皮膚潰瘍とは?原因となる病気を知ろう!症状や治療方法も紹介!びらんとはどう違う?

皆さんは潰瘍と聞いてどんなものを思い浮かべますか?滑らかなところがボコッとへこんだようなイメージではありませんか?

そうです。潰瘍とは皮膚や粘膜の一部に物質欠損が起きた、つまり欠けてしまった状態をいい、一般的に潰瘍と呼ばれます。

ただし、皮膚の欠損が深くなくごく表層に限られたり、粘膜の欠損なら粘膜筋板を越えない場合、はそれを糜爛(びらん)とよび、潰瘍とは区別しています。

潰瘍とは、組織の一部に欠損が発生し、その部分に局所的な組織の死、壊死(えし)がおこり、それが脱落または融解して生じるものです。

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皮膚潰瘍とは?

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皮膚はからだの表面にあり、皮膚の表面は角質層で覆われており、各化細胞の層が角質に変化しますが、皮膚の表面からその角質に変化するまえの各化細胞の層までの約0.2mmの部分を表皮といいます。

その表皮の下には真皮層があり、脂腺や汗腺、血管や神経、毛包、といった様々なものがコラーゲンで包まれています。その真皮の下には皮下脂肪の層があり、さらにその下には筋肉の層があります。

皮膚は体の一番外側で体の中の水分を保ち、病原体の侵入に対してバリアの役割を果たす重要なものです。このバリアが破綻した状態が潰瘍であり、先に書きましたびらんと共に潰瘍というのも、皮膚の損傷いわゆる傷の状態を表現する言葉であり、疾患名ではないんですね。

この皮膚潰瘍は特に糖尿病患者さんや高齢者など免疫機能が低下した患者さんにおいては、脱水・出血の原因となるだけではなく、致死的な感染症につながる危険性があります。また、潰瘍からの滲み出しの管理については患者さんにとって大きなストレスとなって、日常生活が送りづらくなる原因となります。

びらんと潰瘍の違い

糜爛(びらん)とは、浅い傷であり、深さは表皮までの皮膚の損傷のことをいいます。表面が湿潤した状態であり、水ぶくれができたあとに見られることが多いものです。

とくに、天疱瘡などの水疱症やとびひ、アトピー性皮膚炎でかきむしることや、熱傷などにより起こります。これについては、表皮が再生することで治癒しますので、通常痕が残ることはありません。

潰瘍とは、びらんよりも深い傷で、その深さは真皮以下の組織に達します。滲出液が出たり、出血が伴ったりします。悪性腫瘍や血行障害を起こしやすい糖尿病や膠原病または血管炎に続いて起きることが多いものです。

治癒に向かう過程で多くのコラーゲンがつくられることにより、瘢痕と呼ばれる傷跡が残ることがあります。

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皮膚潰瘍の症状

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それでは、皮膚に潰瘍が起きるとはどんな症状なのでしょうか?

原因はさまざまですが、皮膚や粘膜が傷つき、それが進行することでその組織に欠損が起きるというものです。はじめは小さな傷なのですが、それが知らず知らずの間に深くなり、それが潰瘍の状態となると、皮膚潰瘍と呼ばれます。

皮膚潰瘍の状態になると治りにくくなってしまい、また潰瘍部の痛みや冷えを感じることがあります。皮膚潰瘍と一口に言っても、原因によって症状は様々です。また、皮膚潰瘍は下腿部に多く発症するものです。

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皮膚潰瘍の原因

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皮膚潰瘍の症状は原因によってさまざまです。

皮膚潰瘍ができる原因は、まず皮膚に傷ができること、そしてその傷の部分の細胞が死んでしまうことにあります。その傷が本来個々人が持っている自然治癒力で治すことができなかった場合、皮膚の欠損(潰瘍)が出来てしまうのです。

発症のきっかけは?他の疾患が関係するの?

皮膚潰瘍の原因で一番多いものは熱傷や外傷だと言われています。

しかし、熱傷や外傷でも重症度により変わっては来るものの、自然治癒力により傷は回復していくものですが、なぜそれが皮膚潰瘍になってしまうのか不思議ですね。

また、熱傷や外傷以外にもいくつかの疾患がある場合、原因となることがあります。

小さな傷の段階では、自然治癒能力によって、治っていくことが多いのですが、動脈硬化症、糖尿病や膠原病などの全身の病気が存在する場合には、治りづらく、皮膚潰瘍になることがあります。皮膚潰瘍を生じたことで、これらの病気があることに気づく場合もあります。

糖尿病性皮膚潰瘍

糖尿病性皮膚潰瘍は、糖尿病病変の重要な合併症です。感染や知覚鈍麻を伴っていることが多く、長期の糖尿病の患者さんにみられます。

糖尿病の皮膚潰瘍の発症は、末梢神経障害による場合と、循環障害や動脈硬化症から発症する潰瘍の2つに分けられますが、両者はしばしば混在してみられるものです。

かかと、足のうら、かかと部などや骨変形部位に末梢神経障害が生じる場合と、足の側縁や先端に生じる虚血性潰瘍がよくあります。糖尿病性皮膚潰瘍は、感染によって急速に足背面から下腿に広がったり、虚血により足指が黒くなり、壊疽(えそ)になり、足が壊死してしまう場合があります。

ベーチェット病

また、ベーチェット病が原因で皮膚潰瘍が起きることもあります。外陰部に潰瘍がみられた場合は、ベーチェット病を疑い、検査を行う必要があります。このように、皮膚潰瘍の原因は外傷と疾患があります。

詳しくは、ベーチェット病ってなに?症状や原因、治療方法を知ろう!ただの口内炎に要注意?を参考にしてください!

静脈うっ滞性皮膚炎

静脈うっ滞性皮膚炎は比較的多く見られるもので、静脈の閉塞や逆流が原因となる皮膚潰瘍ですが、女性に多く見られます。

それは妊娠や出産をきっかけにして発症することが多いとされていて、脚の静脈がコブ状になるという特徴があります。また、かゆみが起きたり、湿疹が出来たり、皮膚が固くなってしまったりもします。やがて皮膚が黒くなって、潰瘍ができていきます。

この場合の症状は、長年に渡る湿疹という特徴があります。皮膚潰瘍の中では比較的治りやすいと言われていますが、皮膚が色素沈着(褐色)してしまい、固くなってしまいます。

また、湿疹部分はかゆみを伴うためにかいてしまい、傷がボロボロになり、そこが皮膚潰瘍になっていくんですね。まずは傷を作らない予防措置、早い時期の傷治療が重要です。皮膚潰瘍の症状には重点的治療が必要になります。

褥瘡(床ずれ)が原因となる場合も!

また他の原因として、褥瘡(床ずれ)があります。

臀部や足にできることが多いものですが、長期間寝たきりになっている患者さんや、他には下半身の麻痺により車椅子で生活している方の臀部などに見られることがあるものです。

脂肪、筋肉、そして皮膚などの組織は、酸素と栄養が体内を流れる血液によって運ばれることで機能しています。もしこの血流途絶えてしまった場合、一定時間が経過すると、組織が壊死してしまいます。

圧迫により、このように局所に栄養がいきわたらないことで皮下組織や皮膚が壊死に陥ると、褥瘡(床ずれ)が起こるのです。主な原因が圧迫ですので、除圧を行うことが予防になります。その際にはさまざまな除圧器具を用いることになります。

それがもし座っている時にずれてしまった場合は、褥瘡(床ずれ)が進む原因になります。
褥瘡(床ずれ)は、レベルが深さによって、I度からIV度にまで分類されています。III度以上になると潰瘍が皮下組織にまで及んでいる状態であり、組織は壊死に陥り、周囲からの上皮化により治るまで時間を要するものです。I度やII度のものについては、深くまで進まなければ、真皮成分が残ることで柔らかい皮膚として治癒に向かうことが可能なものです。

表 褥瘡の分類

I度 皮膚の発赤・熱感を伴う状態
II度 皮膚の損傷で、皮下脂肪までは達さない状態
III度 潰瘍が皮下組織まで達した状態
IV度 潰瘍が筋・骨・腱にまで及ぶ状態

詳しくは、褥瘡の治療について!症状や原因も詳しく知っておこう!を読んでおきましょう。

かゆくて掻きむしった傷は大丈夫?

アレルギーやアトピー性皮膚炎でかゆくてたまらず、浸出液が出るまでまたは出血するまで掻いてしまった傷が潰瘍になることはあるのでしょうか。
まずは、そのようにして掻き壊してしまった箇所の傷のかゆみの原因となっている湿疹などの治療を行うのが一般的ですね。
潰瘍はびらんよりも深い傷ですから、そこまで至る前に治療を行い食い止めることは可能と思います。しかし、治療ができないなどの理由で、掻き続けて皮膚表皮の組織を全て剥がしとってしまった場合は、潰瘍と言えますね。しかし、自己判断せず、医師の診断が不可欠です。
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皮膚潰瘍を予防できる?

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皮膚潰瘍の症状と原因について書きましたが、皮膚潰瘍を予防することはできるのでしょうか。

まずは、熱傷や外傷が原因となることから考えてわかるように、大きな予防法としては傷を作らないこと、と言えるでしょう。

ではそれとは別に、先に書きましたような疾患が原因の場合はどうでしょう。 まずはそれも皮膚潰瘍の原因となるその疾患をきちんと治療しているならある程度は予防できるものです。

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皮膚潰瘍の治療方法

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手術により治す外科的治療と、手術を行わずに治す保存的治療があります。潰瘍の深さにより様々な方法がとられています。

皮下組織まで潰瘍が達した場合、壊死した組織に細菌が繁殖し、全身に影響を及ぼしてしまうことがあるため、壊死した組織を取り除かなければならないこともあります。

そうして壊死した組織を取り除いた場合、そのあとには周囲の皮膚の再生などを促す処置を行います。

原因別の治療方法

糖尿病性潰瘍の場合

糖尿病が起因する糖尿病性潰瘍には日常のフットケアに加えて、医療機関により定期的に予防的に足のチェックを行います。早期病変で足の色の変化などが確認されれば、骨変形の有無、血行の評価、知覚低下などの神経障害、難部組織炎や骨髄炎の確認などによって潰瘍の評価を行います。

そのうえで、抗生剤の服用、切除などによって皮膚潰瘍の処置を行い、循環改善薬を併用します。壊疽を起こしている場合には、断肢術の処置が必要です。

しかし、やはり根本的な治療は必要です。例えば、動脈の流れを良くしたり、静脈の滞りをなくしたりする処置を行ったうえで、潰瘍部の治療を行うことが多いものです。そうすることで潰瘍部の治癒に効果をあげることができるものです。

放射性潰瘍の場合

また、がんの治療などにより放射線照射を受けた患者さんが10年ほど経過したのち、潰瘍を作ることがあります。これを放射線潰瘍といいます。これは組織の血管が放射線により潰れてくることにより起こる現象で、表から見ると小さな傷であっても、実際は組織の深いところまで影響を受けていることがよくあります。この場合については、血行があるところまで充分切除して、血行が豊富にある組織で充填する処置をすることが多くあります。

早期の治療が重症化を防ぐ

大きな予防法としては熱傷や外傷などの傷を作らないことですが、もし気をつけていたのにもかかわらず、傷を作ってしまい、皮膚潰瘍にまでなってしまったとしても、早期に発見し、治療を進めることで重症化してしまうことを充分予防できるものです。

また、糖尿病やベーチェット病など、どうしても皮膚潰瘍につながりやすい疾患もありますが、そういった疾患が原因で皮膚潰瘍ができてしまった場合、早期に治療すれば重症化に至らずに済むと言われています。

熱傷や外傷が原因で引き起こされる皮膚潰瘍も、疾患が原因で引き起こされる皮膚潰瘍も、どちらも早い時期に傷の治療にとりかかることが重要と言えます。

処方薬について

以下は、個人の状態により、医師の適切な診断に基づき処方されるものですが、どのような処方薬があるのか、見てみましょう。

処方薬の種類

1.感染リスクがある傷に対しては,創傷被覆材(ドレッシング材)より外用薬(皮膚潰瘍治療薬)が適します。

2.滲出液が少なく乾いた傷には、乳剤性軟膏(ゲーベン(R)クリームなど)が向いています。それはこの薬が患部に水分を付与する役割を持っており、患部を湿潤させることができるためです。

3.滲出液の多い傷には、水溶性軟膏(カデックス(R)軟膏,ユーパスタコーワ軟膏,テラジア(R)パスタなど)を用いるのがベストです。それはこの薬の吸水能力が高いためです。

なお過剰な滲出液は、傷の治癒を阻害し、細菌感染を助長してしまうために制御する必要があります。

処方薬についての注意

まとめますと、創傷の治癒にとって乾燥環境は不利なのに対して、湿潤環境は有利なのですが、乾燥は細菌増殖にとっても不利で湿潤していると細菌感染が起こりづらいものです。つまり、適度な湿潤環境の保持が重要です。

なお、皮膚潰瘍治療薬には添付文書に特徴的な慎重投与や禁忌が記載されているものがあります。薬剤によってはそれらが多岐にわたることがあり、特別注意しなければならないものです。

特に皮膚潰瘍の局所療法で使うのは、先に書きましたように大きくわけて外用薬と医療材料(創傷被覆材、ドレッシング材)があります。なお皮膚科医は他科医と比べて外用薬を選択することが多いようです。

感染・炎症を伴ったり、壊死組織がある場合は、外用薬を選ぶほうが無難ということもあります。

創傷被膜材の特徴

創傷被覆材には利点があり、それは毎日交換が不要で、塞ぎっぱなしにしてもいいことです。逆に欠点もあるのですが、それは特殊な場合を除いてですが、最大3週間までしか使えないこと、自宅処置分は保険償還されないことです。

このことから、創傷被覆材のベストな適応は数日間は処置しなくても(つまり塞ぎっぱなしであっても)感染するリスクが乏しく且つ3週間以内の治癒が見込まれる程度の潰瘍であることです。

皮膚潰瘍治療薬基剤の特性

皮膚潰瘍治療薬の基剤は大きく2つに分けられます。一つは親水性基剤(親水軟膏と吸水軟膏をつくる乳剤性基剤と水溶性軟膏)、もうひとつは疎水性基剤(油脂性軟膏)です。

(1)疎水性基剤   外用薬としては最も使われる基剤です。理由は、刺激性が少なく安全性が高いためです。特徴は水をはじくことで、水様便または尿による汚染から、潰瘍面を保護するのに適しています。

(2) 乳剤性基剤(親水軟膏) 特徴は、地皮膚への浸透性が良いというものです。患部に水分をとうるおいを与えます。滲出液が少なく潰瘍面が乾いている場合、適応となります。

オルセノン(R) 軟膏、ゲーベン(R) クリームがこれにあたります。また壊死した組織を自己融解させる目的がある場合には、ゲーべンが向いています。逆に滲出液が多い潰瘍には適しません。なぜなら滲出液を再吸収させることで症状を悪化させることがあるからです。

またこのような外用療法に加えて潰瘍形成に至った原因である圧迫や循環不全の除去も必要です。

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まとめ

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皮膚潰瘍について理解を深めていただけましたでしょうか?

皮膚の損傷が要因となること、または、全身性の病気から起こる症状であり、そのサインとして現れる場合もあるんですね。

皮膚の欠損(潰瘍)が生じた原因を早く突き止めて、もしその要因に他の病気が関係しているなら、それも併せて治療するのが最も望ましいですね。

原因や症状、程度によって治療法もさまざまですので、まず実際の症状を医師に診察してもらい、患部の治療と根本的要因の治療について担当医から説明を受けて適切で早い処置を受けることによって、治癒に向かうようにできたら良いですね。

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