日本人の死因の中で一番多いのは「癌」によるものです。1980年代までは、脳血管疾患が一番多かったのですが、近年ではがんの方が多いのです。つまり、日本人のがんの発生率が上昇しているということです。
がんには様々な種類があり、大腸がんは男性で3番目に多いがんであり、女性で1番多く発生するがんなのです。しかし、大腸がんは早期に発見することが出来れば治すことも可能ながんです。
今回は、大腸がんについての記事を書いています。癌を予防したいと思っている人や症状が知りたい人はぜひ読んでみてください!
大腸がんの原因
では、大腸がんを誘発する原因である生活習慣を紹介します。心当たりのある方は改善するようにしてください。
①食生活
大腸がんが増えた原因として考えられるのが食生活の変化です。
一昔前は米や魚、野菜が日本人の食生活の中心でしたが、近年の食生活は肉や揚げ物などが多い欧米化しています。これらの食事はたんぱく質や脂肪分が多く含まれています。
脂肪分やカロリーの高い食事を続けると胃腸で消化されにくくなってしまい、大腸に便が長時間溜まってしまいます。便には発がん性物質が含まれているので大腸がんが発生しやすくなってしまうのです。
もちろん、 全く食べない方が良いかといわれるとそうではありません。食事が偏ってしまわないように注意する必要があります。食生活が欧米化してしまうことで、食物繊維が不足しないように気をつけましょう。
食物繊維が不足してしまうと、便秘になりやすくなります。特に女性は便秘になりやすく、大腸がんが女性に多く発生する原因とうかがえます。便秘になると便が腸に留まる期間が長くなるために、発がん性物質が発生しやすくなるのも原因の一つといえるでしょう。
また、脂肪を消化する際に胆汁の分泌が増加し、腸の中で細菌が胆汁酸を分解するときに発がん性物質が発生するともいわれています。
このように、食生活の変化は大腸がんが増えた要因として十分に考えられます。大腸がんを予防するために普段の食生活を見直してみましょう!
②アルコールの過剰摂取
お酒を日頃から多く飲んでいる人は、がんが発生しやすくなる傾向にあります。
アルコールを分解するときに「アセトアルデヒド」という物質が発生します。このアセトアルデヒドは、頭痛や吐き気、顔が赤くなるなどを引き起こす物質です。このアセトアルデヒドが、がんの発生と密接な関係にあるのです。
さらに、アセトアルデヒドを分解するときに活性酸素が多く発生します。活性酸素の割合が増えてしまうと、細胞の核酸を生産するために必要な「葉酸」という物質が破壊されます。そうなると、核酸が上手く作られなかったり、修復が上手く作用せずにがんが発生しやすくなるという見解もあるのです。
それ以外にも、アルコールの摂取のし過ぎは体に負担をかけてしまいます。お酒を飲むときはほどほどにしましょう。
③タバコの喫煙
タバコとがんの関係は有名ですよね。どちらかというと、肺がんや胃がんだけに関係がありそうですが、大腸がんの原因にもなります。
タバコを吸うことで、煙が直接大腸に触れることはありませんが、粘膜から発がん性物質が検出されてしまいます。直接触れる肺や喉に比べると影響力は低いですが、大腸がんになるリスクも上がってしまいます。
なんと喫煙者は吸わない人と比べて、7倍も大腸がんの発生率が高くなってしまうのです。喫煙している人は、がんになるリスクを下げたいのであれば絶対的に禁煙するべきなのです。
④運動不足
出典:http://www.wbur.org
運動不足も大腸がんの原因の一つど考えられています。
運動不足の人は、大腸の動きも鈍くなりやすいことが原因です。大腸の働きが低下してしまうと、消化機能の働きも低下してしまい、便が腸に留まる時間が長くなります。そうなると、発がん性物質の接触時間も伸びてしまうので、自然とがんの発生率が高くなってしまうのです。
特に近年は、デスクワークやパソコンでの仕事が増えたために、運動不足の人は増加しています。運動不足に陥らないように、日頃から軽い運動を取り入れることでがんのリスクを下げることが出来ます。
高齢者や女性の方は、運動不足の人が多いので積極的に取り入れましょう。
⑤肥満
出典:http://healthland.time.com
肥満の人は、大腸がんになるリスクが高くなるので注意しましょう。
肥満体質の人は脂肪が人よりも多く蓄積されている状態です。そうなると、大腸にかかる負担も大きくなってしまい、腸内細菌のバランスが崩れてしまいます。厚生労働省によると、肥満が大腸がんの原因になるのは男性であり、女性は肥満が原因で大腸がんになるリスクが高くなることは認められなかったようです。しかし、女性の方でも肥満体質の人は普段の食生活が偏っている可能性が大いにあり、便秘になりやすいので注意しましょう。
さらに、肥満体質の人は膵臓からインスリンが多く分泌されてしまいます。インスリンは大腸がんの原因と言われており、過剰に分泌されている人は大腸がんのリスクが約3倍になります。これは、インスリンが多く分泌されることで、細胞の生まれ変わるスピードも早くなってしまい、がん化する細胞の発生率が高くなってしまうためです。
肥満は健康的にもマイナスなことが多いので、なるべく改善するようにしましょう。
⑥遺伝
実は、がんには遺伝するものとしないものに分けることが出来ます。食道がんや胃がんは、遺伝傾向が弱いのですが、大腸がんは遺伝傾向が強いのです。大腸がんの半分が遺伝によるものだと推測されているというデータもあります。
また、大腸に出来るポリーブも遺伝しやすいものです。両親にポリーブを過去に取り除いたことがある場合は、ポリーブの発生率も高くなってしまいます。
遺伝によるものは予防することが難しいですが、自分が大腸がんになりやすいと知っていることで早期に気づきやすくなります。
大腸がんの症状
出典:http://www.livescience.com
がんは、早期に発見することが大事になります。症状を知っておくことで早期に発見できる可能性が高くなるので把握しておきましょう。
大腸がんは、がんの発生する場所によって2つに分けることができます。肛門付近にある直腸で発生したがんを「直腸がん」それ以外の場所で発生したがんを「結腸がん」の2つに分ける事ができます。症状が若干変わってくるので注意しましょう。
◆直腸がんの症状
直腸がんの症状は、
・直腸に腫瘍が出来るため違和感を感じる
・大便がしたくなる回数が増え、下痢になりやすい
・大便に混じっていない血が肛門から発生する。直腸から直接出血されていることがある。
などが挙げられます。ただし、この時にはがんも大きくなっている場合がほとんどです。違和感を感じだしたらすぐに病院へ行きましょう。
◆結腸がんの症状
結腸がんの症状は、
・がんが進行すればするほど痛みも激しくなる
・S時の部分にがんが発生すると大便が細くなる
・疲労を感じやすくなり、お腹が張っている感じが続く
などが挙げられます。お腹の張りや痛みを慢性的に感じる場合は、がんの可能性を疑いましょう。
◆初期症状
大腸がんは初期症状を感じにくく、自覚しにくいがんです。初期症状を知っておき、早期に気づくことが出来るようにしましょう。初期症状は、
・血便
・下痢と便秘が続く
・大便が細くなる
・排便をしても違和感が残る
・お腹が張る
・腹痛を感じやすくなる
・貧血になりやすい
・体重が減る
といったものが挙げられます。なかなか気づきにくいですが、普段と違う感じが続くようであれば一度病院へ行くのが良いでしょう。
まとめ
大腸がんの原因
・食生活
・アルコールの過剰摂取
・タバコ
・運動不足
・肥満体質
・遺伝
大腸がんの症状
◆直腸がんの症状
・違和感を感じる
・大便が増える
・下血が発生する
◆結腸がんの症状
・がんの進行と共に痛みも増す
・S字部分にがんが発生すると便が細くなる
・お腹の張りを感じる
◆初期症状
・血便
・下痢と便秘
・便が細くなる
・違和感を感じる
・お腹の張り
・腹痛が多く発生する
・貧血
・体重が減る
以上が今回の記事のまとめになります。
大腸がんの原因は様々ですが、多くは食生活が変化して便が上手く排出されないことが原因です。便秘が続く人は改善するようにしましょう。また、普段の食事から積極的に食物繊維を摂取して排便を促しましょう。
大腸がんは自覚しないまま進行することが多いがんです。自分はがんとは関係ないと思わずに、疑うことも大切なのです。
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