桃アレルギーとは?症状や注意点を紹介!どうしても桃が食べたい時はどうする?

桃ってすごく美味しいですよね。5-9月が旬として有名な果物の1つです。いちごやりんごと同様、子どもや大人も問わず人気商品ですね。

しかし、この桃を食べると、アレルギー症状を起こしてしまう人がいるという事をご存知でしょうか。通称、「桃アレルギー」とよばれる、果物アレルギーの1つです。

「そもそも果物アレルギーってなに?」「桃だけ特別なの?」と思っている方、是非この記事を読んで、果物アレルギーや桃アレルギーについて理解し、対処法も学びましょう!

果物アレルギーって、なに?

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果物アレルギーとは一体なんでしょうか。

子ども、大人を問わず人気商品である果物にアレルギーなんて存在するなんて、知らなかったという人も多いのではないでしょうか。しかし、卵アレルギーや乳製品アレルギーが存在するように、果物アレルギーも存在します。

実はこの果物アレルギーも、アレルギーの中で分類されたものの1つなのです。大元を辿れば「食物アレルギー」という大枠であるアレルギーにたどり着きます。食物アレルギーの約6%を果物アレルギーが示していて、花粉症に罹る人が増えるにつれて増加傾向にあると推測がされています。(理由は後述)

食物アレルギーと果物アレルギー、何が違うの?

食物アレルギーと果物アレルギーの異なる点としては、「アレルゲン」と呼ばれる存在があります。

食物アレルギーの場合、鶏卵、牛乳、小麦が「3大アレルゲン」として有名であることはご存知でしょうか。よく子供がなっている、「卵アレルギー」等のアレルギーがこれに当てはまります。この3大アレルゲンによるアレルギー反応の患者は、基本的に年齢層としては乳幼児にあてはまる事が多いと言われています。

しかし、乳幼児期を過ぎた後、成人してからも発症するアレルギーの1つに、今回取り扱っている「果物アレルギー」が存在します。

誰でも出来る食物アレルギーの対策はこんなものがある!

果物アレルギーも他の食物アレルギー同様、検査をする事で何アレルギーかが分かる為、対策は比較的取りやすいのではないでしょうか。

更にいうと、食材に使われる、原材料を示す部分がありますよね。味噌であれば大豆、塩等があるかと思います。このような原材料表示には、食物アレルギーの方用の表示があるというのは、ご存知でしたか?

食物アレルギーを発症しやすい乳・卵・小麦等の7品目に加えて、可能な限り特定原材料として今回は触れませんが、果物アレルギーとしては同類であるりんご・オレンジ・キウイフルーツ等の20品目が表示されている事から、検査に加えて対策方法として原材料表示を見る事等が挙げられます。

また、食品添加物についても注意しておくことで、よりアレルギーを避ける事が可能となります。

果物アレルギーを発症しやすい果物とは?

果物アレルギーと一口に言っても、アレルギー反応が出やすい果物は主に3つに分類されます。1つ目は「バラ科果物」、2つ目が「ウリ科果物」、3つ目は「ミカン科果物」の果物が発症しやすい果物の科(分類)であると言われています。

バラ科であれば、今回取り扱っている桃や、りんご、イチゴ、サクランボ、梨、梅、すもも、プラム等の果物が対象となります。

ウリ科はメロン・スイカ・きゅうり、かぼちゃが当てはまります。

ミカン科はなんとなく、イメージが付くかもしれませんがオレンジ・レモン・グレープフルーツが対象となります。

これらの3つの科の中で、同じ科に属する果物はアレルギー症状が発症しやすくなってしまいます。例えば、「桃アレルギー」を発症してしまったとしましょう。その際には、桃だけではなく、りんご、梨なども対象として当てはまってしまいます。また、同じ科ではなくとも、共通抗原があったり類似しているものでは、アレルギー反応を起こしてしまう事もあります。

果物アレルギーと花粉症、関係あるの?

果物アレルギーを持つ患者さんの多くは、花粉症を患っている事も研究では明らかになっています。このように、花粉症と果物アレルギーは非常に深い関係がある事から、花粉食物アレルギー症候群とも呼ばれます。

この関係性は何故起こるのでしょうか。理由として、果物があるタンパク質を含んでいる事が切欠となります。花粉症にも様々なタイプがありますよね。有名所で言えば「スギ花粉」「ブタクサ花粉」「よもぎ花粉」「シラカバ花粉」等があります。

実は、花粉の中には形が似ていると反応を起こしてしまう「交差反応性」という性質を持った花粉、交差反応性花粉が存在します。それぞれが持つ花粉の形と類似したタンパク質を含む果物を食べた時に果物アレルギー症状の、「口腔アレルギー症候群」が発症する事があります。

果物アレルギーを発症しやすい花粉と果物は何があるの?

果物アレルギーを発症しやすい花粉にはどんなものがあるのでしょうか。例えば、スギ花粉であれば、トマト、メロン、スイカが当てはまります。ブタクサ花粉では、メロン・スイカ・キュウリ・バナナが。

よもぎ花粉であれば、りんご、メロン・セロリ・クルミ・にんじんなどが当てはまります。カモガヤ花粉であれば、バナナ・メロン・スイカ・オレンジ・トマト・ジャガイモ等が当てはまります。

そして、シラカバ花粉は最も果物の量が多く、りんご・桃・さくらんぼ・イチゴ・梅・杏・キウイフルーツ・オレンジ・梨等が挙げられます。それぞれの花粉症を持つ人は、これらの果物(一部野菜)への注意が必要となります。

先述にあった、「花粉症に罹る人が増えるにつれて増加傾向にあると推測がされています。」という言葉に関しては、このような事が理由となり、花粉症に罹る人の増加が果物アレルギー罹患者の増加につながる可能性があると考えられています。

果物アレルギーの症状ってどんなものがあるの?

果物アレルギーの程度、食べてしまった量にもよりますが、基本的には以下のような症状が観察される事が多い傾向にあります。まずは、どんな症状が起こるのか?という事をしっていただきたいと思います。また、これらは桃アレルギーの症状としても当てはまるため、詳細については後述でご説明します。

  • 直接果物が触れた唇・舌・喉に痒みを感じたり、腫れを生じる「口腔アレルギー症候群」
  • じんましん等の皮膚症状
  • 目や鼻にかゆみ、鼻水等の花粉症症状が発症する
  • 腹痛や下痢、胃炎等による吐き気症状
  • 気管支喘息(喘息症状)
  • 全身にアレルギー反応が発症する「アナフィラキシーショック症状」
  • 天然ゴム(ラテックス〉に対するアレルギー症状の「ラテックス・フルーツアレルギー症候群」

等が果物アレルギーの症状としては挙げられます。症状によっては、ヒスタミン薬やステロイド薬の投与等の対処法が行われます。

果物アレルギーに分類される、「桃アレルギー」とは?

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さて、ここまで果物アレルギーのお話をしてきましたね。ある程度、果物アレルギーについてお分かりいただけたのではないでしょうか。

ではここからは、桃を食べる事により発生するアレルギー「桃アレルギー」について、ご説明しようと思います。

結局、「桃アレルギー」ってなんなの?

先程、桃がバラ科の果物であるという説明をしましたね。同科の果物・野菜を食べる事によっても生じますが、桃というアレルゲンを体内に含む事で発生するアレルギー反応の事を「桃アレルギー」といいます。

では実際、果物状態の桃を食べる時にしか発症しないのでしょうか。どんな症状があり、どんな検査をしたら桃アレルギーであると分かるのか。ご説明いたします。

「桃アレルギー」は桃を食べなければ発症しないの?

先程、「桃というアレルゲンを体内に含む」という言い方をしましたね。もしかしたら、含むという言い方からお察し頂けるかもしれません。

実は直接食べて口から取り入れるだけではなく、桃の果汁、皮や、産毛が刺さる事によっても発症してしまいます。「産毛だけでも発症してしまうの?」と思うかもしれませんね。桃には新鮮であれば新鮮な程、細かく多い産毛が生えています。

そのため、安易に手で触れたりして肌に触れると、産毛が桃から抜け、肌に刺さります。これによって、産毛が刺さった部分の肌が赤くはれ上がり、痛みを覚えるという症例も存在しています。

「桃アレルギー」はなんで発症してしまうのか?

これは基本的に、桃アレルギー患者が花粉症であるという事が前提として置かれています。主な対象は「シラカバ花粉」の花粉症を持っている人が、桃アレルギーを発症する傾向が高いと言われています。

理由として、先ほども軽くご説明した花粉の形とタンパク質が似ているという事が挙げられます。シラカバ花粉に含まれている植物の花粉の形、そして果物の糖タンパク質の形が似ている「交差反応性」があるために、アレルギー反応が発生します。また、栽培に使用されるヒスタミン農薬もアレルギーを発症する原因として扱われています。

果物のタンパク質は糖タンパク質といい、胃や食道に存在する消化酵素に弱いという特徴があります。この特徴から、胃に入り消化されると、症状の進行が抑えられるそうです。アレルギー症状が弱い方はある程度時間がたてばおさまりますが、中には劇的な症状が出る方もいます。どんな症状があるのか、次項で紹介します。

「桃アレルギー」だけじゃなく、果物アレルギー全般にみられる症状とは?

さて、桃アレルギーにはどんな症状があるのでしょうか。先程名称だけは挙げた症状の詳細について、ご説明いたします。

「口腔アレルギー症候群」とは?

花粉症であると、既に診断される場合に果物を食べて、「口の中が痛い」「唇がかゆい」「喉の奥がイガイガする」等の症状が出た際には「口腔アレルギー症候群」と診断されます。主な検査方法は問診等で、原因食物を判定します。血液検査ではあまり反応が見受けられないためです。

これは抗アレルギー薬の服用、ステロイド薬を塗布する事によってアレルギー反応を抑える事が主な治療法、対策といえます。また、消化器症状が出る際には、ステロイド薬の点滴を行う事もあります。

口腔内だけでなく、じんましんが出る際には抗ヒスタミン薬が投与される場合もあります。詳しくは、口腔アレルギー症候群とは?症状や原因物質を知ろう!治療には薬が必要?を読んでおきましょう。

「アナフィラキシーショック症状」とは?

アナフィラキシーとは、発症後数分、時間単位で皮膚だけでなく、粘膜や呼吸器、循環器、消化器等全身にアレルギー反応が出る事をいいます。

しびれや、舌に違和感を感じる事から始まり、重症化した場合には、血圧低下、意識障害、ショック状態を引き起こす事もあります。呼吸困難等を引き起こした場合には状態に応じて救急車で病院へ搬送し、適切な処置を行う必要があります。一度発症してしまった後には、エピペンという補助治療剤を処方される事もあります。

詳しくは、アナフィラキシーショック症状について!原因や予防法、対応法を知ろう!を読んでおきましょう。

「ラテックス・フルーツアレルギー症候群」とは?

ラテックスとは、ゴム製品に使用される天然ゴムの事をいいます。

ラテックスのタンパク質と似た構造である事から、桃、或いはバナナ、キウイ等のアレルギーを持つ人が発症する事が多いです。たびたび出ている、交差抗原性によるためですね。症状としては、痒みやじんましんといった皮膚症状が発生します。果物によってラテックスアレルギーを発症する事は多いため、体調の悪い時には桃のようなフルーツを摂取する事を控えた方がよいのではないでしょうか。

このような症状が、桃アレルギーないしは果物アレルギー、そして食物アレルギーに現れます。

尚、妊娠期であれば、可能な限りアレルゲンとなる食物の摂取を避けた方がよいでしょう。アメリカであれば、ピーナッツアレルギーが酷い症状を起こす為、妊娠中のピーナッツ摂取制限を推奨していた事もあります。アレルギー物質をお母さんが摂取する事によって、母乳にアレルゲンを検出する事があるため、妊娠期間の卵・牛乳等を避ける事が推奨されています。

コンタミネーションに注意!

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コンタミネーションというものを知っていますか?コンタミネーションとは、加工食品を工場等で作っている際に、製造ライン等の問題によって、意図なくアレルゲン成分が混入してしまう事を言います。

重症でない限りは問題ありませんが、重症であれば避ける必要があります。体験談として、アレルゲン成分である卵入りクッキーを舐めただけでアナフィラキシーを発症したというものもあるため、食品表示を見つつしっかりと選ぶべきですね。

災害時用に備えている缶詰等、緊急事態のものにも気を配ると、アレルギーを持っていて食べれないという事も防げるのではないでしょうか。

いつもと異なる事、ものにも注意!

他国へ旅行した際には、アレルゲンの表示漏れに注意しましょう。例えばイギリスでは、表示漏れが多いものに乳・小麦・大豆であったと発表しています。表示漏れのあったものは回収情報が出ているため参考にしましょう。このような、表示漏れが起こる事もあります。アレルギーを持っている方、または子どもと一緒の際は、海外へ行く際は厳密な注意を払った方がよいでしょう。

また、最近では「チアシード」という植物がダイエット食品として人気を醸し出しています。人気だからって迂闊に食べると、危険な事になりかねませんので注意しましょう。チアシードはオメガ3脂肪酸を含み、他にも鉄やカルシウム等を豊富に含みます。しかし、リスクとしてサルモネラ感染やカビ毒が検出される事もあります。カビ毒を含むものを摂取すると、下痢、嘔吐等の食中毒症状を起こすため、救急車を呼ぶ事になります。

同様に種類としては同じでも、違う産地のものを購入する際にも、農薬の使用等について注意しましょう。農薬果物の中には、それだけでアレルギーを発症してしまう可能性もあるため、注意しましょう。

桃アレルギーでも桃を食べたい、でもどう調理したらいいの?

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アレルギーとわかっていても、食べたい時ってありますよね。妊娠期間であれば、フルーツであればさっぱりしている為、栄養のために食べたい時もあります。

そんな時は、80℃以上で加熱したものがよいでしょう。おすすめレシピのものであれば、比較的安全に食べられる可能性が高いです。モモでいえば、コンポート等が具体例として挙げられます。また、ケーキなどで言えば、小麦粉ではなく米粉を使用するとよいのではないでしょうか。米アレルギーは比較的少ないため、小麦を使用するよりは安全です。

しかし、いくら加熱してもアレルギーを発症する可能性は0ではないため、少量を摂取し様子を見てから食べましょう。他に入れたものでも、交差反応が起こらない可能性は0ではありません。喘息発作等や喉への違和感が出たらすぐに摂取を辞めましょう。

いくら薬があるとはいえ、あまり飲み過ぎてしまうと薬に対する抗原が出来てしまったり、認知症のリスクが高まってしまうため、体調が良い時のみ食べるとよいのではないでしょうか。

まとめ

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さて、桃アレルギーについて様々な事を記載しました。今回の記事についてまとめてみましょう。

桃アレルギーとは、果物アレルギーの1つで、桃に含まれる糖タンパク質が原因となって生じるアレルギー反応の事です。桃の果肉だけではなく、桃のうぶ毛や皮でも発症してしまう事があります。シラカバ花粉の花粉症を持つ人に多く見受けられ、他にはリンゴを食べる事によっても同じような状態になる人もいます。

症状としては、「口腔アレルギー症候群」やじんましん等の皮膚症状、花粉症症状、喘息症状、アナフィラキシーショック症状、ラテックスフルーツアレルギー症候群等があります。治療として、抗ヒスタミン薬やステロイド薬を投与される事が多いです。

アレルギーが発症してしまったら、加工食品を控えたり、海外旅行へ行った際の食べ物に対して注意をした方がよいでしょう。

さて、いかがでしたでしょうか。身近な存在である桃にこのようなアレルギーがあると知らなかったのではないでしょうか。妊娠中、ないしは幼い子を持つ保護者の方だけではなく、普通に生活している方も注意すべき桃アレルギーについて、しっかり理解していただけたら幸いです。読了有難うございました。

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これらを読んでおきましょう。

  
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