの3つには限りません。米・肉・魚に反応する人もいます。
予防するために必要なのがアレルゲンの除去です。そのために何がアレルゲンなのか正確に知る必要があります。血液検査や検便等で調べましょう。
体調不良もアレルギー反応を大きくする理由の一つです。身体を鍛えて免疫力を高める、これも立派なアレルギー予防です。
寝冷えの下痢
季節の変わり目、特に春先になって布団からはみ出して眠った後、明け方急に気温が下がってお腹が冷え込んだりありがちですね。睡眠中なので自覚しにくいので薄い腹巻などでガードしましょう。
おへその上から腰の下まで、ちょうど十二指腸から大腸の下部までスポンと包むように着用します。外気から守るというより、体温を逃がさない、というのが目的になります。
この冷えから来る腹痛、下痢と緑色の便の場合、消化の良い温かい食べ物と水分補給で2~3日で改善が期待できます。おへその下とお尻の上(仙骨)にカイロを貼っても効果的です。一時的な原因ですので過労などでこじらせなければ問題ありません。
ただ、侮って放置すれば脱水傾向も進み受診しなくてはならなくなります。
黄疸
例えば暴飲暴食も一時的であれば寝冷えと同じ、安静・保温・養生で改善できます。これが仕事上、どうしても日常化してしまう方は要注意です。下痢も多い、消化不良も当然常態化、緑色の便・・・
これにアルコールが入ると肝機能も低下します。胃腸炎だけでなく、肝機能まで損なえば黄疸を発症し、その理由からも便は緑色になります。血中ビリルビンが白目や肌の色を変えて黄色っぽくします。いわゆる黄疸です。すみやかに受診しましょう。
慢性的な暴飲暴食、過食、過度のアルコール摂取、解決するには職場環境を見直すす必要があります。どうしても減らせない時は転職の準備も念頭に置いてください。いずれ強制的に去る日は来るからです。
食中毒
猛烈な腹痛、嘔吐、発熱、下痢、緑色の便。食中毒は急性胃腸炎を引き起こし様々な苦痛が一気に押し寄せてきます。
むやみに下痢止めを用いてはなりません、まずは排毒しましょう。食事は半日から一日くらいは中止して様子を観てください。水分補給だけは少しづつ試みながら、必要なら医師が点滴します。
そしてトイレ内で飛び散った水様便や吐しゃ物を家族はマスク、ゴム手袋着用で処分してください。その上で塩素漂白剤を薄めて拭き消毒しましょう。
苦しい症状ですが出すだけ出して脱水さえなければ助かります。何に、いつ当たったのかを考えましょう。もし家庭内なら、その食べ物を特定して処分しなくてはなりません。まな板や包丁なども全て消毒対象になります。
一番、徹底する必要があるのは手洗いです。手首から下、指の間、爪の間までしっかり洗います。それが予防の最善です。
まとめ
便が緑色になる理由
- 便の色を決めるもの
- 緑色は危険?緊急?
心配しなくていい緑色の便4タイプ
- 赤ちゃんの緑色の便
- 腸内環境を改善する3つの栄養
- ベジタリアンご注意
- 薬・サプリメント・合成着色料の影響
病的な緑色の便とはーその対策と予防
- アレルギー性腸炎
- 寝冷えの下痢
- 黄疸
- 食中毒
以上が今回の記事のまとめになります。心配ないものから改善が必要なもの、そして病的なものまで便は緑色一色で多弁に語ります。このお便りから自分を守るメッセージを受け止めてご活用いただければ幸いです。
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