私たちが口にしている多くの飲食料品には人工甘味料が使用されています。危険な人工甘味料もあれば、そうではないものもあります。
掲題にありますエリスリトールは過剰摂取しない限り危険ではありません。本記事ではエリスリトールの特徴や危険性、並びに注意すべき危険な人工甘味料について解説します。
エリスリトールとは何か
エリスリトールの特徴
エリスリトールとは甘味料の一つで、自然に存在する天然の糖アルコールです。葡萄や梨などの果物、味噌や醤油などの発酵食品に含まれています。ブドウ糖を発酵させることにより、大量生産が可能です。
甘さは砂糖の約6割から7割程度ですので、やや弱いです。したがって、エリスリトール単体で用いるとやや物足りなく感じられますので、人工甘味料を加える場合があります。
虫歯の発生原因となる酸を生成しないため、虫歯の予防に繋がります。
また、エリスリトールは体の中で消化及び吸収されませんので、カロリーはありません。
エリスリトールの用途
1.砂糖の代替物としての使用
砂糖の糖質は100%です。私たちが口にするほとんどの料理には砂糖が添加されます。レシピに従って料理をすると、ほぼ全ての場合において糖質過多となってしまいます。用いる砂糖の量を減らせば減らしただけ、糖質を抑えることが可能です。そこで、砂糖の代替物として用いられることによって糖質とカロリーを抑えてくれるのがエリスリトールです。
肥満は様々な病気の罹患を招きますので、世界各国で糖質を抑える減量方法が実施されています。減量を達成したくても、甘いものが好きで糖質摂取量を減らしたくても減らすことが難しい人、あるいは糖尿病に罹患していて血糖値が高い値を示す人が用いるべきなのが、エリスリトールです。
2. 低カロリーの加工食品の製造
チョコレート、クッキー、炭酸飲料…私たちが口にするものは何でも、低カロリーである方が嬉しいですよね。エリスリトールは低カロリーの加工食品を製造する際に用いられます。また、糖尿病に罹患している人向けのお食事や、肥満の人向けのお食事などの、治療用に作られる病院食にも用いられます。
3. 清涼感のある食品の製造
エリスリトールが水に溶けるとき、吸熱反応が起こります。つまり、口の中に入れると冷えて清涼感がもたらされるということです。この効果を利用して、エリスリトールはコーラまたはソーダキャンディー、ガム、タブレットなどに用いられます。
4. 虫歯予防
エリスリトールには虫歯を予防する効果と、口内細菌の増殖を抑制する効果がありますので、歯磨き粉の甘味として用いられます。
エリスリトールの危険性
エリスリトールはブドウ糖を発酵させて生成するため、人体にとって害のある物質が含蓄されている懸念はないのではないかと考える方もいらっしゃるかと思います。確かに、エリスリトールは天然の甘味料ですので、エリスリトール自体に深刻な危険性や副作用などはありません。過剰な摂取をすれば下痢をしてしまいますが、これは砂糖を過剰摂取した場合にも同様のことが言えます。
一見安全性の高いエリスリトールですが、危険性は決してないとは言えません。
ノンカロリーでも太る
膵臓はノンカロリーの甘味料を感知し、インスリンを分泌する働きを持っていますが、ノンカロリーの飲食料品に偏ってしまうとインスリンの分泌力が低下してしまいます。エネルギーに変換するための糖がないにも関わらず、働き続けて疲弊してしまうためです。そんな時に糖が膵臓にやってきくると、疲弊しきった膵臓は糖をエネルギーに変換できません。エネルギーに変換されなかった糖は、脂肪となって体内に蓄積されてしまいます。これが肥満の原因となり、ノンカロリーダイエット失敗を招きます。
ノンカロリーですと甘みが感じられても糖質がないため、脳へ満腹感が伝達されません。したがって、ノンカロリー飲食料品を摂取し続けて摂取過剰となり、肥満のリスクが高まります。
カロリーが全くないという安心感から、つい食べ過ぎて、あるいは飲みすぎてしまいます。その結果として、肥満になってしまうこともあります。
甘味に依存する
人工甘味料のもつ依存性は、カフェインの依存性を上回ります。人の味覚は次第に甘さに慣れてくるため、人工甘味料を日常的にコーヒーやお菓子に添加して摂取していると、次第に添加量が増加します。その結果、甘味依存症になってしまい、甘いものを多く摂取するようになり、肥満となってしまいます。
ダイエットのために人工甘味料をヨーグルトやゼリー、パンなどに添加して食べ続けた人の例をご紹介します。元々甘党ではなく、ヨーグルトに砂糖を添加して食べた経験がほとんどなくても、ダイエット中に少しだけ甘いものを食べると満足感が得られ、ストレス解消効果が得られるという理由に基づき、様々な飲食料品に人工甘味料を添加して食べていたそうです。
初めのうちは甘すぎると感じていた人工甘味料でも、徐々に慣れていき、しまいにはいくら添加しても足りないと感じるようになったそうです。このように、人工甘味料には高い依存性があるため注意してください。
アレルギー反応
エリスリトールについて、これまでアレルギー反応が確認されたという報告はありません。混合人工甘味料についてはアレルギー反応が確認されたという報告がありますが、どの物質が原因で、そしてどれ強い関係性を持っているのかは未解明です。
副作用
他の人工甘味料と比較してエリスリトールが安全と言っても、過剰摂取すれば副作用があります。一般的な副作用は下記の通りです。
- 下痢
- 頭痛や目眩
- 動悸
- 喉の渇き
- 手足の麻痺
- 喘息発作
- 蕁麻疹
- かすみ目
- 脱毛
- 耳鳴り
他の人工甘味料との併用
甘さは砂糖と比較しておよそ6割から7割程度でやや弱く、味の物足りなさを緩和するために人工甘味料を加える場合があります。
例えば、味の素社から販売されている「パルスイートカロリーゼロ」は、エリスリトールのほかにアステルパームやスクラロースという人工甘味料を一緒に用いています。これらの甘味料の甘みは、佐藤の約100-600倍です。アステルパームが体内で分解されて生成された物質は、神経の働きを阻害するなどして人体に悪影響を与えます。スクラロースは、成長ホルモンの働きを阻害します。
エリスリトールの他にこれらのような人工甘味料を添加することによって、その製品の人体への危険性が高まります。したがって、どれだけエリスリトールの効果によってカロリーを抑えていたとしても、甘さを補填するために添加される他の人工甘味料の働きによって、その飲食料品は安全ではなくなることがあり得ます。
危険性の高い2つの人工甘味料
先にご紹介したアステルパームとスクラロースについて詳細に検証します。
アステルパーム
アステルパームは世に出回り始めたころからアメリカで安全性についての議論が盛んに行われ、「疑惑の甘味料」と呼称されるほど未解決点の多い甘味料です。
アメリカの薬品会社のとある研究者が、胃潰瘍治癒のための薬を開発している間に甘味を有する化学物質を偶然発見したことがアステルパーム誕生のきっかけでした。その研究者は害があることを承知の上でアスパルテームをFDAに食品添加物としての認可を申請しました。勿論、あらゆる食品専門家や消費者団体からの猛烈な反対運動を受けました。よって、アステルパームは長い間、食品添加物としての認可を得られませんでした。ところが、ある人物が製薬会社の最高取締役に就任したことを機に、アスパルテームは承認されました。アステルパームの承認にあたって政治的な圧力が存在したのは明確です。
アスパルテームのカロリーは砂糖のカロリーとほぼ同等ですが、甘さは約200倍であり、少量で十分な効果を発揮する甘味料です。アスパルテームは様々な飲食料品に含有されており、私たちは知らない間に多く摂取してしまっている可能性が高いです。特に、ほとんどの飲料製品の成分表にアステルパームは記載されています。
日本では未だ大きな健康被害の報告はありませんが、膵臓が砂糖に対する反応と同じ反応を示し、インスリンを分泌するため、血糖値が急に上がることが明らかにされています。
対策はあります。毎日2Lの水を飲むことによって、アステルパームをデトックスする効果が期待できます。
スクラロース
アスパルテームの危険性が世間に知れ渡ったことによって、飲食料品業界ではアステルパームの代替甘味料としてスクラロースが用いられるようになりました。スクラロースはベースが天然の糖であることと、砂糖によく近似した味をしていることがアステルパームとの相違点であり、利点です。
スクラロースの甘さは砂糖の約600倍と高いですが、、摂取しても24時間以内に人体から排泄されるため血糖値を上昇させません。しかし、スクラロースの分子には人体にとっての有害物質である塩素が付帯しています。飲食料品を購入する際にはスクラロースが含有されていないかどうか、気にかけてみましょう。
禁止された人工甘味料
数多く存在する人工甘味料の中には、人体に悪影響を及ぼし健康的な生活を送れなくさせる懸念から、使用禁止されたものがあります。
例えば、チクロです。チクロは高度経済成長期に幅広く用いられていた、砂糖の約30の甘さの人工甘味料です。1969年にアメリカと日本で、発がん性と催奇形性があると判断されて使用禁止となりました。しかしながら、中国やヨーロッパではそのような疑いは否定されたものとして認識され、現在も使用され続けています。
他の例としては、サッカリンナトリウムが挙げられます。サッカリンナトリウムはサッカリンを水に溶解しやすくさせたもので、漬物や佃煮に用いられています。甘さは砂糖の約500倍で、アメリカでは盛んに使用されてきましたが、発がん性があるという研究結果の報告を受けて1973年から一時的に使用禁止となりました。後に、その研究結果が否定されて使用が再開されましたが、日本国内で使用される頻度はとても低いです。
まだ禁止されてはいませんが、アスパルテームは、発がん性、催奇形性、うつや頭痛の誘発性などの多くの危険性を持っていますので、注意しましょう。
まとめ
エリスリトールとは
- 自然に存在する天然の糖アルコール
- 砂糖の代替物として、低カロリーの加工食品の製造や清涼感のある食品の製造に用いられている
- 虫歯の予防効果がある
エリスリトールの危険性
- ノンカロリーでも太る
- 依存性がある
- 過剰摂取すると副作用が出る
危険な人工甘味料
- アステルパーム
- スクラロース
禁止された甘味料
- チクロ
- サッカンナトリウム
以上が本記事のまとめです。エリスリトールの過剰摂取に気を付けて、健康的な食生活を維持しましょう。また、飲食料品の成分表示に気を配りながらお買い物を楽しみましょう。