脂肪便とは?症状や原因となる病気を知っておこう!

いつもと違う便が出る、なんだか脂っぽい気がする、と便の様子が変わって困っていませんか?もしかすると「脂肪便」と言われるものかもしれません。脂肪便とは何か、その症状や原因を書いていきたいと思います。

脂肪便とは

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聞きなれない言葉ですが脂肪便とは、名前の通り脂のようなドロドロとしたものが出る便のことです。脂のようなものは水に浮きにおいがあるのが特徴です。酸っぱいにおいがすることもあり悪臭と感じる人もいます。便を見ればすぐにわかるので気付きやすいです。

色・形・におい

色は黄色っぽい色~クリーム色のものが多く、形は脂が混じりドロドロとしているものが多いです。下痢が出ることもあります。においは酸っぱく悪臭と感じる人もいます。

原因

脂肪便が出る原因として多いのが食事で脂を摂りすぎた場合です。揚げ物や焼き肉など脂が多く含まれる食事を頻繁に食べていると脂肪便が出たりします。脂っこい食事だけではなく飲酒をしている人にも脂肪便が見られます。

また、肝臓などの臓器の機能が弱っていることも1つの原因としてあります。原因として挙げたこれらは消化不良によるものだと考えられています。消化に必要な消化液の分泌が良くないと食べものなどがうまく消化されません。通常はカラダに吸収されるはずの成分も消化不良が原因できちんと吸収されず便と一緒に出てきてしまいます。

対策

対策として脂っぽい食事の摂取を控え、普段の食事の量を少なめにしてみましょう。また消化のいい食材を選んで摂取することも大切です。また脂肪便の原因となっている根本を見つけ改善していくことが重要です。

脂肪便が出た時に考えられる病気

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脂肪便が出る原因として病気が関係している場合があります。考えられる病気をいくつか挙げていきたいと思います。

慢性膵炎

慢性膵炎(まんせいすいえん)とは膵臓での炎症を長期間繰り返すことにより、正常な組織が壊されて固くなってしまう病気です。膵臓の機能が低下してしまうと膵液の分泌が少なくなり、食べ物の消化がスムーズにできなくなってしまいます。主に30代~50代の男性に多く発症しているようです。

「症状」

初期段階では腹痛や背中の痛みを感じます。痛みは持続的で肩まで痛みが出ることもあります。病気が進行していくと消化不良による脂肪便がでたり、インスリンなどのホルモンを作り出す内分泌作用が低下することで糖尿病になったりします。

詳しくは、膵炎の症状について!原因や種類、治療法について!を参考にしてください。

「原因」

慢性膵炎になる原因として最も多いのがアルコールによるものです。発症する70%以上が男性です。原因不明の特発性膵炎胆石性膵炎も原因として挙げられます。

「治療法」

炎症の有無や痛みの有無によって治療法は異なります。鎮痛剤などの治療を行ったり、機能障害を補うために消化酵素を服用したりします。また、アルコールが原因のものに関しては禁酒をすることが第一です。喫煙も症状を悪化させる原因となるので、禁煙をすることも必要です、

慢性膵炎にならない為に日頃からアルコールを摂取しすぎないようにしたり、脂肪を摂りすぎないようバランスの良い食事を心掛けることが重要な対策法です。

「特発性膵炎とは」

特発性膵炎(とくはつせいすいえん)とは慢性膵炎と同じく膵臓が炎症を起こしているのですが、原因がわからない状態の事を指します。原因不明の腹痛や背中の痛み、発熱、嘔吐などの症状がでます。痛みの強さも様々で個人差があるようです。症状が悪化すると意識障害やショック状態を引き起こす可能性もあります。

「胆石性膵炎」

胆石性膵炎(たんせきせいすいえん)とは膵管と胆管は十二指腸乳頭部という場所で繋がっています。その場所に結石が詰まることによって膵液が溜り炎症が起きます。このことを胆石性膵炎といいます。腹痛や激しい背中の痛み、発熱、黄疸の症状が出ます。

吸収不良症候群

吸収不良症候群(きゅうしゅうふりょうしょうこうぐん)とは摂取した栄養素が何かしらの原因できちんと吸収されず栄養障害を起こしてしまうものです。消化や吸収は主に小腸で行われます。発症する原因はいくつか考えられますが、小腸の異常だけでなく他の臓器の異常も考えられるので注意が必要です。

「症状」

脂肪便、下痢、腹部膨満感、浮腫み、抜け毛、体重減少、貧血、低血圧などの症状が出たりしますが、吸収されなかった栄養素の種類によって出る症状が異なります。

「原因」

栄養素は通常、小腸で吸収されますが何かしらの原因によって、うまく吸収されなくなってしまいます。食べ物を消化する際に必要な消化酵素をカラダが十分に作ることができなかったり、胃や腸の手術をした人などに吸収不良症候群が起こることがあると言われています。

胃を部分的に切除すると消化酵素や胃酸とうまく混じり合うことができず、消化がうまく行われないことがあるそうです。また過剰にアルコールを摂取している、家族で吸収不良症候群になったことがある人がいるなども原因として挙げられます。

「治療法」

症状によって治療法は異なりますが、食事療法と消化酵素の投与を用いることが多いです。消化のいい食材を選び食事をしたり、脂肪の摂取を制限したりします。症状が重い場合には栄養療法をすることがあります。

小腸の粘膜が原因の病気

親子 仲良し

吸収不良症候群を引き起こす小腸の粘膜が原因となる病気を挙げます。

セリアック病

セリアック病は子供から大人まで年齢問わず発症する遺伝性の自己免疫疾患です。セリアック病はグルテンを摂取することで過剰に反応してしまい、小腸の粘膜を傷つけます。それによって食べ物がうまく吸収されなくなってしまいます。

グルテンとは小麦やライ麦などタンパク質の一種で、小麦を使った料理の弾力や膨張に必要な成分です。

「症状」

成人の場合、関節の痛み、口内炎、疲労感、手足のしびれ、不妊などです。悪化すると脂肪便が出たりもします。子供の場合は体重減少、腹痛、下痢、嘔吐などの症状の他に成長の遅れなどがあります。怒りっぽくなったり思春期が遅れたり、周りの子供に比べると小柄であるということもあるようです。

成人は子供に比べて症状が少なことがわかっています。

「原因」

グルテンを摂取することで異常反応を起こし小腸の粘膜を傷つけてしまいます。これは遺伝子が関係しているといわれており、発病した人の家族などがセリアック病にかかっていることがあるそうです。また、強いストレスや妊娠、出産などが要因となってセリアック病にかかってしまうこともあります。

「治療法」

大半の人がグルテンを含む食品の摂取を控えることで、症状の進行を防ぐことができます。グルテンフリーの生活を続けることで、傷ついた小腸も回復していきます。しかしグルテンを含む食品は多く存在するため、食事をするときには注意を払う必要があります。

クローン病

若者

クローン病とは若い層に発症しやすく原因不明で難病に指定されている病気です。口から肛門までの間の消化器官に炎症や腫瘍ができます。消化器官のどの場所にできてもおかしくなく、治療で治すことは難しいとされています。

クローン病は欧米で多いとされていて、日本では少ない病気とされていましたが、少しずつ増えてきているのが現状です。発病するのも若い年代で10代~20代に多くみられます。

「症状」

下痢や腹痛、血便、体重減少などの症状が出ます。目や皮膚、関節など腸以外の場所に合併症として症状が出てしまうこともあるようです。

詳しくは、クローン病の症状とは?原因や遺伝との関係も紹介!を読んでおきましょう。

「原因」

原因不明といわれているクローン病ですが様々な要因が考えられています。明確な原因というものはわかっていませんが、遺伝子、免疫、食事などが関係しているのではないかと言われているようです。

「治療法」

残念ながら根本的な治療は見つかっていません。ですがしっかりとクローン病と向き合い、食事療法や薬物療法などを行うことで症状を和らげたり、予防することができます。基本的には炎症を抑える薬を使用し状況に応じて、栄養の補給なども行われます。

消化酵素が原因の病気

吸収不良症候群を引き起こす消化酵素が原因の病気を挙げます。

乳糖不耐症

ドーナツ

乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)とは乳製品に含まれる乳糖(ラクトース)と言われる糖分を消化できなくなることです。消化できなかった乳糖は体内に残ってしまい、それにより乳糖不耐症の症状が出ます。

「症状」

乳製品を摂取すると消化ができず腹痛や下痢を伴います。子供にも発症することがあります。乳糖不耐症にかかっている子供でミルクを食事としている場合体重が増えないなどの症状が出たりもします。

「原因」

小腸の粘膜が傷ついたり、何かしらの原因で消化酵素が減ってしまうと乳糖を分解することができず、乳糖不耐症になってしまいます。遺伝的なもので消化酵素が不足していたり、風邪などのウイルス感染によって腸が炎症を起こし消化酵素が減少してしまう場合もあります。

「治療法」

まずは乳糖を含む食品の摂取を控えます。乳製品の摂取を制限することにより症状は改善されます。

まとめ

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脂肪便とは

・脂のようなドロドロとした便で酸っぱいにおいがある

色・形・におい

・黄色っぽい~クリーム色

・脂が混じりドロドロしている

・酸っぱいにおいで悪臭と感じる人もいる

原因

・脂の多い食事の過剰摂取

・過剰な飲酒

・肝臓などの臓器が弱っている

・消化不良によるもの

対策

・脂っぽい食事を控える

・脂肪便の原因となる根本を見つけ改善する

脂肪便が出た時に考えられる病気

・慢性膵炎

・吸収不良症候群

小腸の粘膜が原因の病気

・セリアック病

・クローン病

消化酵素が原因の病気

・乳糖不耐症

脂肪便については以上です。便には体調の変化が現れたりするので、今まで気にしたことがなかった人もこれからは注意してみてみるのもいいかもしれません。

隠れた病気が見つかる可能性もあるので汚いと思わずに日頃からチェックしてみてはいかがでしょうか?食事の改善をしても脂肪便が出るようであれば病院を受診してみてください。

  
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