ストレスが原因の咳とは?特徴や治し方を紹介!

ストレスから咳が発生することがあります。

感染症などの問題よりも厄介で、治りにくく喘息などの問題に発展することもあります。

子供の症状よりも大人に発生する喘息咳の症状は治癒が難しく、長引いてしまう傾向があります。風邪ではなく咳が続いている場合。それはもしかしたらストレスが原因の喘息に繋がる症状の前触れかもしれません。

感染症以外で発生してしまう咳の原因を正しく理解して、咳を治療していきましょう。どうしても咳=感染症(風邪)というイメージが抜けないので、中々治らなくなってしまいます。

生活習慣の改善やストレス解消法から治療できる対処法についても紹介しますので、咳で悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

咳の基本知識

マスク

それではまず、咳のメカニズムについてみてみましょう。どういった仕組みで、また何を目的にして咳を発生させているのかについて学んでいきましょう。

がいそう

咳は、医療の専門用語では「咳嗽(がいそう)」といいます。

咳嗽も普段の呼吸も、口と喉と肺の間を空気が行き来するということでは同じです。しかし咳嗽は、空気を強制的に吐き出す点で、普段の呼吸と区別されます。咳嗽は、気管や咽頭や呼吸筋が反射運動を起こすことによって生じます。

咳嗽と咳はほぼ同じ意味なので、以下では病名以外では「咳」を用いて説明していきます。

咳が出る理由:防御反応

なぜそのような反射運動が起きるのかというと、異物が肺の中に入ってしまうことを防ぐためです。

肺には目に見えないくらい細い血管が無数に通っています。その血管を使って、肺に充満している酸素を血液に入れ、血液中の二酸化炭素を肺の中に吐き出させています。これはかなり精密な作業です。肺はいわば「超精密機器」なのです。

このような場所に異物が混入すると、簡単に壊れてしまいます。壊れると炎症を起こします。これが肺炎です。

そこで脳は、気管や咽頭や呼吸筋にわずかでも異変を感知したら、反射運動を起こして異物を体外に排出しようとするのです。つまり咳は、肺炎を引き起こさないようにする防御反応なのです。

理由その2:防御反応が誤作動を起こしている

しかし咳は異物が侵入していないのに起きることがあります。防御反応が敏感になり過ぎているためです。脳が「異物が侵入したときの状態に似ている」と感じてしまうと、「無意味な咳」=「喘息」を引き起こすことがあります。

咳は喉の筋肉のみならず上半身の多くを使うので、激しい喘息は体力を消耗し体を障害します。

この症状はアレルギー反応やストレスによって自室神経が大きく乱れることが原因で発生している問題になります。

詳しい原因を探るためには血液検査やアレルギー検査や感染症などをつぶさに検査して導き出す必要があります。

心因性咳嗽の症状

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ストレスが原因で引き起こされる咳のことを、心因性咳嗽(しんいんせい・がいそう)といいます。

この症状に関する具体的な症状について見ていきましょう。自分に当てはまる症状はありませんか?セルフチェックしてみてください。

心因性咳嗽の咳(喘息)の特徴

咳以外に身体的以上が発生しない。ということが特徴になります。

人によって咳の音などは異なりますが、多くの場合は炎症が発生しているわけではないので、「コンコン」「コホコホ」と表現される空咳が発生します。

喉の痛みもひどくなく、感染症ほど気になりません。その他、風邪などの場合に発生する腹痛、体の怠さ、頭痛、関節痛、熱、痰の絡んだ咳なども発生しないことが多いです。

睡眠中や休んでいるときには咳は治まる傾向があり、逆に働いている時や活動している日中に症状はひどくなります。

無意識にストレスが発散されている集中している時などは咳がピタッと止まることがあります。しかし、あれ?咳が止まってる?と認識すると急に咳が出てくることがあります。

麻痺や失声も

心因性咳嗽では、咳が症状として現れます。診断で重要なのことは、その咳が「呼吸器官の問題がないのに起きている」ことを突き止めることです。心因性咳嗽では、咳以外の特徴的な症状を確認することが出来ます。

それは、手足の麻痺や、声を出せなくなる失声症などです。

失声症も、声を出す器官に異常がないことが診断の前提になります。触覚、視覚、聴覚といった感覚が失われることもあります。

これは心因的なトラブルが更に複雑化していることを示す症状で、精神や肉体的に蓄積されたストレスが精神状態を大きく悪化させることで体の機能が正常に働かなくなってコントロール機能が壊れて発生している症状です。

チック症・吃音症

麻痺や失声などの症状の初期症状として、チック症や吃音症に近い症状が発生することがあります。

吃音症は、言葉に詰まったり、上手いこと言葉が出てこない疾病で先天的な場合とストレス等からの後天的な発症が認められています。脳内物質の低下などが関係していることがわかっています。

咳と同時期に発生した場合はいじめなどの強いストレスから発症するケースが多くあります。

チック症は突発的に筋肉を硬直させたり、目を強く瞑る、顔をしかめる、大声をあげるなど衝動的な行動を抑えられないことから発生している行為のことです。

心因的なストレス性のものや成長の過程で起こる一過性のものがあります。

ストレスの蓄積から、これらの症状から現れる傾向があります。もし咳と同時これらの症状が発生しだした場合は精神的な要因を明らかにして対策していきましょう。

咳止めは効かない

炎症が関係して咳が出ているわけではないので、市販薬などの咳止は聞くはずがありません。実際に病院で処方された薬を飲み続けた患者も止まらなかったと言う報告があります。

内科などにかかってしばらく薬をのんでも症状が改善しない場合は精神科や心療内科に行ったほうが良いでしょう。

ストレスの元になっている問題を取り除くことが重要になります。

逆に効果の無い薬を使用し続けることで、副作用が発生する場合もあります。更にストレスが蓄積して逆に症状が悪化してしまいますので注意しましょう。

心因性咳嗽の原因

マスクトレーニング

ある心療内科医は「心因性咳嗽の診断は難しい」と言います。それは咳に特有の機能があるからだそうです。問題が悪化してしまう原因について見ていきましょう。

診断が難しい

それは、咳は人為的に出せる、という機能だからです。

心臓の心拍数は、変えようと思ってもなかなか変えられませんが、咳は誰でも好きなときに出すことができます。

これは「咳の症状は嘘をつける」という意味ではありません。例えば健康な人でも、会議でプレゼンするといった緊張の場面で咳払いすることがあります。

これは「本物の咳」のように無意識に行っていますが、異物を排除する目的でする「本物の咳」とは異なります。しかしもちろん心因性咳嗽でもありません。

こうしたことから心療内科医が「診断が難しい」と言うのです。心因性咳嗽は意識的に行っている咳ではありませんが、無意識の内に咳を出させている状態ですので見極めや認知が難しいのです。

転換性障害

心因性咳嗽が転換性障害によって引き起こされることがあります。転換性障害とは、心の葛藤や会社でのストレスといったことが重なり、手足の麻痺や感覚に障害が起きる病気です。咳も症状の1つです。

この病気はかつては「ヒステリー」と呼ばれていました。医学的には「心への攻撃」が「体の異変」に「転換」したと考えます。それで、このような病名が付いています。

多くの原因は人間関係

仕事でうまくいかない。上司に怒られる。恋人とうまくいかない。友人との喧嘩。いじめ。両親からの圧力。など人間関係発生するストレスが蓄積していることが最も症状を発生させやすい原因になります。

しかし、逆にこれらは解消されることで一気に症状が回復する原因でもあります。

自分の生活の中のどの様な関係が原因になっているのか明確にして対策することが重要です。自身の性格的な問題もあり、ストレスを蓄積しやすい、怒られやすいなどの特徴がありますのでそれらを上手く処理していくことが有効な方法です。

咳はストレス発散の手段

どうしてストレスで咳が出るのか。これに関する詳しい原因は明らかではありませんが、精神医学的には咳を無意識に発生させているのはストレス発散のためと言われています。

本来は趣味を行うことや人との接触の中で自然に解消されるはずのストレスですが、定期的に発散されていないと無意識にストレスを体が解消しようとして咳が発生するのです。

ストレス発散の手段が暴飲暴食として現れる場合もあれば、破壊衝動に繋がる場合もあります。無意識の内にたまりすぎたストレスを解消しようとする自己防衛反応であることを自覚しましょう。

逆にこれらの反応を見逃して更にストレスを蓄積してしまうと躁鬱病に繋がったり自律神経失調症や味覚を失ったり不眠症などの問題に発展する事もあります。

そうなる前に対策していきましょう。

心因性咳嗽の治療・対策方法

マスク

もちろん咳を抑える治療も行うのですが、これは一般的な気管支喘息と同じ内容になりますので、後述することにします。

まずはストレスの認識

ストレス性の咳の場合はまず、その咳がストレス性のものであることをしっかり医学的に明らかにして、自覚してください。

ストレスが原因であることで、咳が出ている原因が病気でないことを理解出来、今まで悩んできた咳へのストレスは解消されます。

それだけでもストレスの軽減に繋がり症状が軽減することもあります。そして、どうしてそこまでストレスが溜まってしまったのか、ストレスの原因を明確にするなどして症状を治療、予防していくアクションが必要になります。

信頼関係の構築

心療内科や精神科にかかった場合に最も重要な事が信頼関係の構築です。

精神科などの病院での治療方法は主に2つあります。1つは問診や生活指導などを主に行って、精神的に支えて精神状態を回復するカウンセリングでの治療。もう一つは薬などを用いた薬物的治療。

信頼関係が構築されていないと、どうしても薬などを治療途中で中断してしまう患者が多く、完全に治療できないまま通院まで自己判断で中止して症状が再発、更に再発症状が以前よりも悪化するというケースが多くなっています。

心因性咳嗽の原因が転換性障害の場合は、入院治療を行います。標準的な入院期間は2週間で、これで症状が改善します。

心因性咳嗽の症状は約2割の患者が1年以内に再発するという報告があります。根気よく通院して治療することが重要ですので、しっかりお医者さんとの信頼関係を構築できる病院を探して診察しましょう。

時間がかかる

転換性障害が原因の場合、有効な薬は少ないとされています。患者の性格や気質を把握してストレス原因を探し、そのストレスを取り除く作業を行います。

ですので、非常に時間がかかる治療になります。家族の協力も欠かせません。

薬物療法

薬は補助的に使います。抗うつ薬や非定型抗精神病薬、抗不安定薬、気分安定薬を使うことがあります。

ただ、繰り返しになりますが、これらの薬がすぐに効果を出すことはまれなため、患者側に焦りが生じます。それで別の精神科にかかって別の薬を出され、結局薬が過剰になりそれらの副作用に苦しむこともあるそうです。

患者が「時間がかかる」と理解することが、この病気の治療の鍵になります。

気管支喘息について

肺胞出血

気管支喘息について紹介します。心因性咳嗽との症状の違いを理解してしっかり治療していきましょう。

気管支喘息の症状

ストレスが気管支喘息を引き起こすことも知られています。症状では、激しい咳の他に、呼吸が苦しくなることもあります。息切れや、ぜいぜいいう喘鳴(ぜいめい)という症状も起きます。

「コンコン」より「ゲホゲホ」や「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音の咳が発生します。

夜になると症状が辛くなる傾向があり、睡眠中にも咳き込む事があります。痰などもよく絡んで炎症が起きていることが確認できます。

気管支喘息の原因

気管支喘息は、気道が炎症を起こして細くなっているために生じます。炎症も、気道が細くなる現象も、気道を過敏にしてしまいます。それでちょっとした異変にも、過剰に反応してしまい、咳が止まらなくなってしまうのです。

気管支喘息の治療

肺胞出血 原因

気管支喘息が疑われると、レントゲン検査を行います。これは肺の様子をみる目的と、他のもっと深刻な病気がないか探すためです。さらに肺機能検査を行います。肺の機能の落ち具合でも、肺がんなどが疑われることがあるからです。

ステロイド

薬はステロイドを使います。吸入する方式で服用します。ステロイドは血圧を上げたり糖尿病を誘発したりする副作用がありますが、吸入方式だと肺だけに作用するので、副作用を小さくすることができるのです。

飲み薬のステロイドも使います。激しい発作が起きて、すぐに吸入方式による治療を受けられないときに飲むためです。

β2刺激薬

喘息は気道や気管支が狭くなることで症状が悪化します。β2刺激薬は、狭くなった気道や気管支を広げる作用があります。速く効くことから、突然喘息が始めり、すぐに症状を抑えたいときに服用します。吸入補助器具で吸います。

そのほかの薬

テオフィリン薬は、気管支を広げると同時に、炎症を和らげます。ゆっくり効果が出るタイプと、速効タイプがあります。ゆっくり効果が出てくるタイプは、長期にわたって治療をするときに使います。注射で投与することもできます。

抗コリン薬も気管支を広げる薬ですが、ほかの薬とは「広げ方」が違います。自律神経の働きが気管支を狭めることがあるのですが、このとき自律神経はアセチルコリンという物質を放出していることが分かっています。抗コリン薬は、アセチルコリンを抑える薬で、これを使うことで、気管支が狭まることを防げるのです。

そのほか、ロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン徐放製剤、抗IgE抗体といった薬を使うことがあります。

治療では、患者に喫煙の習慣がある場合、禁煙することを求められます。タバコが気道を細くするからです。

まとめ

「咳は呼吸器科」と決めつけないでください。呼吸器科での治療が進まず、「心の重さ」に気付いたら、精神科や心療内科の受診を検討してみてください。

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