セロリのあの独特な風味と苦味は、苦手な方も多いと思います。セロリが苦手なお子さんも多いとといいますよね。
しかし、セロリには、健康に必要なたくさんの栄養が含まれていることは、ご存知でしょうか?古くは、心を落ち着かせる作用があるとして、薬草としても使用されていました。
西洋料理では、香味野菜としても欠かせないセロリ、今回はその栄養や、美容効果などをまとめてみました。オススメの調理方法なども、記載しておりますので、ぜひご覧になってください。
セロリとは?
まず、セロリとはどんな野菜なのでしょうか?セロリに含まれる栄養素やセロリを食べることで得られる効能なども見てみましょう。
セロリについて
セロリとは、セルリー、セレティとも呼ばれる、セリ科の淡色野菜です。和名は「オランダミツバ」、「清正人参」とも呼ばれています。
ちなみに、清正人参と呼ばれるようになったきっかけは、元々朝鮮半島で食べられていたセロリを、戦国時代の武将である加藤清正が、日本に一番最初に日本に持ち込んだからとされています。
当時は、中々食用としてのセロリは普及されず、香りが独特で強いからと言って、日本人には受け入れられにくかったようです。洋食文化が普及すると同時に、セロリのような香味野菜も受け入れられるようになったといいます。
西洋料理では香味野菜として使用され、炒めものやスープ、シチューなど、肉に合わせて、くさみを消す食材としても、使われます。
セロリの栄養素
日本では、茎で食べられることの多いセロリですが、実は、葉のほうがセロリの栄養が豊富に含まれているのです。セロリに含まれる栄養を、詳しくみてみましょう。
βカロテン(プロビタミンA)
セロリには、βカロテンが多く含まれています。
βカロテンには、抗菌化作用があり、老化や癌の原因を予防する効果や、生活習慣病の原因となる、悪玉コレステロールを抑制する効果もあります。
また、βカロテンはプロビタミンAとも呼ばれています。
プロビタミンAは、ビタミンAの不足分だけ、ビタミンAに変化するという、すぐれた栄養素です。通常、ビタミンAは体内に残留しやすく、過剰に摂取すると吐き気や、頭痛などを引き起こすデメリットが有るのですが、プロビタミンAという栄養素は、ビタミンAの必要分だけビタミンAに変換されるので、過剰摂取によるデメリットがないのです。
カリウム
セロリに多く含まれる栄養素の中には、カリウムもあります。カリウムは、ミネラルの一種で、血圧改善、むくみに対して高い効果を発揮します。また、体に溜まった老廃物を排泄を促進する効果もあり、特にお酒などをよく飲まれる方には、必要な栄養素です。
夏バテに対しても効果があります。過剰に摂取しても、基本的には尿で排出されるので、特に摂り過ぎを意識する必要はありません。
その他の栄養
その他にもセロリに含まれるビタミン類や栄養素はたくさんあります。
- ビタミンA
- ビタミンB群
- ビタミンC
- ビタミンK
- カルシウム
- アピイン
- セネリン
- ポリアセチレン
- 食物繊維
- 葉酸
があります。これら沢山の栄養素を含んでいるため一つの食材でバランスよく栄養を摂取することが出来ます。全体の95%は水分でできておりその分ビタミンの含有量はそこまで多くないですが他の食材と合わせて十分栄養を摂ることが出来ます。
香り成分
セロリの独特な香りは、40種類もの豊富な香り成分から作られているものです。この独特なにおいが、苦手という人も多いと思うのですが、この香り成分には精神面、体調面にとても多くの効果があります。
アピインやセネリンといった香り成分には、鎮静作用が期待できますし、アビオイルという香り成分は、食欲増進や、口内をさっぱりとさせる効果があると言われています。神経系の症状に悩まされている方にも、改善効果が期待できます。
具体的に得られる効能
セロリにはたくさんのビタミンやミネラル、食物繊維が含まれていますが、摂取することによって具体的にはどのような健康効果が、期待できるでしょうか?
美肌効果
セロリにはビタミンC、ビタミンEも含まれています。
ビタミンCは美容効果が高く、しみやそばかすを予防する働きがあります。メラニン色素の沈着を防ぎ、あらかじめ体の内側から、肌トラブルを防いでくれるのです。
ビタミンCの美容効果の重要な役割として、もう一つ、コラーゲンを体内で合成する働き、というものがあります。美容として、コラーゲンを積極的に摂るようにしている方は、セロリなどの野菜で、ビタミンCも効果的に摂り入れることで、更に美容効果を期待できるでしょう。
そして、ビタミンEは「若さのビタミン」とも呼ばれていて、アンチエイジング効果、抗菌化作用、バリア機能、血行促進作用などの機能があり、こちらも美容効果を充分に期待できるでしょう。特に、夏は強い紫外線を浴びて、肌がダメージを受けてしまうことも多いですから、夏によく摂取すると良いかもしれません。
疲労、ストレスの緩和
ビタミンB1には、疲労物質の乳酸を分解し、疲れを回復させる作用があります。
また、セロリには独特の香りがありますが、この香りはセネリン、アピイン、セダノリッドなどの40種類もの成分によるもので、これらの成分には、気持ちを落ち着かせる効果(鎮静作用)があります。ストレスを感じている時や、気持ちが落ち着かない時にも良さそうですね。
血行促進
セロリの香り成分の中には、血液の働きを良くするものも含まれています。
女性の方は特に、冷え性に悩んでいる方も多いと思いますが、ビタミンEの血行促進作用も含めて、効果的に摂取することで、より体の循環を健康にしてくれるでしょう。
しかし、逆に身体を冷やす効果もあると言われているので一概にも身体を温める効果がある野菜であるとはいえないでしょう。
またビタミンKの働きで動脈硬化の予防の効果も期待できるので血管に発生する病気を防ぐことが出来ます。
便秘の解消
セロリに含まれる豊富な食物繊維は、便秘に有効な効果をもたらしてくれます。食物繊維を多く摂取していない人は、腸内環境が悪くなりやすいですので、セロリなどの食物繊維を多く含む食べ物を摂取して、腸内環境を改善しましょう。
ダイエット効果
セロリは、豊富なミネラル、ビタミンを備えていますが、低カロリーなのが特徴でもあります。ダイエット中はビタミンや、栄養素が不足してしまいがちですが、セロリを摂ることで、効率的に栄養素を補給して、健康的にダイエットを行うことができるでしょう。
血圧を抑える
高血圧の症状がある人には嬉しい効果ですね。セロリにはカリウムが豊富に含まれているので、このカリウムが塩分の排出を促してくれます。さらにカリウムは不足すると歩けなくなったり、むくみの症状が強く現れたりします。
また飲酒や喫煙により摂取された有害な物質の排出もスムーズに行われるようになります。これはセロリに含まれるメチオニンという成分のおかげです。
肝機能を活性化させ解毒作用や利尿効果をアップさせることが期待できます。お酒をよく飲む人は積極的に摂取していきましょう。
ですが、逆に身体を冷やしてしまう可能性がありますので、風邪で不調の時や、体温が下がっている時は避けるようにしたほうが良いでしょう。
精力増強効果
元々食べられていたヨーロッパの中近東ではセロリは精力増強効果があるとして食べられていました。その他エジプトではミイラの防腐剤や防臭剤や香料や魔除けとしても使われていた歴史があります。
セロリにはアンドロステロンという男性ホルモンの成分が含まれているという情報もあり、このフェロモンの効果によって精力がアップする事が期待できます。また女性が男性ホルモンを摂取することでもそこからフェロモンを感じ取って興奮作用や女性のフェロモンが誘発されたりと言う効果があるだろうという説が唱えられています。
セロリのカロリー
沢山の栄養素を含んでいて美容や健康に最適な食材ですがセロリに含まれるカロリーはどれくらいのものなのでしょうか?気になりますよね。
ズバリ、セロリのカロリーは100gあたり15キロカロリーと非常に低カロリーな食材になります。もちろん野菜ですから低カロリーなのはわかっていましたが、ダイエットにも非常に向く食材であることも頷けますね。
また、セロリには過剰に摂取することで害になる、ヨウ素などの成分は含まれていないので安心してたくさん摂ることが出来ます。
どこまで食べれるの?
セロリはどの部分まで食べれるのか、初対面ではわからない人も多いのではないでしょうか?葉の部分は食べれるのかを見ていきましょう。
一般的にはセロリの葉は捨ててしまう場合が多いようですが、葉の部分も美味しくいただけます。香りと苦味が茎の部分よりも強く、香りが苦手な人は食べづらい印象があるかもしれませんが、ビタミンやミネラルは茎の部分よりも豊富に含まれていて栄養満点なんです。
さらにβカロテンに至っては茎の含有量の2倍も含まれています。ジュースにしたり、油で炒めたり、サラダに入れたり、スープに入れることで美味しくいただけます。
またカレーなどでみじん切りにしてセロリまるまる1本をみじん切りにして野菜の水分だけで作るカレーなんかもあります。
セロリのおすすめの調理法
セロリの栄養効果は高いのですが、いざ食べるとなると、やはり苦手という人も多いと思います。そこで、苦手な方でも食べやすいセロリの調理法を紹介いたします。調理方法によっては、苦手なお子さんなども、おいしくいただけるかもしれませんので、試してみてください。
セロリが苦手な人は、あの独特なくさみと、苦味が嫌だと思います。なので、基本的にはそれらを感じないように、調理すれば良いということですね。
細かく刻む
苦手な食材を食べる時の定番方法として、細かく刻んで食べるという方法があります。
細かく刻み、更にしっかり火を通して、加熱調理を行えば、独特の苦味とくさみを取り去ることができると思います。
セロリの成分はほとんどが水なので細かくみじん切りにすることで、水分がでてなめらかになります。
湯通しする
サラダなどにするときに、セロリのシャキシャキ感を残したいと思う方は、軽く湯通ししてみると良いでしょう。湯通しを行うだけでも、生のセロリ特有の苦味も抑えられます。
すりおろす
セロリをすりおろして、ジュース、スムージー、スープや、カレーなどに混ぜてみてもいいかもしれません。ただ、生のセロリの風味はあまり消えてくれないと思いますので、セロリの香りを料理に使いたい時に、すりおろして使うのが良いと思います。
すりおろすのが面倒な場合はミキサーで細くしてしまうのもいいでしょう。
火を通す
とにかく火を通すことによって、セロリの独特の苦味とくさみが抑えられます。セロリに含まれる栄養素を摂取したいけれど、どうしても苦手だという方は、基本的に加熱調理して食べてみると良いでしょう。
ごま油やオリーブオイルで炒める方法もおすすめです。香りが好きな人は軽く塩コショウを振るだけでも美味しくいただけるでしょう。
セロリのおすすめレシピ!
それでは、具体的なレシピをいくつか紹介したいと思います。苦手意識を持たれてる方も、一度、試してみてください。
セロリハンバーグ
材料 (4人分)
- 合いびき肉 300g
- セロリ 2本
- パン粉 1/2カップ
- 牛乳 1/4カップ
- 卵 1個
- 塩コショウ 少々
【作り方】
- セロリの茎、葉をみじん切りにします。
- ボウルに合いびき肉、みじん切りしたセロリを加えて、混ぜあわせます。
- 塩コショウ、牛乳に浸したパン粉、卵を加えて、ひき肉とセロリが馴染むまで、しっかりとこねます。まとまったら、生地を四等分して、空気を抜きながら、形を作ります。
- フライパンにサラダ油(分量外)を引き、強火で表面に焼き色をつけて、フタをして中火で片面5分ずつ、蒸し焼きにします。
- お皿に乗せて、セロリハンバーグの完成。
ポイント
やはり、セロリの特有の苦味やくさみを軽減するには、加熱調理が一番よいです。さらに、みじん切りしてハンバーグに入れることで、比較的多めにセロリを入れても、苦味が感じられないようになっています。
大根おろしを乗せて、醤油ベースの和風ソースも合うと思いますし、ワインをつかって洋風ソースにしても合うと思います。お好みのソースをかけて、付け合せを添えれば、栄養満点でおいしいハンバーグの完成です。
セロリのクリームスープ
材料(4人分)
- セロリ 1本
- じゃがいも 1個
- 玉ねぎ 1/2個
- 白ネギ 2本
- 水 300ml
- バター 10g
(b)
- 牛乳 500ml
- 顆粒チキンスープの素 大さじ1
- 塩コショウ 少々
- 生クリーム 大さじ2
- イタリアンパセリ 適量
【作り方】
- セロリは筋を引いて、水洗いし、ざく切りにする。じゃがいもは皮をむいて、セロリと同じ大きさに切る。玉ねぎは縦4つのくし切りにした後、横半分に切る。白ネギは根本を少し切り落として、縦半分に切り、2cmの長さに切る。材料(b)は合わせて、軽く混ぜておく。
- 鍋にバターを入れ、中火にかけて、バターが溶けたらセロリ、じゃがいも、玉ねぎ、白ネギを軽く炒め、水を加えて強火にする。煮立ったら、火を少し弱めて10分煮る。
- 鍋に材料bを加えて、3~4分煮る。塩コショウで味を整えて、あら熱を取った後、ミキサーで撹拌(かくはん)する。
- なめらかになったら、網に通しながら、鍋に戻して、弱火で温める。
- 器に注いで、生クリームをかけて、刻んだイタリアンパセリを散らしたら、完成。
ポイント
セロリはスープにすると、くさみや苦味を感じずに、おいしく頂けます。西洋料理によく合う野菜ですから、この他にもいろいろなスープのレシピが豊富にあると思います。また、中華スープにも、葉を使って、煮込んだりすると良いですね。
まとめ
今回は、セロリの栄養などについて紹介しました。セロリはやはり、苦手という人が多いようですが、栄養が豊富に含まれていますから、是非摂取したいですね。
この記事の調理法や、レシピなども一つの参考にしていただいて、調理方法にひと工夫加えて、苦手な方にも挑戦していただけたらと思います。
関連記事としてこちらの記事も御覧になってみてください。
・野菜ジュースって効果あるの?問題点と注意点を理解しておこう!