皮膚のかゆみの原因を紹介!乾燥や炎症に要注意!

皮膚のかゆみは、イライラっとした時に頭を掻くようなしぐさから、皮膚の湿疹や体質によるもの、痛みをともなうものまでさまざまです。

皮膚のかゆみはなぜ起こるのでしょうか。その原因とは?皮膚のかゆみの症状や、対策、予防法について見ていきましょう。

皮膚とは

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皮膚は体の表面を覆っている器官のひとつです。肌ともいわれ、内側から皮下組織、真皮、表皮(角質層)の3層構造になっています。

毛や汗腺、皮脂腺、爪などがあって、体を守る役割をしています。水分の蒸発や異物の侵入を防ぎ、汗をかいて体温を保っています。外からの刺激を受けて、温度や感覚などを脳に伝える感覚器でもあります。

皮膚は表皮で作られ、垢となって剥がれ落ちるまで約4週間かかります。これを「角化・ターンオーバー」といいます。

かゆみとは?

皮膚2

皮膚になにかの刺激があると、「余計なものが付いたから落としなさい」と脳がメッセージを出します。原因を取り払って、皮膚がダメージを受けないようにするためです。むずむずとして掻かずにはいられないような感覚で、反射的な反応をとってしまいます。脳からのその指示がかゆみです。

掻くと気持ちがいいのは、痛みの方を強く感じてかゆみが押さえられるからです。

かゆみが起こるメカニズム

皮膚3

皮膚のかゆみは「ヒスタミン」が原因です。真皮にはヒスタミンを貯めている細胞があり、刺激を受けるとヒスタミンを放出します。かゆみをキャッチする神経がヒスタミンを感知すると「かゆい」と感じます。

かゆいからといって掻いてしまうと、どんどんヒスタミンが出てきてしまって余計にかゆくなります。掻き壊してしまうと皮膚の状態が悪くなって、悪化してしまうのでなるべく早めに治療して治してしまうか、掻かないようにすることが大切です。

皮膚のかゆみの原因とその症状

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皮膚のかゆみを感じる症状にはどんなものがあるか見ていきます。

乾燥による皮膚のかゆみ

皮膚が乾燥しているときは、皮膚の一番外側でバリアの役目をしている角質層が壊れて刺激やばい菌が入りやすくなっている状態です。皮膚の水分が蒸発して、普段なら感じないような刺激にも反応してしまいます。いつもよりもかゆみを強く感じるところは、皮膚のバリアが壊れている、乾燥しているというサインでもあります。

冬になると、すねやお腹の周りがカサカサになってかゆくなるのはこのためです。また、加齢によってターンオーバーが遅くなると、皮膚の補修が進まなくなって乾燥を感じるようになります。

一般的には乾燥肌・ドライスキンと呼ばれ、病名は乾皮症、加齢が原因のものを老人性乾皮症といいます。白く粉を吹いて、強いかゆみをともないます。乾皮症が進んで、赤く湿疹が出てきた状態を皮脂欠乏性湿疹といいます。乾燥肌については、カサカサ肌とおさらば!乾燥肌の5つの原因と4つの対策とは!の記事を参考にしてください!

アレルギーによる皮膚のかゆみ

アレルギーの原因によってさまざまな症状があらわれます。

・蕁麻疹

蕁麻疹は、突然赤みや熱を持った膨疹が皮膚の柔らかいところに広がります。とてもかゆく、皮膚の表面がピリピリと痛むこともあります。原因は特定できないことが多いですが、食べ物や汗、風邪をひいて体力が落ちている時などに出やすいです。

蕁麻疹が出やすい食品は小麦、卵、豚肉、そば、貝類などです。光や温度の変化を刺激と感じてしまう人もいます。強い緊張でストレスを抱えたり、心理的に不安や心配なども原因となることがあります。

・かぶれ・湿疹(接触性皮膚炎)

ウルシやイチョウなどの植物アレルギー、アクセサリー、時計、メガネ、虫歯の治療で使った金属などの金属アレルギーが原因となってかぶれてしまうことがあります。石鹸やシャンプーが合わなくてかゆくなったり、食器洗剤でかぶれる主婦湿疹などがあります。化粧品、香料、防腐剤、ゴム、絆創膏、湿布、服などに注意しましょう。

・アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎がある人は、遺伝的なアトピーの体質に加え、アレルギー体質で花粉症や喘息にかかりやすいといわれています。皮膚が乾燥気味でバリア機能の低下を伴うため、とても強いかゆみと赤みが長期間続きます。汗や洋服に残った洗剤、ハウスダストなどもかゆみを引き起こします。

原因を見つけることや治療には根気が必要ですが、治せない病気ではなくなってきています。思春期や成人するころにはよくなる人が増えてきました。医師と良く相談して治療を進めることが大切です。

汗による皮膚のかゆみ

・あせも

汗が外に排出されず皮膚の下に溜まってしまうと、細かい水泡ができてザラザラとした感触になり、かゆみや赤みをともないます。汗が原因なので、汗をかかなければ治ります。

汗をかいたらこまめに拭き取り、清潔な状態を保つようにします。夏などはすぐに着替えられるように準備をしておくと効果的です。あせもについては、あせもの原因と種類について!症状を見極めよう!の記事を参考にしてください!

・陰部のかゆみ

股関節やデリケートゾーンは、汗をかきやすいのに外気が当たらず通気性が悪い場所です。ムレやすく、湿気が多いので菌が繁殖し、かゆみが出てしまうのは男性も女性も同じです。

肌が弱っている時や、風邪をひいて体力が落ちているときなどは陰部がムレないようにしましょう。ぴったりとした下着やズボンを履かないようにしてください。かゆみがあっても強く掻かないようにします。

汗をかいて汚れたら下着を交換したりシャワーで洗うなど、清潔な状態を保つようにしましょう。ストッキングを履かないようにして、吸湿性・吸水性がいい綿の下着を身につけましょう。

性感染症の心配がある場合は、性病科、または女性なら婦人科、男性なら泌尿器科を受診しましょう。パートナーも感染している可能性が高いので、二人で検査や治療をする必要が有ります。陰部のかゆみについては、デリケートゾーンにかゆみが発生する4つの原因とは?の記事を読んでおきましょう。

頭皮のかゆみ

・脂漏性皮膚炎

頭皮は皮膚のかゆみがよくある場所です。毛穴が多いので汗をたくさんかき、皮脂の分泌も盛んです。そうした汚れに雑菌が繁殖すると炎症がおこって、赤くなったり湿疹ができたりします。

刺激が強いシャンプーで頭皮を過剰に洗いすぎて、乾燥させてしまうことや、パーマやカラーリングの薬剤などもトラブルの原因になります。

その他

・内臓の疾患

糖尿病、腎臓病、血液、膠原病、帯状疱疹などが原因となって、皮膚のかゆみを引き起こすことがあります。特に糖尿病の初期症状として、脱水症状から乾燥肌になってかゆみが出ることがあります。糖尿病の疑いがある人は注意が必要です。

皮膚のかゆみの緊急対策

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なるべく早く皮膚科で治療してもらいましょう。症状が軽い初期のうちに診てもらう方がよく治ります。ここでは、病院に行くまでの応急手当としてのかゆみ対策をご紹介します。

冷やす

皮膚のかゆみを感じたら、冷やすようにしましょう。熱を持っている場合は効果的です。冬の季節などは肌が乾燥しやすく、強いかゆみがあらわれます。

掻きたい気持ちをぐっとこらえて冷やしてみてください。掻くよりも早くかゆみが落ち着いてきます。

保水・保湿する

まずは十分に保水をしてから、水分が蒸発しないように保湿をしましょう。お風呂上がりはとてもいいタイミングです。

かゆみが強い場合は安静にして、服などの刺激を受けないようにすると楽になります。病院でもらっている薬があれば、そちらを使いましょう。

皮膚のかゆみの予防

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毎日のケアを大切にして、皮膚のかゆみを予防する生活を送りましょう。

セルフケア

お風呂では洗い過ぎないようにすることが大切ですが、汚れが残っていてもよくありません。シャンプーや石鹸をよく泡立てて、すすぎ残しのないように丁寧に流しましょう。ボディーソープは刺激が強いものが多いです。お風呂から出たら、肌が乾燥する前に保水と保湿を行いましょう。

紫外線を浴びすぎると肌の酸化が進み、肌荒れや炎症を起こすといわれています。顔や手の甲は日光に当たりやすいので、日焼け止めや手袋などをして守るようにしたいです。

日常生活

食物アレルギーやハウスダストなど、自分の体にはどのようなアレルギーがあるのか、原因を特定しておくことも大切です。成長期の子供にとっては、食事からバランスのよい栄養を補給することも大切なので、医師ともよく相談をしてみましょう。喫煙は厳禁です。副流煙にも注意しましょう。

食生活の注意

体が温まるとかゆみを感じやすくなるので、かゆみが強い時は香辛料を控えましょう。脂っこいものは消化に負担がかかり、冷たい飲み物も胃腸の働きを鈍らせます。

一品ものや麺類よりも品数が多い和定食のほうがバランスのいい食事ができます。暴飲暴食を防ぐためにもよく噛んでゆっくり食べましょう。

よい睡眠をとる

夜更かしをやめて、睡眠不足を解消しましょう。寝不足はかゆみや痛みに対して敏感になってしまいます。かゆみでイライラしてつい掻いてしまってさらにかゆくなる、という悪循環になってしまいます。

かゆくて眠れないこともあるので、眠れるときに眠っておくことも大切です。

まとめ

皮膚のかゆみについておさらいしておきましょう。

皮膚のかゆみは、皮膚にトラブルが起きていることを知らせる脳からのサインです。
皮膚のバリアが壊れると刺激にに対して敏感になり、かゆみを感じやすくなります。
皮膚のかゆみは冷やして炎症を抑え、掻かないようにしましょう。
皮膚を痛いくらいに掻いてしまうのは、痛みを感じる分、かゆみを感じないからです。
皮膚を清潔に保ち、バランスの良い食事やよい睡眠を心がけましょう。

長い期間かゆみが続いている場合は自律神経が乱れていたり、内臓の疾患も疑われます。長引く前に病院に行きましょう。慢性的な体質を心配している場合は漢方薬局などで相談することもできます。かゆみのつらさは、家族でもあまり理解してもらえないことがあります。ですが、あまり深刻にならずに、よく寝てストレスともうまく付き合っていきましょう。

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