褥瘡の治療について!症状や原因も詳しく知っておこう!

褥瘡(じょくしょう)とは、床ずれのことです。床ずれというと寝た切りだと出来る、あるいは布団やベッドでお尻や肩などがすれて赤く腫れた状態になる、ということを想い浮かべる方も多いのではないでしょうか。この褥瘡には、様々な段階があります。原因も、寝たきりだけではありません。

最近では高齢化もすすみ、自宅でのご両親の介護を強いられる人も多いと思います。また老人介護だけでなく、寝たきりの状態になる病をもつ家族がいるなど、現在既に悩んでいらっしゃる方もいらっしゃるでしょう。懸命に介護していても、褥瘡が出来てしまう場合もあります。是非、褥瘡を作らないための知識と、出来てしまったときの対処法を知っていただき、介護の負担、心の負担が少しでも軽くなればと思います。

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床ずれ(褥瘡)とは

治療

人間は健康なときには、意識せずとも寝がえりをうつことで、眠っているときにも体重移動をしています。このことを、体位交換といいます。

しかし、病気や、病気でなくとも体力が衰えるなどして、自分では身体を動かせない状態になると、寝がえりがうてなくなる、つまり体位変換ができなくなってしまいます。すると、同じ場所ばかりに体重がかかってしまうため、その部分の皮膚や筋肉が圧迫され、血流が悪くなり、最後にはその部分が壊死してしまうこともあるのです。

また、皮膚が弱くなっている状態では、体位交換が出来ないことが原因ではなく、摩擦の繰り返しにより褥瘡が出来ることもあるのです。

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褥瘡の症状

皮膚あざ

軽いうちは皮膚が赤くなる、擦り傷のようなものができる程度で済みますが、やけどのように水ぶくれになったり、ただれてしまったり、酷くなると皮膚がえぐれ、骨が見えたりすることもあります。

出来やすい部位

寝るときの姿勢で、圧迫される場所が違います。姿勢別に床ずれが出来やすい場所を見てみましょう。

仰向けに寝る人

おしり、背中、後頭部、肩甲骨の一番出っ張ったところやその回りに出来やすいです。

横向きに寝る人

肩や二の腕、ひじ、腰のまわり、ひざ、くるぶし、耳やそのまわりなどに出来やすいです。

座っている場合

背もたれにあたる背中の部分、坐骨(骨盤の底、尾てい骨の左右)部分、尾てい骨などに出来やすいです。

初期症状

皮膚が赤くなっている場合、身体の向きを変えてみて、30分ほど様子を見てみます。30分経過しても赤味がひかない場合は、褥瘡の初期症状と言えます。

ほかに、赤くなっている部分を人差し指で軽く3秒ほど押して圧迫してみます。普通は押したときにはその部分が白っぽくなり、指を放すと再び赤く戻ります。血流がちゃんとしている証拠なので、この場合は褥瘡ではありません。もしも、指で押しても赤味が消えずに白っぽくならない場合は、褥瘡の初期症状と言えます。

これらの初期症状が確認できた場合には、悪化させないためにも、医師や看護師に相談してください。

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床ずれはどうしてできるのか(原因)

医療ベッド

同じ部分に体重がかかることで、その部分が圧迫されてしまいます。圧迫されることで血流が悪くなり、血液が運んでいる酸素や栄養素がその部位に運ばれなくなってしまい、褥瘡ができます。皮膚の表面ばかりではなく、皮膚の中の骨に近い部分の組織まで傷ついてしまう場合もあります。

また、原因は圧迫だけではなく、栄養状態が悪い、高齢者である、汗や排泄物の付着で皮膚がふやけた状態になっている、抗がん剤やステロイド剤の服薬をしていて、副作用で免疫力が落ちているなどの理由から皮膚そのものが弱くなっている場合、布団やベッドとの摩擦などの刺激が繰り返されて、褥瘡になってしまうことがあります。床ずれ(褥瘡)は、寝たきりでなくても起きるのです。

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褥瘡の治療法

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褥瘡の一番の治療法は、予防です。正しい予防をすることで、褥瘡を回避することができます。しかし、褥瘡が出来てしまった場合には、適切な処置が必要になります。また、褥瘡が出来やすい、気をつけなければならない病もあります。

まずは予防法から見てゆきましょう。

褥瘡の予防

圧迫が原因の場合(寝ている状態)

寝たきりの場合や、痩せすぎている関節が曲がって縮んで硬くなってしまっているといった症状などにより、どうしても同じ部分が圧迫されやすい状態にある場合、体位交換を頻繁にする必要があります。

2時間以上同じ姿勢にならないようにしなければならないのです。でも、看護師でもなく素人の場合、つききりで看護していても、2時間ごとの体位交換はとても難しいことでしょう。

寝具を工夫する

その難しさを助けてくれるのは、特殊なマットレスやベッドです。予防を目的としたマットレスやベッドが開発されており、それを使用することで、1部分だけが長時間圧迫されないよう、工夫されています。こういった医療ベッドなどを使う場合でも、一定時間ごとに体位交換は必要です。

また、同じ場所が圧迫されないようにするための体圧を分散する様々なマットレスや寝具が販売されていますし、日本褥瘡学会が推奨している「体圧分散マットレス」「層式エアマットレス」などは、介護保険制度のサービスでレンタルすることが出来ます。

マットレスは、ウレタンのものでも、エアのものでも、厚さが7cm以上あるものを選ぶとよいでしょう。マットレスにはいろいろな種類がありますから、患者さんが、現在自分でどれだけ体位変換できるのか、ベッドに寝る姿勢はどの向きなのかなどを総合的に見て、選ぶのが良いようです。通信販売などでも「体圧分散マットレス」を謳った商品は沢山出ていますが、これらは患者さんの状態に合っていないものを使用すると、逆に褥瘡を作ってしまう原因となりかねません。必ず医師や看護師、ケアマネージャーに相談しましょう。

圧迫が原因の場合(座っている状態)

車いすなどに座っている状態では、まず座る姿勢が大切です。横から見て、膝、腰、足首の角度が90度になるように腰掛けると、圧力が尾てい骨や骨盤の底辺よりも、面積のひろいお尻のところにかかりますので、褥瘡が出来にくくなります。

だからといって、長時間座っているのは危険です。車いすの場合、1時間が限界と心得ましょう。また、お尻の血のめぐりを良くするために、15分に1回はお尻を浮かせるようにするのが良いでしょう。自力でお尻を持ち上げられない場合は、座るのは1時間以内を守りましょう。

クッションを使って姿勢を助ける

褥瘡の予防には、体圧をなるべく分散させることが最重要です。体重をささえる面積をできるだけ広くすることで、体圧分散ができます。体圧分散用具は、マットレスやベッドだけではありません。体にフィットしやすい、やわらかく弾力の程よいクッションを使って、寝具と体の間に出来ている隙間をうめることで、工夫してみましょう。

座っている場合には、「姿勢保持クッション」などを使用するのもよいでしょう。

摩擦やずれが原因の場合

ベッドの角度に気をつける

ベッドの角度を30度以上にしてしまうと、体がずれ落ちやすくなり、摩擦やずれがおきてそれが褥瘡の原因となることがあります。こんな場合には、足を上げることで、腰の部分の摩擦・ずれを予防することができます。

体位交換の方法を工夫する

前述した体位交換は、患者さんがベッドから落ちる事故の防止のためにも、2人1組で行うのが基本です。ですが、家庭内ではそうも言ってられませんから、一人で体位交換をすることもあるでしょう。この際に、正しい方法で行わないと、患者さんを引きずってしまったりして、摩擦やずれを起こしてしまう場合があります。

一人で体位交換をしなければならない場合、「すべりやすい手袋」を使用したり、あらかじめ下に「すべりやすいシート」をひいておいたりすることで、摩擦やずれの防止が出来ます。また、一気に交換しようとせず、少しずつ、体位を交換するのが良い方法です。

皮膚の状態が原因の場合

本来、健康な皮膚は常に適度な水分を保っており、角質層が微生物やアレルギーの原因となるものの侵入を防ぐ働きをもっていますが、角質層が水分を保つ働きが低下してしまうと、乾燥肌となってしまいます。乾燥肌になってしまうと皮膚の表面に隙間が多くなるので、微生物やアレルギーの原因となるものが入り込みやすく、それが皮膚の障害にもつながります。

乾燥肌(ドライスキン)にならないようにする

また、乾燥した肌は摩擦に弱く傷つきやすくなっていますから、これが原因で褥瘡が出来る場合があります。これを防ぐには、体を拭いたあとや、入浴のあとに水をはじく機能をもつクリームを塗って、乾燥そのものを予防することが大切です。

皮膚がふやけた状態にならないようにする

尿漏れや便の失禁などがある場合、おむつをしていることもあると思います。おむつをしていると、中が常に湿気のある状態になりがちです。この状態は衛生的でないだけでなく、皮膚がふやけた状態になりやすく、そのことが褥瘡を起こす原因となりえます。

まずは皮膚の洗浄をきちんとし、おむつはまめに交換し清潔な状態を保つように心がけましょう。また、排泄物から皮膚を守るためには、はっ水性の高い軟膏やクリームを使うことも有効です。

おむつは吸収力が強く、通気性がよいものを選ぶとよいでしょう。皮膚がふやけるとかびが発生しやすくなりますから、皮膚がふやけやすくなるのを防ぐためには、尿や便をきれいに取り除くための適切な洗浄と、クリームなどでのはっ水ケアが大切なのです。

おむつをより効果的に使う

おむつや、尿とりパッドなどはいろいろな種類のものが販売されています。清潔を保ち、皮膚を保護するためにも、体にあったものを選ぶことが大切です。おむつはとても便利なのですが、むれて不衛生になってしまうと摩擦やずれが生じやすくなることもあります。そうなると、体へかかる圧力が高まるなどのリスクも出てきて、褥瘡のリスクも高まります。だからといっておむつがなければ、困り果ててしまいます。おむつを効果的に使う工夫をしてみましょう。

無駄なおむつ交換を減らすために

夜間に何度もおむつを交換するのは辛いものです。夜間は吸収力の高いおむつを使用しましょう。そうすれば、夜中のおむつ交換の回数を減らすことが出来ます。また、昼間のおむつも含め、1回の尿の量に合わせておむつを選ぶことによって、無駄な交換時間を減らすことができるでしょう。何種類か体にあったものをそろえ、うまく使い分けましょう。

皮膚を清潔に保つ

おむつを交換する時に、37度くらいのぬるま湯を使って、良く泡立てた石鹸で便や尿を洗い流します。日に1~2回、時間を決めてするとよいでしょう。洗浄をするときには必ずナイロン手袋などをし、また石鹸成分が患者さんの皮膚に残らないように、充分に洗い流します。

排便後はペーパーやガーゼ、タオルを使うのはやめましょう。皮膚をこすることが、皮膚の負担になってしまいます。お尻の薬用清浄剤などで、やさしく拭き取るのが一番です。出来る限り、摩擦による刺激がないようにすることで、皮膚の障害を予防することができます。

汚れを放置すると皮膚炎をおこしやすくなり、褥瘡が出来やすくなってしまいますので、清潔を保つよう心掛けましょう。

栄養状態をよくする

褥瘡が起きる原因のひとつは、皮膚が圧迫された状態が続いたときに、皮膚の組織に充分な栄養が行き届かなくなることです。また別の原因として皮膚の状態が悪いということがあげられます。皮膚や筋肉に充分な栄養を与えて丈夫にし、皮膚の状態を良くすることが、とても大切な予防になり、ひいては治療にもなります。

皮膚への圧迫を回避すると同時に、栄養バランスのよい食事を考えましょう。褥瘡の治療に必要な主な栄養素は、たんぱく質、水分、亜鉛、銅、鉄分、カルシウム、ビタミンA、Cなどです。主菜をたんぱく質にし、主食(ごはん、パン、麺など炭水化物)と副菜でビタミンやミネラルを摂れるようにしましょう。

傷ができてしまったら

どんなに一所懸命体位交換、おむつ交換をしても、皮膚の栄養状態やちょっとした摩擦などが原因で褥瘡が出来てしまうこともあります。出来てしまったら、必ず医師や看護師さんの指示を仰いで、従ってください。ここでは、簡単に注意点をあげておきます。

洗浄や消毒の仕方

褥瘡が出来てしまった場合は、ぬるま湯での洗浄よりも、シャワー浴のほうがよいです。充分なお湯で洗い流す必要があるからです。

また、石鹸は皮膚への刺激の少ない弱酸性石鹸をよく泡立てて使い、患部に触れないよう、患部の周りの皮膚を泡で洗います。決して擦ってはいけません。その後、ぬるま湯のシャワーや洗浄用のボトル容器等入れたぬるま湯で、擦らずに、水流だけで洗い流すようにします。そのため、沢山のぬるま湯が必要です。

洗い流したら、傷の面と、周囲の皮膚の水分を滅菌ガーゼなどで患部に刺激をなるべく与えないよう、上から押さえるようにしてふき取ります。消毒剤など使用した場合は、ぬるま湯か生理食塩水で洗い流し、消毒剤を残さないようにします。

塗り薬

必ず医師に相談し、処方してもらったお薬を使ってください。

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介護保険制度によるサービス

握手

在宅看護の場合、褥瘡のある患者さんの介護は家族だけで行うのは大変なことです。

介護が不十分になり褥瘡や他の合併症を引き起こしてしまっては、患者自身も、介護する人も負担が増えるばかりです。そうならないためにも、利用できるサービスを知っておきましょう。

公的制度

介護保険、健康保険、身体障害者自立支援法などありますので、役所の福利厚生課や健康管理課など(地域によって違います。分からない場合は受付で聞きましょう)へいって、相談してみることをお勧めします。これらの制度は、薬代や治療費の負担を軽減してくれる場合があります。患者さんの状態や、年齢にあったサービスをうけることが大事です。

介護保険制度

介護保険制度の給付を受けられる場合があります。市町村が行う「要支援・要介護認定」で認められた人に給付されますが、申請をしなければなりません。

お住まいの市町村役所の窓口で申請を受け付けてくれますので、まず電話で必要な書類を確認し用意してから、申請してください。ご自身で役所にゆくのが難しい場合には、地域包括センターや居宅介護支援業者など、手続きを代行してくれる場所もあります。

在宅や施設のサービスのいろいろ

生活に支障がある場合は、ホームヘルパーの訪問や看護師の訪問などの在宅サービスを受けることもできます。また、施設に通って入浴や給食のサービスを受ける等デイケアサービス、施設への短期入所する介護サービス、そして福祉用具の貸与のサービスなどいろいろありますので、調べてみてくださいね。

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まとめ

褥瘡が出来てしまったために、自分の力が足りなかったのではないか、介護が不十分だったのではないか、とご自身を責めてしまう人もいます。でも、決して、介護が不十分だからというだけで褥瘡が出来るわけではないことを知っていただけましたでしょうか。

そして、予防が一番の手立てであること、褥瘡の予防を心がけることのひとつひとつが、介護そのものを楽にするとはいいませんが、無駄をはぶき、重大な病気につながるのを防ぐことにもつながります。だからといって、予防のために看護師のような技術を身につける時間は今はありませんよね。

福祉用品や、様々なサービスを併用しながら、ご自身も褥瘡の予防のために出来ることをしてゆく、それが一番ではないでしょうか。

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