牡蠣アレルギーの症状を知ろう!原因やメカニズムは?食中毒との違いを紹介!

「牡蠣アレルギー」という言葉は、なかなか耳にすることが無い言葉ですよね。牡蠣(カキ)は一般的に冬場に旬を迎え、生カキやカキフライが好物という人たちも少なくありません。そんな美味しい牡蠣が、食物アレルギーを引き起こす可能性を有しているらしいのです。

近年、食物アレルギーに関するニュースや情報を耳にする機会が多くなっています。現在では学校給食でも食物アレルギーの確認が必須となっていますし、牛乳・卵・小麦・そば・大豆・落花生(ピーナッツ)・甲殻類(エビ・カニ)など食物アレルギーの原因となりやすい食べ物や食品については、食品衛生法によって表示義務が課されています。

しかしながら、牡蠣が食物アレルギーの原因になりうることについては、聞いたことが無いという人も多いのではないでしょうか?そこで今回は、牡蠣アレルギーの症状、牡蠣アレルギーの原因やメカニズム、牡蠣アレルギーの対処方法などについて、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。

食物アレルギーに関する基本知識

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そもそも食物アレルギーとは、どのような病気なのでしょうか?牡蠣アレルギーについて理解するには、食物アレルギーに関する知識を知っておく必要があるでしょう。

そこで、まずは食物アレルギーに関する基本知識について、ご紹介したいと思います。

食物アレルギーとは?

食物アレルギーとは、原因となる食物を摂取した後に、人間に備わる免疫システムが過剰反応することによって現れる不利益な症状のことを言います。

別の言い方をすれば、食物アレルギーは、原因食物によって引き起こされるアレルギー反応と言うこともできます。

食物アレルギーの症状

食物アレルギーでは様々な症状が現れますが、原因食物や患者の体質によっては、アナフィラキシーショックが現れて死の危険性を招くこともあります。具体的な症状としては、次のような症状が現れる可能性があります。

  • 皮膚症状:蕁麻疹(じんましん)、皮膚のかゆみ。
  • 呼吸器系の症状:咳(せき)、唇や口腔粘膜の腫れ、喉(のど)や気管の腫れ、呼吸困難。
  • 消化器系の症状:吐き気、嘔吐、腹痛、下痢。
  • ・ナフィラキシー反応。
アナフィラキシー反応

アナフィラキシー反応とは、急性かつ全身性の重度なアレルギー反応のことです。アナフィラキシー反応では、突発的にアレルギー反応が全身に現れるため、皮膚症状・呼吸器系の症状・消化器系の症状が同時多発的に発症します。そして、呼吸困難や血圧低下によって意識不明に陥り、ショック症状を呈することをアナフィラキシーショックと言います。

食物アレルギーの原因とメカニズム

食物アレルギーの原因は、原因食物の過剰摂取と人に備わる免疫システムにある、というのが医学的に定説とされています。

ただし、同じ食物を過剰に摂取してもアレルギー症状が現れない人もいるため、発症メカニズムが完全に明らかになっているとは言えず、未知な部分も多少残っていると言えます。

免疫システムについて

人には免疫システムが備わっており、この免疫システムによって人体はウイルスや細菌などから守られています。

この免疫システムの根幹が、抗原抗体反応です。人体にとって異物となる抗原(アレルゲン)が体内に入ると、抗原に対応した抗体が体内で作られます。次に同じ抗原が体内に入ってくると、それに対応した抗体がその抗原に結合します。そして、その抗体と抗原の結合物に対して、リンパ球などの免疫細胞が攻撃して処理をします。このような一連の反応のことを、抗原抗体反応と言います。

例えば、人体にとって異物となるウイルスが体内に侵入すると、ウイルスに対応した抗体が作成され、そのウイルスについては身体の防備が固くなるのです。様々な予防接種は、抗原となる物質(ワクチン)を投与して、人為的に体内に抗体を作成させて病気が重症化することを防いでいるわけです。

この抗原抗体反応が正常に働く限りは、免疫システムによって人体はウイルスや細菌から保護されます。

食物アレルギーのメカニズム

アレルギーは免疫システムの過剰反応、あるいは異常な免疫反応のことです。そして、食物アレルギーは、前述のように原因食物を摂取した後に、免疫システムが過剰反応することによって現れる不利益な症状のことです。

そもそも人が食べる食物は、ウイルスや細菌ではなく人体に無害なので、基本的には抗原(アレルゲン)とはなりません。しかしながら、なぜか食品に含まれるタンパク質などが人体にとって有害な異物であると認識されることがあり、そのタンパク質などに対応する抗体が作成されてしまうことがあるのです。その結果、再度その食品を摂取すると、抗原抗体反応が働いてしまい、免疫システムによる身体の防御反応が生じるのです。

そして、アレルギー物質を体内から排除する防御反応として、様々なアレルギー症状が現れるわけです。このような身体に無害な物質にまで免疫システムが過剰に反応してしまうことが、アレルギー反応なのです。

ちなみに、人体に無害な花粉やハウスダストを抗原とするアレルギー反応が、花粉症やアレルギー性鼻炎であり、そのメカニズム自体は食物アレルギーと変わりません。

牡蠣アレルギーの症状

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それでは、このような食物アレルギーに関する基本知識を踏まえて、牡蠣アレルギーになると、どのような症状が現れるのでしょうか?

また、牡蠣などの貝類を食べると、食中毒で吐き気・嘔吐・腹痛・下痢といった消化器系の症状が現れることがあります。食物アレルギーの消化器系の症状と似ていますが、食物アレルギーと食中毒との間には、どのような違いがあるのでしょうか?

牡蠣アレルギーの症状

牡蠣アレルギーも食物アレルギーの一つであり、基本的に前述のような食物アレルギーの症状が現れる可能性があります。具体的には、次のような症状が現れる可能性があります。

  • 皮膚症状:蕁麻疹(じんましん)、皮膚のかゆみ。
  • 呼吸器系の症状:咳(せき)、唇や口腔粘膜の腫れ、喉(のど)や気管の腫れ、呼吸困難。
  • 消化器系の症状:吐き気、嘔吐、腹痛、下痢。
  • アナフィラキシー反応。

このようなアレルギー症状のうち、牡蠣アレルギーで最も多く現れるのが皮膚症状で、皮膚のかゆみが現れて、酷い場合には全身に蕁麻疹が現れます。

皮膚症状に次いで現れやすいのが呼吸器系の症状とされていて、喉の粘膜や気管が腫れることにより息苦しさを感じることがあるようです。牡蠣というと食中毒をイメージするためか消化器系の症状が多そうに思えますが、実は牡蠣アレルギーでは発症者全体の約1割強にとどまるとされています。

これらの牡蠣アレルギーの症状の現れ方には個人差があり、皮膚のかゆみや口・喉などの不快感といった軽度な場合もあれば、場合によってはアナフィラキシー反応が生じて生命が危機的状態に陥るケースもありますので注意が必要です。

牡蠣による食中毒との違い

牡蠣などの魚貝類を食べると、食中毒になる可能性があることは良く知られています。これは、貝類が溜めこむ貝毒の存在と生食する機会が多いことに関係しています。

たしかに、牡蠣アレルギーでも牡蠣による食中毒でも、吐き気・嘔吐・腹痛・下痢といった消化器系の症状が現れることがあり、その症状は似ていると言えます。そこで、牡蠣アレルギーと牡蠣による食中毒について、症状の違いを見分けるポイントをご紹介します。

牡蠣による食中毒とは?

牡蠣による食中毒で現れる症状は、吐き気・嘔吐・腹痛・下痢といった消化器系の症状に加えて発熱を生じることがあります。

牡蠣による食中毒の原因は、大きく二つの原因に分類することができます。原因の一つは、牡蠣がその身に溜めこむ貝毒です。貝毒とは、牡蠣がエサとして捕食する海水中のプランクトンのうち、有毒プランクトンの毒性が牡蠣の内部に蓄積したものです。

もう一つの原因は、牡蠣に付着する海水に含まれる細菌やウイルスです。食中毒を発生させる細菌やウイルスは、主に次の通りです。

  • 細菌:腸炎ビブリオ、大腸菌、赤痢菌、黄色ブドウ球菌。
  • ウイルス:ノロウイルス。

牡蠣による食中毒との違い

牡蠣アレルギーと牡蠣による食中毒について、症状の違いを見分けるポイントをご紹介します。ただし、正確に見分けるためには、素人判断をせずに病院を受診して医師の診断を仰いでください。

皮膚症状と呼吸器系の症状の有無

食中毒の場合に現れる症状は、吐き気・嘔吐・腹痛・下痢といった消化器系の症状と発熱です。

それに対して、牡蠣アレルギーの場合は、消化器系の症状の他にも皮膚症状や呼吸器系の症状も現れる可能性があります。しかも、前述のように牡蠣アレルギーでは皮膚症状や呼吸器系の症状が現れることが多く、消化器系の症状の発症はあまり多くありません。

ですから、消化器系の症状に加えて、皮膚症状と呼吸器系の症状が現れている場合は、牡蠣アレルギーの可能性が高いと言えるでしょう。

牡蠣料理の加熱の有無

牡蠣アレルギーは、牡蠣に含まれるタンパク質に免疫システムが過剰反応するので、加熱料理と非加熱料理(生食)のいずれでも発症する可能性があります。しかも、牡蠣を塩茹でして牡蠣のエキスを煮詰めた加工品であるオイスターソースでも、牡蠣のタンパク質成分が含まれることに変わりはないので、牡蠣アレルギーが発症する可能性があります。

これに対して、細菌やウイルスが原因の食中毒は、基本的に非加熱で生食した場合に発症する可能性が高くなります。細菌やウイルスは基本的に熱に弱いので、加熱調理をして火がしっかりと通っていれば発症可能性は限りなく低くなります。

ただし、貝毒が原因の食中毒は、加熱しても貝毒の毒性は無くなりませんので、加熱料理と非加熱料理のいずれでも、発症可能性が残ります。

症状が繰り返し現れるか否か

牡蠣アレルギーは、抗原抗体反応によって抗体が作成されれば、その後は牡蠣を食べる度に免疫システムが過剰反応をして、アレルギー症状が現れます。つまり、牡蠣アレルギーの場合は、牡蠣を食べる度にアレルギー症状が、繰り返し現れる可能性があります。

これに対して、牡蠣による食中毒の場合は、日本の衛生環境や食品衛生法に基づく加工基準を考えれば、国内産の牡蠣を日本国内で食べる限り何度も繰り返し食中毒になる可能性は非常に低いと言えるでしょう。

牡蠣摂取後から発症までの時間では明確に区別できない

牡蠣アレルギーでは、牡蠣の食後約1~2時間でアレルギー症状が現れる即時型(I型)が多いとされますが、食後数時間以上経過してからアレルギー症状が現れる遅延型(非I型)のケースもあります。

一方で牡蠣による食中毒では、貝毒や細菌が原因の場合には食後約1~2時間程度で症状が現れはじめることが多いのですが、ウイルスが原因の場合には1~2日程度の潜伏期間を経て発症することが多いとされます。

ですから、牡蠣摂取後から発症までの時間によって、牡蠣アレルギーと食中毒を明確に区別することはできないでしょう。

牡蠣アレルギーの原因

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このように軽度なアレルギー症状から、場合によっては重篤なアナフィラキシーショックを起こす可能性のある牡蠣アレルギーですが、どのようなことが原因となっているのでしょうか?

そこで、牡蠣アレルギーの原因について、ご紹介したいと思います。

牡蠣アレルギーの原因とメカニズム

牡蠣アレルギーも食物アレルギーの一つであり、基本的に前述のような食物アレルギーの原因とメカニズムによって、牡蠣アレルギーが発症します。つまり、牡蠣アレルギーの原因は、牡蠣の過剰摂取と人に備わる免疫システムにあるわけです。

ただし、繰り返しになりますが、牡蠣を過剰に食べてもアレルギー症状が現れない人もいるため、牡蠣アレルギーの発症メカニズムについては未知な部分も残っているのです。

ちなみに、牡蠣を食べていて突然アレルギー症状が発症するのは、牡蠣が大好きなあまりに過剰摂取を続けることによって、身体が牡蠣のタンパク質を異物と認識してしまい、体内に抗体が作成されて抗体の量が一定以上になると発症するとの仮説が有力とされています。

牡蠣アレルギーの原因物質

牡蠣アレルギーを引き起こす直接的な原因物質は、牡蠣の身に含まれるトロポミオシンというタンパク質だと考えられています。

トロポミオシンはタンパク質の一種で、基本的に人間を含む生物の筋肉・筋線維の中に広く含まれる物質です。トロポミオシンは、筋肉の収縮をするにあたって重要な役割を担っているとされます。

このトロポミオシンには多くの種類が存在し、アレルギーを引き起こす抗原(アレルゲン)となりやすい種類とそうでない種類があるとされ、牡蠣に含まれるトロポミオシンは抗原(アレルゲン)になりやすい種類とされます。

ちなみに、甲殻類アレルギーやハウスダストによるアレルギーも、甲殻類(エビ・カニ)やハウスダストの中のダニ類に含まれるトロポミオシンが抗原(アレルゲン)となって引き起こされます。

牡蠣アレルギーの対処方法

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それでは、実際に牡蠣アレルギーが疑われる症状が現れたら、どのように対処すれば良いのでしょうか?皮膚のかゆみや、呼吸の息苦しさ、あるいは腹痛や下痢などが現れると、日常生活にも影響が及びかねませんし、何より精神的にも不安になってしまいます。

そこで、いざという時に焦らないためにも、牡蠣アレルギーの対処法について、ご紹介したいと思います。

病院を受診して医師の診断を仰ぐ

牡蠣アレルギーが疑われる症状が現れて、少しでも「何かおかしいな」と思ったら、病院を受診して検査を受け、医師の診断を仰ぐことが何よりも大切です。受診すべき病院は、かかりつけの内科や子供の場合は小児科でも良いでしょう。蕁麻疹などの皮膚症状が主症状の場合には、皮膚科でも問題ありません。

ただし、アナフィラキシー反応が生じている際には、救急病院へ急ぐか、救急車の依頼をしたほうが良く、一刻も早い治療が必要です。

アレルギーの有無を確かめる検査方法

病院を受診すると、アレルギーの有無を確かめる検査が実施されます。基本的には、血液検査となりますが、より詳細な抗原(アレルゲン)を調べるために皮膚テスト(パッチテスト)・食物除去試験・食物負荷試験などが追加で実施されることもあります。

  • 血液検査
  • 皮膚テスト:原因物質の成分を含む薬液を皮膚に塗布して、皮膚反応を確認する検査。
  • 食物除去試験:2週間程度の間、原因食物を一切断ち、症状の推移を確認する検査。
  • 食物負荷試験:原因食物を摂取して、症状が発症する摂取量を確認する検査。

牡蠣アレルギーの治療方法

牡蠣アレルギーによってアレルギー症状が現れた場合の治療法は、基本的に症状に応じた対症療法となります。

牡蠣を食べてから間もない場合は、可能ならば牡蠣を吐き出すなど原因食物の除去が望ましいですが、無理をして吐き出す必要はありません。その上で、症状が皮膚のかゆみなど軽度の場合は、抗ヒスタミン薬を服用をして、安静にして経過観察となります。全身性の蕁麻疹・呼吸器系の症状・消化器系の症状が現れる場合は、抗ヒスタミン薬やステロイド剤の服用と安静が必要になります。

アナフィラキシー反応が生じる重度の場合は緊急性があり、効果が出るのに一定の時間を要する抗ヒスタミン薬やステロイド剤の服用では間に合わず、「エピペン」という商品名のアドレナリンを筋肉注射する治療法が実施されるのが一般的です。

牡蠣アレルギーの予防方法

牡蠣アレルギーも含め食物アレルギーが一度でも発症すれば、それ以降は基本的に原因食物(牡蠣)を一切食べないことが、食物アレルギー(牡蠣アレルギー)の予防方法となります。抗原抗体反応で自分の身体が、牡蠣のタンパク質に過剰反応してしまう以上、牡蠣を一切断たなければならないことは仕方ないでしょう。

残念ですが、家で料理をする際に調味料としてオイスターソースを使用することも、牡蠣のエキスが出てしまうので鍋料理に牡蠣を入れることも避けなければなりません。もちろん、牡蠣エキスの入ったサプリメントなども、避ける必要があるでしょう。

減感作療法・アレルゲン免疫療法について

このように一度でも牡蠣アレルギーを発症すると、基本的には牡蠣を食べられなくなります。と言っても、それまで牡蠣が大好物であった人にとっては、とても耐え難いことかもしれません。

そこで、食物アレルギーを根治させる治療法として、減感作療法またはアレルゲン免疫療法という治療法が注目されています。減感作療法・アレルゲン免疫療法とは、簡単に言うと、抗原(アレルゲン)である牡蠣のタンパク質の成分を少しずつ皮下注射して、身体を抗原(アレルゲン)に慣れさせる治療法です。

この減感作療法・アレルゲン免疫療法は、花粉症治療では既に広く知られていますが、食物アレルギーでは様々な原因食物で研究が進んでいる最中です。関心のある人は、かかりつけの医師やアレルギー科のある病院などに相談してみると良いかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?牡蠣アレルギーの症状、牡蠣アレルギーの原因やメカニズム、牡蠣アレルギーの対処方法などについて、ご理解いただけたでしょうか?

牡蠣は「海のミルク」と称されるほど栄養豊富で、非常においしい食べ物です。それゆえ、牡蠣が大好物の人の中には、大量に牡蠣を食べる人もいるかもしれません。しかしながら、牡蠣を過剰摂取していると、牡蠣アレルギーになってしまう可能性があるのです。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という諺(ことわざ)にもあるように、いくら牡蠣が栄養豊富であっても、牡蠣の食べ過ぎは良いこととは言えないのかもしれませんね。

牡蠣アレルギーになると、場合によってはアナフィラキシー反応が生じて、命の危険に晒されかねません。ですから、牡蠣が大好物の人も、ほどほどに牡蠣を楽しむことが肝要だと言えるのではないでしょうか。

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