シーバー病という症状の名前をきいた事はありますか?あまり、聞いた事がない病名かもしれませんね。実はこの症状、スポーツをする子どもに多い状態として有名なんです。
スポーツをする子どもをお持ちのお母さんお父さんや、子どもが産まれたらスポーツをさせたい!と考えている保護者の方には是非一度知っておいてほしい病気です。
一体どんなものなのか?治療方法はあるのか?等をわかりやすくご説明します!
この記事の目次
シーバー病とは一体なんなのか?
さて、シーバー病とは一体なんなのでしょうか。
先程、サッカーや野球のような、よくあるスポーツをしている子どもに多いという記述をしましたね。子どもが訴える症状としては、「起床した際に踵が痛い」「練習の前、或いは終わった後にかかとが痛い」というような症状が見受けられます。子どもがこう訴えると、ちょうど成長期だし、成長痛なんじゃないの?と思うかもしれないですね。
具体的には、サッカーや少年野球を行っている8歳から12歳の子ども、特に男の子に多いと言われています。子どもはかかとのアキレス腱が付着する部分が成長しきっていないため、骨端核という部分を覆う骨端線という軟骨部があります。シーバー病はこの部分が引っ張られる事により痛みます。オスグットとは異なり、骨がでっぱってくるという訳ではありません。
症状としてはどんなものがあるの?
このシーバー病は日本では「踵骨骨端症」(しょうこつこったんしょう)と分類されます。別別称としては、踵骨骨端炎やセーバー病という名前を用いられる事もあります。
分かりやすくいえばこのシーバー病は、踵骨(しょうこつ、カカトの骨)の先端部分に衝撃や圧力が過剰に加わる事や或いは身体の成長に合わせて頚骨(けいこつ、膝と足首の間にある太い骨)や腓骨(ひこつ、膝と足首の間にある頚骨の外側の骨)の成長が起こります。踵骨の後ろ側に炎症を起こしたり、痛みを生じる病気として挙げられます。
治療には、踵骨骨端症外来や整体院、接骨院などを予約してから来院し、ストレッチなどの適切な治療を施術される事が大前提とされています。
シーバー病、一体どんな子どもがなりやすいのか?
スポーツをしている子どもは、特にこのシーバー病になりやすいと言われています。スポーツ名をあげるのであれば、野球やサッカーが主になりやすいですね。今回、この2つを例にどんな子がなりやすいのか、ご説明します。
シーバー病、一体どんな子どもがなりやすいのか?野球少年編
野球をしている時、練習中に注意される事はあるでしょう。その注意される内容にも、実はシーバー病を引き起こす可能性が含まれているって、ご存知でしたか?この項目では、どんな注意を受けると、シーバー病になりやすい傾向にあるのか、ご説明します。
腰が高いと注意される子ども
野球には様々なポジションがありますね。投手等もありますが、今回は「守備」をしている時のお話です。守備をしている際に腰が高い位置にあると、監督やコーチから注意される事があります。これは、腰の位置が高いと体が前のめりになってしまい、次の攻撃をされる際にスムーズに身体を動かせなくなるため、腰を低くしろと言われます。
この腰が高いと言われる原因の1つに、股関節・膝が固いということがあります。これは、太ももが内側に捻じれている事によって、うまく股関節やひざ関節を曲げられなくなってしまう事を示します。このような事が原因で、足関節、カカト、筋肉に負担がかかってしまい痛みを引き起こしてしまいます。
肩の力を抜けと注意される子ども
バッターとして、バッターボックスに立っている際に「肩の力を抜け」と言われる子どもは少なくありません。これは、身体が緊張状態にあり、筋肉を円滑に動かせない事でスムーズにバットを振れなくなるため言われます。
肩に力が入っている人は、日常的に身体に力が入って生活をしています。これは常に緊張状態が続いているという事を意味し、この状態で生活をすると負担がかかりやすくなり痛みを引き起こしやすくなります。
歩き方がおかしいと言われる子ども
保護者の方は、産まれてからずっと子どもを見ている事から歩き方に違和感を感じ辛いかもしれないですね。歩き方がおかしい例として、「ドスンドスンと歩いている」「踵で歩いている」「爪先立ちが出来ない」「内またで歩いている」等が挙げられます。このような歩き方をすると、カカトに負担がかかりやすく、痛めてしまうリスクが高くなってしまいます。
このような事から、日常生活を送る事も難しくなり、好きであった野球をしていると尚更痛い事から、野球嫌いや運動嫌いになってしまう子どもも存在します。
シーバー病、一体どんな子どもがなりやすいのか?サッカー少年編
さて、先ほどは野球少年の場合をご説明しました。次はサッカーをしている子どもで、シーバー病になりやすい人にはどんな傾向があるのかをご説明いたします。
足首の捻挫をした経験がある子ども
サッカーをしていると、どうしても試合や練習での激しいプレーや走り込みの最中等に足関節の捻挫をしてしまう事があります。
勿論、スポーツをしている上では捻挫というものはつきものかもしれませんね。ですから、頻繁に捻挫を繰り返していると、足首自体が捻れてしまい踵に痛みを引き起こしてしまう原因になりやすい傾向にあります。
膝を痛めた経験がある子ども
どのスポーツにもいえる事ではありますが、サッカーは特に「走る」「ジャンプする」「ダッシュする」「急停止」「切り返し、方向転換」「ボールを蹴る」といった動作を多く行います。この動きには膝の働きが欠かせません。挙げたような動作は、膝にひねりや衝撃を加える動作が多く、膝に対してとても大きな負荷をかけます。
膝の使い過ぎ、筋力低下等によって膝を痛めてしまい、それをかばいながらサッカーをする事によって足首に過度な負荷をかけてしまい、カカトの痛みを引き起こす原因となってしまいます。
立っている時にお尻が出ている子ども
立っている姿を、他の人の視点として横から見るとわかりやすいですが、お尻が後ろに突き出させたように出ている人がいます。これは、立ち方や歩き方などから構成される体のバランスに歪みがある状態です。
お尻が後ろにでていると、体重が後ろにかかってしまいカカトに負担が掛かってしまいやすくなります。この状態にある子の特徴としては、立ったままの前屈が苦手な傾向にあります。
シーバー病、どんな治療をすればいいの?
では一体、シーバー病はどのような治療を施せばよいのでしょうか。シーバー病はふくらはぎの筋肉が固くなり、ふくらはぎが張ってしまう事で、痛みを感じ日常生活を送る事すら難しくなってしまいます。重症化してしまえば、骨端核や骨端線が壊死してしまい、人装具を付けて生活するようにもなってしまいます。
これは、遊びたい盛りのお子さんにとってはストレスになりかねないため、早期治療が求められます。
自己診断はNG!絶対病院か整体へ。
症状だけを見て、シーバー病であると自己判断をしてしまうとのちの治療方針に差支えますので、一度は整形外科を受診し、レントゲンを撮ってもらう事が推奨されます。そのレントゲン結果次第では、シーバー病ないしは全般的な踵、足裏の痛みを意味する足底筋膜炎と診断されるでしょう。
整形外科でもらえる塗布薬や湿布、テーピングも、効果もないわけではありませんが整骨院等へ通院した方が早期的治療が見込めるため、整骨院等へ通院し、整体治療を施術、治療を行ってもらう事を推奨します。
治療にお勧めの整骨院・整体院はどんな所があるの?
接骨院、整体院といっても非常に多くの接骨院が存在しますね。「どの接骨院にいったらいいんだろう…」というお悩みの方必見の項目となっています。
- 根白石整骨院(仙台)
- なかむら自然形体院(東京)
- 山本接骨院(滋賀県)
- FMT整体(愛知本院、東京、横浜、大阪、神戸)
これらの接骨院、整体院等に通院する事がお勧めです。「整形外科や普通の整骨院では、一年もの治療期間を経たのに治らない。電気治療もストレッチもして高い施術料を払ったのになんでなおらないんだろう」という思いを持った治療経験を持つ方がこれらの整骨院等に通院した所、骨端炎の部位や重症軽症の程度によりますが、1ヶ月もせずに普通に歩けるようになったという治療レポートが報告されています。
子どもの通院に今まで付き添っていた保護者の方からしたら衝撃的かもしれませんね。他にも、踵骨骨端症外来と謳った接骨院や整体院等がありますので、そちらを利用してもよいかもしれません。
これらの接骨院等で共通しているのは、効果が薄い電気治療を使用せずに原因となっている足首や股関節等の調節、ふくらはぎや足首の緊張を取り除き柔軟性を良くする事を行います。このため、原因を直接取り除こそうと働きかける事が可能となり、治療が早く完了するようです。県外などの遠距離に整骨院等がある場合でも、あまり効果が望めない近場の施術をしてくれるところで長い治療をするよりは、県外の整骨院等で早めに治療をした方がよいのではないでしょうか。
上記で挙げた整骨院等の中では、施術代が高額となるところもあります。しかし、山本接骨院の山本先生はホームページで「強い(治療の)意思がある方を優先したい」「変化がなかった場合は全額返金保証」と記載しています。よりよいサービスを求めるのであれば、それ相応の金銭的負担は不可欠となります。自分の家計状況と、治療を受ける子どもの意思のどちらを優先するかも考えて治療に望んだ方がよいでしょう。
シーバー病、自分で出来る予防法、セルフケアはあるの?
病院、整骨院等に通院する事も大切です。
しかし、事前に自分でも出来る予防方法や、なってしまった後に出来る事もあります。治療の効果を高めるためにも、子どもの身体を守る為にもぜひ実行していただけたらと思います。
アップシューズ・インソールを使用する。
「スパイクを使う事による衝撃」が踵の痛みの原因につながるのであれば、衝撃を和らげる事を目的とした物を使用するべきなのではないでしょうか。スパイク等に使えるものとして、アップシューズやインソールがあります。
インソールとは、靴底の中敷きです。しかし、その中敷にも種類がありクッション性のある素材を使用したり、特定の場所に凹凸をつける事で衝撃吸収・体のバランス改善・痛みの改善等を目的としたものも存在します。
アップシューズとは、別名トレーニングシューズの事をいいます。普段の練習や、試合に行く際の移動に使用してします。このアップシューズは平らな底面のものを使用すれば、地面との接着面が大きくなる事からカカトにかかる衝撃が、スパイク使用時の1/4にまでなると言われています。
サッカーや野球でいえば、ランニング等の所謂「アップ」といわれる行動の際にはアップシューズ、競技の練習や試合をする際にはスパイクを使用するといった所でしょうか。ある少年野球チームでじゃ、ランニング等の身体をほぐす行為にはアップシューズ、キャッチボール以降前にスパイクに履き替えさせるという事を徹底していうようです。男子であれば面倒くさがる子どももいるかもしれませんが、このような小さい事から怪我への予防法として対策を行う事は非常に大切なのではないでしょうか。
テーピングをする
運動をしている子であれば、一度位はテーピングを行った事があるのではないでしょうか。テーピングとは、怪我の予防、再発防止を目的とした施術の1つです。効果としては、主に3つが期待できます。1つ目は可動範囲を制限する事によってねんざ等を防ぐこと。2つ目は怪我をして弱くなった筋肉、関節等にテーピングをする事によって、その部位を補強すること。3つ目としては、過去に怪我をした部位を補強、保護する事によって怪我への恐怖感を軽減する事です。
シーバー病の場合は、カカトへの負荷を和らげるために、アキレス腱、腓腹筋を中心にテーピングを行います。また、どうしてもテーピングをするとかぶれてしまう人も出てきてしまいます。それを防止するために、「バイオフリーズ」という塗布薬を使用すると効果的です。これはテーピング部位のかぶれ防止のほかに患部を冷やす効果もあるため炎症を抑える目的でも使用されます。
テーピングを巻く事は慣れないうちは難しいかもしれませんが、経験を積む事によってだんだん慣れて綺麗に巻く事が出来るようになってきます。
ストレッチをする
シーバー病の原因の1つとして挙げられているのが、オーバーユース(過度な運動)です。運動をした後に、筋肉を休める行為をしなければ筋肉はいつか悲鳴を上げてしまいます。ですので、シーバー病を予防するためにもしっかりとしたストレッチは行いたいものです。
ストレッチは効果がない、と言われる事も多いですが、それはシーバー病になってしまってからでは遅いという意味です。予防をするためのストレッチとして行いましょう。
とはいえ、ただふくらはぎやアキレス腱を伸ばせばいいのか、と言ったらそういうものでもありません。シーバー病の予防としては、カカトへの負荷をかけない配慮をする事が大切です。
具体的には、アキレス腱を伸ばすこと、腓腹筋(ひざから下の裏側に存在する筋肉)をしっかりと伸ばす事、足裏とふくらはぎを柔らかく保つ、事が大切であると言われています。効果のあるストレッチの1つに、片足を曲げて、もう片方の踵をしっかり曲げるものがあります。壁に両手を添えて、角度を連れてストレッチを行いましょう。
シーバー病の早期治療を妨げる要因はあるの?
シーバー病は適切な治療を行えば早期回復も夢ではありません。しかし、病院等で適切な治療を施されない事や運動チームの指導者のシーバー病への理解不足が早期治療を妨げてしまっている事もあります。
所謂スポ根で「スポーツをしている限りは怪我は付き物。我慢しながらでもしなければ、望む結果が得られない」のような発言、思考をする指導者はどうしても存在します。また、本来は理解者であるはずのお母さんお父さん、両親のスポーツ渉外への理解不足も問題として存在します。
痛みを庇いながら練習などをする事により、パフォーマンスが落ちてしまい、いくら練習しても上達せずに、そのスポーツを嫌いになってしまうかもしれません。目先の試合に出る事だけを優先してしまう選手本人には、長期的な視点を持てません。ですので、周りの大人がブレーキをかけ、怪我を治療する事に専念させてあげましょう。
まとめ
さて、今回は様々なお話がありましたね。今回の記事をまとめてみましょう。
シーバー病とは、8歳から12歳のスポーツをしている男の子におこりがちな症状であり、病気ではありません。症状としては、カカトの後ろ側に炎症を起こしてしまい、痛みを生じます。重症化してしまうと、歩く事自体が困難になってしまう事もあります。
なりやすい傾向としては、股関節、膝が固い事。日常的に身体が緊張状態にある事、以前にスポーツをしていて怪我をした経験がある事等が挙げられます。
治療方法としては、一度病院へ行った方が他の病気や炎症と誤診されないため、正確な治療を受けられるのではないでしょうか。病院に行った後は整骨院や接骨院へ行き、しっかりと原因から治療する事が求められます。また、予防策としてはアップシューズやインソールを使用する事、テーピングをする事、ストレッチを行う事が挙げられます。
早期治療を心掛けるには、スポーツ指導者や両親などの理解者がしっかりとシーバー病について理解する事が大切です。
いかがだったでしょうか。子どもがスポーツをしている際には、スポーツ障害について事前に理解をしておく事が求められます。是非、しっかりとシーバー病についてを理解し、もし子どもがなってしまった時に適切な治療をしてあげられるよう心がけましょう。
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