皮膚線維腫という言葉を聞いたことがありますか?一体どの様な病気でしょうか?皮膚線維腫とは、何かの刺激によりコラーゲンが増殖して、たまってできたものです。
女性に多く見られ、痛みやかゆみを伴う事がありますが、ほとんど症状はでません。余りひどい場合はメスで取り除きますが、ほとんど治療はしません。
皮膚線維腫の場合は本人の考え方で、取り除くか放置するかが決まるようです。それほど余り意識しなくて、病院に行っても経過観察をされるところが多いようです。
大きく成ったり本人の意向がつよければ取り除きますが、そうでない場合は良性の腫瘍で悪化しないので、経過観察で様子見されるのだとおもいます。皮膚線維腫について少し詳しく見てみたいとおもいます。
皮膚線維腫とはどのような病気?
皮膚線維腫とは
◆皮膚線維腫とは皮膚の中にある線維腫が、増殖して集まってできたもので、褐色から黒色の塊となり飛び出てくることもあります。
良性の腫瘍で病院によっては、経過観察を行うところが多いようです。主に両腕両足付近にできるもので、できても体には害になりませんが、本人がどうしても気になって取り除きたいと言えば、メスで取り除きます。
1つだけ単独で出来る場合が多いですが、複数個できる場合もあります。太ももや、お尻、腕などに良くできます。大きさは1センチぐらいのもので、硬さがあり飛び出てしこりとなっています。女性の両腕両足にできやすいです。
皮膚線維腫の症状
◆皮膚線維腫の症状はほとんどありません。少しかゆかったり、痛かったりする時がありますが、無症状のことが多いです。少し盛り上がっているので気にすると余計痛かったり、かゆかったりします。気にならない箇所なら、放置する方がよいです。
皮膚線維腫の原因
皮膚線維腫の原因は日常生活における傷が原因です。例えば日常でちょっとした転倒で転んだケガとか、剃刀をつかったムダ毛処理とか、虫刺され等の小さな傷によって、その下にある皮膚の線維芽細胞という軟らかい細胞を、作り出すコラーゲンが固まったものです。
コラーゲンはたんぱく質からできています。私達の身体にはコラーゲンはなくてはならないものですが、そのコラーゲンが傷などにより、固まってできますので、出来るだけ身体には傷をつけない様にする事が予防に成りますね。
皮膚線維腫の成り立ち
皮膚線維腫には線維芽細胞、組織球、膠原線維等の種類があります。これらが何らかの傷によって増殖する事で、皮膚線維腫ができます。
私達の皮膚の真皮と皮下の間にでき、線維芽細胞をつないでる膠原繊維の中で、組織球が増殖の中心となるものをcllular typeといいます。線維芽細胞や膠原繊維の増殖が中心となるものは、fibrous typeといいます。
小さな傷などで線維芽細胞等が刺激を受ける事で、増殖が始まり皮膚線維腫になりますので、ムダ毛処理なども注意が必要です。
良性の腫瘍なので余り気にされない方が良いのですが、時には大きな腫瘍となる事もあります。しかし良性ですので身体に害になる事はありません。
また悪性腫瘍のホクロと間違える事もあるので、一応検査をして皮膚線維腫かどうか確かめる事は必要かもしれません。
悪性腫瘍のホクロはできるだけ早く取り除いたほうがよいですが、皮膚線維腫は病院によっては治療をしないところも有ります。
線維芽細胞とは
◆線維芽細胞とは、お肌に大切なコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン等を作り上げている細胞です。若々しい張りのあるお肌を作り上げているのが、この線維芽細胞です。
線維芽細胞は老化と共に活性化が失われ、線維細胞が活性化してこれらの細胞を作りあげなくなると、シワやたるみとなって皮膚に現れてきます。
新陳代謝が鈍るとお肌は張りをなくします。線維芽細胞が活性化しなくなる事は、新陳代謝が鈍る事になります。線維芽細胞が無くなる原因は、加齢や紫外線によるものです。
コラーゲンやエラスチンが紫外線や加齢の為にダメージを受けると、今まで結合組織として保たれていた線維芽細胞が形をかえてしまい、ヒアルロン酸が減少してみずみずしさを失っていきます。
組織球とは
組織球とは、老廃物や異物を食べる事で有名なマクロファージです。マクロファージは身体に細菌や異物が混入すると一番最初に、マクロファージによって捕食されます。マクロファージが手に負えない時は、T細胞に情報をつたえる、白血球の一種です。
私達の身体を守っている一番最初の兵士、といっても良いのではないでしょうか?
膠原繊維とは
膠原繊維とはコラーゲンから作られています。靭帯や骨に含まれています。私達の身体は無数の細胞の結合組織により作られていますが、その結合組織の細胞と細胞を埋めているのが膠原線維です。大きな束に成ってできていて、コラーゲンが主成分です。
皮膚線維腫の治療
皮膚線維腫の治療の経過観察
皮膚線維腫の治療は悪性腫瘍でないので、経過観察をされる病院が多いようです。
ただ上にも書きましたが悪性腫瘍の悪性黒色腫であるといけないので、調べて貰う必要はあるのではないかと思います。
悪性黒色腫は形が歪ですので、大きくなると解りますが、小さいうちは素人ではわからない事もありますので、用心のために調べて貰う方が安心できます。
私も今まで気にしていませんでしたが、肩の丁度腕のあたりに皮膚線維腫が何十年前かにできて、気にしないまま過ごしていました。
時々かゆみや痛みがありましたが、ほくろが出来たと思いそのまま放置していましたら、歳とともに黒いのが肌の色になって色が、自然にぬけてきました。でも飛び出ています。
皮膚線維腫の検査
◆皮膚線維腫の検査はまずMRIによって、正確な位置を確認します。組織の一部を取り出して顕微鏡などで調べるので局部麻酔を掛けられます。病理検査をしたうえで、皮膚線維腫に間違いないか確定をします。
皮膚線維腫以外に、ほくろや悪性腫瘍、黄色腫 隆起性皮膚線維肉腫、青色母斑等の区別を判定します。
・ほくろ
色素性母斑といってメラニン色素が増殖して出来たもので、ほとんどは良性の物が多いです。
・悪性黒色腫
紫外線や物理的刺激によりホクロ等に発生する事があります。シミやほくろが急に大きくなってる悪性の皮膚がんです。人種的には白人、黄色人種、黒人の順番で多く発生します。
足の裏や爪の部分に発生する事が多く、紫外線や、外的な刺激によるものが原因になる事があります。
・黄色腫
高コレステロール血症にみられる、皮膚から漏れた脂質をマクロファージ等が、貪食した後にできた細胞としてあらわれたもの。
・隆起性皮膚線維肉腫
線維細胞の中からできる肉腫で、悪性腫瘍ですが転移する力は弱いです。再発を繰り返すと悪性度が増してきます。大きさは1~5㎝くらいで平坦あるいはくぼんでいます。
進行はゆっくりと月、年単位で進行します。発生は小さくて硬く、皮膚の深層から発症し盛り上がって節ができます。30~40代の男性に多いです。
・青色母班
ホクロの青みががかったもので、メラノサイトが増殖してできたもので、時々悪性かする事もあります。皮膚線維腫に似ていますが青みがかっています。
皮膚線維腫の治療
時々大きく成りすぎたり、目立つところにできたりした場合、また患者がどうしても切除を希望する場合は切除をします。
切除は外科手術と同じです。メスで皮膚繊維を取り除きますので、手術後は出血もあります。また外科手術ではなくて、レーザーで色をぬく方法もあります。
こちらは短時間で終わりますが外科手術で取り除いた場合は、しばらくの間感染症を防ぐ治療が施されます。
皮膚線維腫の治療の考え方
手術すると切ったところがケロイド状に残る体質の方は、むやみにメスを入れると、皮膚線維腫よりも大きく、かえってみっともなくなる事があります。
外科的手術は体質を考えて行わないと、気になるからメスを入れたのに、返ってみっともなくなって、後で悩まないと行けなく成りますので、良く考えて行われることが良いと思います。
人それぞれ考え方が違うので、どれが間違いと言う事ではありませんが、私は身体の構造を知る上でやはり出来るだけメスを身体に入れる事はしない方が、健康の為に良いと思っています。
手術はこの頃当たり前の様に行われますが、しかしメスを身体に入れる事は、免疫反応が過剰に反応する場合も起こり得る事ですし、先にも書きましたがメスを入れたところが、ケロイド状に成ってかえってみっともなくなる事もあります。
麻酔をかけてメスを身体に入れる事は、身体に可成りの負担を掛ける事になりますので、生死にかかわること以外はやらない方が、年齢を重ねたときに健康でいられる様に私は思います。
人それぞれ考え方が違うので一概にいえませんが、アレルギー反応を起こすのも免疫が過剰反応を起こす事で起こりますから、できるだけ私達の身体の免疫隊に負担になるような事をしない方が私は良いと思っています。
悪性腫瘍なら早く取り除いたほうが良いですが、見た目が悪いだけのものならそれを取り除く事で他に異常をきたさないか良く考えてから、取り除く方が良いと私は思います。
まとめ
皮膚線維腫についてまとめてみましたが、如何でしたでしょうか?皮膚繊維腫じたいは良性の腫瘍なので心配ないのですが、それに似た素人では判断のできない病気がありますので、皮膚線維腫と思っても、一応病院で調べて貰う方が間違いないと思います。
皮膚線維腫と思っていたら、悪性黒色腫だったと言う事になったら取り返しがつきませんので、皮膚繊維腫ができたとおもったら、病名が確定するまでは安心しないで、注意してくださいね。
手術については参考までに私の考えを書いておきましたが、先生とよく相談して治療方法を決めて下さい。皮膚線維腫と確定されたら余り心配はしない方が、健康のためには良いと私は思います。