皆さんは、オカヒジキという食材を知っていますか?見た目がヒジキに似ていて、栄養価が高いと人気の野菜です。骨を丈夫にしたり、血液の成分になるミネラルが豊富に含まれているので、骨粗しょう症予防や貧血予防に最適です。
他にも、様々な生活習慣病を予防したり、免疫力UP、美肌効果やむくみ予防にも効果もあるので、オカヒジキの事を知れば、毎日積極的に摂取したいと思うはずです。ここでは、おかひじきの情報について詳しく記事にします。
おかひじきについて
おかひじきは栄養価が高くて低カロリーな野菜です。最近では、メディアでも取りあげらるようになり、注目度が高くなってきています。
栽培されたものであれば年中簡単に手に入れることができ、調理方法も選ばずにとても簡単です。ここでは、おかひじきの概要や特徴、保存方法について詳しくご紹介します。
おかひじきって何?
おかひじきは、ヒユ科の一年草で、別名「ミルナ(水松菜)」とも呼ばれています。日本全国の日当たりのいい砂浜や砂礫地、塩生地などに地上を這うように成長し、中でも東北地方で古くから食用として採られていました。見た目がヒジキに似ていて、丘に生えていることから「おかひじき」と呼ばれるようになったと言われています。
天然物は、数が減っており流通しているオカヒジキのほとんどがハウス栽培されたものです。オカヒジキの栽培は江戸時代の初期に山形県で始まり、山形県の伝統野菜として知られています。今では山形だけでなく各地で栽培され、春~晩秋まで収穫されます。
栽培方法は日あたりのよい場所で育て、山形県では4月~10月頃の数回に分けて収穫を行い、九州地方では9月~翌年の3月にかけて収穫されています。オカヒジキは年中流通していますが、旬の美味しい時期は春の4月中旬~5月にかけてです。
オカヒジキの特徴
オカヒジキは、ミネラルやビタミン類が豊富な為、摂取することで様々な効果が期待出来ます。特に注目したい特徴は「アンチエイジング効果・美肌効果」「骨密度を改善」「無農薬」の3つです。
アンチエイジング・美肌効果
オカヒジキには、アンチエイジング効果が期待できるβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンEが含まれています。特にβ-カロテンの保有量は多く、抗酸化作用がある為、老化防止が期待できます。
他にも、カルシウムには肌の再生や水を保持する役割、マグネシウムには肌の弾力を保つ働き、カリウムは皮脂の分泌をコントロールし、むくみを防止する働き、鉄分にはコラーゲンを作る働きがあります。このように、アンチエイジングや美肌に役立つ栄養素が豊富なのは女性にとっては魅力的ですね。
骨密度を改善
オカヒジキの栄養成分には、骨の形成に関係する成分が多く含まれています。
骨に関係する成分は、カルシウム、マグネシウム、ビタミンK、リンで、これらの成分が豊富に含まれているので、骨粗しょう症予防として取り入れるのもオススメです。
無農薬
オカヒジキには害虫がつかないという特徴があり、農薬は使われず基本的に無農薬です。栄養価が高いだけでなく、安心して食べることができます。
美味しいオカヒジキの選び方と保存方法
美味しいオカヒジキを選ぶ時のポイントは色と艶です。鮮やかな緑色が濃く、艶のあるオカヒジキが美味しいものと言われています。茎の切り口が茶色くなっていたり、全体的に黄色いものは鮮度が落ちている証拠ですので、避けましょう。
また、オカヒジキの若い芽は柔らかいものが美味しく、育ちすぎてしまうと固くなってしまい美味しくなくなります。茎が太くて全体的に大きいものや、乾燥した状態のものは、固くなっている可能性が高いので、できるだけ新鮮で比較的に小さいものを選ぶのがオススメです。
オカヒジキを購入したら乾燥を避ける為、ラップに包んだりビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れて保存しましょう。鮮度のいいうちに使いきるのが美味しく食べるポイントです。冷凍保存が適した食材ではないので、冷凍保存するのは控えましょう。
オカヒジキの栄養価と効能について
オカヒジキは、ミネラルやビタミン類を豊富に含む栄養価の高い野菜の1つです。
ここでは、オカヒジキの100g当たりに含まれる栄養価と、中でも豊富に含まれているミネラルの働きについて詳しくご紹介します。
オカヒジキ100gの栄養価
オカヒジキの栄養価で特に注目したいのは、カリウム、マグネシウム、リン、鉄分、カロテンなどの必須ミネラルが豊富に含まれている事です。これらのミネラルは体の中で作ることは出来ない為、食べ物から摂取する必要があります。オカヒジキ100gに含まれる栄養価は下記の通りです。
- エネルギー:17Kcal
- 水分:92.5g
- たんぱく質:1.4g
- 脂質:0.2g
- 炭水化物:3.4g
- 灰分:2.0g
- 食物繊維:2.5g
■ビタミン
- ロテン:3300μg
- ビタミンE:1.0mg
- ビタミンK:310μg
- ビタミンB1:0.06mg
- ビタミンB2:0.13mg
- ナイアシン:0.5mg
- ビタミンB6:0.04mg
- 葉酸:93μg
- パントテン酸:0.22mg
- ビタミンC:21mg
■ミネラル
- ナトリウム:56g
- カリウム:680mg
- カルシウム:150mg
- マグネシウム:51mg
- リン:40mg
- 鉄:1.3mg
カリウム
オカヒジキの栄養価の中でも、特に注目したいのがカリウムです。オカヒジキのカリウムの含有量は、野菜の中でもトップクラスに入ります。このカリウムには心臓機能や筋肉機能を調整する働きや細胞内液の浸透圧が一定に保たれるようにバランスを整える作用があります。
また、ナトリウム(塩分)を摂取しすぎた際に、外に排出しようとする働きをする為、高血圧予防やむくみ解消にも効果的です。カリウムが不足すると脱力感、膨満感、呼吸困難、不整脈、神経過敏、イライラ、昏迷などの症状が現れ、尿の濃縮力障害や腎炎にもかかりやすくなります。
加工食品を摂取する生活をしていると、カリウムの摂取が少なくなり、またナトリウムの摂取も増えます。加工食品を多くとっている方は、オカヒジキを1品つける生活を始めてみるのがオススメです。
また、女性の場合プロゲステロンという女性ホルモンが優位になる排卵時期には水を溜め込んで、むくみやすくなる時期でもあります。その為、生理前の排卵時期にはむくみ防止の為にオカヒジキを摂取するのもオススメです。
マグネシウム
マグネシウムは体内に約30g存在し、そのうちの70%は骨の中にあり、残りは筋肉や脳、神経など体全体にあります。骨の生成というと、まず始めにカルシウムが頭に浮かぶ人が多いと思いますが、マグネシウムも骨の生成に大きく関わっています。その為、カルシウムとマグネシウムのバランスが上手く取れていないと、丈夫な骨は作られません。
また、マグネシウムは筋肉の興奮性を高めたり、神経の興奮性を抑えたり、一部の酵素の働きを活性化させる作用があります。マグネシウムが欠乏すると、筋肉が痙攣したり、気分が落ち込んだり不安感などの異常が現れ始めます。
また、喘息、気管支炎、肺気腫、心筋梗塞、脳卒中、ガン・老化・糖尿病、血管障害動脈硬化などの病気にもかかる原因にもなります。
リン
リンは、体内のミネラルの中でカルシウムの次に多い栄養素と言われ、一般の大人で最大850gのリンが存在します。体内にあるリンの85%は、カルシウムやマグネシウムと一緒に骨を丈夫にするのに役立ちます。
残りの15%分は、筋肉、脳、神経などに含まれて、エネルギーを作り出します。リンは、加工食品、食品添加物、清涼飲料水などに多く存在しており、外食が多い生活の人やコンビニのお弁当を食べている事が多い人は、リンを摂取しすぎている可能性があります。
リンは、現代の食事で不足するということは考えにくく、逆に摂取のしすぎが懸念されています。リンを摂取する際には、リンとカルシウムのバランスが重要で、カルシウムの摂取が少ないのにも関わらず、リンを過剰に摂取すると、骨量や骨密度が減る可能性があります。
カルシウムとのバランスを考えてリンを過剰摂取しないように、外食や加工食品の摂取を控えるように食生活を見直し、出来るだけ新鮮なもの自分で調理して食べるようにしましょう。
鉄分
鉄分は金属のミネラルの1つで、体重の約0.005%が体の中に存在しています。体重60kgの人の場合は、3gほど存在していることになります。このうちの約7割が血液の中を流れてる赤血球の成分、ヘモグロビンの材料となり、残りは筋肉や肝臓、脾臓、骨髄などで活躍します。
鉄分は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2つの種類に分けることができ、ヘム鉄の方が5倍~10倍ほど吸収率が高いと言われています。肉、魚、レバーなどの動物性食品には、ヘム鉄が多く含まれ、緑黄色野菜、大豆、海草などには非ヘム鉄が多く含まれています。
鉄分が不足すると、赤血球が作られなくなり鉄欠乏症(貧血)になる可能性が高いです。血液は酸素や栄養素を体のすみずみにまで運ぶ役割をしています。その為、貧血になると、酸素不足で頭痛になったり、疲れがでるなどの全身症状が現れます。また、血液不足を心臓が補うことで心臓の鼓動が早くなり、動悸や息切れなどの症状を起こします。
女性は毎月月経があって血液が失われるだけでなく、出産などでも血液を必要とする為、男性よりも鉄分を多く摂取する必要があります。成人女性の5人に1人は鉄欠乏性貧血であるといわれている為、食生活を見直して鉄分を多く摂取する生活を心がけることで、貧血予防をすることが可能です。
普段の食事から鉄分を多く摂取しようと心がける分には問題ありませんが、サプリメントで鉄分を補う場合には注意が必要です。サプリメントなどを使って鉄分を過剰摂取した場合は、鉄沈着症が見られる場合があります。サプリメントは自己判断で使用するのではなく、担当の医師に相談のもと使用しましょう。
βカロテン
βカロテンは体内に入ると、ビタミンAへと変換されて、目の神経伝達物質になります。また、活性酸素を抑える抗酸化作用があるので、動脈硬化や心筋梗塞、がんなどの生活習慣病を予防することもできます。他にも、皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ働きがある為、美肌効果や免疫力アップが期待できます。
βカロテンが不足すると、ドライアイや視力低下などの目に異常が現れたり、免疫力が低下することで、様々な病気にかかりやすくなります。他にも活性酸素を抑える力が弱まるので、生活習慣病になる可能性が高くなるだけでなく、老化などの原因にもなります。オカヒジキは1日約50g食べるだけで、カロテンの1日の目安量をクリアすることができます。
オカヒジキの茹で方と主なレシピ
オカヒジキはアクがある食べ物なので、一般的には下茹でしてから調理を行います。シャキシャキッとした食感と鮮やかな緑の色合いからサラダや和え物、おひたし、味噌汁の具などと相性がいいです。
オススメの調理方法は、ちりめんじゃこなどのビタミンDを多く含んだ食材と組み合わせる事です。ビタミンDを一緒に摂取すると、カルシウムの吸収を高めることができます。ここでは、オカヒジキの茹で方と主な料理についてご紹介します。
オカヒジキのゆで方
オカヒジキは生で食べると多少アクがあるものの、茹でて食べれば味にクセがなくて、どんな料理にも合わせやすくなります。
- まず、鍋に水をたっぷりと入れて塩を加えます。(水1ℓに対して塩大さじ1杯)
- 沸騰した鍋にオカヒジキを入れて茹でます。(栽培:1分~1分半、天然:2分~3分)
- 茹で上がったらすぐに冷水に落として、冷めたら水を切ります
オカヒジキは茹ですぎるとシャキシャキとした歯ざわりがなくなってしまうだけでなく、カリウムは水に溶ける性質があるので、茹ですぎないように注意しましょう。保存法はタッパーなどの保存容器に茹でて冷ましたオカヒジキを入れて冷蔵保存します。オカヒジキは冷凍保存には適さない食材の為、保存後も早めに使いきるように心がけましょう。
オカヒジキは、生で食べることも可能です。オカヒジキを生で使う場合は、まずはオカヒジキを水にさらして置きます。そして、適当な長さに切って、野菜や茹でたチキンなどと混ぜ合わせてドレッシングをあえればサラダとして美味しく頂けます。
オカヒジキとサーモンのサラダ
下茹でしたオカヒジキは、茹でた海老やホタテ、サーモンなどの海鮮と混ぜ合わせてサラダにすると美味しく頂けます。ここではスモークサーモンを使ったサラダをご紹介します。
■材料
- おかひじき:60g
- スモークサーモン:200g
- レモン:適量
- オリーブオイル:適量
■レシピ
- スモークサーモンをスライスして、お皿に盛り付けます。
- 茹でて冷やしたオカヒジキを1口サイズに切って、サーモンの横に盛り付けます。
- レモンとオリーブをかけて完成です。
おかひじきとちりめんじゃこの胡麻和え
茹でたオカヒジキにビタミンDを多く含むちりめんじゃこを加えることで、カルシウムの吸収率がグンッとUPします。簡単に調理できるので、夕食やお弁当に1品付け足してみてはいかがでしょうか。
■材料
- おかひじき:60g
- ちりめんじゃこ:20g
- 炒り白ごま:大さじ2
- 醤油:小さじ2
- 砂糖:小さじ2
■レシピ
- オカヒジキを茹でて冷まします。(茹で方は上記参照)
- すりゴマを使ってゴマをすり、醤油と砂糖を混ぜ合わせます。
- オカヒジキと(2)を混ぜ合わせて完成です。
おかひじきとじゃこの梅パスタ
おかひじきをメイン料理にしたいと考えている方は、パスタにするのがオススメです。じゃこを混ぜることでカルシウムの吸収率をアップさせ、梅を使う事で夏でもサッパリと頂くことができます。これからの季節に大活躍するレシピです。
■材料
- パスタ:200g
- 生おかひじき:50g
- ちりめんじゃこ:10g
- 梅干:中2個
- 醤油:大さじ1/2
- 砂糖:小さじ1弱
- だし汁:大さじ5
- しょうが:1かけ
- 酒:大さじ1
- ごま油:大さじ1
■レシピ
- 梅干を叩いて、ペースト状にして醤油、だし汁、砂糖と混ぜ合わせます
- たっぷりのお湯に塩を加えて、パスタを茹でます
- フライパンに、ごま油、生姜を入れて軽く炒めて、ちりめんじゃこを入れます
- 生のオカヒジキを加えて、酒を入れて蓋をし、2~3分ほど弱火で蒸し焼きにします
- 茹でたパスタを絡めて完成です。
おわりに
オカヒジキは栄養価が高い事から、美容や健康維持を目的として注目されている食材の1つです。
味にクセがないので、毎日食べる食材として取り入れやすく、納豆に混ぜたり、味噌汁に入れたり、おひたしにしたり、サラダに加えたり、どんな料理にも合わせやすいです。また、年中簡単に手に入れることができるので、毎日の食生活に是非取り入れてみて下さい。
関連記事として
・セロリの栄養が凄い!成分や効能、オススメの調理方法を紹介!
・ブロッコリーの栄養を知ろう!効果的な食べ方や健康効果、美容効果を紹介!
これらの記事も読んでおきましょう。