捻挫の腫れが引かない時の対処法は?応急処置も大事!

足や手を捻挫して腫れてしまったら、すぐに整形外科を受診するのが一番です。しかし、病院が休みだったり、仕事をしていると受診時間に間に合わなかったり、すぐに診てもらえないこともあるでしょう。

病院へ行くまでの間、ズキズキした痛みと腫れに耐えながら過ごすのは、あまりにも苦痛です。また、捻挫は、完治するのが難しい怪我だとも言われています。「捻挫だし…」と安易に放っておくと、治りが遅くなるだけでなく、骨や筋肉が間違った形で固定され、痛みが残るといった後遺症を招きかねません。

そこで、ここでは、捻挫をしたときの応急処置や、注意点などをご紹介します。病院へなかなか行けない場合にも、的確な判断と対処で、悪化するのを防ぎましょう!

捻挫の腫れと重症度

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手首や足首など、身体の関節が無理な方向へ向いたまま負担がかかることによって、靭帯や腱を損傷した状態を、私たちは「捻挫」と呼んでいます。そして、靭帯の損傷による内出血や、壊れてしまった細胞を修復しようと患部に集まる浸出液が、腫れの原因となっています。

ひねったときに、骨がズレてしまうこともあり、そのズレが腫れを引き起こしている場合もあるのです。

あまりにも腫れがひどい場合には、骨折や脱臼などの可能性も考えれるので、慎重に見る必要があります。ここでは、腫れ具合や痛みによってわかる、捻挫の重症度についてご紹介します。

軽度

砂利道で足をとられたり、ヒールの靴を履いているときに、クイッと足を「少し捻った」と感じるときはこの場合が多いです。主な症状は以下のとおりです。

  • 状態:靭帯が伸びている。あるいは靭帯の微細損傷
  • 症状:腫れはごくわずか。痛みも軽いが、普通に歩くのは少し困難 など

捻って、動かすことはできるけれど、それでもやはり、体重をかけたり伸ばしたりすると少し痛む…といった状態です。内出血もなく、患部が熱を持っていることもありません。

中度

スポーツをする人によく見られます。勢いよく走って、突然反対方向へ切り返すとき、上手く足を踏み込めなかったり、ジャンプをした際に上手く着地できなかった場合など、瞬時に強い負担がかかる場合に起こりやすいようです。主な症状は以下のとおりです。

  • 状態:靭帯が部分的に切れている
  • 症状:腫れがひどい。内出血がある。捻った側に体重をかけると痛む など

この場合は、捻った瞬間に激しい痛みがあり、普通に歩くことが困難になります。すぐに応急処置が必要になります。

重度

これも、スポーツをする人によく見られます。関節が無理な方向へ向いたまま、日常の中では考えられないような大きな負担が瞬時にかかったり、大きな衝撃によって関節を捻ってしまうと、重度の捻挫になります。症状は以下のとおりです。

  • 状態:靭帯が完全に切れている
  • 症状:関節全体が腫れる。腫れている箇所を押すと痛む。内出血がある など

関節を捻った直後から腫れ始め、痛みによって歩行ができなくなります。また、患部が熱を持っているのも特徴です。応急処置後も、痛みと腫れが引かない場合は、骨折や脱臼の可能性もあるので、すぐに病院に行く必要があります。

自分でできる応急処置の方法

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どの場合も、的確な応急処置を、迅速に行うことが大切です。後遺症が残ってしまわないよう処置し、できるだけ早めに整形外科を受診しましょう。では早速、自分でできる応急処置の方法をご紹介します!

RICE処置

「RICE」とは打撲や捻挫、骨折、肉離れなど、とくにスポーツをするときに起こりやすい怪我の多くに対応できる、応急処置のことです。処置するのが早いほど、回復が早くなりますので、怪我をしてから少なくとも48時間以内に行ってください。

また、これは「応急処置」であって「治療」ではありません。素早く処置をして、必ず医師の診察を受けましょう。

<Rest 安静>

捻挫したら、何よりもまず、安静な状態になれる場所へ移動しましょう。無理に動かしたり、体重をかけたりしないよう、座ったり、横になるなどして、捻挫した部分を安静に保ちましょう。

<Ice 冷却>

次に、患部を冷やします。氷をビニール袋に入れたものや、保冷剤、氷嚢などを、布や包帯越しに患部に当てます。冷やす時間は、長くても大体30分程度。その後2~3時間ほど冷やすのを止め、患部を休ませます。

休ませた後、また冷やす…これを数回繰り返しましょう。患部を冷やすことによって、腫れを最小限に抑え、痛みも早く引かせることができるのです。冷やし過ぎによる凍傷には、くれぐれも注意してください。

また、この際、冷湿布を代用する人もいるのですが、冷湿布は冷たく感じますが、患部の熱を奪っているわけではないのです。応急処置として冷却する場合は、必ず氷で冷やしましょう。ドラッグストアやスポーツ用品店などで、冷却用のアイスバッグも売っています。

<Compression 圧迫固定>

これは冷却と同時に行ってください。患部を動かさないように固定し、圧迫することで、出血や腫れを防ぐことができます。場合によっては、捻挫によって靭帯が損傷するため、関節が痛む方向へ動いてしまう場合があるのです。

それらを防ぎ、さらに靭帯が伸びきってしまわないためにも、最初の段階に、包帯やテーピングなどで巻き、がっちりと固定しておくことが大切です。

このとき、患部に少し圧力がかかるように巻いていきましょう。しかし、あまり強く巻きすぎても、血行を悪くし、神経を傷つけてしまいますので、時々、足指や、手のひらを見て、青くうっ血していないかを確認しましょう。とくに子供の場合は、まだ組織が柔らかいので注意が必要です。

<Elevation 挙上>

指先を切ったとき、腕を下ろしていると、切った部分がズキズキした経験はありませんか?このとき、わたしたちは自然と手を持ち上げ、高い位置までもってきます。

捻挫した場合も同様に、椅子や、クッション、枕など、身近な物を使って、患部を心臓より上に上げることで、内出血を防ぎ、痛みを和らげることができます。

足首の場合は、横になって枕やクッションなどで、足の位置を高くしましょう。手首の捻挫の場合は、三角巾などと使って患部を吊り、挙上しましょう。

靭帯を保護する

とくに軽度の捻挫の場合、「歩ける程度」ですので、応急処置後も歩行して日常生活を行います。その際、損傷した靭帯にストレスを与えないようにすることを忘れてはなりません。

日常生活での歩行で、治癒の妨害させないよう、サポーターやテーピングなどで、固定し、損傷した靭帯を保護する必要があります。サポーターはテーピングの知識がなくても、簡単に保護できるのでおすすめです。

種類もいろいろあるので、ドラッグストアや、スポーツ用品店で相談してみるのも良いでしょう。

腫れが引かない場合は要注意

基本的には、応急処置後、整形外科を受診するのがベストです。しかし、とくに軽度の捻挫の場合だと、病院で診察を受けなくても、応急処置のみで良しとしてしまうケースが多々あります。

応急処置のみで良くなった場合は良いのですが、2週間経っても、痛みや腫れが引かない場合は、必ず診察してもらいましょう。自分では「軽い捻挫」だと思っていても、想像以上にダメージが大きい場合も、希にあります。

入浴は避ける

捻挫をした直後、壊れた細胞を修復するために、体内ではいろいろな成分を患部へ送り出すため、腫れも増大します。このとき、入浴などによって、患部を温めてしまうと内出血がひどくなり、さらに腫れ、痛みも増してしまいます。

応急処置後は、入浴を控え、冷やすことを心がけましょう。

どのくらいで腫れが引く?

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応急処置後、整形外科を受診し、適切な治療を行えば、比較的早く治すことができます。では、どのくらいで腫れが引いていくのか、重症度別に見ていきましょう。

軽度の場合

患部に内出血もなく、腫れていない捻挫の場合は、応急処置後、サポーターなどで固定させて日常生活に戻ることが可能です。

ほとんどが、約1週間で痛みが引いてきます。若干の腫れがあるものの、歩くのが困難ではないといった捻挫の場合でも、2~3週間固定させておけば、ほぼ治ると言われています。

中度の場合

腫れや内出血がひどく、痛みを伴っている中度の捻挫の場合は、きちんと固定させておけば3~4週間で、日常生活に支障が出なくなるまで回復すると言われています。

腫れがひどい場合は、ギブスなどでしっかりと固定させ、腫れが引いてきたら、サポーターなど多少伸縮性があるものに変えて、関節を少しずつ動かせる状態にしましょう。

関節を動かせる状態にしておくことで、少しずつ靭帯の強度を高め、可動域を広げ、筋力の低下を防ぐことができます。痛みを長引かせないためにも、とにかく固定させることが大切です。

重度の場合

関節全体が腫れ、内出血や痛みもひどく、歩行や自分で関節を動かすことが困難な、重度の捻挫の場合、日常生活を支障なく過ごせるようになるまでは、1~2ヶ月かかると言われています。

ギブスなどによる強固な固定が必要なのはもちろんですが、靭帯が断裂している場合は、縫合手術をしなければなりません。また、固定する期間が長いため、ギブスが外れた後に、固くなった靭帯や筋肉をほぐし、関節の可動域を広げ、筋力をつけるための、リハビリが必要です。人によっては、完治まで1年ほどかかる場合もあるようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。「やってしまった!」と思ったら、素早く応急処置を行うことで、回復する期間も大幅に縮めることができます。

また、これらの知識を身につけておけば、自分以外の人が目の前で捻挫や打撲をした際にも、手当てしてあげることができます。とくに子供が怪我をした場合は、本人も不安で仕方ないでしょうから、素早い処置をして、「大丈夫」と安心させてあげられると良いですね。

大人の場合は、処置後、飲酒や喫煙を控えることも大切です。身体も、損傷した細胞を修復させようと精一杯頑張っていますので、私たちは安静に過ごし、それを応援してあげましょう。

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