胆道閉鎖症の症状を知ろう!便の色や黄疸に注意!生存率や病気の予後は?

生後まもなく発見される胆道閉鎖症という疾患をご存知ですか?黄疸や白色の便などの症状を伴い、進行すると肝不全に陥る可能性のある疾患です。

そんな胆道閉鎖症についてまとめてみました。

胆道閉鎖症とは?

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胆道閉鎖症とは、どのような疾患なのでしょうか?

胆道閉鎖症は、生後すぐから3ヶ月程度の赤ちゃんに発症する疾患です。おおよそ1万人に1人程度の割合で発症するといわれています。女の子のほうが男の子と比べ2倍の発症率があります。赤ちゃんに特有の疾患で、発見や診断が難しく、原因も分からず、病気の進行によっては命に関わるとても危険な疾患です。

胆道とは

胆道とは、胆汁を腸へと送る大切な管です。通常、私たち人間が食べ物を食べ、消化をする際には、体内で様々な消化液を必要とします。そのひとつが胆汁です。

胆汁は、体内に入った脂肪の消化吸収を促します。胆汁は肝臓で生成される液体です。アルカリ性で、色味は黄褐色です。胆汁は、生成されると胆嚢という部分に貯蓄されます。そして食べ物が身体に入り、消化する際にはこの胆汁が胆道という管から腸へ送られ、腸で脂肪の消化や吸収を促します。

胆道閉鎖症とは

胆道閉鎖症とは、胆道が何らかの異常で詰まり、胆汁を腸に送ることができなくなる疾患です。生まれつき、又は生まれてすぐに発症するのが特徴です。

腸に送ることが出来なくなった胆汁は、行き場がなくなります。そのため生成場所である肝臓に留まります。そして本来は脂肪を分解するはずの胆汁が肝臓の組織を破壊し始めます。そのような状態になると黄疸という症状を引き起こし、症状が進むと様々な合併症などを引き起こします。最悪の場合、胆汁性肝硬変症という状態になると、完治は難しく、命に関わります。

胆道閉鎖症は、胆管の閉鎖部分によって、重症度がI、II、III型と分類されます。肝臓に近い外側の胆管が閉鎖するのをⅢ型といい、一番症状が重くなります。

胆道閉鎖症の症状とは?

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胆道閉鎖症は生後まもなくや生後数ヶ月で発見される疾患です。そのため、大人が症状をよく理解し、知っておくことで、早期発見につながります。

黄疸

肝臓の働きや胆汁の流れが悪いとき、血液中にビリルビンという黄色い色素が溜まり始めます。黄疸は、血液中にその色素が増えることで、赤ちゃんの皮膚や白目などの部分が黄色くなる症状です。

通常出産後すぐの赤ちゃんも程度の差があるものの、黄疸症状がでます。これは新生児黄疸や生理的黄疸といいます。この新生児黄疸は、生後2、3日から出てきて一週間程度でなくなっていくものです。

しかし胆道閉鎖症の場合は、生後一ヶ月を過ぎても黄疸症状があったり、便の色味が薄いなどの症状が現れます。ちなみに赤ちゃんの便の色が黄色いのは正常です。胆汁がきちんと腸まで流れ、消化されているので便に色がでるのです。

また胆汁が正常に流れないと、脂肪の吸収が悪くなります。さらに本来は脂肪と共に吸収されるはずのビタミンも吸収できずビタミン欠乏が起こります。特にビタミンKは、欠乏すると脳出血などの症状を起こすので注意が必要です。

便の色

赤ちゃんの正常な便の色は黄色です。これは胆汁がきちんと腸まで届いて、消化・吸収がきちんとでき、排出されることで出る色です。しかし、胆道閉鎖症では、胆汁がきちんと腸まで届かずに脂肪やビタミンの吸収ができないために、黄色にはならず、クリーム色、薄い黄色、又はグレーがかった白などの色の便が出ます。

最近では、母子手帳などに便色カラーカードというものがついていますので、このカードで実際のお子さんの便の色を確かめてみるとよいでしょう。胆道閉鎖症は、生後何ヶ月か経ってかの発症もあるので、このような日頃のチェックは1日だけにせず、適度に日を変えて何度かチェックしてみることをオススメします。もし便の色が胆道閉鎖症の便に近い場合はすぐに小児科に受診してください。

肝臓が硬い

この胆道閉鎖症の症状が進むと、肝臓が硬くなり、皮膚の上から触っても分かる程度の硬さを感じるようになります。これは肝臓が胆汁を出すことが出来ず、肝臓が腫れている状態を表します。

出血傾向

胆道閉鎖症で、肝臓が腫れているような状態では、脂肪の消化・吸収ができないだけでなく、ビタミンも吸収できなくなっています。特に胆道閉鎖でビタミンKの欠乏が起きると脳出血などの症状を引き起こすことが知られています。

ビタミンKは、血液を固めて止血するための細胞を活性化する役割を持ちます。また骨のタンパク質を活性化させカルシウムを骨に吸収させるのを促す役割を持ちます。

ほとんどの新生児では、ビタミンK欠乏から起こる症状の予防から生後すぐに病院内でビタミンK2シロップというものが与えられます。その後は新生児が自分でビタミンKを補うように身体機能が働くのですが、胆道閉鎖症ではその後も胆汁がきちんと流れずにビタミンK不足になり、結果脳出血などの臓器の出血を起こすようになります。

胆道閉鎖症の原因

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この胆道閉鎖症の原因は詳しく分かっていないのが現状です。医療機関で言われているのは、赤ちゃんがお母さんのお腹にいるときに作られた胆管が、ウィルス感染やそのほかの原因によって炎症を起こし、閉塞や閉鎖してしまったということです。他にも先天的なものとする説や遺伝なども考えられています。

胆道閉鎖症は遺伝?

胆道閉鎖症の原因として遺伝という説があります。しかし今現在、遺伝性は明らかではありません。ただ親子や兄弟などの一親等家族内に発生する事例が多くあり、このようなことが言われています。

胆道閉鎖症の検査と治療

生後すぐは、誰でも黄疸症状が出るものです。このような新生児黄疸と胆道閉鎖症の黄疸を見分けるためにどのような検査があるのでしょうか?また、治療方法はいかがなものでしょうか?

胆道閉鎖症の検査方法

生後すぐの黄疸を見て、その症状の重い場合は、出産後の退院までの間に、先天性胆道閉鎖症の検査が行われます。

①血液検査

②腹部超音波検査

③尿検査

④十二指腸液検査

十二指腸検査では、チューブ状のものを挿入して胆汁の有無を調べます。また十二指腸の液を取って検査します。

⑤肝胆道シンチグラム

肝胆道シンチグラムとは、胆汁がどの程度流れ出ているかを調べるものです。

などが行われます。またこのような検査のほかに

①閉塞性の黄疸症状がでていること

②便の色味が淡い黄色やグレーに近い白色であること

などのチェック項目を検査して、診断することになります。

胆道閉鎖症は、進行次第では命に関わる重要な疾患です。日本胆道閉鎖症協会などでは、肝移植なしでの20年生存率は、葛西手術をした場合、生後60日以内で約40%、生後121日から150日では、約7%ということが分かっているそうです。そのため早期発見と早期治療が重要といわれています。

胆道閉鎖症の治療

胆道閉鎖症の治療は、主に外科手術が一般的です。

最初に考えるのは、胆管の閉塞部分を取り除き、胆汁をきちんと排出できるようにすることです。胆道閉鎖症では、閉鎖の部分が人によって違います。そのため、

①肝臓の胆汁の出口がきちんと開いているときでは、この開放部分に直接腸管をつなげるという手術で対応します。

②もし肝臓の胆汁の出口が塞がっている場合は、肝臓の外にある胆管をすべて取り除き、肝臓自体を腸管をつなげるという手術になります。(葛西手術)

このような方法で、生後60日以内に手術を行うと、約90%で黄疸症状がなくなるといわれています。しかしまだ症状がよくならない場合は、肝移植を行うことがあります。

胆道閉鎖症の術後合併症について

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赤ちゃんの頃に発症するといわれている胆道閉鎖症ですが、早期発見、早期治療で生存率も上がることが分かっています。

しかし注意しなければいけないのは、手術後の合併症の発症です。一般的に手術後は胆汁の流れをよくするための薬や、手術した後、細菌などに感染し、胆管炎になることを防止するために様々な薬を使用した薬物療法が行われます。そのほかビタミン剤やカルシウム剤などの栄養補助も同時に行うことで、身体を回復に導きます。

しかし、それでも時間の経過と共に合併症を引き起こしてしまう可能性はゼロではありません。実際に手術からかなりの年数が経って合併症を発症することがあるとのことです。どのような合併症があるのでしょうか?

上行性胆管炎

上行性胆管炎とは、腸内のものが肝臓に入り込むことで起こす感染が原因の胆管炎です。胆汁の流れが悪くなります。そのため、再度黄疸や発熱を起こします。

肝内結石症

胆石症といわれるもののひとつです。胆嚢という胆汁を留めておく袋状のものの中に胆石という石が作られてしまうことがあります。これと同じように、肝臓の胆管内で石が作られてしまう症状です。胆汁が上手く流れなかったり、細菌感染などで胆管に炎症が起きていることが原因といわれています。

肝肺症候群

肝硬変になると現れる合併症のひとつです。このような肝肺症候群を発症すると、肺動脈の血液が肺静脈に流れるという状態を起こします。

そのため、チアノーゼや動悸、息切れなどの酸素不足が原因の症状を引き起こします。進行すると、酸素吸入器なしでは生活が出来なくなるなどの弊害が出てきます。

門脈圧亢進症

門脈とは、吸収した栄養分を肝臓で分解するために肝臓に運ぶ管のことを指します。胃や小腸などの静脈血は、栄養成分を沢山含むため、心臓には直接戻らずに集まり、門脈というところに流れ肝臓に送られるのです。

しかし肝臓の具合が悪くなると、この門脈へ血液が上手く流れることが出来なくなってしまいます。この症状を門脈圧亢進症といいます。

脾機能亢進症

脾臓という臓器は、腹部左上にある臓器で、古くなった血液成分を壊したり、感染を防ぐなどの役割があります。通常1つあるものですが、胆道閉鎖症の人には、この脾臓の数が1つ以上あることが多く、そのため必要な血液成分をも破壊されることがあります。

脾機能亢進症は、このような状態の人に起こる疾患で、血液成分の破壊や白血球や血小板などが減少する疾患です。貧血や出血の際には、血小板の減少によって血が止まらなくなるなどの症状が出ます。また白血球の減少により、細菌感染が起こりやすくなります。このような場合、通常大人では脾臓を取り除くのですが、子供の場合、脾臓を取り除くことで、さらに感染症に罹るリスクが増えるといわれています。そのため、脾臓を小さくするなどの対策がとられています。

肝不全

上記のような症状を経て、それでも肝臓の具合がよくならないとき、黄疸や肝臓自体が硬くなると、肝硬変を発症し、さらに肝不全に進行してしまいます。

このような場合は、最悪腹水が溜まったり、そのほか様々なところに不調をきたします。治療には肝臓移植という手段しか方法がなくなります。

胆道閉鎖症の経過について

では、実際に胆道閉鎖症を発症し、手術を受けた後には、どのような経過をたどるのでしょうか?

日本では、胆道閉鎖症の手術を受けた患者の約60%が1年経過の段階では合併症を起こさず、肝臓移植などの手術の必要もなく生存できているそうです。もちろん1年以降も胆汁がきちんと排出され、肝臓に負担のかかることがなければ、問題なく生活を送れるでしょう。

しかし、注意しなければいけないのは、このような術後の経過が良好でも、定期的に検査や検診を行うことを忘れてはいけないということです。なぜならこの胆道閉鎖症では、術後何年も経ってから合併症が発症するケースがあるからです。発見が遅れると、最悪肝不全にまで達してしまう恐ろしい疾患だということを理解しましょう。合併症などを発症すると、約半数の患者で肝移植が必要になるといわれています。

日頃から気をつけること

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では、胆道閉鎖症を発症し、手術後に気をつけることはあるのでしょうか?

食事

疾患の有無に関わらず、食事については栄養バランスよく、きちんと取りましょう。

特にこの疾患用の食事というのはありません。ただ、胆汁の分泌などがきちんと出来ていない場合、脂を上手く分解することができない可能性があります。また同時にビタミンの不足も起きていることが予想できるので、担当医師と相談して、そのようなときはビタミン剤の処方や肝臓疾患患者向けの食事療法などの指導を仰いでみるとよいでしょう。

一般的に肝臓によいとされている食べ物は、胆道閉鎖症の患者に向いていない場合があります。一般のサプリメントや栄養食品などは、摂取する前に主治医と相談するのをオススメします。

予防接種

小さいときに手術をする関係で、その後の予防接種をどうするか、保護者ならとても心配なところです。

予防接種に関しては、主治医と相談して、受けてよいものは受けたほうがよいといわれています。もし将来、肝臓移植などの選択をした場合、一時的に免疫抑制剤を使うことになります。すると、様々な感染症に罹りやすくなってしまうので、小さいうちに免疫をつけられるものはしておいたほうがよいということです。しかしこれも個人個人で様々な可能性が考えられるので、予防接種を受ける前には必ず主治医に相談し、許可を得ることを忘れないようにしましょう。

ミルク

発見や手術が生後まもなく行われることが多い胆道閉鎖症であるため、術後はどのように育てていけばよいかとても不安になります。また母乳やミルクに関してもどのような制限があるのか気になりますよね。

多くが手術後の胆肝炎の予防や早い回復のために絶食をします。栄養不足にならないように輸液などの処置はされますが、母乳やミルクなどはあげられません。親としても辛いところでしょう。

また細菌感染予防や胆汁がきちんと排出されるための薬も与えられるので、この時期は親も子も我慢の時期と捉えましょう。その後通常の栄養を摂取できるようになったときには、MCTミルクという特殊なミルクを与えることができます。母乳や通常のミルクと違い、胆汁の成分を必要としないミルクで、分解や吸収が早くできるミルクです。

母乳や一般的なミルクを与えられない辛さはありますが、このような対処法で健康に育つことを考えれば、少しは安心できるのではないでしょうか?

親の心得

生後まもなくの疾患に、親としては不安なことが沢山あると思います。親としてどのようなことに気をつけておけばよいのでしょうか?

①スキンシップを十分に行う

入院をしてる赤ちゃんは、普段から親子のスキンシップが十分でない可能性があります。そのような不安な状態を解消させてあげるためにも、十分にスキンシップや笑顔で話しかけるなどの行為を積極的に行いましょう。疾患と上手に向き合うためにも、そのような行為が赤ちゃんにも、親にも必要です。

②知識を得る

出産後すぐの疾患の発見と手術などで、親はパニック状態になることも多いでしょう。しかし、手術などひと段落したら、冷静に今後のことなども考えられると思います。

胆道閉鎖症では、発見し、手術をしても、その後の定期検査や検診など、病院と引き続き付き合わなければいけません。そのためにも親は、疾患のこと、将来の移植の可能性、また手術後の生活などについても主治医に聞いたり、自分で調べたりするなど、正しい知識を得ることが必要です。あやふやな知識や無知は、精神的に民間療法や宗教信仰に頼りたくなります。その中には危険なものも多数存在しているといわれています。自分の子供の健康がそのような被害にあわないためにも、疾患をきちんと理解し、治療の選択をしましょう。まずは親が冷静にこの疾患と向き合いましょう。

③医療機関

胆道閉鎖症は、手術をしても、経過観察が大切な疾患です。医療機関や医師とは長い付き合いになります。そのため、信頼関係は是非きちんと築いてほしいものです。小児科や移植外科などお世話になる医師や医療機関などときちんと信頼関係が築けていれば、将来合併症や移植手術などになった際にも説明や理解が早くできるはずです。

また家族の不安な問題も医師に伝えることで、患者やその家族の関係も良好に築くことができます。まずは遠慮をせずに医師に質問してみましょう。

まとめ

いかがでしたか?あまり聞き慣れない胆道閉鎖症ですが、生後すぐに早期発見すれば、手術で改善できる疾患ということが分かりました。

しかし同時に手術後も合併症などの危険を理解し、定期的に検査や検診など医療機関と連携をとり、気長に根気強く付き合わなければならない疾患だということも分かりました。

親としては、発症が分かった時点で疾患を理解し、冷静に対処することが、子供にしてあげられる一番の治療法です。

  
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